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ミラはゾーイからお母さんの思い出の品物を持っていけと渡される。
それをじっと見つめると…
「私はこの本とハンカチだけでいいです。後はゾーイおばあちゃんが持ってて」
ミラはふたつだけ受け取って残りを返した。
「気にしなくていいんだよ、ミラちゃんが貰うのが当たり前なんだから」
「うーん…でも大丈夫!」
ミラは笑うと
「後…もうひとつ聞いてもいいですか?」
「なんだい?」
「私の…本当のお父さんって誰なんですか?」
今まで誰にも聞けなかったことを聞いてみる。
さすがのジョンさん達もその事を知らなかった…それにあそこではジョンさん達がお父さんだと思っていたからそんな事気にもしていなかった。
「そ、それは…」
ゾーイおばあちゃんの顔が曇った。
あっ…
ミラは何となく察した…きっと口にしてはよくない相手だったのだろう。
「やっぱりいいです!私のお父さん達はたくさんいるし…それに今はイーサン様がお父さん代わりですもんね」
ミラが笑って答えると、ゾーイは何も言えずに顔を逸らした。
ミラはゾーイにお礼を言って部屋を出ていく。
それを確認してゾーイはため息をついた。
「ゾーイ様…大丈夫ですか?」
心配そうにメイドの一人が声をかけると
「ミラは…今いくつだったかしら…」
「イーサン様によると4つか5つかと…」
「そんな子が気をつかうなんて事を覚えるなんて…やはりあんな所に入っていたからなのか…」
ゾーイは年相応に見えないミラが心配で仕方なかった。
「お前達もミラの事をよく気にかけてあげてね」
「かしこまりました」
ミラはミネルバさんに連れられて部屋へと戻っていると…
「おい、ミネルバ」
声がかかった。
ミネルバさんが顔を顰めて振り返ると遠くの扉からヒョイっと顔を出して手招きしているおじさんがミネルバさんを呼んでいた。
「もう…」
ミネルバさんは迷惑そうに男の人を確認してからミラを見る。
「申し訳ございません…ミラお嬢様少しここでお待ち頂けますか?」
ミネルバさんが申し訳なさそうに聞くと
「うん、大丈夫です。それとも先に一人で部屋に戻ってましょうか?」
「いえ!すぐに戻りますから…ここがちょうど日当たりもよいので座って待っていて下さい」
ミネルバさんは廊下にあったソファーにミラを座らせると急いでおじさんの元に向かった。
ミラはソファに寄りかかって外を眺める。
なんかこんなにゆっくりとした時間は久しぶり…
ポカポカ陽気にミラは瞼が重くなってきた…
「なんですか!」
ミネルバは扉から顔を出していたパッドの元に向かう。
「おい、あれが例の子供なのか?」
パッドはチラッと廊下のソファに座るミラを見つめた。
「そうよ!これから部屋に戻る途中なんですから御用は早く言ってください!」
ミネルバが急かすと
「いや…食器を下げたメイドが言っとったんだが…なんか俺の食事があんまり口に合わなかったのかと思ってな…」
パッドが眉を下げると
「ああ、確かにあの量は多すぎですね」
ミネルバが頷くと
「あの子は何が好きなんだ?それとなく聞いといてくれんか?」
「ミラお嬢様の好きな物…確か料理を自分ですると言ってました…それにコロッケ…とハンバーグが得意とも…あなたなんの料理か知ってます?」
ミネルバはパッドに聞くと
「いや…初めて聞いたな…どんな料理か気になるなぁ…ちょっとあの子と話してもいいか?」
パッドがミラを見ると…
「うーん…」
ミネルバはパッドを上から下まで眺めて渋い顔をした。
それをじっと見つめると…
「私はこの本とハンカチだけでいいです。後はゾーイおばあちゃんが持ってて」
ミラはふたつだけ受け取って残りを返した。
「気にしなくていいんだよ、ミラちゃんが貰うのが当たり前なんだから」
「うーん…でも大丈夫!」
ミラは笑うと
「後…もうひとつ聞いてもいいですか?」
「なんだい?」
「私の…本当のお父さんって誰なんですか?」
今まで誰にも聞けなかったことを聞いてみる。
さすがのジョンさん達もその事を知らなかった…それにあそこではジョンさん達がお父さんだと思っていたからそんな事気にもしていなかった。
「そ、それは…」
ゾーイおばあちゃんの顔が曇った。
あっ…
ミラは何となく察した…きっと口にしてはよくない相手だったのだろう。
「やっぱりいいです!私のお父さん達はたくさんいるし…それに今はイーサン様がお父さん代わりですもんね」
ミラが笑って答えると、ゾーイは何も言えずに顔を逸らした。
ミラはゾーイにお礼を言って部屋を出ていく。
それを確認してゾーイはため息をついた。
「ゾーイ様…大丈夫ですか?」
心配そうにメイドの一人が声をかけると
「ミラは…今いくつだったかしら…」
「イーサン様によると4つか5つかと…」
「そんな子が気をつかうなんて事を覚えるなんて…やはりあんな所に入っていたからなのか…」
ゾーイは年相応に見えないミラが心配で仕方なかった。
「お前達もミラの事をよく気にかけてあげてね」
「かしこまりました」
ミラはミネルバさんに連れられて部屋へと戻っていると…
「おい、ミネルバ」
声がかかった。
ミネルバさんが顔を顰めて振り返ると遠くの扉からヒョイっと顔を出して手招きしているおじさんがミネルバさんを呼んでいた。
「もう…」
ミネルバさんは迷惑そうに男の人を確認してからミラを見る。
「申し訳ございません…ミラお嬢様少しここでお待ち頂けますか?」
ミネルバさんが申し訳なさそうに聞くと
「うん、大丈夫です。それとも先に一人で部屋に戻ってましょうか?」
「いえ!すぐに戻りますから…ここがちょうど日当たりもよいので座って待っていて下さい」
ミネルバさんは廊下にあったソファーにミラを座らせると急いでおじさんの元に向かった。
ミラはソファに寄りかかって外を眺める。
なんかこんなにゆっくりとした時間は久しぶり…
ポカポカ陽気にミラは瞼が重くなってきた…
「なんですか!」
ミネルバは扉から顔を出していたパッドの元に向かう。
「おい、あれが例の子供なのか?」
パッドはチラッと廊下のソファに座るミラを見つめた。
「そうよ!これから部屋に戻る途中なんですから御用は早く言ってください!」
ミネルバが急かすと
「いや…食器を下げたメイドが言っとったんだが…なんか俺の食事があんまり口に合わなかったのかと思ってな…」
パッドが眉を下げると
「ああ、確かにあの量は多すぎですね」
ミネルバが頷くと
「あの子は何が好きなんだ?それとなく聞いといてくれんか?」
「ミラお嬢様の好きな物…確か料理を自分ですると言ってました…それにコロッケ…とハンバーグが得意とも…あなたなんの料理か知ってます?」
ミネルバはパッドに聞くと
「いや…初めて聞いたな…どんな料理か気になるなぁ…ちょっとあの子と話してもいいか?」
パッドがミラを見ると…
「うーん…」
ミネルバはパッドを上から下まで眺めて渋い顔をした。
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