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パッドはミネルバが運ばれていくのを確認すると、ミラをちらっとみる。

自分は優しい顔つきとは言えない…声もでかいし子供にはいつも怖がられる。

緊急事態でああは言ったがこの女の子とどう接していいかわからなかった…

「お、おい?」

ミネルバさんに話しかけるように声をかけてしまうと

「はい」

ミラがパッドを見つめる。

子供に見つめられてパッドがパクパクと口を開く…なんと声をかければいいか迷っていると…

「ふふふ…パッドさん魚みたい…」

ミラが口をパクパクするパッドを見て笑った。

「お、面白かったか?…あれ?パッドさんってなんで名前知ってるんだ?」

「だってさっきメイドさんが呼んでましたから…それよりどうしますか?ここで誰か待ちますか?それとも部屋に帰ります?」

ミラが聞くと…

「そういや俺…お嬢ちゃんの部屋がわかんねぇや…」

どうしようとパッドはミラを見つめた。

ミラは何となく部屋の場所はわかるが確かでは無いのでパッドさんとここで他の人が来るのを待つことにした。

「パッドさんはなんのお仕事してるんですか?」

「俺か?俺はコックだ!そうだ!俺はお前に聞きたいことがあったんだ」

パッドさんがミラを見つめると

「今日の料理は不味かったのか?何が悪かった!好きな物はなんだ!」

つい怖がらないミラに近づいて詰め寄ると…ミラの驚いた顔が近くにあった。

「ああ!すまん!怖がらせるつもりはないんだ」

パッドは慌てて離れると

「あはは…コックのおじさんって…なんかみんな似てますね…」

ミラは懐かしそうな顔をしながら寂しそうに微笑んだ。

「そ、そうか?俺みたいのは珍しい方だと思うがな…昔似たような奴に会ったことはあるが」

「へー…私の知り合いのコックさんもおじさんにすごく似てます。料理の事が好きで…料理の事となると我を忘れちゃう感じが…」

「そうか、そりゃ話が合いそうだ!いつか会ってみたいなぁ!」

パッドが笑うと

「そう…ですね」

ミラが曖昧に答えた。

「それで、お嬢ちゃんは何が好きなんだ?夜はお嬢ちゃんが好きな物をなんでも作るぞ!言ってくれ。肉か?魚か?それとも野菜が好きなのか?」

パッドさんが聞くと

「なんでも好きですよ…だけど量が多すぎました。私はお皿一枚分くらいで大丈夫です」

「そ、そんなもんでいいのか?貴族っつーのはたくさんを少しずつ食うもんだとばっかり…」

パッドさんが驚いていると

「私は貴族じゃありませんから」

苦笑する。

「そ、そうか…」

パッドは曖昧に頷くと

近頃の子供はこんなにしっかりとしてるもんなのか…

料理しかしてこなかったパッドにはそれが子供の当たり前と納得した。
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