収容所生まれの転生幼女は、囚人達と楽しく暮らしたい

三園 七詩

文字の大きさ
上 下
98 / 180
連載

後処理

しおりを挟む
イーサンはミラを抱いて王子達の元に戻った!

「ファイ王子!娘が居ました!あの離れの建物のなかにいたようです!」

イーサンの声に屋敷に押しかけていた王国騎士達はその足を離れに向けて駆け出した。

「申し訳ございません!娘は怪我をして気を失っております。屋敷にて治療を施したいのですが…」

「ああ、早く診てやれ。後で事情を聞くことになると思うが…」

イーサンさんは覚悟はしていたのか頷くと頭を下げて急いで戻って行った。


屋敷では対応していたブレンダンが兵士達を慌てて止める!

「そ、そっちは何もありません!そこは駄目だ!屋敷の方を先に!」

ブレンダンの様子に訝しがり皆が離れに向かうと

「言う事を聞け!ここは俺の屋敷だぞ!俺は公爵家の息子だ!」

扉の前で両手を広げて抵抗した。

「私はこの国の王子だが?」

ファイ王子はブレンダンを冷めた目で見つめると、

「君とは短い付き合いだがこんな奴だとは…やはり噂は本当のようだな」

「う、噂…」

「この屋敷のジェイコブ公爵は何処だ、今すぐつ連れてこい」

「ち、父は…」

ブレンダンが言葉を濁すと…

「王子!ジェイコブ公爵が居ました!しかし…」

窓から侵入した騎士が報告に来た。

「どうした?」

「何故かボロボロです…両手が潰れて壊死する毒の為股間を切り落とし焼いて止血していたところでした。動かせそうにありませんがどうしましょう」

「「はっ?」」

王子とブレンダンは騎士の言葉に驚愕した。

皆でジェイコブ公爵の様子を見に行くと…

「な、なんだこの部屋は…」

中は様々な臭いがこもり悪臭が放っている、布で鼻と口を押さえて中に入るとベッドにはジェイコブ公爵と思われる男が寝ていた。

しかし頭は白髪で髪は抜け落ち、口には猿轡を噛まされ、両手をグルグルに包帯で巻かれているが赤く点々とシミが出来ている、まだ血が止まっていないのだろう。

そして悲惨なのは下半身だ足を広げてベッドに縛り付け動けない様にされている。

股間を布で何重にも巻かれてオムツをしている様な状態だった…

「こ、これは…」

近くには医師と思われる男がいた。

「股間に毒の症状がありました…すぐに切り落とさないと死に至る為やむ無く切り落としました。その際に出血が酷く…焼いてそれを止めました…とにかく命を最優先にした結果です」

「な、何故縛っている」

ファイが聞くと

「暴れ回ってしまうからです…この傷で動けばまた傷が開いてしまいます」

「なるほど…ではこの対処は妥当だな」

ファイが頷くと

「何が妥当だ!この仕打ち…許さんぞ!」

ブレンダンが医師を睨むと

「その前に彼は何故このような目に?ここにいたあの子供の説明はどうつける?」

ファイは今は喋れないジェイコブに変わりブレンダンを睨みつけた。

「あ、あれは…し、知らない…そんな娘知らない」

「何故娘だと?」

「あっ…」

ブレンダンが口を押さえると

「君には色々と聞くことがありそうだな…こいつを連れて行け!」

ファイは騎士達にブレンダンを連れていくように指示を出した。

「こいつはどうしますか…」

騎士達は嫌そうにジェイコブ公爵を見下ろすと…

「こいつはしばらくは動けまい…治るまでここに置いておけ」

「その世話は誰が?」

医師が聞くと

「それはこの屋敷の者達が…」

「申し訳ないが私はもうここを出ていきます。多分屋敷に仕える者達はほとんどが出ていくと思いますよ」

「え?」

「では…」

医師が出てこうとするとそれに続いて従者達も出ていく。

「お、おい!この屋敷の主人なんだろ?一応…」

「そうですが、誰もその男をしたっていたものなどおりません。我々は恐怖で支配されていましたから…そのようになって犯罪も公になった今やっと我らもここを抜け出せる」

医師の言葉に従者達も涙ぐむ。

「こいつは一体何をやってきたんだ…」

「私達で証言出来ることは致しますがその男の世話をする気はありませんので」

そう言うと部屋を出ていってしまった…

「あ!あいつらを止めとけ!話を聞くことがまだある!それと…これの世話をする者を見つけてこい…」

「こ、これの…」

騎士達は嫌そうにジェイコブを見つめた。
しおりを挟む
感想 244

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

【一話完結】断罪が予定されている卒業パーティーに欠席したら、みんな死んでしまいました

ツカノ
ファンタジー
とある国の王太子が、卒業パーティーの日に最愛のスワロー・アーチェリー男爵令嬢を虐げた婚約者のロビン・クック公爵令嬢を断罪し婚約破棄をしようとしたが、何故か公爵令嬢は現れない。これでは断罪どころか婚約破棄ができないと王太子が焦り始めた時、招かれざる客が現れる。そして、招かれざる客の登場により、彼らの運命は転がる石のように急転直下し、恐怖が始まったのだった。さて彼らの運命は、如何。

婚約破棄の後始末 ~息子よ、貴様何をしてくれってんだ! 

タヌキ汁
ファンタジー
 国一番の権勢を誇る公爵家の令嬢と政略結婚が決められていた王子。だが政略結婚を嫌がり、自分の好き相手と結婚する為に取り巻き達と共に、公爵令嬢に冤罪をかけ婚約破棄をしてしまう、それが国を揺るがすことになるとも思わずに。  これは馬鹿なことをやらかした息子を持つ父親達の嘆きの物語である。

私が死んで満足ですか?

マチバリ
恋愛
王太子に婚約破棄を告げられた伯爵令嬢ロロナが死んだ。 ある者は面倒な婚約破棄の手続きをせずに済んだと安堵し、ある者はずっと欲しかった物が手に入ると喜んだ。 全てが上手くおさまると思っていた彼らだったが、ロロナの死が与えた影響はあまりに大きかった。 書籍化にともない本編を引き下げいたしました

私に姉など居ませんが?

山葵
恋愛
「ごめんよ、クリス。僕は君よりお姉さんの方が好きになってしまったんだ。だから婚約を解消して欲しい」 「婚約破棄という事で宜しいですか?では、構いませんよ」 「ありがとう」 私は婚約者スティーブと結婚破棄した。 書類にサインをし、慰謝料も請求した。 「ところでスティーブ様、私には姉はおりませんが、一体誰と婚約をするのですか?」

大聖女の姉と大聖者の兄の元に生まれた良くも悪くも普通の姫君、二人の絞りカスだと影で嘲笑されていたが実は一番神に祝福された存在だと発覚する。

下菊みこと
ファンタジー
絞りカスと言われて傷付き続けた姫君、それでも姉と兄が好きらしい。 ティモールとマルタは父王に詰め寄られる。結界と祝福が弱まっていると。しかしそれは当然だった。本当に神から愛されているのは、大聖女のマルタでも大聖者のティモールでもなく、平凡な妹リリィなのだから。 小説家になろう様でも投稿しています。

聖女の私が追放されたらお父さんも一緒についてきちゃいました。

重田いの
ファンタジー
聖女である私が追放されたらお父さんも一緒についてきちゃいました。 あのお、私はともかくお父さんがいなくなるのは国としてマズイと思うのですが……。 よくある聖女追放ものです。

【完結】兄の事を皆が期待していたので僕は離れます

まりぃべる
ファンタジー
一つ年上の兄は、国の為にと言われて意気揚々と村を離れた。お伽話にある、奇跡の聖人だと幼き頃より誰からも言われていた為、それは必然だと。 貧しい村で育った弟は、小さな頃より家の事を兄の分までせねばならず、兄は素晴らしい人物で対して自分は凡人であると思い込まされ、自分は必要ないのだからと弟は村を離れる事にした。 そんな弟が、自分を必要としてくれる人に会い、幸せを掴むお話。 ☆まりぃべるの世界観です。緩い設定で、現実世界とは違う部分も多々ありますがそこをあえて楽しんでいただけると幸いです。 ☆現実世界にも同じような名前、地名、言葉などがありますが、関係ありません。

処理中です...
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。

このユーザをミュートしますか?

※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。