収容所生まれの転生幼女は、囚人達と楽しく暮らしたい

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寂しい

三人は沈黙していると…ローガンが声を出した。

｢ですから、私達はこれから一週間 極力ミラに構わない事にしました。ビオスさんがどうするかはお任せします…ミラは一週間ここで働くことになると思うので一番会うことになるのはビオスさんですからね…｣

｢お前ら…本気かよ｣

ビオスが二人を見ると寂しそうに笑った。

｢これから他の奴らの所にも言ってくる…多分しばらくしたら看守長がミラを連れてくると思うからとりあえずは初めての体で対応してくれ。看守長以外の看守達は本当に何も知らないからな｣

｢わ、わかった…｣

ビオスは頷くと

｢ビオスさんには一番嫌な役をさせます…ですので今まで通りに接するかはご自分で決めて下さい。ミラが何を選んだとしてもあなたの責任ではありませんから…｣

｢わかった…｣

ビオスは頷いたが…ローガンが言った意味を今、身をもって感じていた…

｢ローガンよ…確かにこの役は最悪だ…｣

ビオスはぱんっ！と頬を思いっきり叩くとミラの元に戻って行った…


｢皮剥き出来たか？｣

ぶっきらぼうに声をかけると

｢もう少し…あと半分くらいかな…｣

ミラが伺うように答える。

どうやら俺の顔色を伺っているようだ…

｢わかった…それが終わったら次はスープの用意を頼む…出来るか？｣

｢うん、あっ…はい…｣

ミラは頷くと

｢うん…で大丈夫だ…｣

ビオスがボソッと呟くと

｢うん｣

ミラがじっとビオスを見つめる。

キョロキョロと周りを確認すると

｢ねぇ…ビオスさんだよね？私…ミラだよ？わかる？｣

近づいてきて下から顔を覗き込んで来た。

｢わ、わかってる！お前は…看守長の知り合いなんだろ…もう俺達とは違うんだ…お前もそれなりに距離を取れ｣

ビオスはミラから目を逸らしてそういうと

｢わ、私…ビオスさん達と何も変わらないもん…みんなと同じだもん…｣

ミラがそう呟くがビオスは聞こえない振りをする。

｢ほら、早く用意しないと囚人達が来るぞ…あいつらともなるべく話すなよ…｣

ビオスはそういうとミラから離れた…

その後ミラはビオスさんと話すことなく黙々と料理を作った…

たまに話す事といえば仕事の連絡事項だけ…楽しい料理の時間が二人には苦痛となった…

食堂に食べに来る囚人達もなるべくミラと顔を合わさずに雑談すること無く黙々と食べて出ていく。

ジョンとローガン、ハーパーとメイソンに至っては食堂にも顔を出さなかった…

仕事の時間が終わるとミラはビオスさんに声をかける。

｢ビオスさん…看守長の部屋まで送ってくれる？｣

ミラは勇気をだして手を伸ばした。

ビオスは抱き寄せたい気持ちをぐっと堪えてミラを見つめると…

｢ちょっと待ってな…｣

部屋を出ていった…