652 / 687
13章
747.
しおりを挟む
【ん?木?】
なんの変哲もない木をみてみんなは同じように首を捻った。
【わかった!積んで遊ぶんだ!】
シンクが一つ足で掴んで上に積んでいく。
【惜しい!積むのは合ってるけど三つ並べて交互に積んでいくんだよ】
私は三つ並べては次は向きを変えて積んでと繰り返して30cm程の高さにまで積んだ。
【コレでどうやって遊ぶんだ?】
やっぱりみんなわからないと積んだ木を見つめる。
【これはね、一人ずつこのこの木を抜いていくの。抜いたら今度は上に積むんだよ】
一つ抜いては上に積むを繰り返す。
【シルバは手が大きいから無理かな】
【いや、爪を使えば大丈夫だが…これの何が面白いんだ?】
【積んでいくとどんどんバランスを取るのが難しくなるんだよ。先にこれを崩した人が負けだよ。負けたらそうだな…おかわり禁止とかどう?】
【なに!それは負けられん】
シルバは慎重に爪でトントンと器用に積み木を押し出した。
【ふー、中々集中力がいるな】
シルバは上に積むのは難しいので私が代わりに置いてあげた。
次にシンクがくちばしで難なく積み木を取るとそのまま足で掴んで飛ぶと上にポトンと落とす。
【シンクは上手だね!】
【えへへ】
シンクは褒めてあげると嬉しそうに自分の羽をついばんだ。
【よし、次は私だな】
プルシアは小さな手を使って難なく積み木を掴むと引っこ抜く、そしてそのまま上に積んだ。
【プルシアも上手!!こういうの得意そうだね!】
【うむ、好きな作業だな】
ニヤリと笑ってコハクに目を向ける。
【次はコハクだな】
【がんばる!】
コハクは口で積み木を掴んで取ろうとするので人型になる事を勧めた。
【いくよー】
ぷにぷにの手で積み木を掴んでがばっ!と抜いた!
ガラガラッ!
まぁ崩れるよね…
【あー!】
コハクはなんでとガックリとしている。
【コハク、残念だね】
コハクにはちょっと難しかったみたいだ。
その後、また積み直してジェンガを続ける、シルバとシンクとプルシアは気に入ったのか、ずっと続けていた。
【ムーは参加しないの?】
私はここに着いてからずっと影に隠れているムーに話しかけた。
【………】
ムーからはなんの返事も返って来ない。
【ムー、いい加減に出てこい!】
シルバが痺れを切らして唸り出した。
【ミヅキが心配しているぞ、それに…俺達もお前に聞きたい事がある】
シルバ達はジェンガをやめて私の周りに集まった。
【そうだね、ミヅキが何も言わないから黙ってたけど…ここに来る時にムーを使ったしね】
【ムーからは微かにあのアナテマの気配を感じるんだが…どういう事なんだ?】
【ムー…】
レムは何も言わずにムーを心配していた。
【ミヅキは何か知っているのか?】
シルバに聞かれて私は黙ってしまった。
私もよくわかって無いけど、多分ムーはアナテマの従魔で私をここに連れてくるように言われていたんだと思った。
でもムーからは何も説明を聞けない、だから私の口からみんなに伝える事は出来ないでいた。
【ムーはほら、喋れないし…でもアナテマと何か関係はあるんだよね?】
私はムーに語りかけた。
するとムーが影からひょっこりと顔を出す。
【やっと顔を出したか…】
シルバが呆れたようにため息をつくとムーが少し隠れてしまった。
【ムー!大丈夫、ちゃんと話を聞くから話してくれない?】
【ミヅキ、ムーは喋れないだろうが】
【でも言いたい事は伝わるよ】
私はムーに両手を広げた。
【ムー、前に私が従魔にならないって言ったの覚えてる?】
ムーはビクッと体を揺らした。
【あの時の気持ちは今も変わらないよ、ムーはアナテマが好きなのかな?でもそんな悲しい気持ちでいるなら私達と一緒にいようよ!】
ムーはチラッとシルバ達を見る。
【ふん、今更なんだ】
シルバはフイっと横を向くと話を続けた。
【お前が誰といたいか自分で決めろ。俺はミヅキの考えに従う】
シルバの言葉にシンク達も頷いた。
【素直じゃ無いけどシルバもムーを心配してるんだよ。もちろん僕達だってね】
【おいシンク!余計な事を…】
シルバがシンクに文句を言おうとするのを私は抱きついて邪魔した。
【シルバ、みんな!ありがとう】
優しいシルバ達にみんなと会えた事に感謝した。
【ムー、どうする?】
私はムーの前に座って話しかけた。
ムーはピョン!と影から飛び出ると私の胸に飛び込んできた。
【ムー!】
ムーを抱きしめるとプルプルと震えている…そんなムーをギュッと抱きしめた。
カチッ!
ムーと胸の奥で重なる感じがした。
【ムー、改めてようこそ!】
私はムーに笑いかけた。
なんの変哲もない木をみてみんなは同じように首を捻った。
【わかった!積んで遊ぶんだ!】
シンクが一つ足で掴んで上に積んでいく。
【惜しい!積むのは合ってるけど三つ並べて交互に積んでいくんだよ】
私は三つ並べては次は向きを変えて積んでと繰り返して30cm程の高さにまで積んだ。
【コレでどうやって遊ぶんだ?】
やっぱりみんなわからないと積んだ木を見つめる。
【これはね、一人ずつこのこの木を抜いていくの。抜いたら今度は上に積むんだよ】
一つ抜いては上に積むを繰り返す。
【シルバは手が大きいから無理かな】
【いや、爪を使えば大丈夫だが…これの何が面白いんだ?】
【積んでいくとどんどんバランスを取るのが難しくなるんだよ。先にこれを崩した人が負けだよ。負けたらそうだな…おかわり禁止とかどう?】
【なに!それは負けられん】
シルバは慎重に爪でトントンと器用に積み木を押し出した。
【ふー、中々集中力がいるな】
シルバは上に積むのは難しいので私が代わりに置いてあげた。
次にシンクがくちばしで難なく積み木を取るとそのまま足で掴んで飛ぶと上にポトンと落とす。
【シンクは上手だね!】
【えへへ】
シンクは褒めてあげると嬉しそうに自分の羽をついばんだ。
【よし、次は私だな】
プルシアは小さな手を使って難なく積み木を掴むと引っこ抜く、そしてそのまま上に積んだ。
【プルシアも上手!!こういうの得意そうだね!】
【うむ、好きな作業だな】
ニヤリと笑ってコハクに目を向ける。
【次はコハクだな】
【がんばる!】
コハクは口で積み木を掴んで取ろうとするので人型になる事を勧めた。
【いくよー】
ぷにぷにの手で積み木を掴んでがばっ!と抜いた!
ガラガラッ!
まぁ崩れるよね…
【あー!】
コハクはなんでとガックリとしている。
【コハク、残念だね】
コハクにはちょっと難しかったみたいだ。
その後、また積み直してジェンガを続ける、シルバとシンクとプルシアは気に入ったのか、ずっと続けていた。
【ムーは参加しないの?】
私はここに着いてからずっと影に隠れているムーに話しかけた。
【………】
ムーからはなんの返事も返って来ない。
【ムー、いい加減に出てこい!】
シルバが痺れを切らして唸り出した。
【ミヅキが心配しているぞ、それに…俺達もお前に聞きたい事がある】
シルバ達はジェンガをやめて私の周りに集まった。
【そうだね、ミヅキが何も言わないから黙ってたけど…ここに来る時にムーを使ったしね】
【ムーからは微かにあのアナテマの気配を感じるんだが…どういう事なんだ?】
【ムー…】
レムは何も言わずにムーを心配していた。
【ミヅキは何か知っているのか?】
シルバに聞かれて私は黙ってしまった。
私もよくわかって無いけど、多分ムーはアナテマの従魔で私をここに連れてくるように言われていたんだと思った。
でもムーからは何も説明を聞けない、だから私の口からみんなに伝える事は出来ないでいた。
【ムーはほら、喋れないし…でもアナテマと何か関係はあるんだよね?】
私はムーに語りかけた。
するとムーが影からひょっこりと顔を出す。
【やっと顔を出したか…】
シルバが呆れたようにため息をつくとムーが少し隠れてしまった。
【ムー!大丈夫、ちゃんと話を聞くから話してくれない?】
【ミヅキ、ムーは喋れないだろうが】
【でも言いたい事は伝わるよ】
私はムーに両手を広げた。
【ムー、前に私が従魔にならないって言ったの覚えてる?】
ムーはビクッと体を揺らした。
【あの時の気持ちは今も変わらないよ、ムーはアナテマが好きなのかな?でもそんな悲しい気持ちでいるなら私達と一緒にいようよ!】
ムーはチラッとシルバ達を見る。
【ふん、今更なんだ】
シルバはフイっと横を向くと話を続けた。
【お前が誰といたいか自分で決めろ。俺はミヅキの考えに従う】
シルバの言葉にシンク達も頷いた。
【素直じゃ無いけどシルバもムーを心配してるんだよ。もちろん僕達だってね】
【おいシンク!余計な事を…】
シルバがシンクに文句を言おうとするのを私は抱きついて邪魔した。
【シルバ、みんな!ありがとう】
優しいシルバ達にみんなと会えた事に感謝した。
【ムー、どうする?】
私はムーの前に座って話しかけた。
ムーはピョン!と影から飛び出ると私の胸に飛び込んできた。
【ムー!】
ムーを抱きしめるとプルプルと震えている…そんなムーをギュッと抱きしめた。
カチッ!
ムーと胸の奥で重なる感じがした。
【ムー、改めてようこそ!】
私はムーに笑いかけた。
179
お気に入りに追加
22,989
あなたにおすすめの小説
没落した建築系お嬢様の優雅なスローライフ~地方でモフモフと楽しい仲間とのんびり楽しく生きます~
土偶の友
ファンタジー
優雅な貴族令嬢を目指していたクレア・フィレイア。
しかし、15歳の誕生日を前に両親から没落を宣言されてしまう。
そのショックで日本の知識を思いだし、ブラック企業で働いていた記憶からスローライフをしたいと気付いた。
両親に勧められた場所に逃げ、そこで楽しいモフモフの仲間と家を建てる。
女の子たちと出会い仲良くなって一緒に住む、のんびり緩い異世界生活。
Sランク昇進を記念して追放された俺は、追放サイドの令嬢を助けたことがきっかけで、彼女が押しかけ女房のようになって困る!
仁徳
ファンタジー
シロウ・オルダーは、Sランク昇進をきっかけに赤いバラという冒険者チームから『スキル非所持の無能』とを侮蔑され、パーティーから追放される。
しかし彼は、異世界の知識を利用して新な魔法を生み出すスキル【魔学者】を使用できるが、彼はそのスキルを隠し、無能を演じていただけだった。
そうとは知らずに、彼を追放した赤いバラは、今までシロウのサポートのお陰で強くなっていたことを知らずに、ダンジョンに挑む。だが、初めての敗北を経験したり、その後借金を背負ったり地位と名声を失っていく。
一方自由になったシロウは、新な町での冒険者活動で活躍し、一目置かれる存在となりながら、追放したマリーを助けたことで惚れられてしまう。手料理を振る舞ったり、背中を流したり、それはまるで押しかけ女房だった!
これは、チート能力を手に入れてしまったことで、無能を演じたシロウがパーティーを追放され、その後ソロとして活躍して無双すると、他のパーティーから追放されたエルフや魔族といった様々な追放少女が集まり、いつの間にかハーレムパーティーを結成している物語!
ほっといて下さい(番外編)
三園 七詩
ファンタジー
「ほっといて下さい」のもうひとつのお話です。
本編とは関係ありません。時系列も適当で色々と矛盾がありますが、軽い気持ちで読んで頂けると嬉しいです。
✱【注意】話によってはネタバレになりますので【ほっといて下さい】をお読みになってからの方がいいかと思います。
転生テイマー、異世界生活を楽しむ
さっちさん
ファンタジー
題名変更しました。
内容がどんどんかけ離れていくので…
↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓
ありきたりな転生ものの予定です。
主人公は30代後半で病死した、天涯孤独の女性が幼女になって冒険する。
一応、転生特典でスキルは貰ったけど、大丈夫か。私。
まっ、なんとかなるっしょ。
女子力の高い僕は異世界でお菓子屋さんになりました
初昔 茶ノ介
ファンタジー
昔から低身長、童顔、お料理上手、家がお菓子屋さん、etc.と女子力満載の高校2年の冬樹 幸(ふゆき ゆき)は男子なのに周りからのヒロインのような扱いに日々悩んでいた。
ある日、学校の帰りに道に悩んでいるおばあさんを助けると、そのおばあさんはただのおばあさんではなく女神様だった。
冗談半分で言ったことを叶えると言い出し、目が覚めた先は見覚えのない森の中で…。
のんびり書いていきたいと思います。
よければ感想等お願いします。
王子を身籠りました
青の雀
恋愛
婚約者である王太子から、毒を盛って殺そうとした冤罪をかけられ収監されるが、その時すでに王太子の子供を身籠っていたセレンティー。
王太子に黙って、出産するも子供の容姿が王家特有の金髪金眼だった。
再び、王太子が毒を盛られ、死にかけた時、我が子と対面するが…というお話。
転生したら幼女でした!? 神様~、聞いてないよ~!
饕餮
ファンタジー
書籍化決定!
2024/08/中旬ごろの出荷となります!
Web版と書籍版では一部の設定を追加しました!
今井 優希(いまい ゆき)、享年三十五歳。暴走車から母子をかばって轢かれ、あえなく死亡。
救った母親は数年後に人類にとってとても役立つ発明をし、その子がさらにそれを発展させる、人類にとって宝になる人物たちだった。彼らを助けた功績で生き返らせるか異世界に転生させてくれるという女神。
一旦このまま成仏したいと願うものの女神から誘いを受け、その女神が管理する異世界へ転生することに。
そして女神からその世界で生き残るための魔法をもらい、その世界に降り立つ。
だが。
「ようじらなんて、きいてにゃいでしゅよーーー!」
森の中に虚しく響く優希の声に、誰も答える者はいない。
ステラと名前を変え、女神から遣わされた魔物であるティーガー(虎)に気に入られて護られ、冒険者に気に入られ、辿り着いた村の人々に見守られながらもいろいろとやらかす話である。
★主人公は口が悪いです。
★不定期更新です。
★ツギクル、カクヨムでも投稿を始めました。
継母の心得 〜 番外編 〜
トール
恋愛
継母の心得の番外編のみを投稿しています。
【本編第一部完結済、2023/10/1〜第二部スタート☆書籍化 2024/11/22ノベル5巻、コミックス1巻同時刊行予定】
過去1ヶ月以内にレジーナの小説・漫画を1話以上レンタルしている
と、レジーナのすべての番外編を読むことができます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
番外編を閲覧することが出来ません。
過去1ヶ月以内にレジーナの小説・漫画を1話以上レンタルしている
と、レジーナのすべての番外編を読むことができます。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。