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悲報
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カナリアは乱れる姿も買ったものが落ちるのも気にせずに屋敷に走った!
「た、たいへ、んで、す!」
カナリアは門番に突進した!
カナリアを抱きとめた門番は酷い有様に慌てて屋敷にカナリアを運ぶと水を持ってくる!
屋敷の者も何事かと集まってきた。
カナリアは水を零しながら少し飲むと…
「ミラ様が!ミラ様が居なくなってしまったんです!は、早くイーサン様に!し、知らせて…下さい…ゴホッゴホッ!」
一気にまくし立てて咳き込む。
「落ち着けカナリア!ミラ様が迷子になったのか?」
背中をさすってやると少し顔色が戻った。
「お店の主人がミラ様が男性と裏から出ていくのを見たそうです…すみません…私がずっと一緒にいたのに…」
「後悔は後だ!すぐにミラージュに行ったイーサン様とクロード様に伝えろ!」
執事のオールドが叫ぶと従者達が馬に乗ってミラージュへと走った!
「ミラはなんで街に…」
ゾーイがカナリアに寄り添って立たせると手には大量の荷物を持っていた…
「ミラ様は元気のないイーサン様に何か喜んで貰いたいと街にお土産を買いに…」
ゾーイはそれにしては沢山ある商品から布を触ると…
「それはゾーイ様にと…他にも屋敷のみんな一人一人にお土産を選んでました…」
「私達にも…」
「オールド様にはタイピンを、メイドのみんなには甘いお菓子とお茶を…従者達には…」
そう言って持っていたお土産を見せた…
「スパイスのお店で多分ビオスさんやパッドさんの物を選んでいたんだと思います…私は前の店の会計をしていて少し離れたすきに…」
カナリアの顔には後悔からか涙が溜まっている。
「ミラ様…」
「泣いてる暇はありませんよ!」
沈んでいるみんなにパンッパンッ!と手の叩く音が響くとミネルバさんが仁王立ちで立っていた!
「まだ連れ去られたとして時間がたっていません!こんな昼間なら必ず人の目があります!ロジーさん達にも声をかけてみんなで街に探しに行きますよ!」
「えっ…」
「何してるんですか!行くの?行かないの!?」
「行きます!」
カナリアはガバッと立ち上がると荷物を放り出して来た道を戻った!
「俺達も行くぞ!」
従者やメイドも駆け出した!
「街の人達にも協力してもらいましょう…ここはあなた達が残って下さい」
ミネルバさんは門番達に声をかけた。
「私達も行きます!」
「いえ、もしミラ様が戻ってきた時に誰かがいないと…イーサン様が達も戻ってくるかも知れません、そうなったら今の事を伝えて下さい」
「は、はい…」
動けない自分達を歯がゆく思っているのか拳をギュッと握って震えている。
「大丈夫、きっと見つかりますよ」
ミネルバさんは落ち着かせるように笑いかけると肩をそっと触った。
「た、たいへ、んで、す!」
カナリアは門番に突進した!
カナリアを抱きとめた門番は酷い有様に慌てて屋敷にカナリアを運ぶと水を持ってくる!
屋敷の者も何事かと集まってきた。
カナリアは水を零しながら少し飲むと…
「ミラ様が!ミラ様が居なくなってしまったんです!は、早くイーサン様に!し、知らせて…下さい…ゴホッゴホッ!」
一気にまくし立てて咳き込む。
「落ち着けカナリア!ミラ様が迷子になったのか?」
背中をさすってやると少し顔色が戻った。
「お店の主人がミラ様が男性と裏から出ていくのを見たそうです…すみません…私がずっと一緒にいたのに…」
「後悔は後だ!すぐにミラージュに行ったイーサン様とクロード様に伝えろ!」
執事のオールドが叫ぶと従者達が馬に乗ってミラージュへと走った!
「ミラはなんで街に…」
ゾーイがカナリアに寄り添って立たせると手には大量の荷物を持っていた…
「ミラ様は元気のないイーサン様に何か喜んで貰いたいと街にお土産を買いに…」
ゾーイはそれにしては沢山ある商品から布を触ると…
「それはゾーイ様にと…他にも屋敷のみんな一人一人にお土産を選んでました…」
「私達にも…」
「オールド様にはタイピンを、メイドのみんなには甘いお菓子とお茶を…従者達には…」
そう言って持っていたお土産を見せた…
「スパイスのお店で多分ビオスさんやパッドさんの物を選んでいたんだと思います…私は前の店の会計をしていて少し離れたすきに…」
カナリアの顔には後悔からか涙が溜まっている。
「ミラ様…」
「泣いてる暇はありませんよ!」
沈んでいるみんなにパンッパンッ!と手の叩く音が響くとミネルバさんが仁王立ちで立っていた!
「まだ連れ去られたとして時間がたっていません!こんな昼間なら必ず人の目があります!ロジーさん達にも声をかけてみんなで街に探しに行きますよ!」
「えっ…」
「何してるんですか!行くの?行かないの!?」
「行きます!」
カナリアはガバッと立ち上がると荷物を放り出して来た道を戻った!
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「街の人達にも協力してもらいましょう…ここはあなた達が残って下さい」
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「私達も行きます!」
「いえ、もしミラ様が戻ってきた時に誰かがいないと…イーサン様が達も戻ってくるかも知れません、そうなったら今の事を伝えて下さい」
「は、はい…」
動けない自分達を歯がゆく思っているのか拳をギュッと握って震えている。
「大丈夫、きっと見つかりますよ」
ミネルバさんは落ち着かせるように笑いかけると肩をそっと触った。
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