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ビオスは店の中へと案内される…

内装はビオスが収容されていた間に随分と変わったものとなっていた。

「へぇ…今はこんなのが流行ってるのか…」

「んー…そういう訳でもないんだけど…まぁそのうちわかると思うから説明は省くよ。ここが客席でランクわけされてる、手前からブロンズ、シルバー、ゴールドクラス上に行くほど料金も高いが質のいい提供を受けることが出来るんだ」

「すげぇな!今はそんな事になってるのか…」

キョロキョロと店内を物珍しそうに見ているのをクロードは笑ってみていた。

「で、こっちが厨房だ。君にはここでしばらく働いてもらう」

「はい」

ビオスは気を引き締めると

「まずは裏の従業員用の宿舎に案内する」

クロードは厨房内にある奥の扉から出て裏に隣接されている建物にビオスを案内する。

「今日からここが君の部屋だ、荷物を置いて少し待っていてくれ。もう少ししたらここの責任者が来るから紹介するよ」

「責任者?クロード様がそうなんじゃないんですか?」

ビオスが聞くと

「私もその一人だけど共同経営なんだよ…あと一人イーサンって男がいるんだ」

「イーサン様…」

「料理長も一緒に連れてくるからここで待っててくれ」

クロードが部屋を出ていこうとする。

「いや!私が向かいますよ!雇い主に来てもらうなんて…」

ビオスは荷物をドサッとベッドに放り投げると一緒に着いていこうとする。

「いや!それは人目につくからここで待っていてくれ」

「人目?」

クロードが慌てている…

ああ…それもそうか囚人とわざわざバラすなと言うことか…

ビオスは頷くと大人しく部屋で待つことにした。


その頃ミラはイーサン様と店に向かっていた!

「まだですか!?」

馬車の中をソワソワと立ったり座ったりして落ち着かないでいる。

「もうすぐだよ」

イーサンはその様子を見て苦笑いしていた。

店に着くなりミラは馬車を飛び出すと店に向かって走り出す!

「ありゃどうしたんだ?」

一緒に来ていたパッドがミラの様子に不思議そうにしていた。

「ミラの知り合いの人が今日から働くから早く会いたいんだよ」

「知り合い…って確かミラって…」

パッドはまじかとイーサン様を見つめると

「ミラの願いだからね、それにそれを叶えられるだけの事をあの子はやってみせた」

「あれ…今日から働くって…まさか新しく来る新人ってそいつか!?」

「ああ、パッド面倒見てやってくれ」

「そいつ…なにか犯罪を犯して収容所にいたんじゃ…?」

「んー…まぁそこら辺の事は本人に聞けばいいさ、それにミラが大丈夫と言うなら私は娘の言うことを信じるよ」

「わかった…でも俺が駄目だと思ったら切り捨ててもいいんですよね」

パッドは真剣な顔でイーサン様を見つめた。

「いくらイーサン様の命令とは言え…ミラを傷つけるような奴なら俺は許しませんよ。たとえミラの知り合いだとしても…」

「ああ、いいんじゃない」

イーサンはパッドの反応に面白そうに笑った。
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