78 / 180
連載
ジェイコブ侯爵家
しおりを挟む
「あの店の予約は取れたか?」
ファイ王子の言葉に側近はコクリと頷いた。
「ジェイコブ公爵様のご子息が知り合いを通じて予約なさったそうです」
機嫌悪く報告する。
「なんだよ、あの店行ってみたかったんだ…少しくいらいのわがままを許してくれたっていいだろ?」
「それはよろしいですが頼んだ相手がよくありません」
「ブレンダンがか?」
「はい、ジェイコブ公爵家からはあまりいい噂は聞きません。王子も気を許さないように…」
「わかった…とりあえず飯を食うだけだ。一度通えば会員になれるんだろ?そうすれば次は一人で行くからさ」
側近の男はそれならばと頷くと…
「日にちは明後日です。名前は伏せて侯爵家として行ってください」
「わかった!」
王子は 食べられるならと素直に頷いた。
「名前はリコと…」
「リコ?ブレンダンのところの三男の名前じゃないか」
「はい、彼から借ります。何かあったらそちらに責任をとってもらいますので」
側近はしれっと答えると
「わかったよ、リコ…リコね!」
王子は確かめるように呟いた。
当日…ブレンダンが迎えにきてリコは馬車へと乗り込んだ!
「すまないなブレンダン、今日は助かったよ」
リコはニカッと笑うと
「お役にたてたなら幸いです…父からもよろしくと言っておりました」
「ふーん、わかった」
リコは曖昧に返事をすると
「今日は君の弟として行くわけだからかしこまった口調はやめてくれ。俺は純粋に食事を楽しみたいだけだから」
「はい…いえ…ああ、わかった」
ブレンダンの答えにリコは満足そうに笑った。
店に着くとこの店のオーナーと思われる男が出迎えた。
「これはブレンダン様この度はご予約ありがとうございます」
男は笑顔で頭を下げると
「こちらに…」
待っていた給仕の男を呼ぶと早速中へと案内させた。
長い老化を通されると扉を開けて一室へと通される。
「料理はおまかせとなっております。何か御要望がありましたら私をお呼び下さい」
ブレンダンとリコはこくっと頷いた。
「それでは飲み物はいかがなさいますか?」
「それも任せられるかな?」
リコが聞くと
「もちろんでございます。ブレンダン様もよろしいでしょうか?」
「いや、俺は酒はいい」
「アルコールの無いものもございます。そちらを御用さて頂いてよろしいでしょうか?」
「ああ、頼む」
男は頭を下げるとそっと部屋を出ていった。
「なかなか感じがいいな」
リコは興味深げに部屋の中をキョロキョロと見つめると
「そうですか?少し派手で下品な気がしますが…」
ブレンダンはつまらなそうにしていた。
少し待つと先程の給仕が飲み物を持ってきた。
リコの前には赤い葡萄酒をブレンダンの前には二層に別れた飲み物を持ってきた。
「これは?」
初めて見る飲み物に二人は釘付けになる。それはそこには紫色の液体が沈み上はオレンジ色の液体が注がれていた。
「こちらはカシスオレンジという飲み物です。女性に特に人気となっております。混ぜてお飲み下さい」
「ふーん…」
ブレンダンは綺麗な配色をあっという間にかき混ぜた。
「あーあ!もったいない」
リコが残念そうにしていると…
「こちらはお酒入りもございますよ」
「なに!じゃあそれももらおう!」
リコはすぐに注文した!
「じゃあ乾杯!」
二人はグラスをあげてとりあえず乾杯をする。
リコは混ぜる前には少しだけオレンジ色の部分を飲んでみた。
「これはオレンジジュースだな…」
混ぜると紫色が強く出る、そしてクイッと飲んでみると
「甘いな、だが美味い!これなら何杯でも飲んでしまいそうだ…」
満足そうにカシスオレンジを飲んでいると…
トントン
「失礼致します、前菜をお持ちしました」
先程の給仕ともう一人後ろに連れてきながら料理を運んできた!
来た来た!
リコは早く早くと顔を輝かせた。
ファイ王子の言葉に側近はコクリと頷いた。
「ジェイコブ公爵様のご子息が知り合いを通じて予約なさったそうです」
機嫌悪く報告する。
「なんだよ、あの店行ってみたかったんだ…少しくいらいのわがままを許してくれたっていいだろ?」
「それはよろしいですが頼んだ相手がよくありません」
「ブレンダンがか?」
「はい、ジェイコブ公爵家からはあまりいい噂は聞きません。王子も気を許さないように…」
「わかった…とりあえず飯を食うだけだ。一度通えば会員になれるんだろ?そうすれば次は一人で行くからさ」
側近の男はそれならばと頷くと…
「日にちは明後日です。名前は伏せて侯爵家として行ってください」
「わかった!」
王子は 食べられるならと素直に頷いた。
「名前はリコと…」
「リコ?ブレンダンのところの三男の名前じゃないか」
「はい、彼から借ります。何かあったらそちらに責任をとってもらいますので」
側近はしれっと答えると
「わかったよ、リコ…リコね!」
王子は確かめるように呟いた。
当日…ブレンダンが迎えにきてリコは馬車へと乗り込んだ!
「すまないなブレンダン、今日は助かったよ」
リコはニカッと笑うと
「お役にたてたなら幸いです…父からもよろしくと言っておりました」
「ふーん、わかった」
リコは曖昧に返事をすると
「今日は君の弟として行くわけだからかしこまった口調はやめてくれ。俺は純粋に食事を楽しみたいだけだから」
「はい…いえ…ああ、わかった」
ブレンダンの答えにリコは満足そうに笑った。
店に着くとこの店のオーナーと思われる男が出迎えた。
「これはブレンダン様この度はご予約ありがとうございます」
男は笑顔で頭を下げると
「こちらに…」
待っていた給仕の男を呼ぶと早速中へと案内させた。
長い老化を通されると扉を開けて一室へと通される。
「料理はおまかせとなっております。何か御要望がありましたら私をお呼び下さい」
ブレンダンとリコはこくっと頷いた。
「それでは飲み物はいかがなさいますか?」
「それも任せられるかな?」
リコが聞くと
「もちろんでございます。ブレンダン様もよろしいでしょうか?」
「いや、俺は酒はいい」
「アルコールの無いものもございます。そちらを御用さて頂いてよろしいでしょうか?」
「ああ、頼む」
男は頭を下げるとそっと部屋を出ていった。
「なかなか感じがいいな」
リコは興味深げに部屋の中をキョロキョロと見つめると
「そうですか?少し派手で下品な気がしますが…」
ブレンダンはつまらなそうにしていた。
少し待つと先程の給仕が飲み物を持ってきた。
リコの前には赤い葡萄酒をブレンダンの前には二層に別れた飲み物を持ってきた。
「これは?」
初めて見る飲み物に二人は釘付けになる。それはそこには紫色の液体が沈み上はオレンジ色の液体が注がれていた。
「こちらはカシスオレンジという飲み物です。女性に特に人気となっております。混ぜてお飲み下さい」
「ふーん…」
ブレンダンは綺麗な配色をあっという間にかき混ぜた。
「あーあ!もったいない」
リコが残念そうにしていると…
「こちらはお酒入りもございますよ」
「なに!じゃあそれももらおう!」
リコはすぐに注文した!
「じゃあ乾杯!」
二人はグラスをあげてとりあえず乾杯をする。
リコは混ぜる前には少しだけオレンジ色の部分を飲んでみた。
「これはオレンジジュースだな…」
混ぜると紫色が強く出る、そしてクイッと飲んでみると
「甘いな、だが美味い!これなら何杯でも飲んでしまいそうだ…」
満足そうにカシスオレンジを飲んでいると…
トントン
「失礼致します、前菜をお持ちしました」
先程の給仕ともう一人後ろに連れてきながら料理を運んできた!
来た来た!
リコは早く早くと顔を輝かせた。
90
お気に入りに追加
4,333
あなたにおすすめの小説
[完結]いらない子と思われていた令嬢は・・・・・・
青空一夏
恋愛
私は両親の目には映らない。それは妹が生まれてから、ずっとだ。弟が生まれてからは、もう私は存在しない。
婚約者は妹を選び、両親は当然のようにそれを喜ぶ。
「取られる方が悪いんじゃないの? 魅力がないほうが負け」
妹の言葉を肯定する家族達。
そうですか・・・・・・私は邪魔者ですよね、だから私はいなくなります。
※以前投稿していたものを引き下げ、大幅に改稿したものになります。
夫の色のドレスを着るのをやめた結果、夫が我慢をやめてしまいました
氷雨そら
恋愛
夫の色のドレスは私には似合わない。
ある夜会、夫と一緒にいたのは夫の愛人だという噂が流れている令嬢だった。彼女は夫の瞳の色のドレスを私とは違い完璧に着こなしていた。噂が事実なのだと確信した私は、もう夫の色のドレスは着ないことに決めた。
小説家になろう様にも掲載中です
愛された側妃と、愛されなかった正妃
編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。
夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。
連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。
正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。
※カクヨムさんにも掲載中
※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります
※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。
狂犬を手なずけたら溺愛されました
三園 七詩
恋愛
気がつくと知らない国に生まれていたラーミア、この国は前世で読んでいた小説の世界だった。
前世で男性に酷い目にあったラーミアは生まれ変わっても男性が苦手だった。
転生幼女の怠惰なため息
(◉ɷ◉ )〈ぬこ〉
ファンタジー
ひとり残業中のアラフォー、清水 紗代(しみず さよ)。異世界の神のゴタゴタに巻き込まれ、アッという間に死亡…( ºωº )チーン…
紗世を幼い頃から見守ってきた座敷わらしズがガチギレ⁉💢
座敷わらしズが異世界の神を脅し…ε=o(´ロ`||)ゴホゴホッ説得して異世界での幼女生活スタートっ!!
もう何番煎じかわからない異世界幼女転生のご都合主義なお話です。
全くの初心者となりますので、よろしくお願いします。
作者は極度のとうふメンタルとなっております…
幼女に転生したらイケメン冒険者パーティーに保護&溺愛されています
ひなた
ファンタジー
死んだと思ったら
目の前に神様がいて、
剣と魔法のファンタジー異世界に転生することに!
魔法のチート能力をもらったものの、
いざ転生したら10歳の幼女だし、草原にぼっちだし、いきなり魔物でるし、
魔力はあって魔法適正もあるのに肝心の使い方はわからないし で転生早々大ピンチ!
そんなピンチを救ってくれたのは
イケメン冒険者3人組。
その3人に保護されつつパーティーメンバーとして冒険者登録することに!
日々の疲労の癒しとしてイケメン3人に可愛いがられる毎日が、始まりました。
【完結】神様に嫌われた神官でしたが、高位神に愛されました
土広真丘
ファンタジー
神と交信する力を持つ者が生まれる国、ミレニアム帝国。
神官としての力が弱いアマーリエは、両親から疎まれていた。
追い討ちをかけるように神にも拒絶され、両親は妹のみを溺愛し、妹の婚約者には無能と罵倒される日々。
居場所も立場もない中、アマーリエが出会ったのは、紅蓮の炎を操る青年だった。
小説家になろう、カクヨムでも公開していますが、一部内容が異なります。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。