収容所生まれの転生幼女は、囚人達と楽しく暮らしたい

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依頼

ファイ王子とロードさんは料理を堪能して余計な話を置いていき、王宮へと帰って行った。

別に何か言われるわけもなくその後はただ雑談をして帰って行ったので少し拍子抜けしたが私にはそんな事に構ってる暇はない。

やるべき事の為に今は少しでもあの店の評判をあげないと…

それからしばらくはファイさんは屋敷に顔を出さなかった。

その為時間が出来たので新メニューなどを考えていると…その日お店から帰ってきたイーサン様達の顔色が優れなかった。

出迎えに行った皆が心配そうにしているが声をかけられないでいる。なので私が一番に声をかけてあげた。

｢おかえりなさい…イーサン様何かありましたか？｣

イーサン様が私を見下ろすと…力なく微笑みながらため息をついた。

｢それが…今度隣国との会合での食事をうちの店が仕切ってくれないかと王宮からの命令で…｣

あっ…あの話お店の方にいったんだ。

私は数日前のファイさん達の会話を思い出す。

｢パッドと、ビオスが王宮の厨房に行って料理を作ってくれと…｣

｢へー！凄いことなんじゃ…パッドさん達はなんて言ってるんですか？｣

｢二人ともそんな責任あること出来ないと…しかも料理は自分達のものではないからと｣

｢断るんですか？｣

｢いや…王宮からの命令だ。背けばそれなりの罰があると思う…｣

｢えー！？なら受けないと！｣

二人が裁かれるなんて嫌だ！

｢そうなんだけど…あの二人頑固で…しかも料理の事となると更に…｣

｢なるほど…それで二人はどこにいるんですか？｣

｢ミラージュでどうするかもう少し考えてくれと置いてきた…があの二人が首を縦に振る姿が想像出来ないよ｣

そう言ってまたため息をつく。

｢その責任…っていうのはどうにかならないんですか？王宮にも料理長とかはいるんですよね？パッドさん達も作るけどその方と組むとか？｣

｢そうだね…少し提案してみよう｣

イーサン様が頷くと再び店に戻ろうとじゅんびする。

｢えっ？今からまた行くんですか？｣

｢ここにいても心配で休まらないからね。もう少し話して来るよ｣

私は少し考えると…

｢なら、私も一緒に行ってもいいですか？｣

｢ミラも？｣

｢私からも頼んでみます！｣

コクリと頷くと、イーサン様がじっと見つめてきた。

｢確かに…ミラのお願いならさすがのあの二人も揺らぐかもしれないな｣

｢説得してみます！｣

｢頼むよ！｣

私はイーサン様と久しぶりにミラージュに向かう事になった。