120 / 180
連載
おはよう?
しおりを挟む
私は気がつくと屋敷に戻っていた。
「はれ?」
半開きの目を一生懸命開いて周りを確認するともう見慣れた自分の部屋にいた。
いつ帰って来たんだ?
「ふふ…ミラ様お疲れ様でした」
起きた私に気がついてカナリアが笑いながらそっと近づいて声をかけてきた。
「あっカナリアおはよう~私、どうやって帰ってきたんだっけ…」
自分の経緯を聞くと
「旦那様が抱っこしながら帰ってきましたよ」
「えー!イーサン様に?」
「はい、嬉しそうでした」
え?私が?
「やはりミラ様と言えど王宮で事情聴取などお疲れになったのでしょう…ゆっくり休んで下さいね」
「ありがとう~でもたくさん寝たから大丈夫!それよりも…」
お腹を押さえるとぐぅーと答える変わりにお腹が鳴った。
「お腹空いちゃった」
思いの外大きな音に恥ずかしくなって顔を赤らめると
「では厨房に行ってみましょうか?もうこの時間ならパッドさんも戻っていると思いますよ」
「うん!」
カナリアに連れられて厨房に行くと…
「おお!ミラ大丈夫だったか?」
パッドさんがちょうど明日の仕込みの準備をしていた。
「大丈夫だよーなんでみんなそんなに心配するかな!?」
私が笑うと
「そりゃするさ、ミラは今やこの屋敷にもあの店にも欠かせない存在だからな」
「ふーん…そっか、ありがとう…」
そんなストレートにお世辞を言われると少し照れる…私は素っ気なく返事を返した。
「それよりもどうした?こんな時間に」
「ミラ様はさっきまでお休みになってて、パッドさん何かミラ様に美味しいもの作ってくれません?」
「何!?ミラが飯食ってないのか?」
「〝が〟って何よ~!寝ちゃってたんだもん、もうお腹ペコペコ…」
ぐうー!
また同意するようにお腹が鳴った。
「ははは!腹が早くしろと催促してるみたいだな!よし…じゃあ何にするか…もう仕込みをしたからあんまり食材が残ってないんだよな…」
パッドさんが材料を確認している。
「何があります?」
「そうだな…パンと…卵と少し野菜があるくらいだな。明日の朝にはまた食材が来るが…」
パッドさんがそれしか無いことに済まなそうに眉を下げた。
「サンドイッチでも作ってやりたいが、このパンは硬すぎるな…」
私はその言葉にニヤッと笑うと
「パンと卵があるなら…あとは砂糖とミルクはある?」
「ああ!」
パッドさんが笑顔で砂糖とミルクを取り出すと
「また何か思いついたのか?」
「いやぁ~なんか無性に甘いもの食べたくて…あっ!ついでに明日の王子のご飯もそれでいいかも!」
私はいい考えに手をポンッと叩いた!
「王子?あの人まだここに入り浸ってるのか?」
「そうなんだよーそれに明日は側近の人もくるんだって~なんか王子が何を食べてるのか見に来ますって!」
「おいおい…大丈夫なのか?」
「うーん…一応イーサン様が了承したんじゃないかな?あれ?どうだろ?」
私は話がどう落ち着いたのか覚えてなかった…
「まぁいっか。来たらきたでそれ作ろー」
「王子相手でも変わらんな…」
パッドさんが笑うと
「で?どう作るんだ!?」
そんな事より料理の事に夢中なようだ!
「はれ?」
半開きの目を一生懸命開いて周りを確認するともう見慣れた自分の部屋にいた。
いつ帰って来たんだ?
「ふふ…ミラ様お疲れ様でした」
起きた私に気がついてカナリアが笑いながらそっと近づいて声をかけてきた。
「あっカナリアおはよう~私、どうやって帰ってきたんだっけ…」
自分の経緯を聞くと
「旦那様が抱っこしながら帰ってきましたよ」
「えー!イーサン様に?」
「はい、嬉しそうでした」
え?私が?
「やはりミラ様と言えど王宮で事情聴取などお疲れになったのでしょう…ゆっくり休んで下さいね」
「ありがとう~でもたくさん寝たから大丈夫!それよりも…」
お腹を押さえるとぐぅーと答える変わりにお腹が鳴った。
「お腹空いちゃった」
思いの外大きな音に恥ずかしくなって顔を赤らめると
「では厨房に行ってみましょうか?もうこの時間ならパッドさんも戻っていると思いますよ」
「うん!」
カナリアに連れられて厨房に行くと…
「おお!ミラ大丈夫だったか?」
パッドさんがちょうど明日の仕込みの準備をしていた。
「大丈夫だよーなんでみんなそんなに心配するかな!?」
私が笑うと
「そりゃするさ、ミラは今やこの屋敷にもあの店にも欠かせない存在だからな」
「ふーん…そっか、ありがとう…」
そんなストレートにお世辞を言われると少し照れる…私は素っ気なく返事を返した。
「それよりもどうした?こんな時間に」
「ミラ様はさっきまでお休みになってて、パッドさん何かミラ様に美味しいもの作ってくれません?」
「何!?ミラが飯食ってないのか?」
「〝が〟って何よ~!寝ちゃってたんだもん、もうお腹ペコペコ…」
ぐうー!
また同意するようにお腹が鳴った。
「ははは!腹が早くしろと催促してるみたいだな!よし…じゃあ何にするか…もう仕込みをしたからあんまり食材が残ってないんだよな…」
パッドさんが材料を確認している。
「何があります?」
「そうだな…パンと…卵と少し野菜があるくらいだな。明日の朝にはまた食材が来るが…」
パッドさんがそれしか無いことに済まなそうに眉を下げた。
「サンドイッチでも作ってやりたいが、このパンは硬すぎるな…」
私はその言葉にニヤッと笑うと
「パンと卵があるなら…あとは砂糖とミルクはある?」
「ああ!」
パッドさんが笑顔で砂糖とミルクを取り出すと
「また何か思いついたのか?」
「いやぁ~なんか無性に甘いもの食べたくて…あっ!ついでに明日の王子のご飯もそれでいいかも!」
私はいい考えに手をポンッと叩いた!
「王子?あの人まだここに入り浸ってるのか?」
「そうなんだよーそれに明日は側近の人もくるんだって~なんか王子が何を食べてるのか見に来ますって!」
「おいおい…大丈夫なのか?」
「うーん…一応イーサン様が了承したんじゃないかな?あれ?どうだろ?」
私は話がどう落ち着いたのか覚えてなかった…
「まぁいっか。来たらきたでそれ作ろー」
「王子相手でも変わらんな…」
パッドさんが笑うと
「で?どう作るんだ!?」
そんな事より料理の事に夢中なようだ!
119
お気に入りに追加
4,351
あなたにおすすめの小説

夫の色のドレスを着るのをやめた結果、夫が我慢をやめてしまいました
氷雨そら
恋愛
夫の色のドレスは私には似合わない。
ある夜会、夫と一緒にいたのは夫の愛人だという噂が流れている令嬢だった。彼女は夫の瞳の色のドレスを私とは違い完璧に着こなしていた。噂が事実なのだと確信した私は、もう夫の色のドレスは着ないことに決めた。
小説家になろう様にも掲載中です
敗戦して嫁ぎましたが、存在を忘れ去られてしまったので自給自足で頑張ります!
桗梛葉 (たなは)
恋愛
タイトルを変更しました。
※※※※※※※※※※※※※
魔族 vs 人間。
冷戦を経ながらくすぶり続けた長い戦いは、人間側の敗戦に近い状況で、ついに終止符が打たれた。
名ばかりの王族リュシェラは、和平の証として、魔王イヴァシグスに第7王妃として嫁ぐ事になる。だけど、嫁いだ夫には魔人の妻との間に、すでに皇子も皇女も何人も居るのだ。
人間のリュシェラが、ここで王妃として求められる事は何もない。和平とは名ばかりの、敗戦国の隷妃として、リュシェラはただ静かに命が潰えていくのを待つばかり……なんて、殊勝な性格でもなく、与えられた宮でのんびり自給自足の生活を楽しんでいく。
そんなリュシェラには、実は誰にも言えない秘密があった。
※※※※※※※※※※※※※
短編は難しいな…と痛感したので、慣れた文字数、文体で書いてみました。
お付き合い頂けたら嬉しいです!

〈完結〉【書籍化&コミカライズ・取り下げ予定】記憶を失ったらあなたへの恋心も消えました。
ごろごろみかん。
恋愛
婚約者には、何よりも大切にしている義妹がいる、らしい。
ある日、私は階段から転がり落ち、目が覚めた時には全てを忘れていた。
対面した婚約者は、
「お前がどうしても、というからこの婚約を結んだ。そんなことも覚えていないのか」
……とても偉そう。日記を見るに、以前の私は彼を慕っていたらしいけれど。
「階段から転げ落ちた衝撃であなたへの恋心もなくなったみたいです。ですから婚約は解消していただいて構いません。今まで無理を言って申し訳ありませんでした」
今の私はあなたを愛していません。
気弱令嬢(だった)シャーロットの逆襲が始まる。
☆タイトルコロコロ変えてすみません、これで決定、のはず。
☆商業化が決定したため取り下げ予定です(完結まで更新します)

転生幼女のチートな悠々自適生活〜伝統魔法を使い続けていたら気づけば賢者になっていた〜
犬社護
ファンタジー
ユミル(4歳)は気がついたら、崖下にある森の中にいた。
馬車が崖下に落下した影響で、前世の記憶を思い出す。周囲には散乱した荷物だけでなく、さっきまで会話していた家族が横たわっており、自分だけ助かっていることにショックを受ける。
大雨の中を泣き叫んでいる時、1体の小さな精霊カーバンクルが現れる。前世もふもふ好きだったユミルは、もふもふ精霊と会話することで悲しみも和らぎ、互いに打ち解けることに成功する。
精霊カーバンクルと仲良くなったことで、彼女は日本古来の伝統に関わる魔法を習得するのだが、チート魔法のせいで色々やらかしていく。まわりの精霊や街に住む平民や貴族達もそれに振り回されるものの、愛くるしく天真爛漫な彼女を見ることで、皆がほっこり心を癒されていく。
人々や精霊に愛されていくユミルは、伝統魔法で仲間たちと悠々自適な生活を目指します。
私が死んで満足ですか?
マチバリ
恋愛
王太子に婚約破棄を告げられた伯爵令嬢ロロナが死んだ。
ある者は面倒な婚約破棄の手続きをせずに済んだと安堵し、ある者はずっと欲しかった物が手に入ると喜んだ。
全てが上手くおさまると思っていた彼らだったが、ロロナの死が与えた影響はあまりに大きかった。
書籍化にともない本編を引き下げいたしました

世界最強の公爵様は娘が可愛くて仕方ない
猫乃真鶴
ファンタジー
トゥイリアース王国の筆頭公爵家、ヴァーミリオン。その現当主アルベルト・ヴァーミリオンは、王宮のみならず王都ミリールにおいても名の通った人物であった。
まずその美貌。女性のみならず男性であっても、一目見ただけで誰もが目を奪われる。あと、公爵家だけあってお金持ちだ。王家始まって以来の最高の魔法使いなんて呼び名もある。実際、王国中の魔導士を集めても彼に敵う者は存在しなかった。
ただし、彼は持った全ての力を愛娘リリアンの為にしか使わない。
財力も、魔力も、顔の良さも、権力も。
なぜなら彼は、娘命の、究極の娘馬鹿だからだ。
※このお話は、日常系のギャグです。
※小説家になろう様にも掲載しています。
※2024年5月 タイトルとあらすじを変更しました。

【完結】兄の事を皆が期待していたので僕は離れます
まりぃべる
ファンタジー
一つ年上の兄は、国の為にと言われて意気揚々と村を離れた。お伽話にある、奇跡の聖人だと幼き頃より誰からも言われていた為、それは必然だと。
貧しい村で育った弟は、小さな頃より家の事を兄の分までせねばならず、兄は素晴らしい人物で対して自分は凡人であると思い込まされ、自分は必要ないのだからと弟は村を離れる事にした。
そんな弟が、自分を必要としてくれる人に会い、幸せを掴むお話。
☆まりぃべるの世界観です。緩い設定で、現実世界とは違う部分も多々ありますがそこをあえて楽しんでいただけると幸いです。
☆現実世界にも同じような名前、地名、言葉などがありますが、関係ありません。

愛された側妃と、愛されなかった正妃
編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。
夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。
連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。
正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。
※カクヨムさんにも掲載中
※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります
※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。