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共同作業

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パッドさん、ビオスさんは早速魚を掴むと周りを気にすることなく捌き出した!

皆も作業をしながらどんな腕前かとチラチラと伺っている様子が見れる。

サミュエルさんがため息を少しだけついたが何も言わずにその様子を見守っている。

二人の事を見せた方が早いと判断したのかもしれない、その結果皆が手を止めパッドさんたちの包丁捌きに見とれていた。

あの後も何度か練習してパッドさん達は見事に魚を捌けるようになっていた。

二人は集中するあまり皆の視線に気がついて無いようだ。

「すまん!誰かこれを」

綺麗に捌いた魚を盛り付けると皿を差し出した。

「は、はい!」

すると近くで見ていた料理人がそれを慌てて受け取る。

「あっちに運んでおいてくれ、それは隣国の方達の分になる」

「わかりました!」

「はい、次の魚です!鱗は取ってあります」

すると魚の処理をしていた人がパッドさん達に魚を持ってきた…

「悪い!ありがとな」

「いえ…先程は失礼な態度をとってしまい、すみませんでした。その包丁捌きはどこで?」

「これか?これはあそこにいるミラに教えて貰いながら覚えたんだ!まぁ後は練習あるのみだな!」

「あの子が…やはり料理長が言っていた事は本当だったんだ…」

会話に耳を傾けていた人達がいっせいにこちらを見た。

「うっ…」

「もしかした…城下で流行ってるコロッケもあの子が?」

「お、察しがいいな!その通りだよ、あの子が考えて俺達で試行錯誤して作ったんだ」

「俺もコロッケ…食べました。屋台によって味が違うのもすごくよかったです、何よりあの調理法に驚かされました」

「だよな、俺も初めて聞いた時は驚いたよ」

「あの子何者なんですか?料理に厳しいサミュエルさんが絶賛するなんてよっぽどですよ」

「そうか…サミュエルさんは本当に見る目があるな」

何やらビオスさん達が料理人達と楽しそうに話している。

その顔は誇らしそうにしていた!きっと料理の事を褒められたに違いない!

私はその様子をニコニコと眺めていた。

ビオスさんやパッドさんの料理の腕のおかげで厨房の様子がさっきよりも穏やかになったが真剣な張り詰めた様子は変わらない。

ある程度準備を終えると…

「準備は大丈夫でしょうか?今陛下達の顔合わせも終えたのでこれから会食となりますが…」

ロードさんが準備はどうかと厨房に顔を出した。

「はい、いつでも大丈夫ですよ」

サミュエルさんが自信満々に頷くと

「よろしい、では毒味係が参りますのでよろしくお願い致します。一人は我が国から、もうひと方は隣国からの方となります」

「わかりました」

サミュエルさんが頷くと

「では料理は必ず二品作ること!並べて置けばあとは毒味係がやるので手を出さないように」

「はい!」

さらに慌ただしくなる厨房だったが私はサミュエルさんの言った毒味係が気になっていた。
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