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ミラ

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ミラの事を隠したいイーサンの思いとは裏腹にミラの料理は貴族達の間で話題となってしまった…

しかもイーサンが決して作った者を明かさなかった事で噂に尾ひれが付き、どんな凄い人物がこんな料理を作っているのかと連日貴族達が屋敷に詰めかけた。

「イーサン、いい加減その料理人に会わせてくれよ。俺とお前の仲じゃないか」

今日もコロッケを催促に友人のクロードが来ていた。

「何度も言うが会わせる気はない、本人も人前には出る気はないからな」

「ふーん…じゃあパッドを呼んでくれよ、彼と少し話すくらいはいいだろ?」

「いいが…彼も作れるが考えたのは彼じゃないぞ」

「構わない」

クロードが頷くと、イーサンは仕方なさそうに執事に声をかけた。


「お呼びですか?」

少ししてパッドが恐る恐る扉をノックして部屋へとやってきた。

「ああ待ってたよ!」

クロードが笑顔でパッドを出迎えると

「何か料理に不備が?」

パッドがクロードとイーサンを交互に見ると

「いや!今日も最高に美味しかった!またお土産を頼んでもいいかな?」

「はい、余分に揚げておりますので…」

パッドが頷くと

「それと提案なんだが…」

クロードがイーサンとパッドを見ると

「このコロッケの店を出してみないか?」

クロードがニヤッと笑う。

「それは…」

イーサンが渋ると

「資金はこちらで用意しよう、他にも投資したいと言っている者もたくさんいるんだ。いちいちここに来ないと買えないのも不便だからな」

クロードの提案にイーサンは少し考えると

「取り分はイーサンが50残りの50を出資者で分けるのはどうだ?」

「うーん…」

イーサンが渋い顔をしていると

「イーサンもここに人がひっきりなしにきて大変だろ?店を作れば買いたいやつはそっちに行くし」

「確かに…」

貴族が来る度にミラには部屋で大人しくしているように言っていた…そんな窮屈な思いをさせたいわけではない。

「いいがいくつか条件がある…」

「なんだ?コロッケが食べられるならなんでも聞くぞ」

クロードが笑うと

「創作者の検索はしない事、それをしたら出資者からも外れて貰う」

「わかった」

「店のレシピを流出させたらその者には罰なり罰金を払って貰う」

「まぁ当然だな」

頷くと

「あと…うちの子もコロッケが好きなんだ…だからたまに店に連れていきたい」

「そんな事か?全然構わないと思うぞ」

クロードが拍子抜けすると

「じゃあ早速店を用意していいかな?」

「その前に建てる場所を探さないと」

「それはもう決めてある」

クロードがパチッとウインクすると

「まさかもうこうなる事を予想していたのか?」

「まぁそんなところだ!さぁすぐに用意するぞ!出資者の目処もついているからな。あとはコロッケを作る料理人はパッドでいいか?」

「俺!あっいや私ですか?」

「秘密を守るなら彼が適任なんじゃないのか?」

クロードが聞くと、イーサンとパッドは顔を合わせた。

ミラの事を思うと確かにそれしかないようだった。
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