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12章

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次の日私達は朝から騒がしい出迎えにあっていた。

「ミヅキ、陛下がお呼びだ。王宮に来て貰えるか?」

タナカ隊長が部下達を引き連れて里にまで迎えにきた。

「朝から騒がしいな…」

ベイカーさんが眠そうな目を擦って起きてきた。

「こんな早くからミヅキさんを連れていくのですか?これは幼児虐待では…事によっては国を訴えさせていただきますよ」

朝からセバスさんの爽やかな笑顔が炸裂する。

「セバスさん、私は大丈夫ですよ!多分他の国の人達が早くから来るのかな?昨日ガッツ隊長達からも言われてましたから」

「そうですか?でも辛くなったら何時でも言ってくださいね」

セバスさんが心配そうに頭を撫でてくれる。

「はい!」

私は大丈夫だと笑顔いっぱいに頷いておいた。

タナカ隊長達に少しだけ待ってもらい、みんなで素早く朝食を済ませる。
セバスさんやベイカーさん達もこのまま仕事に向かうと言うので途中まで一緒に行くことになった。

「ベイカーさん達はなんの仕事するの?」

「俺達は交代で王都内や王都の外の塀沿いの見回りだ、揉め事や魔物があらわれたら処理にあたる」

「まぁほとんど、人同士の揉め事が大半ですがね」

セバスさんが困ったように軽くため息をつく。

「これだけ他の国の人も多く集まってたら仕方ないだろ」

ディムロスじいちゃんもやれやれと肩をあげていた。

「そっか、早くリバーシ大会開いていつもの王都に戻った方がいいのかなぁ」

自分が開いた大会だけに責任を感じる。

「いや、大半の奴らは喜んでるさ。まだみんな慣れてないだけでこれからは行き来が当たり前になる。この程度で済んでる方が凄いんだから気にするな。ミヅキはミヅキのしたいようにやればいい、何かあれば俺達大人が尻拭いしてやるからな」

ベイカーさんが大きな手でポンッと頭に手を置いた。

「そうですよ、ミヅキさんが行動すると大変な目にあいますが必ずいい方に事は運んでいるのです。今回もこの国に取っていい方へと向かう事になるでしょう」

セバスさんもにっこりと笑っているが、若干気になる言葉があった。

二人の笑顔がなんか怖い。

「が、頑張ります!」

私はグッと気合いを入れ直した。

途中まで来るとベイカーさん達は一度ギルドに向かうと言うのでそこで別れる事になった。

私達はタナカ隊長に連れられて王宮へと向かう。

「タナカ隊長も元気でした?」

なかなか話すタイミングがなかったが隣を歩きながら話しかけると、チラッとこちらをうかがいながら頷いた。

「お前も元気そうだな…それにアレは美味かった」

「アレ?」

なんの事だと首を傾げていると、タナカ隊長の部下の兵士さん達が教えてくれた。

「昨日のカレーだよ。帰ってきてヘトヘトなところにアレは本当に嬉しかったよ、ありがとう!」

部下の兵士さん達が次々にお礼を言ってきた。

「喜んで貰えて良かった!でも量が少なくてすみません…みんなの分を大量に作るには時間が無くて…」

「いや、アレをおかずにパンを大量に食べれたからね。それにしても美味しかった…それになんか懐かしいよね」

皆が笑顔で頷き合う。

「部隊兵の皆さんとの思い出のカレーですからね!」

「タナカ隊長も気に入っておかわりしたいって言ってましたよね」

「おい!それは内緒にしろって言っただろ!」

タナカ隊長が顔を赤くして部下の頭を叩いた。

「気に入って貰えて良かった!また作ってあげるからね」

私はタナカ隊長を見上げて笑いかける。

「ま、まぁ…作りたいって言うならまた食べてやるよ」

「隊長は素直じゃないんだから…」

「なー、真っ先にミヅキちゃんの料理だって気がついたクセに」

「うるさいぞ!」

タナカ隊長が部下に殴りかかりそうになるのを笑って見ていた。

みんなで楽しく話して居たので気がつけば王宮に着いていた。

「ミヅキは一度陛下の元に行ってもらう」

ビシッと姿勢を正してタナカ隊長達が王の間へと連れていってくれた。

「ミヅキを連れてまいりました」

タナカ隊長が声をかけて扉を開くと陛下にレオンハルト王子とカイルが笑顔で出迎えてくれた。
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