58 / 180
連載
新店舗
しおりを挟む
クロードは言葉の通りあっという間に店の場所を決めてきた、そして内装の様子を紙に描いてミラの元に持ってきた。
「どうだい?場所は街の中心部の一等地をおさえたよ。そして内装はこれだ」
クロードが差し出した紙をミラは確認すると…
「土地は…よく分からないのでおまかせします。でも内装はちょっと変えたいかな…」
「何!?何処がよくない?高価な素材を使って高級感を出したぞ」
「そこはいいと思います。でもクラス別の差別化が出来てないです…あと個室も用意してください」
「差別化…個室…」
「個室は周りを気にせずに使えるし、ファミリー向けにもいいですよ、あと密談にも…」
ミラがニヤリと笑う。
「な、なるほど…」
「あとやっぱり一セット周りよりも高価でゴールド会員にならないと座れないテーブルがあるといいです…出来ればブロンズとシルバー用と分けて出来ますか?」
ミラが伺うようにクロードを見上げる。
「任せてほしい!必ず君の要望通りの店を用意するよ」
クロードは紙をグシャリと掴むと屋敷を出ていった!
「あれ?クロード様はもうお帰りですか?」
お茶を用意して持ってきたカナリアが急いで出ていくクロードとすれ違い首を傾げる。
「う、うん…ごめんねカナリアさん、お茶よかったら一緒に飲みましょう」
ミラはせっかく用意してもらったお茶をカナリアと楽しんだ。
次の日イーサン様とミラはチラシを作り街の至る所に貼り出した。
字が読めない人もいるだろうとなるべく簡単な単語を使いイラストをつけた。
屋敷のメイドさんや従者さん達も手伝ってもらい貧困層の住むエリアにも貼っていると…
「そりゃ何貼ってんだ…」
カナリアが従者のイズと貼っている時に声をかけられた。
「今度この先の屋敷のイーサン・ハント男爵家で大量に人を雇う事になりまして…その募集のチラシです」
「なんでこんなところに貼ってんだ…ここは貧乏人しかいないぞ…」
男が睨むと
「ここの人達を雇おうと思ってるみたいですよ」
「えっ!」
大きなカナリアの声に伺っていた他の人達も集まってくる。
「そりゃ本当か!しごとが貰えるのか?」
「でも面接はあるそうです。ここに書いてある日に屋敷に来て欲しいんですけど…チラシいります?」
「くれ!」
「俺にもくれ!」
「私にもちょうだい!」
カナリアとイズに街の人達が詰め寄ると…
「でも…字が読めねぇ…」
チラシを見てガックリとしている。
「よく見てください、ちゃんと絵が書いてありますよね?」
「ん?こりゃ何かを引く絵か?」
「隣はなんか作ってるな…」
「そうです。それが仕事内容になります、もし読めないようであればチラシを持って屋敷に来てくだされば内容をお伝えしますよ!屋敷までの道のりもそこに書いてますので」
「本当だ…ありがとう!絶対行くよ」
「よろしくお願いします。他の方にもよかったら伝えて置いて下さいね」
「そ、それは…」
みんなが気まずそうに顔を背けると…
「そんな事したら自分の仕事がなくなっちまうかもしれない…」
「言い忘れました!それって二人で一組で雇うんです!ですから相方を見つけないといけないんですよ」
カナリアがしまったと舌を出すと
「相方…二人で行くのか?」
「はい!ですからパートナーを見つけるついでに伝えておいて下さいね」
カナリアとイズはそう言ってまた違う場所にチラシを貼りに行ってしまった。
チラシを貰った街の人は迷いながらじっとそのイラストを眺めていた。
「どうだい?場所は街の中心部の一等地をおさえたよ。そして内装はこれだ」
クロードが差し出した紙をミラは確認すると…
「土地は…よく分からないのでおまかせします。でも内装はちょっと変えたいかな…」
「何!?何処がよくない?高価な素材を使って高級感を出したぞ」
「そこはいいと思います。でもクラス別の差別化が出来てないです…あと個室も用意してください」
「差別化…個室…」
「個室は周りを気にせずに使えるし、ファミリー向けにもいいですよ、あと密談にも…」
ミラがニヤリと笑う。
「な、なるほど…」
「あとやっぱり一セット周りよりも高価でゴールド会員にならないと座れないテーブルがあるといいです…出来ればブロンズとシルバー用と分けて出来ますか?」
ミラが伺うようにクロードを見上げる。
「任せてほしい!必ず君の要望通りの店を用意するよ」
クロードは紙をグシャリと掴むと屋敷を出ていった!
「あれ?クロード様はもうお帰りですか?」
お茶を用意して持ってきたカナリアが急いで出ていくクロードとすれ違い首を傾げる。
「う、うん…ごめんねカナリアさん、お茶よかったら一緒に飲みましょう」
ミラはせっかく用意してもらったお茶をカナリアと楽しんだ。
次の日イーサン様とミラはチラシを作り街の至る所に貼り出した。
字が読めない人もいるだろうとなるべく簡単な単語を使いイラストをつけた。
屋敷のメイドさんや従者さん達も手伝ってもらい貧困層の住むエリアにも貼っていると…
「そりゃ何貼ってんだ…」
カナリアが従者のイズと貼っている時に声をかけられた。
「今度この先の屋敷のイーサン・ハント男爵家で大量に人を雇う事になりまして…その募集のチラシです」
「なんでこんなところに貼ってんだ…ここは貧乏人しかいないぞ…」
男が睨むと
「ここの人達を雇おうと思ってるみたいですよ」
「えっ!」
大きなカナリアの声に伺っていた他の人達も集まってくる。
「そりゃ本当か!しごとが貰えるのか?」
「でも面接はあるそうです。ここに書いてある日に屋敷に来て欲しいんですけど…チラシいります?」
「くれ!」
「俺にもくれ!」
「私にもちょうだい!」
カナリアとイズに街の人達が詰め寄ると…
「でも…字が読めねぇ…」
チラシを見てガックリとしている。
「よく見てください、ちゃんと絵が書いてありますよね?」
「ん?こりゃ何かを引く絵か?」
「隣はなんか作ってるな…」
「そうです。それが仕事内容になります、もし読めないようであればチラシを持って屋敷に来てくだされば内容をお伝えしますよ!屋敷までの道のりもそこに書いてますので」
「本当だ…ありがとう!絶対行くよ」
「よろしくお願いします。他の方にもよかったら伝えて置いて下さいね」
「そ、それは…」
みんなが気まずそうに顔を背けると…
「そんな事したら自分の仕事がなくなっちまうかもしれない…」
「言い忘れました!それって二人で一組で雇うんです!ですから相方を見つけないといけないんですよ」
カナリアがしまったと舌を出すと
「相方…二人で行くのか?」
「はい!ですからパートナーを見つけるついでに伝えておいて下さいね」
カナリアとイズはそう言ってまた違う場所にチラシを貼りに行ってしまった。
チラシを貰った街の人は迷いながらじっとそのイラストを眺めていた。
122
お気に入りに追加
4,350
あなたにおすすめの小説

夫の色のドレスを着るのをやめた結果、夫が我慢をやめてしまいました
氷雨そら
恋愛
夫の色のドレスは私には似合わない。
ある夜会、夫と一緒にいたのは夫の愛人だという噂が流れている令嬢だった。彼女は夫の瞳の色のドレスを私とは違い完璧に着こなしていた。噂が事実なのだと確信した私は、もう夫の色のドレスは着ないことに決めた。
小説家になろう様にも掲載中です

〈完結〉【書籍化&コミカライズ・取り下げ予定】記憶を失ったらあなたへの恋心も消えました。
ごろごろみかん。
恋愛
婚約者には、何よりも大切にしている義妹がいる、らしい。
ある日、私は階段から転がり落ち、目が覚めた時には全てを忘れていた。
対面した婚約者は、
「お前がどうしても、というからこの婚約を結んだ。そんなことも覚えていないのか」
……とても偉そう。日記を見るに、以前の私は彼を慕っていたらしいけれど。
「階段から転げ落ちた衝撃であなたへの恋心もなくなったみたいです。ですから婚約は解消していただいて構いません。今まで無理を言って申し訳ありませんでした」
今の私はあなたを愛していません。
気弱令嬢(だった)シャーロットの逆襲が始まる。
☆タイトルコロコロ変えてすみません、これで決定、のはず。
☆商業化が決定したため取り下げ予定です(完結まで更新します)

世界最強の公爵様は娘が可愛くて仕方ない
猫乃真鶴
ファンタジー
トゥイリアース王国の筆頭公爵家、ヴァーミリオン。その現当主アルベルト・ヴァーミリオンは、王宮のみならず王都ミリールにおいても名の通った人物であった。
まずその美貌。女性のみならず男性であっても、一目見ただけで誰もが目を奪われる。あと、公爵家だけあってお金持ちだ。王家始まって以来の最高の魔法使いなんて呼び名もある。実際、王国中の魔導士を集めても彼に敵う者は存在しなかった。
ただし、彼は持った全ての力を愛娘リリアンの為にしか使わない。
財力も、魔力も、顔の良さも、権力も。
なぜなら彼は、娘命の、究極の娘馬鹿だからだ。
※このお話は、日常系のギャグです。
※小説家になろう様にも掲載しています。
※2024年5月 タイトルとあらすじを変更しました。
敗戦して嫁ぎましたが、存在を忘れ去られてしまったので自給自足で頑張ります!
桗梛葉 (たなは)
恋愛
タイトルを変更しました。
※※※※※※※※※※※※※
魔族 vs 人間。
冷戦を経ながらくすぶり続けた長い戦いは、人間側の敗戦に近い状況で、ついに終止符が打たれた。
名ばかりの王族リュシェラは、和平の証として、魔王イヴァシグスに第7王妃として嫁ぐ事になる。だけど、嫁いだ夫には魔人の妻との間に、すでに皇子も皇女も何人も居るのだ。
人間のリュシェラが、ここで王妃として求められる事は何もない。和平とは名ばかりの、敗戦国の隷妃として、リュシェラはただ静かに命が潰えていくのを待つばかり……なんて、殊勝な性格でもなく、与えられた宮でのんびり自給自足の生活を楽しんでいく。
そんなリュシェラには、実は誰にも言えない秘密があった。
※※※※※※※※※※※※※
短編は難しいな…と痛感したので、慣れた文字数、文体で書いてみました。
お付き合い頂けたら嬉しいです!
もふもふ相棒と異世界で新生活!! 神の愛し子? そんなことは知りません!!
ありぽん
ファンタジー
[第3回次世代ファンタジーカップエントリー]
特別賞受賞 書籍化決定!!
応援くださった皆様、ありがとうございます!!
望月奏(中学1年生)は、ある日車に撥ねられそうになっていた子犬を庇い、命を落としてしまう。
そして気づけば奏の前には白く輝く玉がふわふわと浮いていて。光り輝く玉は何と神様。
神様によれば、今回奏が死んだのは、神様のせいだったらしく。
そこで奏は神様のお詫びとして、新しい世界で生きることに。
これは自分では規格外ではないと思っている奏が、規格外の力でもふもふ相棒と、
たくさんのもふもふ達と楽しく幸せに暮らす物語。
異世界に召喚されたけど間違いだからって棄てられました
ピコっぴ
ファンタジー
【異世界に召喚されましたが、間違いだったようです】
ノベルアッププラス小説大賞一次選考通過作品です
※自筆挿絵要注意⭐
表紙はhake様に頂いたファンアートです
(Twitter)https://mobile.twitter.com/hake_choco
異世界召喚などというファンタジーな経験しました。
でも、間違いだったようです。
それならさっさと帰してくれればいいのに、聖女じゃないから神殿に置いておけないって放り出されました。
誘拐同然に呼びつけておいてなんて言いぐさなの!?
あまりのひどい仕打ち!
私はどうしたらいいの……!?

転生幼女のチートな悠々自適生活〜伝統魔法を使い続けていたら気づけば賢者になっていた〜
犬社護
ファンタジー
ユミル(4歳)は気がついたら、崖下にある森の中にいた。
馬車が崖下に落下した影響で、前世の記憶を思い出す。周囲には散乱した荷物だけでなく、さっきまで会話していた家族が横たわっており、自分だけ助かっていることにショックを受ける。
大雨の中を泣き叫んでいる時、1体の小さな精霊カーバンクルが現れる。前世もふもふ好きだったユミルは、もふもふ精霊と会話することで悲しみも和らぎ、互いに打ち解けることに成功する。
精霊カーバンクルと仲良くなったことで、彼女は日本古来の伝統に関わる魔法を習得するのだが、チート魔法のせいで色々やらかしていく。まわりの精霊や街に住む平民や貴族達もそれに振り回されるものの、愛くるしく天真爛漫な彼女を見ることで、皆がほっこり心を癒されていく。
人々や精霊に愛されていくユミルは、伝統魔法で仲間たちと悠々自適な生活を目指します。
転生したらチートすぎて逆に怖い
至宝里清
ファンタジー
前世は苦労性のお姉ちゃん
愛されることを望んでいた…
神様のミスで刺されて転生!
運命の番と出会って…?
貰った能力は努力次第でスーパーチート!
番と幸せになるために無双します!
溺愛する家族もだいすき!
恋愛です!
無事1章完結しました!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。