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新しい暮らし
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「ミラ様…」
ミネルバさんは満面の笑みで微笑むと
「なんでも仰って下さいね!ここではミラ様の方が偉いのですから」
「そ、それじゃあ…」
ミラは済まなそうにお願いをする。
「私が着てきた服…取っといて貰えますか?」
「えっ…」
ミネルバさんが驚くと
「もったいないし…大事な思い出なので…」
「わかりました、大切に保管しておきますね」
ミネルバさんはしっかりと頷くと、ミラはほっとしてお礼を言った。
着替えを終えると今度は食事だと違う部屋へと案内される。
「大丈夫ですか?おつかれでしたら失礼ですがお運びしますよ」
「大丈夫です」
ミラはなれない服と靴に悪戦苦闘しながらも一生懸命ミネルバさんの後を追いかける。
その様子を後ろから微笑まそうに見られているのにも気が付かずに…
やっとダイニングに付くとそこには馬車で会ったイーサン様と知らないおばあさんが待っていた。
「ミラ様をお連れしました」
ミネルバさんが椅子を引くと
「お、お待たせしました」
ミラは二人に謝って椅子の隣に立っている。
「ミラ、座っていいんですよ」
イーサンが笑いかけると
「わ、私だけ?」
部屋の隅には立っているメイドさんや執事さんらしき人がたくさんいる。
キョロキョロと周りを確認すると
「ええ、これからはミラの席はそこです。そして私と…こちらのゾーイ様と一緒に食事をしましょう」
「は、はい。ゾーイ様…?はじめまして…」
ミラがペコッと挨拶をすると
「うんうん、はじめまして…ミラちゃん。よろしくね…私の事はゾーイおばあちゃんって呼んでね」
「ゾーイおばあちゃん?」
「こちらの方がミラのお母様の育ての親です。メアリー様も本当の母親のようにしたっていた方ですよ」
「おばあちゃん…」
ミラはじっとゾーイを見つめると
「本当にメアリーにそっくりだね…」
優しい顔で懐かしむようにミラを見ている。
イーサン様もゾーイおばあちゃんもとても優しそう…ミラはとりあえずほっとした。
ここでなら幸せになれるかな…
ミラは四人の顔を思い出していた。
「旦那様…ミラ様もお腹が空いているでしょう。積もる話は食事の後にしてはどうでしょうか?」
白髪頭をきっちりとオールバックにしたおじ様がイーサンに声をかけた。
「ああ、そうだったね。じゃあ頼む」
イーサンが頷くと一斉にメイド達が動き出した!
ミラは唖然とその様子を見ていると…
次々に料理が運ばれてくる。
「ミラの口に合うといいが」
収容所では見たことも無い豪華な食事が目の前を埋め尽くす。
「こ、こんなに食べられません…」
ミラが済まなそうに下を向くと
「好きなだけ食べればいいんですよ」
「えっ…もったいない…」
ミラが目を見開くと
「私はこれとこれだけでいいです…あとは皆さんにあげてください」
ミラは近くにあったパンとスープだけ手に取った。
ミネルバさんは満面の笑みで微笑むと
「なんでも仰って下さいね!ここではミラ様の方が偉いのですから」
「そ、それじゃあ…」
ミラは済まなそうにお願いをする。
「私が着てきた服…取っといて貰えますか?」
「えっ…」
ミネルバさんが驚くと
「もったいないし…大事な思い出なので…」
「わかりました、大切に保管しておきますね」
ミネルバさんはしっかりと頷くと、ミラはほっとしてお礼を言った。
着替えを終えると今度は食事だと違う部屋へと案内される。
「大丈夫ですか?おつかれでしたら失礼ですがお運びしますよ」
「大丈夫です」
ミラはなれない服と靴に悪戦苦闘しながらも一生懸命ミネルバさんの後を追いかける。
その様子を後ろから微笑まそうに見られているのにも気が付かずに…
やっとダイニングに付くとそこには馬車で会ったイーサン様と知らないおばあさんが待っていた。
「ミラ様をお連れしました」
ミネルバさんが椅子を引くと
「お、お待たせしました」
ミラは二人に謝って椅子の隣に立っている。
「ミラ、座っていいんですよ」
イーサンが笑いかけると
「わ、私だけ?」
部屋の隅には立っているメイドさんや執事さんらしき人がたくさんいる。
キョロキョロと周りを確認すると
「ええ、これからはミラの席はそこです。そして私と…こちらのゾーイ様と一緒に食事をしましょう」
「は、はい。ゾーイ様…?はじめまして…」
ミラがペコッと挨拶をすると
「うんうん、はじめまして…ミラちゃん。よろしくね…私の事はゾーイおばあちゃんって呼んでね」
「ゾーイおばあちゃん?」
「こちらの方がミラのお母様の育ての親です。メアリー様も本当の母親のようにしたっていた方ですよ」
「おばあちゃん…」
ミラはじっとゾーイを見つめると
「本当にメアリーにそっくりだね…」
優しい顔で懐かしむようにミラを見ている。
イーサン様もゾーイおばあちゃんもとても優しそう…ミラはとりあえずほっとした。
ここでなら幸せになれるかな…
ミラは四人の顔を思い出していた。
「旦那様…ミラ様もお腹が空いているでしょう。積もる話は食事の後にしてはどうでしょうか?」
白髪頭をきっちりとオールバックにしたおじ様がイーサンに声をかけた。
「ああ、そうだったね。じゃあ頼む」
イーサンが頷くと一斉にメイド達が動き出した!
ミラは唖然とその様子を見ていると…
次々に料理が運ばれてくる。
「ミラの口に合うといいが」
収容所では見たことも無い豪華な食事が目の前を埋め尽くす。
「こ、こんなに食べられません…」
ミラが済まなそうに下を向くと
「好きなだけ食べればいいんですよ」
「えっ…もったいない…」
ミラが目を見開くと
「私はこれとこれだけでいいです…あとは皆さんにあげてください」
ミラは近くにあったパンとスープだけ手に取った。
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