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ジョン2
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「子供がこんなところに来るんじゃない…」
「でも…」
ジョンはミラから視線を外して後ろに付いていたロイズ看守を睨みつけると
「おい!看守なら子供の安全を優先しろ!こんな所に来たら危険だろうが!怪我でもさせたらどうするんだ!」
「なに…」
ロイズはイライラしている様子のジョンを睨むと…
「その子にはちゃんと目を配っている、お前が何か言う必要はない!」
「なんだと…ここがどんな場所か知ってるだろ!数日前も土が崩れて怪我人が出たばかりだろうが!」
「だから安全のためにヘルメットも被せてるだろうが!」
ジョンとロイズが睨み合うと
「や、やめて…」
ミラが不安そうに二人を見る。
二人の言い争う声に何事かと人が集まり道を塞ぎ出した…すると…
ガラガラ…
人が集まりすぎて軽い崩壊がおきた、ミラに上に土がパラパラ…と落ちてきた。
ふと上を見げると土の壁に亀裂が入っている。
「あっ…」
と思った時には壁が崩れた!
「ミラ!」
ジョンは真っ先にミラに駆け寄った!
ミラは目をつぶっているとドンッと衝撃を受ける。
「うっ…」
土が落ちる音と人の叫び声様々な音が飛び交うなか一瞬で音が無くなり真っ暗になった…
「ミラ!」
そんな中すぐ側でジョンさんの声がした。
「ジョンさん?」
「無事か!?」
どうやらジョンさんが土を被る前にミラを抱きしめて一緒に土の中に埋もれたようだ…
「木の柱が支えになって少し空洞ができたみたいだ…あいつらがすぐに助けてくれるだろうから少し我慢しろ」
「うん」
「空気が少なくなるからもう喋るな」
そう言うとジョンさんは黙ってしまった。
ミラは逞しいジョンさんの腕に抱かれこんな状況なのにちっとも怖くなかった。
久しぶりに感じる温もりに優しい腕に顔を近づける。
暖かい…
ミラとは違いジョンは焦っていた…まさかこんなことになるとは…
ミラはあと少しでここから出る、それなのに怪我でもしたら…まさかこんなことで駄目になったりしないよな…
あいつら早くミラを助けやがれ!
ソワソワとしているとミラが手に寄りかかってきた。
腕に寄り添い顔を近づける。
もしかしら不安になっているのか…
真っ暗でミラに様子は分からないが…ジョンはしょうがないとミラをギュッと抱き寄せた。
「大丈夫だ…」
ボソッと呟くと…
「何が?」
「すぐに助かる」
「そんなの怖くない…それよりみんなに会えない方が怖かった」
「そんなのすぐになれる…お前はここに居るべきじゃない」
「なんで?私の事邪魔になったの?」
違う!
そう叫びたかったがぐっと堪えた。
ジョンさんなら違うと言ってくれると思っていた…
しかし返ってきた答えは沈黙だった。
「でも…」
ジョンはミラから視線を外して後ろに付いていたロイズ看守を睨みつけると
「おい!看守なら子供の安全を優先しろ!こんな所に来たら危険だろうが!怪我でもさせたらどうするんだ!」
「なに…」
ロイズはイライラしている様子のジョンを睨むと…
「その子にはちゃんと目を配っている、お前が何か言う必要はない!」
「なんだと…ここがどんな場所か知ってるだろ!数日前も土が崩れて怪我人が出たばかりだろうが!」
「だから安全のためにヘルメットも被せてるだろうが!」
ジョンとロイズが睨み合うと
「や、やめて…」
ミラが不安そうに二人を見る。
二人の言い争う声に何事かと人が集まり道を塞ぎ出した…すると…
ガラガラ…
人が集まりすぎて軽い崩壊がおきた、ミラに上に土がパラパラ…と落ちてきた。
ふと上を見げると土の壁に亀裂が入っている。
「あっ…」
と思った時には壁が崩れた!
「ミラ!」
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「うっ…」
土が落ちる音と人の叫び声様々な音が飛び交うなか一瞬で音が無くなり真っ暗になった…
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「ジョンさん?」
「無事か!?」
どうやらジョンさんが土を被る前にミラを抱きしめて一緒に土の中に埋もれたようだ…
「木の柱が支えになって少し空洞ができたみたいだ…あいつらがすぐに助けてくれるだろうから少し我慢しろ」
「うん」
「空気が少なくなるからもう喋るな」
そう言うとジョンさんは黙ってしまった。
ミラは逞しいジョンさんの腕に抱かれこんな状況なのにちっとも怖くなかった。
久しぶりに感じる温もりに優しい腕に顔を近づける。
暖かい…
ミラとは違いジョンは焦っていた…まさかこんなことになるとは…
ミラはあと少しでここから出る、それなのに怪我でもしたら…まさかこんなことで駄目になったりしないよな…
あいつら早くミラを助けやがれ!
ソワソワとしているとミラが手に寄りかかってきた。
腕に寄り添い顔を近づける。
もしかしら不安になっているのか…
真っ暗でミラに様子は分からないが…ジョンはしょうがないとミラをギュッと抱き寄せた。
「大丈夫だ…」
ボソッと呟くと…
「何が?」
「すぐに助かる」
「そんなの怖くない…それよりみんなに会えない方が怖かった」
「そんなのすぐになれる…お前はここに居るべきじゃない」
「なんで?私の事邪魔になったの?」
違う!
そう叫びたかったがぐっと堪えた。
ジョンさんなら違うと言ってくれると思っていた…
しかし返ってきた答えは沈黙だった。
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