収容所生まれの転生幼女は、囚人達と楽しく暮らしたい

三園 七詩

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新しい出会い

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「メアリー…」

ゾーイは目を潤ませながらミラを見つめた…

「確かにメアリーの子だ、あの子の小さい頃にそっくりだ」

ゾーイはウンウンと涙を流しながら頷く。

「よかった…髪も顔も肌も綺麗だ…あの時のメアリーとは違う、この子はちゃんと大切に育てられたんだね」

イーサンを見ると

「どうやら囚人達が匿って育てていたようですね」

「囚人達が?何故だ」

ゾーイが驚くと

「メアリー様のおかげです…メアリー様が囚人達に優しく接していたおかげで囚人達もこの子を守ろうとしてくれたようです」

「そうか、メアリーの優しさがこの子を守ったんだね」

ゾーイは小さなミラの手をそっと触るとミラは反射的にギュッと握り返す。

「ジョンさん…」

寂しそうに寝言を呟いた。

「悲しそうな顔だ…」

ゾーイは柔らかいミラの髪を撫でると

「私らはこの子を助けたのか?もしや私らがした事はこの子を悲しませただけなんじゃないのか?」

ゾーイはイーサンを見つめると

「ですがあそこから出すのは囚人達の願いでもありました…やはりあんな所で生まれてあそこで一生を終えるなど…幸せとは思えません…」

「ならここでこの子の為に出来ることをしてやろう…悲しい思いをさせた分まで」

「はい、元よりそのつもりです」

イーサンは力強く頷いた。



ミラは疲れからか深く眠りについていた…そして起きることなく朝になりようやく目を覚ました。

「うーん…よく寝た…」

伸びをして目を開くと初めて見る天井が目に入る。

「あっ…」

起き上がり周りを確認すると…

「おはようございます。ミラお嬢様」

「「「おはようございます」」」

一人の年長者のおばさんが挨拶をすると後ろに控えていた若いメイドが揃って挨拶をした。

「お、おはよう…ございます…」

ミラは毛布に隠れながら挨拶をどうにか返すと

「この度ミラ様のお世話係の責任者となりましたミネルバと申します。何か御用があれば私かこちらに控えるメイドになんでも仰って下さい」

ミネルバさんが優しく微笑む…ミラはとりあえずコクッと頷いておく。

「では、早速お風呂の準備を致しました…失礼致します」

ミネルバさんは手を伸ばしミラを抱きかかえて浴槽へと向かう。

服をパッパッと脱がされると、ふわふわの泡で体中を洗われる。

ミラはどうしていいのかわからずにずっと硬直していた…

その間にミネルバさんはメイド達に指示を出してミラの体を隅々まで洗わせると、ちょうどいい温度の浴槽にそっと下ろされる。

「ふぅ…」

思わず声が漏れるほど気持ちがいい。

小さいミラは浴槽に座ると顔を出すのがいっぱいいっぱいだった…

「少しお湯の量が多いようです、減らして下さい」

ミネルバさんが言うと栓を抜く、せっかく溜まっていた浴槽のお湯が減っていきちょうどいい高さで止まった。

凄い贅沢…

ミラは体を綺麗に拭かれて真新しい服に着替えされられる。

「あ、あの…この服…」

「ああ、イーサン様がいつかミラ様にとご用意しておりました…まだまだたくさんありますよ、他の服の方がよろしいですか?」

「こ、これで大丈夫です…あ、あの…」

ミラはモジモジしながらミネルバさんを見ると

「はい?」

笑って何用かと腰を落として屈んでくれる。

「ありがとう…ございます」

頬を染めて恥ずかしそうにお礼を言った。
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