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変わらぬ想い

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しかしその後もビオスさんや他の人達の態度は変わらなかった…

ビオスさんは一日置きに違う人と変わることもあった。

ビオスさんの様子を見ると日に日に元気が無くなるように感じる。

「ビオスさん…ご飯食べてますか?」

ミラが堪らず声をかけると

「食べてる…お前がそんな心配するな」

大丈夫だと頷くが歩きながらもフラフラとして頬も気持ち痩せこけた気がした。

ミラは今日言われた仕事を終えると奥で何やらゴソゴソと作業していた。

ビオスは極力ミラを見ないように離れていた。

ミラを見ると駆け寄りたくなる…その寂しそうな背中を抱きしめやりたくなる。

声をかけられると笑顔で答えてやりたくなる…しかしそれが出来ないジレンマに体調を崩していた。

飯が喉を通らず体力も落ちた…心配したローガン達が急遽代役を立ててくれたがそいつらも一日が限界だった…

仕事を終えて牢屋に戻るとミラへの罪悪感から夜枕を涙で濡らした。

こんなに辛くあたっているのに変わらずに話しかけてくるミラにこれ以上辛く当たることなど出来そうになかった。

なるべく見ない、話さない、触らない…これが一番の方法だった…

ビオスは背中にミラの気配を感じながら次の日の朝の仕込みに取りかかる。

食材を切っていると服を引っ張る感触に目を落とした。

するとミラが足元に来ていた!

いつもなら気がついていたが集中力も体力も落ちた今、それに気づけなかった。

「な、なんだ」

顔を見ないように答えると

「ビオスさん、これ食べて…」

ミラが何か入った器を持ってきた。

なんだ?

ビオスは思わず受け取ると…

「風邪とかの時に飲むといいしょうが汁だよ、はちみつが入ってるから甘くて飲みやすいよ」

ニコッと笑う。

「ミラ…」

ビオスが思わず名前を呼ぶと…

「ビオスさん?」

ミラが顔をみて首を傾げた。

「ビオスさん…泣いてるの?」

ミラに言われて顔を触ると頬に濡れた感触があった。

「あっ…いや…玉ねぎ切ってたからな…」

ビオスはやっとそう答えるとタオルで涙を拭う。

「あ、ありがとうな…これは後で飲んでおく…」

ビオスはしょうが汁を受け取ると大事そうに棚に置いた。

「さぁ早く仕事して部屋に戻るんだ…仕事は明日が最後だろ?」

ビオスさんの言葉にミラはコクっと頷くと仕事に戻って行った…

ビオスは何度も何度も涙を拭うと

「今日の玉ねぎは嫌にしみるな…」

ボソッと呟いた。
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