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連載
準備
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「ではここを出ていくという事でいいのですね」
ケイジ看守長がミラに何度も確認する。
「ケイジおじさん執拗いです!いいって言ってるよね?」
昨日収容所を見学して帰ってきたミラは前の様な明るい子に戻っていた…ケイジはそれが心配だった。
「ここに心残りはないかな?もう…戻ってくることはないよ」
「大丈夫です!私やりたい事見つけました!だからここにいる訳には行きません」
ミラは力強く頷いた。
「それに…私を産んでくれたお母さんもみてみたい…そこに行けばわかるんですよね?」
「ああ、メアリー様のお姿が描かれた肖像画がたくさん飾ってありますよ」
「楽しみ…です」
ミラが笑うとケイジは頷きもうここに残るか聞くことをやめた。
「では今日のお昼に発ちましょう」
「はい!」
「それまでに持っていく物をまとめておいて下さい」
「あっ…」
ミラは何かに気がつくと
「どうしました?」
「荷物…囚人さんの部屋にあります」
顔を曇らせる。
「今なら仕事でいないでしょう、取りに行きますか?」
「うん…」
ミラは迷ったがやはり持っていきたいものもあった。
ケイジおじさんに連れられてミラはジョンさんの牢屋へと向かう。
やはりみんな各自の仕事に出払っているのか残っている囚人は少なかった…
ミラは真っ直ぐにジョンさんの牢屋に向かうと…
「ここで大丈夫です、ちょっとまってて下さい」
ミラはケイジおじさんに声をかけて急いで牢屋に向かった。
チラッと覗くと誰もいない…
ミラは残念な様な少しホッとしたような気持ちで中へ入った。
いつもミラが隠れていた改造した小部屋に向かうと…少し空いている…ミラはそっと中を覗くと…
「ミラ…」
狭い小部屋に大きな体のジョンさんが体を縮こませて座っていた…
私が使っていた毛布も枕もジョンさん達が用意してくれた小物もそのままに置いてある。
ジョンさんはその一つ一つを愛おしいそうに撫でていた。
「やっぱり…いや駄目だ…」
何かブツブツと迷うように呟いている。
ミラは聞き耳を立てると…
「これでいいんだ…これで…これがミラの幸せだ」
ジョンさんが寂しそうに私が生まれた時に巻いていたという布を掴んでいた。
私はその場をそっと離れると…ケイジおじさんの元に向かった。
何も荷物を持っていないミラをみてケイジ看守長は首をかしげる。
「あれ?荷物はどうしたんだい?」
「やっぱりいいです…お金ももらったし向こうで買ってもいいですか?」
「もちろんだよ、それにミラちゃんがお金を出すことなんてない全てこちらで用意するからね」
「大丈夫です…自分の分は自分で…」
ミラは気持ちだけ受け取った。
ケイジ看守長がミラに何度も確認する。
「ケイジおじさん執拗いです!いいって言ってるよね?」
昨日収容所を見学して帰ってきたミラは前の様な明るい子に戻っていた…ケイジはそれが心配だった。
「ここに心残りはないかな?もう…戻ってくることはないよ」
「大丈夫です!私やりたい事見つけました!だからここにいる訳には行きません」
ミラは力強く頷いた。
「それに…私を産んでくれたお母さんもみてみたい…そこに行けばわかるんですよね?」
「ああ、メアリー様のお姿が描かれた肖像画がたくさん飾ってありますよ」
「楽しみ…です」
ミラが笑うとケイジは頷きもうここに残るか聞くことをやめた。
「では今日のお昼に発ちましょう」
「はい!」
「それまでに持っていく物をまとめておいて下さい」
「あっ…」
ミラは何かに気がつくと
「どうしました?」
「荷物…囚人さんの部屋にあります」
顔を曇らせる。
「今なら仕事でいないでしょう、取りに行きますか?」
「うん…」
ミラは迷ったがやはり持っていきたいものもあった。
ケイジおじさんに連れられてミラはジョンさんの牢屋へと向かう。
やはりみんな各自の仕事に出払っているのか残っている囚人は少なかった…
ミラは真っ直ぐにジョンさんの牢屋に向かうと…
「ここで大丈夫です、ちょっとまってて下さい」
ミラはケイジおじさんに声をかけて急いで牢屋に向かった。
チラッと覗くと誰もいない…
ミラは残念な様な少しホッとしたような気持ちで中へ入った。
いつもミラが隠れていた改造した小部屋に向かうと…少し空いている…ミラはそっと中を覗くと…
「ミラ…」
狭い小部屋に大きな体のジョンさんが体を縮こませて座っていた…
私が使っていた毛布も枕もジョンさん達が用意してくれた小物もそのままに置いてある。
ジョンさんはその一つ一つを愛おしいそうに撫でていた。
「やっぱり…いや駄目だ…」
何かブツブツと迷うように呟いている。
ミラは聞き耳を立てると…
「これでいいんだ…これで…これがミラの幸せだ」
ジョンさんが寂しそうに私が生まれた時に巻いていたという布を掴んでいた。
私はその場をそっと離れると…ケイジおじさんの元に向かった。
何も荷物を持っていないミラをみてケイジ看守長は首をかしげる。
「あれ?荷物はどうしたんだい?」
「やっぱりいいです…お金ももらったし向こうで買ってもいいですか?」
「もちろんだよ、それにミラちゃんがお金を出すことなんてない全てこちらで用意するからね」
「大丈夫です…自分の分は自分で…」
ミラは気持ちだけ受け取った。
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