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泣く

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「ああ、あ~あ~!」

ミラは塞き止めていたものが一気に流れ出し涙が止められない。

みんなと会えなくなる、ここから連れていかれる。

本当の事を言えばみんなに迷惑がかかる。

どうしたらいいのかわからずに泣くしかなかった。

「おや、ごめんよ。泣かせるつもりじゃなかったんだが…つい意地悪をしてしまったね」

ケイジはミラのそばに行くと隣に座ってミラを抱き上げた。

流れる涙をハンカチで拭いてくれる。

「泣かなくても大丈夫だよ。君がここに居たいと望むなら…ここに居ればいい」

ケイジの言葉にミラは顔をあげた。

「うん、君はここに居たいんだね。でも望むなら外の世界に出してあげることも出来るんだよ」

ヤダヤダ!

ミラは首を振る。

「でもずっとここにはいられないだろ?君の面倒を見てる人達はなんて言ってるのかな?」

ジョンさんの顔が浮かんできた。ジョンさんは私がここを出るのを望んでた、ずっとここにいるべきでは無いと何度か言われた事がある。

ミラは下を向いてしまう。

「何か思うところがあるのかな?私はちょっと頼まれ事でここに来たんだよ。その目的が君なんだよミラ」

私?

ミラはケイジ看守長を見つめると

「君の事を待ってる人がいるんだ。血は繋がらないが君のおばちゃんにあたる人だね。どうだい会ってみたくないかい?」

私のおばちゃん?お母さんはここで亡くなったって聞いた…お母さんのお母さんって事?

ミラはいつの間にか涙が止まっていた。

「まぁ考えて見て欲しい、今すぐとは無理だと思うから…一週間…それまでに返事をくれるかな?」

ミラはなんて言えばいいのかわからずに黙ってしまう。

「それまではここで自由にしてていいよ。私の…そうだな親戚の子だと言うことにしておくから、囚人達の所も自由に出入りしていいと看守達には伝えておくよ」

「なんで…」

「その代わり一週間後…ここに残るのかここを出るのか決めてくれるかい?」

答えは決まってる!

ミラはコクっと頷いた。

ケイジ看守長はにっこりと笑うと

「ちょっと泣かせすぎちゃったね、お茶を持ってくるから待っててね」

ケイジ看守長は席を立つと扉を出ていった。

ミラは少し肩の力を抜く。

あの人は何を知っているんだろ…私の生まれた秘密…何処で知ったんだ?

私の事を知るのは囚人達の皆だけだと思っていた…

ミラが悩んでいるとケイジ看守長がお茶と濡れたタオルを手に戻ってきた。

私の顔をタオルで吹いてくれるとお茶を手渡される。

「はい、少し飲んで」

素直にお茶をもらいこくこくと飲む…泣いて水分を出しすぎたのか喉が乾いていた。

「じゃあここからはなるべく秘密は無しで話して欲しいな、囚人達の事は大体わかっているよ…ここだとまぁローガンやハーパー…あたりが絡んでるんだよね?」

ピタリと名前を言われてミラは思わず持っていたお茶をこぼしてしまった。
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