91 / 180
連載
行方不明
しおりを挟む
「い、今の話は本当か?」
「お前…ああ、荷物を届けに来たんだな、用が済んだら仕事に戻るんだ」
看守がジョンを外に出そうとすると
「おい!今の話は本当なのか!」
ジョンは看守の胸ぐらを掴んで壁に押し付ける。
「な、何をする!」
看守がジョンを押さえようとするがジョンは離す気がなかった。
「ジョン!止めなさい!」
看守長がジョンを怒鳴りつけると…
「後で報告に行きますから今は大人しくしていなさい!」
「だが!」
「いいから!これ以上手がかかるようなら独房行きですよ…」
「くっそ…」
ジョンは看守の胸ぐらを離した。
「一度牢屋に戻りなさい、君!彼を牢屋に」
看守長は首を押さえる看守にジョンを牢屋に戻すように言った。
ジョンがとりあえず大人しく出ている間にケイジ看守長は町に伝書鳥を飛ばして確認を取った。
町からの報告の紙をみてケイジは唖然とする。
そこにはやはりイーサン様の娘になったミラが行方不明になっていると言う内容だった…
しかも攫われた可能性があると…
看守長は紙を握り締めて囚人達の牢屋に向かった。
牢屋ではジョンが落ち着きなくウロウロと動きながら待っていた。
看守長を見るなり牢屋の柵を掴んで声をあげる。
「ど、どうだった!ミラじゃないよな!?ミラは幸せに暮らしてるんだよな!」
「そ、それが…どうやら…」
ケイジ看守長が顔を顰めた…それだけでジョンは最悪の考えが本当なのだとわかった。
「なんで…ミラは貴族になって幸せに暮らしているんじゃ無いのか?なぁ…?」
ジョンの問いに看守長は言葉をのんだ…
「ど、どうやら攫われたようです…ですが!向こうでは皆が必死に捜索しているようです。ミラちゃんの事ですからきっと向こうでも皆に愛されていたのでしょう」
「そんな事言ったって今現在行方不明なんだろ!」
「そう…ですね…」
看守長は申し訳なさそうに目を伏せた。
「なぁ看守長…お願いだ…」
ジョンは少しの沈黙のあと声をかけてきた。
看守長は顔をあげると
「ここから出してくれ」
「はっ?そ、それは牢屋から…と言うことですか?」
「違う、この収容所から出してくれ!ミラを探しに行かせてくれ!」
「そんな事は出来ません」
看守長は首を振る。
「あなたはあと少しで刑期も終わりでしょう?こんな事がバレたらあと何十年かは伸びますよ」
「構わない!もうここから出られなくてもいい!だから今!ミラを見つけるまで…お願いだ…ミラが見つかったら必ず戻ってくるから…」
「無理です!さすがにそんな事は出来ません…」
「こっそりでいいんだ!絶対あんたに迷惑はかけない!絶対に戻ってくるから!」
「そんな事…」
看守長は悩む…そんな事がバレたら自分はもちろん処罰されジョンももう二度と外に出るのは無理だろう。
しかし元々違反をしてまでミラを逃がしている、それに自分もかなりミラの事を心配していた…
「話はわかりました…こちらの事は任せてください」
看守長は驚いて振り返るとそこにはメイソンとローガン、それにハーパーが立っていた。
「私達の娘の一大事に大人しくなんてしていられません…」
「看守長はもしこの事がバレたら我らに脅されたと言って下さい…言うことを聞かないと囚人達が暴れると言ったとか何とか適当に言い訳を…我らはそれを全て受け入れます」
ローガンの言葉にメイソンもハーパーも頷いた。
「ジョンと看守長で外にでて、ジョンを監視すればいい…それに戻らなければ私達はジョン…あなたを軽蔑します」
「そんな事はしない!それよりもミラだ!」
「わかっています。どうでしょう看守長…」
ローガンが聞くと看守長はため息をついた…
「了承しないと他の手を使ってでもここから出ますよね…私と行くのが一番良さそうです…」
「わかってい頂いて恐縮です」
「しかしもし誰かにバレたら私もちゃんと処罰は受けますから…」
ケイジ看守長は仕方なさそうに笑った。
「お前…ああ、荷物を届けに来たんだな、用が済んだら仕事に戻るんだ」
看守がジョンを外に出そうとすると
「おい!今の話は本当なのか!」
ジョンは看守の胸ぐらを掴んで壁に押し付ける。
「な、何をする!」
看守がジョンを押さえようとするがジョンは離す気がなかった。
「ジョン!止めなさい!」
看守長がジョンを怒鳴りつけると…
「後で報告に行きますから今は大人しくしていなさい!」
「だが!」
「いいから!これ以上手がかかるようなら独房行きですよ…」
「くっそ…」
ジョンは看守の胸ぐらを離した。
「一度牢屋に戻りなさい、君!彼を牢屋に」
看守長は首を押さえる看守にジョンを牢屋に戻すように言った。
ジョンがとりあえず大人しく出ている間にケイジ看守長は町に伝書鳥を飛ばして確認を取った。
町からの報告の紙をみてケイジは唖然とする。
そこにはやはりイーサン様の娘になったミラが行方不明になっていると言う内容だった…
しかも攫われた可能性があると…
看守長は紙を握り締めて囚人達の牢屋に向かった。
牢屋ではジョンが落ち着きなくウロウロと動きながら待っていた。
看守長を見るなり牢屋の柵を掴んで声をあげる。
「ど、どうだった!ミラじゃないよな!?ミラは幸せに暮らしてるんだよな!」
「そ、それが…どうやら…」
ケイジ看守長が顔を顰めた…それだけでジョンは最悪の考えが本当なのだとわかった。
「なんで…ミラは貴族になって幸せに暮らしているんじゃ無いのか?なぁ…?」
ジョンの問いに看守長は言葉をのんだ…
「ど、どうやら攫われたようです…ですが!向こうでは皆が必死に捜索しているようです。ミラちゃんの事ですからきっと向こうでも皆に愛されていたのでしょう」
「そんな事言ったって今現在行方不明なんだろ!」
「そう…ですね…」
看守長は申し訳なさそうに目を伏せた。
「なぁ看守長…お願いだ…」
ジョンは少しの沈黙のあと声をかけてきた。
看守長は顔をあげると
「ここから出してくれ」
「はっ?そ、それは牢屋から…と言うことですか?」
「違う、この収容所から出してくれ!ミラを探しに行かせてくれ!」
「そんな事は出来ません」
看守長は首を振る。
「あなたはあと少しで刑期も終わりでしょう?こんな事がバレたらあと何十年かは伸びますよ」
「構わない!もうここから出られなくてもいい!だから今!ミラを見つけるまで…お願いだ…ミラが見つかったら必ず戻ってくるから…」
「無理です!さすがにそんな事は出来ません…」
「こっそりでいいんだ!絶対あんたに迷惑はかけない!絶対に戻ってくるから!」
「そんな事…」
看守長は悩む…そんな事がバレたら自分はもちろん処罰されジョンももう二度と外に出るのは無理だろう。
しかし元々違反をしてまでミラを逃がしている、それに自分もかなりミラの事を心配していた…
「話はわかりました…こちらの事は任せてください」
看守長は驚いて振り返るとそこにはメイソンとローガン、それにハーパーが立っていた。
「私達の娘の一大事に大人しくなんてしていられません…」
「看守長はもしこの事がバレたら我らに脅されたと言って下さい…言うことを聞かないと囚人達が暴れると言ったとか何とか適当に言い訳を…我らはそれを全て受け入れます」
ローガンの言葉にメイソンもハーパーも頷いた。
「ジョンと看守長で外にでて、ジョンを監視すればいい…それに戻らなければ私達はジョン…あなたを軽蔑します」
「そんな事はしない!それよりもミラだ!」
「わかっています。どうでしょう看守長…」
ローガンが聞くと看守長はため息をついた…
「了承しないと他の手を使ってでもここから出ますよね…私と行くのが一番良さそうです…」
「わかってい頂いて恐縮です」
「しかしもし誰かにバレたら私もちゃんと処罰は受けますから…」
ケイジ看守長は仕方なさそうに笑った。
105
お気に入りに追加
4,346
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
無名の三流テイマーは王都のはずれでのんびり暮らす~でも、国家の要職に就く弟子たちがなぜか頼ってきます~
鈴木竜一
ファンタジー
※本作の書籍化が決定いたしました!
詳細は近況ボードに載せていきます!
「もうおまえたちに教えることは何もない――いや、マジで!」
特にこれといった功績を挙げず、ダラダラと冒険者生活を続けてきた無名冒険者兼テイマーのバーツ。今日も危険とは無縁の安全な採集クエストをこなして飯代を稼げたことを喜ぶ彼の前に、自分を「師匠」と呼ぶ若い女性・ノエリ―が現れる。弟子をとった記憶のないバーツだったが、十年ほど前に当時惚れていた女性にいいところを見せようと、彼女が運営する施設の子どもたちにテイマーとしての心得を説いたことを思い出す。ノエリ―はその時にいた子どものひとりだったのだ。彼女曰く、師匠であるバーツの教えを守って修行を続けた結果、あの時の弟子たちはみんな国にとって欠かせない重要な役職に就いて繁栄に貢献しているという。すべては師匠であるバーツのおかげだと信じるノエリ―は、彼に王都へと移り住んでもらい、その教えを広めてほしいとお願いに来たのだ。
しかし、自身をただのしがない無名の三流冒険者だと思っているバーツは、そんな指導力はないと語る――が、そう思っているのは本人のみで、実はバーツはテイマーとしてだけでなく、【育成者】としてもとんでもない資質を持っていた。
バーツはノエリ―に押し切られる形で王都へと出向くことになるのだが、そこで立派に成長した弟子たちと再会。さらに、かつてテイムしていたが、諸事情で契約を解除した魔獣たちも、いつかバーツに再会することを夢見て自主的に鍛錬を続けており、気がつけばSランクを越える神獣へと進化していて――
こうして、無名のテイマー・バーツは慕ってくれる可愛い弟子や懐いている神獣たちとともにさまざまな国家絡みのトラブルを解決していき、気づけば国家の重要ポストの候補にまで名を連ねるが、当人は「勘弁してくれ」と困惑気味。そんなバーツは今日も王都のはずれにある運河のほとりに建てられた小屋を拠点に畑をしたり釣りをしたり、今日ものんびり暮らしつつ、弟子たちからの依頼をこなすのだった。

野草から始まる異世界スローライフ
深月カナメ
ファンタジー
花、植物に癒されたキャンプ場からの帰り、事故にあい異世界に転生。気付けば子供の姿で、名前はエルバという。
私ーーエルバはスクスク育ち。
ある日、ふれた薬草の名前、効能が頭の中に聞こえた。
(このスキル使える)
エルバはみたこともない植物をもとめ、魔法のある世界で優しい両親も恵まれ、私の第二の人生はいま異世界ではじまった。
エブリスタ様にて掲載中です。
表紙は表紙メーカー様をお借りいたしました。
プロローグ〜78話までを第一章として、誤字脱字を直したものに変えました。
物語は変わっておりません。
一応、誤字脱字、文章などを直したはずですが、まだまだあると思います。見直しながら第二章を進めたいと思っております。
よろしくお願いします。

夫の色のドレスを着るのをやめた結果、夫が我慢をやめてしまいました
氷雨そら
恋愛
夫の色のドレスは私には似合わない。
ある夜会、夫と一緒にいたのは夫の愛人だという噂が流れている令嬢だった。彼女は夫の瞳の色のドレスを私とは違い完璧に着こなしていた。噂が事実なのだと確信した私は、もう夫の色のドレスは着ないことに決めた。
小説家になろう様にも掲載中です

5歳で前世の記憶が混入してきた --スキルや知識を手に入れましたが、なんで中身入ってるんですか?--
ばふぉりん
ファンタジー
「啞"?!@#&〆々☆¥$€%????」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
五歳の誕生日を迎えた男の子は家族から捨てられた。理由は
「お前は我が家の恥だ!占星の儀で訳の分からないスキルを貰って、しかも使い方がわからない?これ以上お前を育てる義務も義理もないわ!」
この世界では五歳の誕生日に教会で『占星の儀』というスキルを授かることができ、そのスキルによってその後の人生が決まるといっても過言では無い。
剣聖 聖女 影朧といった上位スキルから、剣士 闘士 弓手といった一般的なスキル、そして家事 農耕 牧畜といったもうそれスキルじゃないよね?といったものまで。
そんな中、この五歳児が得たスキルは
□□□□
もはや文字ですら無かった
~~~~~~~~~~~~~~~~~
本文中に顔文字を使用しますので、できれば横読み推奨します。
本作中のいかなる個人・団体名は実在するものとは一切関係ありません。
私が死んで満足ですか?
マチバリ
恋愛
王太子に婚約破棄を告げられた伯爵令嬢ロロナが死んだ。
ある者は面倒な婚約破棄の手続きをせずに済んだと安堵し、ある者はずっと欲しかった物が手に入ると喜んだ。
全てが上手くおさまると思っていた彼らだったが、ロロナの死が与えた影響はあまりに大きかった。
書籍化にともない本編を引き下げいたしました

【完結】兄の事を皆が期待していたので僕は離れます
まりぃべる
ファンタジー
一つ年上の兄は、国の為にと言われて意気揚々と村を離れた。お伽話にある、奇跡の聖人だと幼き頃より誰からも言われていた為、それは必然だと。
貧しい村で育った弟は、小さな頃より家の事を兄の分までせねばならず、兄は素晴らしい人物で対して自分は凡人であると思い込まされ、自分は必要ないのだからと弟は村を離れる事にした。
そんな弟が、自分を必要としてくれる人に会い、幸せを掴むお話。
☆まりぃべるの世界観です。緩い設定で、現実世界とは違う部分も多々ありますがそこをあえて楽しんでいただけると幸いです。
☆現実世界にも同じような名前、地名、言葉などがありますが、関係ありません。

のほほん異世界暮らし
みなと劉
ファンタジー
異世界に転生するなんて、夢の中の話だと思っていた。
それが、目を覚ましたら見知らぬ森の中、しかも手元にはなぜかしっかりとした地図と、ちょっとした冒険に必要な道具が揃っていたのだ。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。