収容所生まれの転生幼女は、囚人達と楽しく暮らしたい

三園 七詩

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行方不明

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「い、今の話は本当か?」

「お前…ああ、荷物を届けに来たんだな、用が済んだら仕事に戻るんだ」

看守がジョンを外に出そうとすると

「おい!今の話は本当なのか!」

ジョンは看守の胸ぐらを掴んで壁に押し付ける。

「な、何をする!」

看守がジョンを押さえようとするがジョンは離す気がなかった。

「ジョン!止めなさい!」

看守長がジョンを怒鳴りつけると…

「後で報告に行きますから今は大人しくしていなさい!」

「だが!」

「いいから!これ以上手がかかるようなら独房行きですよ…」

「くっそ…」

ジョンは看守の胸ぐらを離した。

「一度牢屋に戻りなさい、君!彼を牢屋に」

看守長は首を押さえる看守にジョンを牢屋に戻すように言った。

ジョンがとりあえず大人しく出ている間にケイジ看守長は町に伝書鳥を飛ばして確認を取った。

町からの報告の紙をみてケイジは唖然とする。

そこにはやはりイーサン様の娘になったミラが行方不明になっていると言う内容だった…

しかも攫われた可能性があると…

看守長は紙を握り締めて囚人達の牢屋に向かった。

牢屋ではジョンが落ち着きなくウロウロと動きながら待っていた。

看守長を見るなり牢屋の柵を掴んで声をあげる。

「ど、どうだった!ミラじゃないよな!?ミラは幸せに暮らしてるんだよな!」

「そ、それが…どうやら…」

ケイジ看守長が顔を顰めた…それだけでジョンは最悪の考えが本当なのだとわかった。

「なんで…ミラは貴族になって幸せに暮らしているんじゃ無いのか?なぁ…?」

ジョンの問いに看守長は言葉をのんだ…

「ど、どうやら攫われたようです…ですが!向こうでは皆が必死に捜索しているようです。ミラちゃんの事ですからきっと向こうでも皆に愛されていたのでしょう」

「そんな事言ったって今現在行方不明なんだろ!」

「そう…ですね…」

看守長は申し訳なさそうに目を伏せた。

「なぁ看守長…お願いだ…」

ジョンは少しの沈黙のあと声をかけてきた。

看守長は顔をあげると

「ここから出してくれ」

「はっ?そ、それは牢屋から…と言うことですか?」

「違う、この収容所から出してくれ!ミラを探しに行かせてくれ!」

「そんな事は出来ません」

看守長は首を振る。

「あなたはあと少しで刑期も終わりでしょう?こんな事がバレたらあと何十年かは伸びますよ」

「構わない!もうここから出られなくてもいい!だから今!ミラを見つけるまで…お願いだ…ミラが見つかったら必ず戻ってくるから…」

「無理です!さすがにそんな事は出来ません…」

「こっそりでいいんだ!絶対あんたに迷惑はかけない!絶対に戻ってくるから!」

「そんな事…」

看守長は悩む…そんな事がバレたら自分はもちろん処罰されジョンももう二度と外に出るのは無理だろう。

しかし元々違反をしてまでミラを逃がしている、それに自分もかなりミラの事を心配していた…

「話はわかりました…こちらの事は任せてください」

看守長は驚いて振り返るとそこにはメイソンとローガン、それにハーパーが立っていた。

「私達の娘の一大事に大人しくなんてしていられません…」

「看守長はもしこの事がバレたら我らに脅されたと言って下さい…言うことを聞かないと囚人達が暴れると言ったとか何とか適当に言い訳を…我らはそれを全て受け入れます」

ローガンの言葉にメイソンもハーパーも頷いた。

「ジョンと看守長で外にでて、ジョンを監視すればいい…それに戻らなければ私達はジョン…あなたを軽蔑します」

「そんな事はしない!それよりもミラだ!」

「わかっています。どうでしょう看守長…」

ローガンが聞くと看守長はため息をついた…

「了承しないと他の手を使ってでもここから出ますよね…私と行くのが一番良さそうです…」

「わかってい頂いて恐縮です」

「しかしもし誰かにバレたら私もちゃんと処罰は受けますから…」

ケイジ看守長は仕方なさそうに笑った。

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