収容所生まれの転生幼女は、囚人達と楽しく暮らしたい

三園 七詩

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ロジー達販売者達の研修も終わりみな無事に街に出て販売する許可を貰う事が出来た。



「しかしミラちゃんがこれなら大丈夫って言った次の日はみんな許可がおりたな」

「ああ確かに、でもあのミラちゃんに美味しいって言われると自信がつくよな!あんな顔で喜んでくれる人は俺は初めてだ」

「この屋敷の子供なんだよな?それが俺達とあんな風に喋ってて大丈夫だったのかなぁ」

さぁ…とロジー達はミラについて話していた。



「どうにかここまできた…」

ミラは部屋から嬉しそうに話しているロジーさん達を見つめる。

「こうやって見ると来たばかりの時の面影ありませんね~」

カナリアがミラの隣で同じようにみんなを見ていた。

「うん、顔色もいいし髪も髭も整えてみんなかっこよくなったね、あれなら販売者としても清潔だし大丈夫だね。コロッケも作るの上手くなったし…」

「そうですね!でも…」

カナリアが顔を曇らせた…

「なんかダメな所あったかな?」

ミラはカナリアに聞くと

「いえ…もう練習で作ったコロッケが食べられないのかと…少し残念です」

少しと言いながらガックリと肩を落とすカナリアにミラは思わず笑いだした。

「あはは!パッドさんに言えばすぐに作ってくれるよ」

「そうですかね…この前それを言ったらお前は食いすぎだと怒られたんですよ…」

「えー?パッドさんが?」

ミラが驚くと

「あの人が甘いのは旦那様とミラ様だけですからね!」

カナリアはプンプンと納得いかないと顔を顰め怒っている。


その日の夜、クロードがイーサンの屋敷を訪れるとイーサン、クロード、ミラが集まり会議を開いた。

「いよいよ屋台を明日から街に出すぞ」

イーサンの言葉にクロードの顔がパァーッと輝く!

「おお!とうとうここまで来たな」

嬉しそうにすると

「クロードさんはお店の方は準備どうですか?」

ミラが聞くと

「もう店は完成した、あとは従業員の教育がすめばこっちの準備は終わりだ、そっちはどうなんだ?」

クロードがイーサンに聞くと

「パッドが料理人に店に出す料理を叩き込んでいる。皆、覚えもよくてほぼほぼ教える事はないと言っていたぞ」

「そうか…どんな料理なのか楽しみだ!」

「お店のプレオープンに来るお客様の方はどうなってますか?」

ミラがクロードに聞くと…

「そちらも抜かりない!流行りもの好きの公爵家のご婦人方をはじめ、味にうるさい評論家から多種多様な方達に声をかけてきた。皆コロッケをお土産に持っていったら二つ返事で行くと言ってくれだぞ。しかも皆ある程度爵位の高い発言権のある人達ばかりだ…」

クロードがミラにニヤリと笑いかける。

それはまるでミラの願いをわかっているかのようだった。

「よかった…あとは本番で失敗しないように気をつけないとね」

ミラが少し緊張すると

「そこまで気負うことはないよ…これは間違いなく成功するさ」

イーサンがミラを見つめて力強く頷いた。

「そうだね!あとは全力を出すのみ!みんながんばって」

何も手伝う事の出来ないミラはみんなに頼む事しか出来なかった。
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