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その後
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王子を部屋に通すと椅子に座って話し出した。
「ジェイコブの事だが…」
「はい…何かありましたか?まさか釈放…なんて事はないですよね?」
「ああそれは無いよ。実は今日の朝早く死んだ」
「え…」
イーサンは思わぬ答えに言葉を失った。
「良かったじゃないか!」
クロードがイーサンの肩を叩くと
「これでミラが襲われる心配無くなったな!」
クロードは喜んでいるがイーサンの顔色はすぐれなかった。
「何故…死んだのですか?」
王子に聞くと
「ジェイコブが毒に侵されていたのは知っているよな?」
「はい、下半身が使い物にならなくなったとか…」
「いい気味だ」
二人が頷くと
「その時に医師はすぐに切り落とすことを進めたのだがジェイコブが渋ってな…それが原因で毒がどうやら切り取った先にも広がっていたらしい」
王子は思い出したのか気持ち悪そうな顔をする。
「あいつの面倒を見る人もとうとう見つからずにずっと王宮内の牢屋に入れていたんだが…容態が急に悪くなってな…駆けつけた時には上半身まで壊死して脳まで溶けて耳から垂れ流していたよ」
「それは…相応しい最後ですね」
「それはいいんだが…ジェイコブはあの日からまともに話も聞けなくてな」
王子の伺う様子に嫌な予感がする。
「それは…まさかミラに?」
「ああ、当事者が彼女しか居ないからな…」
「話ならあの時に王子に…」
「そうなんだが…あの時はまだ彼女があんなにしっかりとしているとは思っていなくてね、それに話はジェイコブから聞いてからと思っていたから…しかしジェイコブが死んだ今当時の状況を知っているのはミラだけなんだ」
「それは…」
確かにそうだが…
「そして今回は屋敷で話を聞くだけでなく…王宮にきて他の者達からも話を聞かれる事になる…」
「待ってください!ミラはまだ五歳なんですよ!」
イーサンの言葉に王子は顔を顰めた…
「ん?ミラは六歳と言っていなかったか?」
「あっ!」
イーサンはしまったと顔を顰めた。
「まさか…今五歳なのか?」
さすがの王子も驚愕した顔を見せる。
「はい…本当の歳は五歳です…」
「五歳…六歳でも信じられなかったのに…あの子は何者だ?」
「メアリー様の娘です。それは真実です」
「確かに隠したがる気持ちもわかる、しかも親がもう既にいないとなると…手に入れようと考える馬鹿な奴らもいるだろうからな」
「ええ、ジェイコブのような…ミラの価値に気がつく前に死んでくれて良かった…ただでさえあれは一応血が繋がっていますから…」
忌々しげに吐き捨てる。
「そうなると…大臣達になんと説明すればよいか…納得するだろうか…」
「ミラが拒否したら?」
「その理由を聞かれるだろう…いくら幼子だとしても少しは話せるだろうからな」
「はぁ…」
イーサンはミラが王宮に行くことを考えると胃が痛くなってきた…
「ジェイコブの事だが…」
「はい…何かありましたか?まさか釈放…なんて事はないですよね?」
「ああそれは無いよ。実は今日の朝早く死んだ」
「え…」
イーサンは思わぬ答えに言葉を失った。
「良かったじゃないか!」
クロードがイーサンの肩を叩くと
「これでミラが襲われる心配無くなったな!」
クロードは喜んでいるがイーサンの顔色はすぐれなかった。
「何故…死んだのですか?」
王子に聞くと
「ジェイコブが毒に侵されていたのは知っているよな?」
「はい、下半身が使い物にならなくなったとか…」
「いい気味だ」
二人が頷くと
「その時に医師はすぐに切り落とすことを進めたのだがジェイコブが渋ってな…それが原因で毒がどうやら切り取った先にも広がっていたらしい」
王子は思い出したのか気持ち悪そうな顔をする。
「あいつの面倒を見る人もとうとう見つからずにずっと王宮内の牢屋に入れていたんだが…容態が急に悪くなってな…駆けつけた時には上半身まで壊死して脳まで溶けて耳から垂れ流していたよ」
「それは…相応しい最後ですね」
「それはいいんだが…ジェイコブはあの日からまともに話も聞けなくてな」
王子の伺う様子に嫌な予感がする。
「それは…まさかミラに?」
「ああ、当事者が彼女しか居ないからな…」
「話ならあの時に王子に…」
「そうなんだが…あの時はまだ彼女があんなにしっかりとしているとは思っていなくてね、それに話はジェイコブから聞いてからと思っていたから…しかしジェイコブが死んだ今当時の状況を知っているのはミラだけなんだ」
「それは…」
確かにそうだが…
「そして今回は屋敷で話を聞くだけでなく…王宮にきて他の者達からも話を聞かれる事になる…」
「待ってください!ミラはまだ五歳なんですよ!」
イーサンの言葉に王子は顔を顰めた…
「ん?ミラは六歳と言っていなかったか?」
「あっ!」
イーサンはしまったと顔を顰めた。
「まさか…今五歳なのか?」
さすがの王子も驚愕した顔を見せる。
「はい…本当の歳は五歳です…」
「五歳…六歳でも信じられなかったのに…あの子は何者だ?」
「メアリー様の娘です。それは真実です」
「確かに隠したがる気持ちもわかる、しかも親がもう既にいないとなると…手に入れようと考える馬鹿な奴らもいるだろうからな」
「ええ、ジェイコブのような…ミラの価値に気がつく前に死んでくれて良かった…ただでさえあれは一応血が繋がっていますから…」
忌々しげに吐き捨てる。
「そうなると…大臣達になんと説明すればよいか…納得するだろうか…」
「ミラが拒否したら?」
「その理由を聞かれるだろう…いくら幼子だとしても少しは話せるだろうからな」
「はぁ…」
イーサンはミラが王宮に行くことを考えると胃が痛くなってきた…
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