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ローガン
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「じゃあ次は何処にする?」
ロイズが聞くと
「書簡部に…」
「書簡部?あそこは資料ばかりだよ?面白い物なんて無いと思うけど…」
「駄目…ですか?」
ミラが聞くと
「そんなに見たいなら連れてくよ…でもあそこの囚人達は一筋縄では行かない連中ばかりだから気をつけるんだよ、特にローガンって奴は頭が切れるからね!油断しちゃ駄目だよ」
「はい」
ミラは何故か嬉しそうに笑った。
書簡部につくと皆が声も出さずにシーンとしながら作業していた…
紙のめくる音とペンで書く音…その音以外何もしない…
ロイズは部屋に入るのを躊躇うと
「ミラちゃん…ここはやめとこうか?」
ロイズが囁くようにミラに聞く…
「静かに見てます…」
ミラの固い意思にロイズはため息をつくと部屋へと入れた。
ミラは机から目を離さい書簡部の囚人のみんなの顔をじっと見つめる。
書簡部の人達は顔色を変えずに淡々と仕事をしていた。
一番遠くのローガンさんの机にくると…
「ここは…子供が来るようなところではありませんが…」
ローガンはジロッとロイズを睨みつけた。
「我々はあなた方の書類をまとめています…こんな気のそらされる事をされたら…ミスしてしまうかも知れませんねぇ…」
ローガンの言葉にロイズは慌てると
「ミ、ミラちゃんみんな忙しいみたいだから次に行こうか!」
ロイズが慌てだして、ミラを部屋から出そうとすると…
「ここ…ちょっと計算違うみたい…です」
ローガンが確認しようとしていた書類を見てミラは計算式に指をさした。
「わかりました…後で確認しておきます…」
ローガンはニッコリと笑うと
「では出口はそちらですよ」
ミラを出口へと促した。
「はい…ありがとうございます…」
ロイズが部屋をでてミラがそれに続こうとすると…
「ミラッ…」
ローガンが堪らずに声をかけてしまう。
ミラはそっと振り返ると
「……これを…今まで仕事を手伝った報酬です」
ローガンは机から何かを取り出すとミラに渡した。
「えっと…」
「これは貰うべき報酬です、あなたが今まで働いた分の…」
「そんな…貰えないよ…」
ミラが返そうとすると
「それをされると困ります。これまでの計算が合わなくなるので…」
ローガンは迷惑そうに顔を顰めてた。
「いらなくても持っていてくれませんかねぇ…ここに置いておくのは面倒なので」
ローガンの言葉にミラはコクッと受け取るとその紙をギュッと握りしめてペコッと頭を下げる。
「お世話に…なりました…」
ミラの言葉に書簡部の音が消えた。
パタンと扉が閉まると…
「いいですか…書類を濡らしたら減給です…」
ローガンはそう言うと隣の部屋に向かう。
他の書簡部の皆は減給覚悟で机に突っ伏した…
ロイズが聞くと
「書簡部に…」
「書簡部?あそこは資料ばかりだよ?面白い物なんて無いと思うけど…」
「駄目…ですか?」
ミラが聞くと
「そんなに見たいなら連れてくよ…でもあそこの囚人達は一筋縄では行かない連中ばかりだから気をつけるんだよ、特にローガンって奴は頭が切れるからね!油断しちゃ駄目だよ」
「はい」
ミラは何故か嬉しそうに笑った。
書簡部につくと皆が声も出さずにシーンとしながら作業していた…
紙のめくる音とペンで書く音…その音以外何もしない…
ロイズは部屋に入るのを躊躇うと
「ミラちゃん…ここはやめとこうか?」
ロイズが囁くようにミラに聞く…
「静かに見てます…」
ミラの固い意思にロイズはため息をつくと部屋へと入れた。
ミラは机から目を離さい書簡部の囚人のみんなの顔をじっと見つめる。
書簡部の人達は顔色を変えずに淡々と仕事をしていた。
一番遠くのローガンさんの机にくると…
「ここは…子供が来るようなところではありませんが…」
ローガンはジロッとロイズを睨みつけた。
「我々はあなた方の書類をまとめています…こんな気のそらされる事をされたら…ミスしてしまうかも知れませんねぇ…」
ローガンの言葉にロイズは慌てると
「ミ、ミラちゃんみんな忙しいみたいだから次に行こうか!」
ロイズが慌てだして、ミラを部屋から出そうとすると…
「ここ…ちょっと計算違うみたい…です」
ローガンが確認しようとしていた書類を見てミラは計算式に指をさした。
「わかりました…後で確認しておきます…」
ローガンはニッコリと笑うと
「では出口はそちらですよ」
ミラを出口へと促した。
「はい…ありがとうございます…」
ロイズが部屋をでてミラがそれに続こうとすると…
「ミラッ…」
ローガンが堪らずに声をかけてしまう。
ミラはそっと振り返ると
「……これを…今まで仕事を手伝った報酬です」
ローガンは机から何かを取り出すとミラに渡した。
「えっと…」
「これは貰うべき報酬です、あなたが今まで働いた分の…」
「そんな…貰えないよ…」
ミラが返そうとすると
「それをされると困ります。これまでの計算が合わなくなるので…」
ローガンは迷惑そうに顔を顰めてた。
「いらなくても持っていてくれませんかねぇ…ここに置いておくのは面倒なので」
ローガンの言葉にミラはコクッと受け取るとその紙をギュッと握りしめてペコッと頭を下げる。
「お世話に…なりました…」
ミラの言葉に書簡部の音が消えた。
パタンと扉が閉まると…
「いいですか…書類を濡らしたら減給です…」
ローガンはそう言うと隣の部屋に向かう。
他の書簡部の皆は減給覚悟で机に突っ伏した…
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