ほっといて下さい 従魔とチートライフ楽しみたい!

三園 七詩

文字の大きさ
603 / 675
15章

717.

しおりを挟む
「さっきの何がお部屋に落ちてきたんですか?」

私はなんだか元気が無くなったように感じる兵士さん達に話を聞く。

「な、なんでもないよ…その、仕事のね、書類が…さ…」

兵士さんが言いにくそうに言葉を濁す。

「ああ、なるほど一般人には見られちゃいけないお仕事関係の資料ですか?」

「え?  あ!そうそう、そうなんだよ」

兵士さん達が肯定するように勢いよく頷いた。

「ミヅキちゃんに見られちゃったら隊長に怒られちゃうやつでさー」

兵士さん達が何かを誤魔化すように笑っている。

「そうなんですねー、私はてっきりなんかいけないものでも隠したのかと思いました」

「「え…」」

兵士さん達の顔が真顔になって固まった。

「そんなわけないですよねー」

「そ、そうだね…」

笑っていると、兵士さん達は感情を殺したような声で答えた。


※※※


【全くなんであんなもん隠したのかも集めていたのかもわからんな】

シルバはプルシア達と兵士達が捨てた絵を見て首を傾げた。

【人には大切なものなんだろう】

【えーおいしくなさそうなのにね】

プルシアの答えにコハクはわからないとシルバと同じく首を傾げる。

【僕ならミヅキの絵なら欲しいなー】

シンクのつぶやきにシルバ達がいっせいに振り返った。

【それは欲しいな!】

【ぼくも!】

【なるほど、あいつらもあの絵をそんな気持ちで持っていたのかもしれないな】

【確かギースの仲間で絵が上手いのがいたよね…】

シンクがそう言うとシルバの目がギラっと光った。

【よし、そいつに後でミヅキの絵を描かせよう】

【さんせ~】

シルバ達はニヤリと悪そうに口角をあげた。


※※※


後ろを振り返るとシルバ達が楽しそうに話をしていた。

私には聞こえないように従魔達だけで喋っているようだった。

【みんな何話してるのー】

私がシルバの背中にポンっと乗っかってみんなに話しかける。

【ふふ、なんでもないよー】

シンクが嬉しそうにくちばしを隠して答えて頭に乗ってきた。

【そうなのーいいことだけどひみつなのー】

コハクも嬉しそうに尻尾を大きくふる。

なんかもう少し聞けば教えてくれそうかな?

【えーなんだろ?美味しいもの?】

その後も聞いてみたがシルバ達は笑って教えてくれなかった。

でもなんか楽しそうだからいいかな。


その後もガッツ隊長に案内されながらみんなの住居を見学させて貰った。

最後にまたガッツ隊長の部屋に戻ってきて、厨房を借りる。

「お礼に皆さんに料理を作っておきますね!お仕事終わったらみんなで食べて下さい」

「ミヅキちゃんの手料理、久しぶりだなー!」

「すっげえ楽しみ!」

兵士さん達の期待する瞳になんか緊張する。

そんなにいいもん作るつもり無いんだけど…

【ミヅキ、何を作るんだ?俺も食べれるのか?】

シルバがそんな私の緊張を他所にペロッと舌なめずりをしながら近づいてくる。

その姿にふっと肩の力が抜けた。

【ふふ、そうだなぁ~簡単でボリューミーなものがいいよね…牛丼とかもいいけど…】

みんなと食べた思い出といえばこれかな…

私はドンッ!と肉を取り出した。

【やった!肉だ!】

シルバは肉に瞳を輝かせる。

【シルバは私達といっぱいご飯食べたでしょ】

食いしん坊ぶりに苦笑する。

【ミヅキの料理は別腹だ!】

シルバはまだまだ食べられるとお腹を見せる。

【シルバにはまた今度作ってあげるからこれは兵士さん達の分だからね】

【そうなのか…】

シルバはしょぼんと肩を落とした。

私は肉を風魔法でミンチにすると、玉ねぎを取り出して同じように細かくカットした。

「これをただひたすら炒めます」

大きな鍋に大量の玉ねぎを先に炒める。

「ムッ…重い…」

玉ねぎを大きなヘラで混ぜようとするが量が多すぎたようで上手く混ぜられない。

すると見かねたガッツ隊長が代わってくれた。

「これを混ぜるだけでいいんだな?」

「はい!お願いします」

料理をほとんどしないらしいガッツ隊長がうかがいながらたどたどしく玉ねぎを炒める。

隣では同時に肉を他の兵士さんが炒めてくれていた。

玉ねぎが飴色になったところで肉と合わせると、混ぜておいたスパイスを投入する。

「おお!この香りは…」

ぐうー!

ガッツ隊長が炒めながら鼻をヒクヒクと動かして香りを楽しむ。

他の兵士達もいい香りにお腹が刺激されたようだ。

「カレーだな!」

「でも具が少なくないかい?」

兵士達が鍋を覗く。

確かに使っている具材が少ないけど、問題ない!

「ふふ、これはこういう料理なんですよ」

私が笑っていると兵士さんが水を用意した。

「ミヅキちゃん、水を入れるんだろ?」

「あー!待って、これは水は入れないの!」

慌てて兵士さんから水を取り上げた。

「え?でもこれじゃあカレーじゃないんじゃない?」

「これはドライカレーです。水気のないカレーなんですよ」

「へー、まぁミヅキちゃんが作るなら美味いんだろうな、現にいい香りがしてるし…」

兵士さんの口からヨダレが垂れそうになっている。

「これはパンでもご飯でも合いますよ」

スパイスが肉から出てきた油と混ざってグツグツと踊る。

【う~この匂いたまらん】

シルバが食べられない事を悔しそうにしながらカレーを睨みつけていた。

【シルバ達には玉ねぎ少なめに作ってあげるからね】

【別に玉ねぎたっぷりでも大丈夫だぞ】

そうなんだけど…シルバ達が食べたら兵士さん達の分が無くなりそうだとは言えなかった。

しおりを挟む
感想 6,829

あなたにおすすめの小説

転生したら幼女でした!? 神様~、聞いてないよ~!

饕餮
ファンタジー
  書籍化決定!   2024/08/中旬ごろの出荷となります!   Web版と書籍版では一部の設定を追加しました! 今井 優希(いまい ゆき)、享年三十五歳。暴走車から母子をかばって轢かれ、あえなく死亡。 救った母親は数年後に人類にとってとても役立つ発明をし、その子がさらにそれを発展させる、人類にとって宝になる人物たちだった。彼らを助けた功績で生き返らせるか異世界に転生させてくれるという女神。 一旦このまま成仏したいと願うものの女神から誘いを受け、その女神が管理する異世界へ転生することに。 そして女神からその世界で生き残るための魔法をもらい、その世界に降り立つ。 だが。 「ようじらなんて、きいてにゃいでしゅよーーー!」 森の中に虚しく響く優希の声に、誰も答える者はいない。 ステラと名前を変え、女神から遣わされた魔物であるティーガー(虎)に気に入られて護られ、冒険者に気に入られ、辿り着いた村の人々に見守られながらもいろいろとやらかす話である。 ★主人公は口が悪いです。 ★不定期更新です。 ★ツギクル、カクヨムでも投稿を始めました。

転生幼女はお願いしたい~100万年に1人と言われた力で自由気ままな異世界ライフ~

土偶の友
ファンタジー
 サクヤは目が覚めると森の中にいた。  しかも隣にはもふもふで真っ白な小さい虎。  虎……? と思ってなでていると、懐かれて一緒に行動をすることに。  歩いていると、新しいもふもふのフェンリルが現れ、フェンリルも助けることになった。  それからは困っている人を助けたり、もふもふしたりのんびりと生きる。 9/28~10/6 までHOTランキング1位! 5/22に2巻が発売します! それに伴い、24章まで取り下げになるので、よろしく願いします。

私の家族はハイスペックです! 落ちこぼれ転生末姫ですが溺愛されつつ世界救っちゃいます!

りーさん
ファンタジー
 ある日、突然生まれ変わっていた。理由はわからないけど、私は末っ子のお姫さまになったらしい。 でも、このお姫さま、なんか放置気味!?と思っていたら、お兄さんやお姉さん、お父さんやお母さんのスペックが高すぎるのが原因みたい。 こうなったら、こうなったでがんばる!放置されてるんなら、なにしてもいいよね! のんびりマイペースをモットーに、私は好きに生きようと思ったんだけど、実は私は、重要な使命で転生していて、それを遂行するために神器までもらってしまいました!でも、私は私で楽しく暮らしたいと思います!

収容所生まれの転生幼女は、囚人達と楽しく暮らしたい

三園 七詩
ファンタジー
旧題:収容所生まれの転生幼女は囚人達に溺愛されてますので幸せです 無実の罪で幽閉されたメアリーから生まれた子供は不幸な生い立ちにも関わらず囚人達に溺愛されて幸せに過ごしていた…そんなある時ふとした拍子に前世の記憶を思い出す! 無実の罪で不幸な最後を迎えた母の為!優しくしてくれた囚人達の為に自分頑張ります!

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜

一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m ✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。 【あらすじ】 神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!   そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!  事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます! カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。

没落した貴族家に拾われたので恩返しで復興させます

六山葵
ファンタジー
生まれて間も無く、山の中に捨てられていた赤子レオン・ハートフィリア。 彼を拾ったのは没落して平民になった貴族達だった。 優しい両親に育てられ、可愛い弟と共にすくすくと成長したレオンは不思議な夢を見るようになる。 それは過去の記憶なのか、あるいは前世の記憶か。 その夢のおかげで魔法を学んだレオンは愛する両親を再び貴族にするために魔法学院で魔法を学ぶことを決意した。 しかし、学院でレオンを待っていたのは酷い平民差別。そしてそこにレオンの夢の謎も交わって、彼の運命は大きく変わっていくことになるのだった。 ※2025/12/31に書籍五巻以降の話を非公開に変更する予定です。 詳細は近況ボードをご覧ください。

無名の三流テイマーは王都のはずれでのんびり暮らす~でも、国家の要職に就く弟子たちがなぜか頼ってきます~

鈴木竜一
ファンタジー
※本作の書籍化が決定いたしました!  詳細は近況ボードに載せていきます! 「もうおまえたちに教えることは何もない――いや、マジで!」 特にこれといった功績を挙げず、ダラダラと冒険者生活を続けてきた無名冒険者兼テイマーのバーツ。今日も危険とは無縁の安全な採集クエストをこなして飯代を稼げたことを喜ぶ彼の前に、自分を「師匠」と呼ぶ若い女性・ノエリ―が現れる。弟子をとった記憶のないバーツだったが、十年ほど前に当時惚れていた女性にいいところを見せようと、彼女が運営する施設の子どもたちにテイマーとしての心得を説いたことを思い出す。ノエリ―はその時にいた子どものひとりだったのだ。彼女曰く、師匠であるバーツの教えを守って修行を続けた結果、あの時の弟子たちはみんな国にとって欠かせない重要な役職に就いて繁栄に貢献しているという。すべては師匠であるバーツのおかげだと信じるノエリ―は、彼に王都へと移り住んでもらい、その教えを広めてほしいとお願いに来たのだ。 しかし、自身をただのしがない無名の三流冒険者だと思っているバーツは、そんな指導力はないと語る――が、そう思っているのは本人のみで、実はバーツはテイマーとしてだけでなく、【育成者】としてもとんでもない資質を持っていた。 バーツはノエリ―に押し切られる形で王都へと出向くことになるのだが、そこで立派に成長した弟子たちと再会。さらに、かつてテイムしていたが、諸事情で契約を解除した魔獣たちも、いつかバーツに再会することを夢見て自主的に鍛錬を続けており、気がつけばSランクを越える神獣へと進化していて―― こうして、無名のテイマー・バーツは慕ってくれる可愛い弟子や懐いている神獣たちとともにさまざまな国家絡みのトラブルを解決していき、気づけば国家の重要ポストの候補にまで名を連ねるが、当人は「勘弁してくれ」と困惑気味。そんなバーツは今日も王都のはずれにある運河のほとりに建てられた小屋を拠点に畑をしたり釣りをしたり、今日ものんびり暮らしつつ、弟子たちからの依頼をこなすのだった。

処理中です...
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
番外編を閲覧することが出来ません。
過去1ヶ月以内にレジーナの小説・漫画を1話以上レンタルしている と、レジーナのすべての番外編を読むことができます。

このユーザをミュートしますか?

※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。