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12章
697.旅
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冒険者達が次々に用意した馬や馬車に乗り込んでいく。
私達も事前にデボットさん達と用意した馬車に乗り込んだ。
獣人の国で乗っていた馬車を参考にもう少し中が広い馬車を作っていた。
セバスさんと一緒に収納魔法を応用して見た目は普通…中身は広々の特別製の馬車だった。
【私が運ばなくていいのか?】
いつも王都に行くのはプルシア便だったので少し残念そうに聞いてくる。
「プルシアならすぐなんだけどね」
プルシアの頭を慰めるように撫でてあげる。
「今、国中の人が王都に集まっているんだぞ…そこをプルシアなんかに乗って登場してみろ。一気に知れ渡るぞ…」
「まぁみんなでのんびりと行くのも楽しそうだね!【シルバ達は大丈夫?】」
見れば広々とした馬車の中で優雅に寝転がっていた。
【たまに外に出て走ってもいいな、このまま寝ていたらイライラしそうだ】
【僕はのんびりここでミヅキといるんでいいや~】
シンクは大丈夫だと私の頭で丸まっている。
他のみんなも各々好きな場所を陣取っていた。
コハクはポカポカと日が差す窓のそばに、プルシアとレムは影になっているヒンヤリとした床にいた。
【ムーはここがいいんだ】
見ればムーは馬車に積んである樽の水の中にいた。
ぴちゃぴちゃと水の中を元気に動き回っている、しばらく元気がなさそうだったけどまた復活したみたいでよかった。
水の中のムーをツルツルと撫でると、嬉しそうに擦り寄ってくる。
「それにしてもすごいですね…この馬車」
ギルドの職員の人達が縮こまって端っこに固まっていた。
この馬車はギルドのみんなを乗せるために作ったのだ、なのでセバスさんが手伝ってくれていた。
「この馬車は家としても使えますので王都に付いたら停泊させます。あなた達は好きに使いなさい」
セバスさんの言葉にギルド職員達もソワソワしだす。
「ちょっと他の場所を見てきてもいいですか?」
「私も女子部屋みたいです。フレイシア行こう」
「はい!」
職員達は自分達が寝る部屋を見に行ってしまった。
「別に床で寝りゃいいのに」
アランさんは構わずにゴロンとシルバ達の様に横になっていた。
「アランさんだって寝るところあるんだよ、ほら!」
私は天井を指さすと…そこにはたくさんの網状の物がぶら下がっていた。
「ああ、あの巨大グモの巣みたいなのか…一体なんだと思ってた」
「あれはハンモックだよあれに寝転がると包まれるような感じで楽に寝れるよ」
「へー!どれどれ…」
アランさんは起き上がると階段で上に向かう、馬車は天井が高くなり軽く柱の足場があってその間にハンモックが下がっていた。
アランさんがヒョイッとハンモックにぶら下がる。
「おお!この揺れ心地…悪くない…」
馬車の振動もあってウトウトしだす。
いくら広々と馬車を作ったけど人数分のベッドを置くのは無理そうだったのでならデッドスペースを使おうとこの案を考えたのだ!
「アランさ~んどうですか~」
天井にぶら下がるアランさんに声をかけるが反応がない…どうやら寝ているようだ。
「気持ちよさそうだな!俺も寝てみるか!」
ベイカーさんも気になるようで上に向かった。
【ミヅキ!俺もあれに乗ってみたい】
シルバがブンブンと尻尾を振って近づいきた。
【シルバも?大きいから丈夫なのじゃないと危ないかな…】
ちょっと怖いのでシルバのは下の階に作ることにした。
馬車の日当たりのいい端に作ってやるとハンモックを掴んでシルバが入りやすいように広げてやる。
【ここに入ってね】
シルバはそうっと足から入った…
【うお!足が抜けそうだ】
網目の間から前足が飛び出している。
他の網目のところからはもふもふの毛がはみ出しシルバはハンモックの中で丸くなっていた。
【シルバ…私もそこに入っていい?】
シルバのお腹辺りに入ったら気持ちよさそう…
じっと見つめているとシルバはもちろんだと顔をあげた。
【お邪魔します…】
台を作ってそっと乗り込む!
「ふわぁぁぁ~」
想像以上の気持ちよさ!
シルバのベッドに包まれて寝てるみたい。
うっとりと目を閉じていると…
【ミヅキー!僕もそこに行く!】
【ぼくも~】
プルプル!!
見ていたシンクとコハクにムーが飛び込んできた!
【はぁぁぁ…幸せ過ぎる…ここは天国か?】
私は極上のもふもふとぷにぷにに囲まれて馬車の揺れの中眠りに落ちていった…
なんか静かになったと思ったら下でミヅキがシルバ達とハンモックの中で寝ていた。
そしてそのまわりには代わる代わる人が見学に来ていた…
「ミヅキちゃん可愛い~気持ちよさそうね」
ギルドの受付嬢達が気持ちよさそうに眠るミヅキを見ながらヒソヒソと話している。
「寝てると本当に子供みたいね」
「本当に子供なんだけどね」
クスクスと笑いあっている。
俺も下に降りてその寝顔を見に行くことにした。
するとセバスさんも同じようでちょうど見ていた…
「可愛いものですね」
「ああ、寝てりゃ普通だな」
いつもなら布でもかけてやるがその必要のない感じにサラッと頭を撫でてやるだけでその光景を目に焼き付けて自分も眠りにつくことにした。
こうして馬車の旅は順調に進んで行った。
私達も事前にデボットさん達と用意した馬車に乗り込んだ。
獣人の国で乗っていた馬車を参考にもう少し中が広い馬車を作っていた。
セバスさんと一緒に収納魔法を応用して見た目は普通…中身は広々の特別製の馬車だった。
【私が運ばなくていいのか?】
いつも王都に行くのはプルシア便だったので少し残念そうに聞いてくる。
「プルシアならすぐなんだけどね」
プルシアの頭を慰めるように撫でてあげる。
「今、国中の人が王都に集まっているんだぞ…そこをプルシアなんかに乗って登場してみろ。一気に知れ渡るぞ…」
「まぁみんなでのんびりと行くのも楽しそうだね!【シルバ達は大丈夫?】」
見れば広々とした馬車の中で優雅に寝転がっていた。
【たまに外に出て走ってもいいな、このまま寝ていたらイライラしそうだ】
【僕はのんびりここでミヅキといるんでいいや~】
シンクは大丈夫だと私の頭で丸まっている。
他のみんなも各々好きな場所を陣取っていた。
コハクはポカポカと日が差す窓のそばに、プルシアとレムは影になっているヒンヤリとした床にいた。
【ムーはここがいいんだ】
見ればムーは馬車に積んである樽の水の中にいた。
ぴちゃぴちゃと水の中を元気に動き回っている、しばらく元気がなさそうだったけどまた復活したみたいでよかった。
水の中のムーをツルツルと撫でると、嬉しそうに擦り寄ってくる。
「それにしてもすごいですね…この馬車」
ギルドの職員の人達が縮こまって端っこに固まっていた。
この馬車はギルドのみんなを乗せるために作ったのだ、なのでセバスさんが手伝ってくれていた。
「この馬車は家としても使えますので王都に付いたら停泊させます。あなた達は好きに使いなさい」
セバスさんの言葉にギルド職員達もソワソワしだす。
「ちょっと他の場所を見てきてもいいですか?」
「私も女子部屋みたいです。フレイシア行こう」
「はい!」
職員達は自分達が寝る部屋を見に行ってしまった。
「別に床で寝りゃいいのに」
アランさんは構わずにゴロンとシルバ達の様に横になっていた。
「アランさんだって寝るところあるんだよ、ほら!」
私は天井を指さすと…そこにはたくさんの網状の物がぶら下がっていた。
「ああ、あの巨大グモの巣みたいなのか…一体なんだと思ってた」
「あれはハンモックだよあれに寝転がると包まれるような感じで楽に寝れるよ」
「へー!どれどれ…」
アランさんは起き上がると階段で上に向かう、馬車は天井が高くなり軽く柱の足場があってその間にハンモックが下がっていた。
アランさんがヒョイッとハンモックにぶら下がる。
「おお!この揺れ心地…悪くない…」
馬車の振動もあってウトウトしだす。
いくら広々と馬車を作ったけど人数分のベッドを置くのは無理そうだったのでならデッドスペースを使おうとこの案を考えたのだ!
「アランさ~んどうですか~」
天井にぶら下がるアランさんに声をかけるが反応がない…どうやら寝ているようだ。
「気持ちよさそうだな!俺も寝てみるか!」
ベイカーさんも気になるようで上に向かった。
【ミヅキ!俺もあれに乗ってみたい】
シルバがブンブンと尻尾を振って近づいきた。
【シルバも?大きいから丈夫なのじゃないと危ないかな…】
ちょっと怖いのでシルバのは下の階に作ることにした。
馬車の日当たりのいい端に作ってやるとハンモックを掴んでシルバが入りやすいように広げてやる。
【ここに入ってね】
シルバはそうっと足から入った…
【うお!足が抜けそうだ】
網目の間から前足が飛び出している。
他の網目のところからはもふもふの毛がはみ出しシルバはハンモックの中で丸くなっていた。
【シルバ…私もそこに入っていい?】
シルバのお腹辺りに入ったら気持ちよさそう…
じっと見つめているとシルバはもちろんだと顔をあげた。
【お邪魔します…】
台を作ってそっと乗り込む!
「ふわぁぁぁ~」
想像以上の気持ちよさ!
シルバのベッドに包まれて寝てるみたい。
うっとりと目を閉じていると…
【ミヅキー!僕もそこに行く!】
【ぼくも~】
プルプル!!
見ていたシンクとコハクにムーが飛び込んできた!
【はぁぁぁ…幸せ過ぎる…ここは天国か?】
私は極上のもふもふとぷにぷにに囲まれて馬車の揺れの中眠りに落ちていった…
なんか静かになったと思ったら下でミヅキがシルバ達とハンモックの中で寝ていた。
そしてそのまわりには代わる代わる人が見学に来ていた…
「ミヅキちゃん可愛い~気持ちよさそうね」
ギルドの受付嬢達が気持ちよさそうに眠るミヅキを見ながらヒソヒソと話している。
「寝てると本当に子供みたいね」
「本当に子供なんだけどね」
クスクスと笑いあっている。
俺も下に降りてその寝顔を見に行くことにした。
するとセバスさんも同じようでちょうど見ていた…
「可愛いものですね」
「ああ、寝てりゃ普通だな」
いつもなら布でもかけてやるがその必要のない感じにサラッと頭を撫でてやるだけでその光景を目に焼き付けて自分も眠りにつくことにした。
こうして馬車の旅は順調に進んで行った。
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