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とうとうケイジ看守長と約束の一週間がたった…しかしミラは一度もジョンさん達とは会えずに囚人達ともまともに話すことなく時間を過してしまった。
いつも通り看守長の部屋から仕事に向かうとすると…
「ミラ…今日は返事を聞かせて貰う日だけど気持ちは決まったかな?」
ケイジ看守長がミラを見ると
じっとまだ悩んだ様子を見せる。
「ケイジおじさん…ジョンさん達に…もう会えないのかな?」
ミラが聞くと
「そうですね…」
ケイジは何か考えると
「今日までいい子に頑張ったミラへのご褒美です、今日は好きなようにこの施設を回っていいでしょう…しかし危ない所もありますから看守と回るように…守れますか?」
「うん!」
ミラに久しぶりに笑顔が戻った。
食堂の手伝いは夕飯の時だけとなり、今日は収容所施設を看守の案内で回ることとなった。
いつも行きと帰りに送ってくれる顔なじみのロイズ看守が付き添ってくれた。
「じゃあミラちゃん僕から離れないようにね」
ロイズ看守の言葉にミラはコクコクと頷く!
早く…早くみんなの顔が見たくて仕方なかった。
「まずは何処がいいかな?」
「畑が見てみたいです…」
ミラが言うと
「農作物を育てる所だね」
わかったとミラを連れて中庭へと向かう。
何重にもなっている扉を抜けると広い土地に様々な作物がなる畑がいくつもあった。
その畑を囚人達が泥だけになりながら世話をしている。
ミラはキョロキョロとある人物を探すと…いた!
肩にノアを乗せて小さな体で大きな桑を力強く振り上げていた!
ハーパーだ!
ミラは顔を輝かせると…囚人達がミラの存在に気がついた…
「なんでミラちゃんがこんな所に…」
「俺無理だ…今ミラちゃん見たら…泣いちまう」
囚人達は汗を拭く振りをしながら涙を拭った。
ノアはハーパーよりも早くミラに気がつくとハーパーの耳を急いで突いた!
「いて!なんだよ…」
ハーパーがノアを睨むと…ノアの反応にハーパーは後ろを振り返った。
「ミラ…」
ハーパーとミラが会うのはハーパーが独房に入れられてから初めてだった…
ハーパーの元気そうな姿にミラはクスッと笑う。
「うっ…」
ハーパーは思わず顔を逸らした…
「うん?ミラちゃん知ってる囚人でもいたのかな?」
ロイズがなんだが元気になったミラに声をかけると
「ううん…ほらあの鳥さんが可愛いなぁ…って思って…」
ミラはノアを指さした。
「ああ、ハーパーに懐いてる鳥だね。あれは何度追い出してもどうやってか戻ってくるんだ…別に何かする訳でもないからほっといてるんだよ。懐いてるから触らせてくれるかもしれないなぁ…」
ロイズはハーパーに近づいて行った。
いつも通り看守長の部屋から仕事に向かうとすると…
「ミラ…今日は返事を聞かせて貰う日だけど気持ちは決まったかな?」
ケイジ看守長がミラを見ると
じっとまだ悩んだ様子を見せる。
「ケイジおじさん…ジョンさん達に…もう会えないのかな?」
ミラが聞くと
「そうですね…」
ケイジは何か考えると
「今日までいい子に頑張ったミラへのご褒美です、今日は好きなようにこの施設を回っていいでしょう…しかし危ない所もありますから看守と回るように…守れますか?」
「うん!」
ミラに久しぶりに笑顔が戻った。
食堂の手伝いは夕飯の時だけとなり、今日は収容所施設を看守の案内で回ることとなった。
いつも行きと帰りに送ってくれる顔なじみのロイズ看守が付き添ってくれた。
「じゃあミラちゃん僕から離れないようにね」
ロイズ看守の言葉にミラはコクコクと頷く!
早く…早くみんなの顔が見たくて仕方なかった。
「まずは何処がいいかな?」
「畑が見てみたいです…」
ミラが言うと
「農作物を育てる所だね」
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何重にもなっている扉を抜けると広い土地に様々な作物がなる畑がいくつもあった。
その畑を囚人達が泥だけになりながら世話をしている。
ミラはキョロキョロとある人物を探すと…いた!
肩にノアを乗せて小さな体で大きな桑を力強く振り上げていた!
ハーパーだ!
ミラは顔を輝かせると…囚人達がミラの存在に気がついた…
「なんでミラちゃんがこんな所に…」
「俺無理だ…今ミラちゃん見たら…泣いちまう」
囚人達は汗を拭く振りをしながら涙を拭った。
ノアはハーパーよりも早くミラに気がつくとハーパーの耳を急いで突いた!
「いて!なんだよ…」
ハーパーがノアを睨むと…ノアの反応にハーパーは後ろを振り返った。
「ミラ…」
ハーパーとミラが会うのはハーパーが独房に入れられてから初めてだった…
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「うっ…」
ハーパーは思わず顔を逸らした…
「うん?ミラちゃん知ってる囚人でもいたのかな?」
ロイズがなんだが元気になったミラに声をかけると
「ううん…ほらあの鳥さんが可愛いなぁ…って思って…」
ミラはノアを指さした。
「ああ、ハーパーに懐いてる鳥だね。あれは何度追い出してもどうやってか戻ってくるんだ…別に何かする訳でもないからほっといてるんだよ。懐いてるから触らせてくれるかもしれないなぁ…」
ロイズはハーパーに近づいて行った。
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