収容所生まれの転生幼女は、囚人達と楽しく暮らしたい

三園 七詩

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「どういう事ですか?」

私が王子に聞くと

「まぁ細かい説明は省くけど、彼はもう二度と子供に危害を加えることは出来ないという事だよ」

「捕まった…って事ですか?」

「まぁそれもあるが…」

チラッとイーサンの顔色を伺うとやはりミラには話したくないようで顔を顰めていた。

「とりあえずもう君があいつに会うことはないよ」

そう言って笑う王子をみてほっと胸を撫で下ろした。

いくらなんでももうあんな人に会いたくない…しかもあれがおじいちゃんなんて…

私が沈んでいるのに気がついてイーサン様が抱き直して顔を自分の方に向かせた。

「あんなのを家族と思わなくていい…それにミラの家族は他にいるだろ?」

「うん。イーサン様にゾーイおばあちゃん…」

「他にもミラを娘と思ってくれる人がいるよね?」

イーサン様の優しい笑顔にジョンさん達の顔が浮かんだ。

「うん…」

そういえば寝てる時…なんか懐かしい匂いがしたな…ジョンさんの…温もりも…

そっと自分の体を抱きしめる…しかしそんなわけないと苦笑した。

「そろそろミラも疲れていると思うので休ませてあげたいのですが…」

イーサン様が心配そうに私を抱いて王子を伺うように見る。

「そうだね、大変な時にすまなかったね。また話を聞かせて貰うことがあるかもしれないが大丈夫かな?」

私はコクリと頷くと王子がいい子だと頭を撫でた。

王子達が帰るというのでイーサン様達が見送りにいく事になり、私も行こうかと思ったがはそのままベッドに寝かされた。

「外に見張りを立たせて置くからゆっくりおやすみ」

イーサン様が髪に軽くキスすると部屋を出ていった。

カナリア達も隣の部屋でいつでも待機していてくれるという。

私はフーっと深く息を吐いて布団に潜り込んだ。


イーサン達は王子を見送りに屋敷の外に出ると…

「本当にあの男がミラを襲う事はないんでしょうか?」

イーサンがまだ心配そうに聞いた、あの男の蛇のような執拗い事を知っているだけに油断が出来なかった。

「ああ、それは問題ない。あの男の惨状を見れば納得出来るよ。あいつはもう立つことも何も出来ないからね」

「えっ?立つ?捕まえて幽閉とかそういう事ではないのですか?」

「いや、何かの毒に侵されていて今は動く事さえ出来ない状態だ」

「そうですか…」

あの男がしてきた事を思うと自業自得だと少しも同情などは出来なかった。

「しかし息子達がまだ居ます…彼らもひとくせもふたくせもある人達です…」

「そちらもじっくりと話を聞く予定だよ」

王子が笑うと

「ありがとうございます…全てが終わったらまた店に是非とも来てください!このお礼は必ず…」

「ああ、そのつもりだ!楽しみにしてるよ」

王子は嬉しそうに笑うと騎士達を連れて帰って行った。

イーサンは王子達が見えなくなるとほっと胸を撫で下ろした。


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