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クロードは言葉の通りあっという間に店の場所を決めてきた、そして内装の様子を紙に描いてミラの元に持ってきた。
「どうだい?場所は街の中心部の一等地をおさえたよ。そして内装はこれだ」
クロードが差し出した紙をミラは確認すると…
「土地は…よく分からないのでおまかせします。でも内装はちょっと変えたいかな…」
「何!?何処がよくない?高価な素材を使って高級感を出したぞ」
「そこはいいと思います。でもクラス別の差別化が出来てないです…あと個室も用意してください」
「差別化…個室…」
「個室は周りを気にせずに使えるし、ファミリー向けにもいいですよ、あと密談にも…」
ミラがニヤリと笑う。
「な、なるほど…」
「あとやっぱり一セット周りよりも高価でゴールド会員にならないと座れないテーブルがあるといいです…出来ればブロンズとシルバー用と分けて出来ますか?」
ミラが伺うようにクロードを見上げる。
「任せてほしい!必ず君の要望通りの店を用意するよ」
クロードは紙をグシャリと掴むと屋敷を出ていった!
「あれ?クロード様はもうお帰りですか?」
お茶を用意して持ってきたカナリアが急いで出ていくクロードとすれ違い首を傾げる。
「う、うん…ごめんねカナリアさん、お茶よかったら一緒に飲みましょう」
ミラはせっかく用意してもらったお茶をカナリアと楽しんだ。
次の日イーサン様とミラはチラシを作り街の至る所に貼り出した。
字が読めない人もいるだろうとなるべく簡単な単語を使いイラストをつけた。
屋敷のメイドさんや従者さん達も手伝ってもらい貧困層の住むエリアにも貼っていると…
「そりゃ何貼ってんだ…」
カナリアが従者のイズと貼っている時に声をかけられた。
「今度この先の屋敷のイーサン・ハント男爵家で大量に人を雇う事になりまして…その募集のチラシです」
「なんでこんなところに貼ってんだ…ここは貧乏人しかいないぞ…」
男が睨むと
「ここの人達を雇おうと思ってるみたいですよ」
「えっ!」
大きなカナリアの声に伺っていた他の人達も集まってくる。
「そりゃ本当か!しごとが貰えるのか?」
「でも面接はあるそうです。ここに書いてある日に屋敷に来て欲しいんですけど…チラシいります?」
「くれ!」
「俺にもくれ!」
「私にもちょうだい!」
カナリアとイズに街の人達が詰め寄ると…
「でも…字が読めねぇ…」
チラシを見てガックリとしている。
「よく見てください、ちゃんと絵が書いてありますよね?」
「ん?こりゃ何かを引く絵か?」
「隣はなんか作ってるな…」
「そうです。それが仕事内容になります、もし読めないようであればチラシを持って屋敷に来てくだされば内容をお伝えしますよ!屋敷までの道のりもそこに書いてますので」
「本当だ…ありがとう!絶対行くよ」
「よろしくお願いします。他の方にもよかったら伝えて置いて下さいね」
「そ、それは…」
みんなが気まずそうに顔を背けると…
「そんな事したら自分の仕事がなくなっちまうかもしれない…」
「言い忘れました!それって二人で一組で雇うんです!ですから相方を見つけないといけないんですよ」
カナリアがしまったと舌を出すと
「相方…二人で行くのか?」
「はい!ですからパートナーを見つけるついでに伝えておいて下さいね」
カナリアとイズはそう言ってまた違う場所にチラシを貼りに行ってしまった。
チラシを貰った街の人は迷いながらじっとそのイラストを眺めていた。
「どうだい?場所は街の中心部の一等地をおさえたよ。そして内装はこれだ」
クロードが差し出した紙をミラは確認すると…
「土地は…よく分からないのでおまかせします。でも内装はちょっと変えたいかな…」
「何!?何処がよくない?高価な素材を使って高級感を出したぞ」
「そこはいいと思います。でもクラス別の差別化が出来てないです…あと個室も用意してください」
「差別化…個室…」
「個室は周りを気にせずに使えるし、ファミリー向けにもいいですよ、あと密談にも…」
ミラがニヤリと笑う。
「な、なるほど…」
「あとやっぱり一セット周りよりも高価でゴールド会員にならないと座れないテーブルがあるといいです…出来ればブロンズとシルバー用と分けて出来ますか?」
ミラが伺うようにクロードを見上げる。
「任せてほしい!必ず君の要望通りの店を用意するよ」
クロードは紙をグシャリと掴むと屋敷を出ていった!
「あれ?クロード様はもうお帰りですか?」
お茶を用意して持ってきたカナリアが急いで出ていくクロードとすれ違い首を傾げる。
「う、うん…ごめんねカナリアさん、お茶よかったら一緒に飲みましょう」
ミラはせっかく用意してもらったお茶をカナリアと楽しんだ。
次の日イーサン様とミラはチラシを作り街の至る所に貼り出した。
字が読めない人もいるだろうとなるべく簡単な単語を使いイラストをつけた。
屋敷のメイドさんや従者さん達も手伝ってもらい貧困層の住むエリアにも貼っていると…
「そりゃ何貼ってんだ…」
カナリアが従者のイズと貼っている時に声をかけられた。
「今度この先の屋敷のイーサン・ハント男爵家で大量に人を雇う事になりまして…その募集のチラシです」
「なんでこんなところに貼ってんだ…ここは貧乏人しかいないぞ…」
男が睨むと
「ここの人達を雇おうと思ってるみたいですよ」
「えっ!」
大きなカナリアの声に伺っていた他の人達も集まってくる。
「そりゃ本当か!しごとが貰えるのか?」
「でも面接はあるそうです。ここに書いてある日に屋敷に来て欲しいんですけど…チラシいります?」
「くれ!」
「俺にもくれ!」
「私にもちょうだい!」
カナリアとイズに街の人達が詰め寄ると…
「でも…字が読めねぇ…」
チラシを見てガックリとしている。
「よく見てください、ちゃんと絵が書いてありますよね?」
「ん?こりゃ何かを引く絵か?」
「隣はなんか作ってるな…」
「そうです。それが仕事内容になります、もし読めないようであればチラシを持って屋敷に来てくだされば内容をお伝えしますよ!屋敷までの道のりもそこに書いてますので」
「本当だ…ありがとう!絶対行くよ」
「よろしくお願いします。他の方にもよかったら伝えて置いて下さいね」
「そ、それは…」
みんなが気まずそうに顔を背けると…
「そんな事したら自分の仕事がなくなっちまうかもしれない…」
「言い忘れました!それって二人で一組で雇うんです!ですから相方を見つけないといけないんですよ」
カナリアがしまったと舌を出すと
「相方…二人で行くのか?」
「はい!ですからパートナーを見つけるついでに伝えておいて下さいね」
カナリアとイズはそう言ってまた違う場所にチラシを貼りに行ってしまった。
チラシを貰った街の人は迷いながらじっとそのイラストを眺めていた。
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