ほっといて下さい 従魔とチートライフ楽しみたい!

三園 七詩

文字の大きさ
上 下
634 / 687
12章(続き)

730.

しおりを挟む
エルフ達の王都での住まいは…一応どうにかなった。

私達は確認と報告の為に一度王宮へと戻ることにした…

王宮では各国の国王達や側近が王の間に集まって今後の日程などを話し合っていた。

私は報告の為、レオンハルト達の後ろにこっそりと一緒に並んでいる。
目立たないように体を小さくしていた。

「ここから見えます大木がエルフ達の住まいとなります」

アルフノーヴァさんが代表で話し出す。

「ああ、見えていた。エルフ達の反応はどうだ?」

「気に入った様子で今は各自部屋を決めて休んでいます」

「ならよかった、皆ご苦労だったな」

ギルバート王が微笑んで労う。

私はいいのか?と思い顔をあげるとバッチリと国王と目があった。

ギルバート王は苦笑して頷いていた。

どうやらあの程度なら大丈夫だったらしい!

私はよかったと胸を撫で下ろす。

これでベイカーさん達に怒られることはないと思いフーっと息を吐いて汗を拭った。

国王達はエルフ達の住まいの事で逆に褒めてまた褒美をと言う話になりそうだったので丁重に断って王宮を後にする事にした。

確かに力は貸したが私だけの力ではないし別に欲しいものも無かった。

それよりも早く帰ってのんびりとシルバ達をもふもふしたい。

足早に王宮を出て城門までレオンハルト達に送られるとちょうどベイカーさん達が迎えに来ていた。

「ベイカーさん!セバスさん!じいちゃん!」

三人が笑って出迎えてくれた。

私はベイカーさんの広げた腕の中に飛び込むとベイカーさんが軽々と抱き上げてくれる。

「あれはミヅキの仕業だよな」

後ろにそびえ立つ大きな木を指してベイカーさんが聞いてきた。

「い、いや違うよ!私だけじゃないし、ギルバート王もよくやったって褒めてくれたよ」

「本当かー?」

ベイカーさんに疑いの目を向けられて思わず目をそらす。

「やっぱりなんか隠してないか?」

頭を掴まれてこっちを向けと顔を真正面に向けられた。

「いや、ミヅキはよくやってくれました。あれはエルフ達の住まいになります。皆も喜んでいたので問題無いです。なにかあればエルフ達がやった事にする予定ですので」

レオンハルト王子がベイカーさんに説明した。

「エルフ達はそれでいいのですか?」

横からセバスさんが聞くとカイルも頷く。

「はい、エルフ達はミヅキの為になるならと快く協力してくれるそうです。彼らが魔力が高いのも事実ですし問題ないかと思われます」

「なら良かった、ミヅキさんに負担が無いならこちらとしては問題ないですからね」

セバスさんがにっこりと笑う。

どうやら誰も怒っていないようだ!
久しぶりに何もやらかさずに済んだのかもしれない!

自分の成長に胸を張る。

「ほらね!私だってやれば出来るんだよ」

ベイカーさんに勝ち誇ったように笑って見せた。

「馬鹿!いつもそうしろ。それでもやりすぎはやりすぎなんだよ」

ベイカーさんに調子に乗るなとコツンと軽く小突かれた。

「はーい、あれ?そういえばアランさんは?」

いつもなら一緒にいるアランさんが居ないことに気がついてベイカーさん達の後ろを探す。

「アランは久しぶりに王都の部隊兵さん達と過ごすようです。たまには静かでいいでしょう」

セバスさんが言うとじいちゃんも頷いた。

「あいつがいるとうるさくてかなわん、ほら、ミヅキじいちゃんのところに来るか?」

じいちゃんは息子の事はどうでもいいようで私に向かって両手を広げた。

私は今度はじいちゃんに抱っこされると…ぐぅ~とお腹がなった。

「おっ、可愛い腹の虫が鳴いとるわ!」

じいちゃんがガハハと笑うと、ぐー!!じいちゃんのお腹も豪快に鳴いた。

「ありゃわしもミヅキにつられて腹が減ったようだ」

「もう」

じいちゃんと笑っているとセバスさんとベイカーさんが寄ってきた。

「確かにお腹が空きましたね、そろそろご飯にしましょうか」

「待ってました!」

【待ってました!】

ベイカーさんとシルバが同時に舌をなめずりをする。

【ふふ、シルバ達も頑張ってくれたからお腹すいたよね】

「そういえば王都の外にたくさんのお店が出てましたよ」

「あっ!そういえばコジローさんの里のみんなもお店を出すって言ってた」

「ではそこに行ってみますか?」

「うん!」

私は勢いよく頷いた。
しおりを挟む
感想 6,825

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

収容所生まれの転生幼女は、囚人達と楽しく暮らしたい

三園 七詩
ファンタジー
旧題:収容所生まれの転生幼女は囚人達に溺愛されてますので幸せです 無実の罪で幽閉されたメアリーから生まれた子供は不幸な生い立ちにも関わらず囚人達に溺愛されて幸せに過ごしていた…そんなある時ふとした拍子に前世の記憶を思い出す! 無実の罪で不幸な最後を迎えた母の為!優しくしてくれた囚人達の為に自分頑張ります!

転生したら、6人の最強旦那様に溺愛されてます!?~6人の愛が重すぎて困ってます!~

恋愛
ある日、女子高生だった白川凛(しらかわりん) は学校の帰り道、バイトに遅刻しそうになったのでスピードを上げすぎ、そのまま階段から落ちて死亡した。 しかし、目が覚めるとそこは異世界だった!? (もしかして、私、転生してる!!?) そして、なんと凛が転生した世界は女性が少なく、一妻多夫制だった!!! そんな世界に転生した凛と、将来の旦那様は一体誰!?

ほっといて下さい(番外編)

三園 七詩
ファンタジー
「ほっといて下さい」のもうひとつのお話です。 本編とは関係ありません。時系列も適当で色々と矛盾がありますが、軽い気持ちで読んで頂けると嬉しいです。 ✱【注意】話によってはネタバレになりますので【ほっといて下さい】をお読みになってからの方がいいかと思います。

転生したらチートすぎて逆に怖い

至宝里清
ファンタジー
前世は苦労性のお姉ちゃん 愛されることを望んでいた… 神様のミスで刺されて転生! 運命の番と出会って…? 貰った能力は努力次第でスーパーチート! 番と幸せになるために無双します! 溺愛する家族もだいすき! 恋愛です! 無事1章完結しました!

私が死んで満足ですか?

マチバリ
恋愛
王太子に婚約破棄を告げられた伯爵令嬢ロロナが死んだ。 ある者は面倒な婚約破棄の手続きをせずに済んだと安堵し、ある者はずっと欲しかった物が手に入ると喜んだ。 全てが上手くおさまると思っていた彼らだったが、ロロナの死が与えた影響はあまりに大きかった。 書籍化にともない本編を引き下げいたしました

夫の色のドレスを着るのをやめた結果、夫が我慢をやめてしまいました

氷雨そら
恋愛
夫の色のドレスは私には似合わない。 ある夜会、夫と一緒にいたのは夫の愛人だという噂が流れている令嬢だった。彼女は夫の瞳の色のドレスを私とは違い完璧に着こなしていた。噂が事実なのだと確信した私は、もう夫の色のドレスは着ないことに決めた。 小説家になろう様にも掲載中です

この度、双子の妹が私になりすまして旦那様と初夜を済ませてしまったので、 私は妹として生きる事になりました

秘密 (秘翠ミツキ)
恋愛
*レンタル配信されました。 レンタルだけの番外編ssもあるので、お読み頂けたら嬉しいです。 【伯爵令嬢のアンネリーゼは侯爵令息のオスカーと結婚をした。籍を入れたその夜、初夜を迎える筈だったが急激な睡魔に襲われて意識を手放してしまった。そして、朝目を覚ますと双子の妹であるアンナマリーが自分になり代わり旦那のオスカーと初夜を済ませてしまっていた。しかも両親は「見た目は同じなんだし、済ませてしまったなら仕方ないわ。アンネリーゼ、貴女は今日からアンナマリーとして過ごしなさい」と告げた。 そして妹として過ごす事になったアンネリーゼは妹の代わりに学院に通う事となり……更にそこで最悪な事態に見舞われて……?】

処理中です...
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
番外編を閲覧することが出来ません。
過去1ヶ月以内にレジーナの小説・漫画を1話以上レンタルしている と、レジーナのすべての番外編を読むことができます。

このユーザをミュートしますか?

※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。