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リバー国
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「ミラ、なんかいい案はないか?」
「んーちょっと気になったんですけど、シン国ってどんな国なんですか?お刺身があるってすっごく気になるんですけど…」
私の中ではこのお刺身が食べられる国のイメージなんて前世の記憶でしかない、私がいたところだ。
「シン国か?ちょっと閉鎖的な国だからな、俺達もあんまり知らないんだ…今回急に向こうからのアプローチがあってなぁ、シン国が他の国と同盟を組む事は初めてなんだよ」
「他にどんなものが国民食とかあるのかな?」
「それは…すまん。分からない」
「んー」
私は腕を組んで考える。
でもお刺身食べるなら日本食は避けて見るか…
「お刺身を使ったアレンジでカルパッチョってあります。サラダにお刺身を載せてオイル系のソースをかけて食べるんですが…オイルは植物系から取るんですけど…」
あの時はハーパーがノアちゃんから出してくれたんだよね…
「オイルか…今から用意するとなると大変だな」
「知り合いに頼めば用意出来るけど…」
「なに!じゃあそいつをすぐに呼んでくれ!」
「無理、おいそれと呼べるところに居ないんだ…」
「国の問題だぞ、呼べないとか言ってる場合じゃない!」
「その人が居るの収容所でも?」
「ミラ!」
ビオスさんがピンと来たのかそれ以上言うなと声をかけてきた。
「君は黙っていなさい」
ビオスさんが止められてしまうと
「収容所にそのオイルを作れるヤツが居るのか?」
コクッ…
私は頷いた。
「よし!なら今俺の権限でそいつを出してやる!今すぐ連れてくるんだ!」
「王子!収容所に居ると言うことは犯罪者なのですよ、そんな者を出していいのですか!?」
兵士が止めると
「それを言うなら俺もだ」
ビオスさんがギロっと兵士を睨んだ。
「しっかりと拘束して連れてくればいいだろう!それよりもこちらの問題は国を揺るがす問題になる…ここでシン国と蟠りが出来て戦争なんて事になってみろ」
「ハーパーはちゃんと話をすればわかってくれる人です!手荒な事はしないで下さい…それが出来ないなら私も料理を教える気は無いです!それで捕まるとしても!」
私は王子と兵士達をじっと見つめた。
「ミラを捕まえるって話になるなら俺ももう協力はしねぇからな」
ビオスさんがしっかりと私の肩を掴んだ。
「もちろん俺もです」
パッドさんまで…
「二人は駄目だよ!大人なんだから捕まちゃうよ!私なら…ほら子供だしちょっと遠くの収容所とかに入れられるくらいですむでしょ?」
「いえ、子供のミラさんにそんな事をさせられません。それなら私が責任を負います」
サミュエルさんまで何故か私の味方をすると言い出した。
「サミュエルさんがそんなことになるなら俺達も黙ってません。その子には俺達も教えられましたから」
厨房内の料理人達が睨みつけながら王子達と敵対してしまった。
「おいおい!まだミラに何かするなんて言ってないだろ!それに俺だってそんな責任を取らせることはしない!そのハーパーってのに何かあったら全責任は俺が負うから安心しろ」
ファイ王子は苦笑して兵士達と料理人をなだめた。
「だから急いでそいつを呼んできてくれ!今回の食事会は改めて開かせてもらうとシン国に提案してくる」
王子はそういうと兵士達に指示を出して厨房を飛び出していった。
「んーちょっと気になったんですけど、シン国ってどんな国なんですか?お刺身があるってすっごく気になるんですけど…」
私の中ではこのお刺身が食べられる国のイメージなんて前世の記憶でしかない、私がいたところだ。
「シン国か?ちょっと閉鎖的な国だからな、俺達もあんまり知らないんだ…今回急に向こうからのアプローチがあってなぁ、シン国が他の国と同盟を組む事は初めてなんだよ」
「他にどんなものが国民食とかあるのかな?」
「それは…すまん。分からない」
「んー」
私は腕を組んで考える。
でもお刺身食べるなら日本食は避けて見るか…
「お刺身を使ったアレンジでカルパッチョってあります。サラダにお刺身を載せてオイル系のソースをかけて食べるんですが…オイルは植物系から取るんですけど…」
あの時はハーパーがノアちゃんから出してくれたんだよね…
「オイルか…今から用意するとなると大変だな」
「知り合いに頼めば用意出来るけど…」
「なに!じゃあそいつをすぐに呼んでくれ!」
「無理、おいそれと呼べるところに居ないんだ…」
「国の問題だぞ、呼べないとか言ってる場合じゃない!」
「その人が居るの収容所でも?」
「ミラ!」
ビオスさんがピンと来たのかそれ以上言うなと声をかけてきた。
「君は黙っていなさい」
ビオスさんが止められてしまうと
「収容所にそのオイルを作れるヤツが居るのか?」
コクッ…
私は頷いた。
「よし!なら今俺の権限でそいつを出してやる!今すぐ連れてくるんだ!」
「王子!収容所に居ると言うことは犯罪者なのですよ、そんな者を出していいのですか!?」
兵士が止めると
「それを言うなら俺もだ」
ビオスさんがギロっと兵士を睨んだ。
「しっかりと拘束して連れてくればいいだろう!それよりもこちらの問題は国を揺るがす問題になる…ここでシン国と蟠りが出来て戦争なんて事になってみろ」
「ハーパーはちゃんと話をすればわかってくれる人です!手荒な事はしないで下さい…それが出来ないなら私も料理を教える気は無いです!それで捕まるとしても!」
私は王子と兵士達をじっと見つめた。
「ミラを捕まえるって話になるなら俺ももう協力はしねぇからな」
ビオスさんがしっかりと私の肩を掴んだ。
「もちろん俺もです」
パッドさんまで…
「二人は駄目だよ!大人なんだから捕まちゃうよ!私なら…ほら子供だしちょっと遠くの収容所とかに入れられるくらいですむでしょ?」
「いえ、子供のミラさんにそんな事をさせられません。それなら私が責任を負います」
サミュエルさんまで何故か私の味方をすると言い出した。
「サミュエルさんがそんなことになるなら俺達も黙ってません。その子には俺達も教えられましたから」
厨房内の料理人達が睨みつけながら王子達と敵対してしまった。
「おいおい!まだミラに何かするなんて言ってないだろ!それに俺だってそんな責任を取らせることはしない!そのハーパーってのに何かあったら全責任は俺が負うから安心しろ」
ファイ王子は苦笑して兵士達と料理人をなだめた。
「だから急いでそいつを呼んできてくれ!今回の食事会は改めて開かせてもらうとシン国に提案してくる」
王子はそういうと兵士達に指示を出して厨房を飛び出していった。
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