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アイス
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クロードは笑顔で答えた。
「それはアイスクリームと言う食べ物です」
「アイスクリーム…氷のクリーム?」
「はい、文字通りクリームを凍らせたものです」
「氷…とはまた違って口の中で溶けていくぞ!ただ単に凍らせただけじゃないはずだ…」
「そうですね…少し特殊な方法で作っております」
クロードさんが笑いながら得意げに説明している。
「特殊って…」
その話を聞いてミラがクスクスと笑う。
ただ掻き混ぜながら凍らせてるだけなのだが…確かに作り方を知らなければこの滑らかな感じには出来ないかもしれない。
アイスクリームのデザートは特に女性に人気なようでお土産を頼んでいる人もいた。
クロードは一人一人に声をかけて今日の感想を聞いてテーブルを回っている。
テーブルでは皆が笑顔で話しており概ね喜んで貰えたようだ。
招待したお客さんを全員見送りクロードは店の明かりを落とした。
鍵をかけて中へと戻ってくると従業員達がソワソワしながらフロアに並んで待っていた。
クロードは一瞬驚いて顔を硬直させるがみんなの真剣な顔を見て力を抜くと
「よくやった」
それだけ言って笑いかけた。
「よ、よかった…」
全身の力が抜けたのか…従業員達はドサッと床に座り込む。
「おいおい、これで終わりじゃ無いぞ!ここから始まるんだ。今日はよくやってくれたからこのまま休んでいいぞ、明日は今日の反省点を確認して直していくからな」
「クロード様…」
フロアの責任者がそっと手を上げると
「なんだ?」
クロードが目を合わせた。
「今日の反省点は今お聞きしたいです!」
他の従業員達も一様に頷くと
「そうか…じゃあみんな疲れてるだろうからテーブルに座ってくれ。さすがに床に座ったままだと良くないからな」
従業員達は自分達の様子を改めて確認すると苦笑して立ち上がり席に座った。
クロードさんのから各々反省点を言われて真剣にメモを取りながら話を聞いている。
一通り話が終わると…
「ミラは今日どうだった?素直な気持ちを言えばいいんだよ」
クロードさんがこっちに話を振ってきた。
これは…子供としての素直な気持ちを聞いてるんだよね…
「お料理も綺麗で美味しかったです!でも私にはいっぱいすぎだったの…あとちょっと嫌いな食べ物とかもあった」
子供っぽく答えると
「なるほどね…事前に来る人の情報もある程度把握しておかないといけないな…」
クロードさんが頷くと従者に指示をだした。
「ではみんなお疲れ様、あと少し片付けをしたら部屋に戻って休んでくれ一日おいて次の日には正式な開店となる」
『はい!』
従業員達は頷くとテーブルの片付けに向かった。
従業員達が片付けに動いてるなかクロードとイーサン、ミラとパッドはお店の事務室へと向かった。
「皆さんお疲れ様でした」
部屋に入るなりミラがクロードとパッドに声をかけた。
「いや!全然疲れてないんだよそれが…」
パッドさんが笑って答える。
「なんて言うか…充実感からか興奮してる!あんなに喜んで貰えて…楽しかった…ミラありがとうな」
「えっ?な、なんで私にお礼を言うの?」
「なんでって屋台やお店の事を考えて作ったのはお前だろ?」
「そ、そうだけど…」
「俺はこの店を作ってくれて感謝してるんだ!他の奴らだって同じだぞ」
パッドさんがそういうとイーサン様がほらねとばかりに笑っている。
「うん…こちらこそありがとう。これからもよろしくね」
ミラは泣きたくなる気持ちをぐっと堪えて笑ってみせた。
「それはアイスクリームと言う食べ物です」
「アイスクリーム…氷のクリーム?」
「はい、文字通りクリームを凍らせたものです」
「氷…とはまた違って口の中で溶けていくぞ!ただ単に凍らせただけじゃないはずだ…」
「そうですね…少し特殊な方法で作っております」
クロードさんが笑いながら得意げに説明している。
「特殊って…」
その話を聞いてミラがクスクスと笑う。
ただ掻き混ぜながら凍らせてるだけなのだが…確かに作り方を知らなければこの滑らかな感じには出来ないかもしれない。
アイスクリームのデザートは特に女性に人気なようでお土産を頼んでいる人もいた。
クロードは一人一人に声をかけて今日の感想を聞いてテーブルを回っている。
テーブルでは皆が笑顔で話しており概ね喜んで貰えたようだ。
招待したお客さんを全員見送りクロードは店の明かりを落とした。
鍵をかけて中へと戻ってくると従業員達がソワソワしながらフロアに並んで待っていた。
クロードは一瞬驚いて顔を硬直させるがみんなの真剣な顔を見て力を抜くと
「よくやった」
それだけ言って笑いかけた。
「よ、よかった…」
全身の力が抜けたのか…従業員達はドサッと床に座り込む。
「おいおい、これで終わりじゃ無いぞ!ここから始まるんだ。今日はよくやってくれたからこのまま休んでいいぞ、明日は今日の反省点を確認して直していくからな」
「クロード様…」
フロアの責任者がそっと手を上げると
「なんだ?」
クロードが目を合わせた。
「今日の反省点は今お聞きしたいです!」
他の従業員達も一様に頷くと
「そうか…じゃあみんな疲れてるだろうからテーブルに座ってくれ。さすがに床に座ったままだと良くないからな」
従業員達は自分達の様子を改めて確認すると苦笑して立ち上がり席に座った。
クロードさんのから各々反省点を言われて真剣にメモを取りながら話を聞いている。
一通り話が終わると…
「ミラは今日どうだった?素直な気持ちを言えばいいんだよ」
クロードさんがこっちに話を振ってきた。
これは…子供としての素直な気持ちを聞いてるんだよね…
「お料理も綺麗で美味しかったです!でも私にはいっぱいすぎだったの…あとちょっと嫌いな食べ物とかもあった」
子供っぽく答えると
「なるほどね…事前に来る人の情報もある程度把握しておかないといけないな…」
クロードさんが頷くと従者に指示をだした。
「ではみんなお疲れ様、あと少し片付けをしたら部屋に戻って休んでくれ一日おいて次の日には正式な開店となる」
『はい!』
従業員達は頷くとテーブルの片付けに向かった。
従業員達が片付けに動いてるなかクロードとイーサン、ミラとパッドはお店の事務室へと向かった。
「皆さんお疲れ様でした」
部屋に入るなりミラがクロードとパッドに声をかけた。
「いや!全然疲れてないんだよそれが…」
パッドさんが笑って答える。
「なんて言うか…充実感からか興奮してる!あんなに喜んで貰えて…楽しかった…ミラありがとうな」
「えっ?な、なんで私にお礼を言うの?」
「なんでって屋台やお店の事を考えて作ったのはお前だろ?」
「そ、そうだけど…」
「俺はこの店を作ってくれて感謝してるんだ!他の奴らだって同じだぞ」
パッドさんがそういうとイーサン様がほらねとばかりに笑っている。
「うん…こちらこそありがとう。これからもよろしくね」
ミラは泣きたくなる気持ちをぐっと堪えて笑ってみせた。
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