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12章

711.

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友達になった女の子達がアクアにリバーシ工場を案内する。

「ここは風魔法が得意な人が石と盤の形を成形します、その後に魔法が苦手な人が色塗りです」

工場ではたくさんの人達が働き色塗りをいていた。

「面白そう!私も塗ってみたいな!」

「やってみます?」

やりたそうに見つめるアクアに女の子達が筆を持ってきた。

「いいの!?」

アクアはリバーシの石をつまむと色を塗る、がはみ出したり手についたりと上手くいかない。

「あれ?結構難しい・・・みんな上手いなぁ~」

「私達も最初は下手くそでしたけど慣れました!失敗しても大丈夫ですよ!それはお試し用に使ったり学校の遊び場に寄付しますから」

ほー!そんなリデュースをしてるとは!?
もう本当に私の手を離れたようだ。

女の子達がアクアが塗ったコマを受け取ろうとすると・・・アクアがそれを寂しそうに見つめる。

「よかったらそれ記念に貰っていけば!?今度来た時にはもっと上手く濡れるように」

「えっ!?いいの?」

「いいよね?」

私が女の子達を見るとうなずき返す。

「ミヅキ様がよろしいなら私達は何も言いませんよ」

「ならアクア貰ってよ!」

私は不格好に塗られたコマをアクアに渡した。

「ありがとう・・・大切にするね!」

アクアはうれしそうにそれを大事そうに胸に抱いた。

 

アクアは他にも新品のリバーシをお土産に渡そうとしたがそれは自分で買うと言って受け取らなかった。

「それよりもさっきからいい匂いが・・・」

出汁のいい香りにさっき食べたはずのお腹がまた空いてきた。

「ミヅキちゃ~んうどんが出来たよ!」

「はい!油揚げを乗せたコハクうどんだよ!」

「美味しそ~!!」

「本当だー!あーミニじゃなくてもよかったかも~!」

私達の前に熱々の湯気がたったうどんが置かれる。

「はい、シルバ様達もどうぞ!」

シルバ達には大きなとんぶりに少し冷ましたうどんを置いてくれた。

「コハクちゃんは大盛りだったね!」

コハクには油揚げがおまけに二枚付いている。

「やったー!」

コハクはあまりの嬉しさにクルンと回って人型になった。

「いただきます!」

コハクはフォークを握ると油揚げに刺した!
大きな油揚げを小さな口に頬張ってモグモグと口を動かす。

頬を膨らませて幸せそうに油揚げを噛み締める。

「ん~おいしい!」

そのままうどんもズルズルとかき込んでいた。

「コハクちゃん、美味しそうに食べるね!んー!我慢出来ない!いただきます!」

アクアがコハクと同じようにうどんを食べだした。

「じゃあ私もー」

私はもちろん箸で!

揚げを箸で小さく切ってうどんと一緒に口に入れる。

揚げの甘辛く染み込んだ出汁とうどん出汁が口の中で喧嘩することなく合わさった!

「美味しい~!なんか前よりも美味しくなった?」

おばちゃん達を見ると誇らしそうに頷く。

「何度も試行錯誤してうどんも出汁も変えたんだよ!いやぁ~ミヅキちゃんに美味しいって言って貰えて一安心だ!」

ほっとしたみんなもうどんを食べだした。

【おかわり!】

するとシルバからすぐにおかわりが…

見ればお出汁まで綺麗に飲み干していた。

「シルバ様にそんな食べていただき嬉しい限りです!好きなだけどうぞ!次は何を乗せますか?」

長老様がお揚げと天ぷらを見せる。

「シルバならお肉を乗せてもいいかもね~」

【何!?肉だって!?】

シルバの目がギラっと光った。

【うん!お肉を甘辛く焼いて乗せるだけ!お出汁とお肉のタレが合わさって美味しいでしょ!半熟卵なんか乗せてもいいかも・・・って!シルバ、ヨダレ!】

シルバを見れば話だけでヨダレを垂らしている。

【おい!今すぐ肉を焼け!】

シルバは長老に詰め寄る!

「は、はい!ミヅキさん~レシピをお願いします!」

「あ、はい・・・シルバ大人しくおすわりだよ」

シルバは私のお願いに下がると素直に腰を落とした。

【早くしろよ】

しかししっかりと長老様に圧をかける。

【もう!】

シルバにメッ!と怒って長老様達に簡単に肉うどんの説明をする。

他にも天ぷらに向いてる食材を教えておいた。

「なるほど・・・うどんは素晴らしい可能性を秘めておりますね!」

「そうだね~好きな人は毎日具材変えて食べる人もいるだろうね~長老様達も売り出すならその日の日替わりメニューを考えて見れば?その日にしか食べられない味って聞けば気になって毎日来るかもよ」

「それはいいですね!」

「うわっ!」

すぐ後ろで声がして驚いて振り返る。
するとマルコさんがニコニコと笑って立っていた。

「マ、マルコさんいつの間に…」

「ミヅキさんが移動したと情報をいただきまして、もしかしたらとここに来ました!いやぁ来てよかった!凄くいい話が聞けました!」

「そ、それはよかった…」

「長老さん!早速お話をうかがえますか!」

マルコさんは長老の肩を掴むと二人で話し合うと何処かに連れてった。

シルバのご飯はおばちゃんが引き継ぎ山盛りのお肉を乗せてもらっている。

「シルバおじちゃんいいなぁ~ぼくはまたおあげにしようかなーおにくもいいなー」

コハクがどうしようかとお揚げとお肉を交互に見ている、その可愛い仕草に笑ってしまう。

「そんなに悩むなら神様に決めてもらおうか!?」

「かみさま?」

コハクが可愛く首を傾げた。
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