収容所生まれの転生幼女は、囚人達と楽しく暮らしたい

三園 七詩

文字の大きさ
上 下
23 / 180
連載

味方?

しおりを挟む
「まぁそんなに警戒しないで下さい。あなた方の味方…とは言えませんがミラちゃんの味方だとは思っています。この子が悲しむような事はしませんよ」

ジョンとローガンは疑うような目で看守長を見つめた。

「ミラちゃんを匿い、あなた方を呼んだのです。ある程度は信じて欲しいのですが…」

ジョンはミラをギュッと抱きしめると

「まぁそうだな…とりあえずミラを見ててくれた事は感謝します。だが…ローガンお前はなんなんだ?お前看守長の事を知っていたよな…」

ジョンがローガンを睨むと

「そんな怖い顔しないでください、彼にはここの膿を出すべく少し協力してもらっていただけです。どうも看守にも囚人にも顔が利きそうだったのでね」

「どういう事だ?」

看守長の説明にジョンはローガンに聞く、彼の口から真実を聞きたかった。

「私はケイジ看守長から不正を働いている看守達を一掃したいから手を貸して欲しいと頼まれました…何故だか私達が看守の裏帳簿を管理しているのを知っていましてね…でもこれはチャンスかと思いましてね、ここのトップと繋がればミラがここを自由に動けるようになるかと…後はここを出る時の助けにもなればと…」

「そうか…」

ミラの為と言われたらジョンは何も言えなかった。

「ええ、それは私も望む所なのです。実は私はミラちゃんをここから出す為に看守長になりました」

「「はっ?」」

ジョンとローガンはニコニコと笑っているケイジ看守長を見つめた…

「色々と伏せさせて貰いますが…ミラちゃんのお母様…メアリー様の知人から頼まれました」

「メアリーの!?」ここ

ミラの母親の名前にジョンが立ち上がる!

「ジョン、落ち着いて。ミラが起きてしまいます…」

ローガンが落ち着くようにジョンに手をかけて座らせる。

「ええ、名前や過程は省きますが…メアリー様をずっと無実だと信じていた方です。そしてメアリー様がここで子を産んだのでは無いかとずっと疑っていて私を送り込ませた…と」

「そうか…」

ジョンはミラを抱きしめて微笑む…

「よかった…こいつは一人じゃなかったんだな。外に家族が待つまでいてくれてるんだな」

寂しい気持ちを押し殺してミラを抱き上げるとケイジに渡そうとする。

「ならすぐにでも連れて行ってやってくれ!この子はこんなところにいるべき子じゃないんだ」

ケイジは驚いてジョンを見つめると隣のローガンにも目を向ける。

二人とも覚悟があったのか納得するように頷いていた。

「ちょ、ちょっと待ってくださいね…うーん…思っていた反応と違うなぁ…」

ケイジ看守長が苦笑すると

「あなた方はミラちゃんを手放さないと思っていました。ここで生活しているにも関わらず彼女の健康状態は大変よろしいです、性格も素直で優しく…大切に育てられたのだと感じていました」

「もちろんだ。この子は俺達の娘の様に育てたからな」

ジョンが当たり前だと頷くと

「なら尚更離れるのは辛いのでは?」

「そりゃ辛い…ずっとこの子の成長をそばで見られれば…と思わない日は無いよ。でもそれは俺のわがままだ、ミラにとっての幸せではない」

「ええ、ミラには普通の人と普通に幸せになって欲しい…それが親の願いですよね」

そういうジョンとローガンは寂しそうにミラを見つめて笑った。
しおりを挟む
感想 244

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

無名の三流テイマーは王都のはずれでのんびり暮らす~でも、国家の要職に就く弟子たちがなぜか頼ってきます~

鈴木竜一
ファンタジー
※本作の書籍化が決定いたしました!  詳細は近況ボードに載せていきます! 「もうおまえたちに教えることは何もない――いや、マジで!」 特にこれといった功績を挙げず、ダラダラと冒険者生活を続けてきた無名冒険者兼テイマーのバーツ。今日も危険とは無縁の安全な採集クエストをこなして飯代を稼げたことを喜ぶ彼の前に、自分を「師匠」と呼ぶ若い女性・ノエリ―が現れる。弟子をとった記憶のないバーツだったが、十年ほど前に当時惚れていた女性にいいところを見せようと、彼女が運営する施設の子どもたちにテイマーとしての心得を説いたことを思い出す。ノエリ―はその時にいた子どものひとりだったのだ。彼女曰く、師匠であるバーツの教えを守って修行を続けた結果、あの時の弟子たちはみんな国にとって欠かせない重要な役職に就いて繁栄に貢献しているという。すべては師匠であるバーツのおかげだと信じるノエリ―は、彼に王都へと移り住んでもらい、その教えを広めてほしいとお願いに来たのだ。 しかし、自身をただのしがない無名の三流冒険者だと思っているバーツは、そんな指導力はないと語る――が、そう思っているのは本人のみで、実はバーツはテイマーとしてだけでなく、【育成者】としてもとんでもない資質を持っていた。 バーツはノエリ―に押し切られる形で王都へと出向くことになるのだが、そこで立派に成長した弟子たちと再会。さらに、かつてテイムしていたが、諸事情で契約を解除した魔獣たちも、いつかバーツに再会することを夢見て自主的に鍛錬を続けており、気がつけばSランクを越える神獣へと進化していて―― こうして、無名のテイマー・バーツは慕ってくれる可愛い弟子や懐いている神獣たちとともにさまざまな国家絡みのトラブルを解決していき、気づけば国家の重要ポストの候補にまで名を連ねるが、当人は「勘弁してくれ」と困惑気味。そんなバーツは今日も王都のはずれにある運河のほとりに建てられた小屋を拠点に畑をしたり釣りをしたり、今日ものんびり暮らしつつ、弟子たちからの依頼をこなすのだった。

5歳で前世の記憶が混入してきた  --スキルや知識を手に入れましたが、なんで中身入ってるんですか?--

ばふぉりん
ファンタジー
 「啞"?!@#&〆々☆¥$€%????」   〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜  五歳の誕生日を迎えた男の子は家族から捨てられた。理由は 「お前は我が家の恥だ!占星の儀で訳の分からないスキルを貰って、しかも使い方がわからない?これ以上お前を育てる義務も義理もないわ!」    この世界では五歳の誕生日に教会で『占星の儀』というスキルを授かることができ、そのスキルによってその後の人生が決まるといっても過言では無い。  剣聖 聖女 影朧といった上位スキルから、剣士 闘士 弓手といった一般的なスキル、そして家事 農耕 牧畜といったもうそれスキルじゃないよね?といったものまで。  そんな中、この五歳児が得たスキルは  □□□□  もはや文字ですら無かった ~~~~~~~~~~~~~~~~~  本文中に顔文字を使用しますので、できれば横読み推奨します。  本作中のいかなる個人・団体名は実在するものとは一切関係ありません。  

私が死んで満足ですか?

マチバリ
恋愛
王太子に婚約破棄を告げられた伯爵令嬢ロロナが死んだ。 ある者は面倒な婚約破棄の手続きをせずに済んだと安堵し、ある者はずっと欲しかった物が手に入ると喜んだ。 全てが上手くおさまると思っていた彼らだったが、ロロナの死が与えた影響はあまりに大きかった。 書籍化にともない本編を引き下げいたしました

【完結】兄の事を皆が期待していたので僕は離れます

まりぃべる
ファンタジー
一つ年上の兄は、国の為にと言われて意気揚々と村を離れた。お伽話にある、奇跡の聖人だと幼き頃より誰からも言われていた為、それは必然だと。 貧しい村で育った弟は、小さな頃より家の事を兄の分までせねばならず、兄は素晴らしい人物で対して自分は凡人であると思い込まされ、自分は必要ないのだからと弟は村を離れる事にした。 そんな弟が、自分を必要としてくれる人に会い、幸せを掴むお話。 ☆まりぃべるの世界観です。緩い設定で、現実世界とは違う部分も多々ありますがそこをあえて楽しんでいただけると幸いです。 ☆現実世界にも同じような名前、地名、言葉などがありますが、関係ありません。

野草から始まる異世界スローライフ

深月カナメ
ファンタジー
花、植物に癒されたキャンプ場からの帰り、事故にあい異世界に転生。気付けば子供の姿で、名前はエルバという。 私ーーエルバはスクスク育ち。 ある日、ふれた薬草の名前、効能が頭の中に聞こえた。 (このスキル使える)   エルバはみたこともない植物をもとめ、魔法のある世界で優しい両親も恵まれ、私の第二の人生はいま異世界ではじまった。 エブリスタ様にて掲載中です。 表紙は表紙メーカー様をお借りいたしました。 プロローグ〜78話までを第一章として、誤字脱字を直したものに変えました。 物語は変わっておりません。 一応、誤字脱字、文章などを直したはずですが、まだまだあると思います。見直しながら第二章を進めたいと思っております。 よろしくお願いします。

夫の色のドレスを着るのをやめた結果、夫が我慢をやめてしまいました

氷雨そら
恋愛
夫の色のドレスは私には似合わない。 ある夜会、夫と一緒にいたのは夫の愛人だという噂が流れている令嬢だった。彼女は夫の瞳の色のドレスを私とは違い完璧に着こなしていた。噂が事実なのだと確信した私は、もう夫の色のドレスは着ないことに決めた。 小説家になろう様にも掲載中です

没落した貴族家に拾われたので恩返しで復興させます

六山葵
ファンタジー
生まれて間も無く、山の中に捨てられていた赤子レオン・ハートフィリア。 彼を拾ったのは没落して平民になった貴族達だった。 優しい両親に育てられ、可愛い弟と共にすくすくと成長したレオンは不思議な夢を見るようになる。 それは過去の記憶なのか、あるいは前世の記憶か。 その夢のおかげで魔法を学んだレオンは愛する両親を再び貴族にするために魔法学院で魔法を学ぶことを決意した。 しかし、学院でレオンを待っていたのは酷い平民差別。そしてそこにレオンの夢の謎も交わって、彼の運命は大きく変わっていくことになるのだった。

処理中です...
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。

このユーザをミュートしますか?

※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。