ほっといて下さい 従魔とチートライフ楽しみたい!

三園 七詩

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12章

695王都へ!

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町でしばらく落ち着いた生活を送っていた頃、一通の封書が送られてきた。

「ミヅキ、王都からの手紙だぞ」

家でのんびりとシルバ達をもふもふしていたらデボットさんが声をかけてきた。

「えーなんだろ?」

渡された封を見るとリングス家の家紋が付いている…マルコさんからだった。

開けてみて、内容を確認すると私はしまったと顔をしかめた。

「あー…そっか忘れてた」

「なんて書いてあったんだ?」

デボットさんが覗き込んできたので手紙を広げて一緒に見る。

「なになに…あー!リバーシ大会開くのか!」

そう、すっかり忘れていたけど大会を開くって言ってた。

そこには近々リバーシ大会を開くので王都に来て欲しいと言う内容だった。

「そうだった、大会開くから行かなきゃ行けないんだよね~」

「まぁ作った本人だからな…さすがに行かない訳にはいかんな…」

「だよね…まぁイチカ達にも久しぶりに会いたいし。みんなで行こっか!」

「え!?俺達もか?」

「当たり前だよ~大会長くなるみたいだしみんなで行こうよー!レアルさんはリバーシ強いしいい所まで行くんじゃない?」

「うーん…まぁ大丈夫か」

デボットさんが渋々頷いてくれた!

よし!そうと決まれば早速準備に取り掛かろう!

私はギルドに行っているベイカーさんにとりあえず報告しに向かった!






「ベイカーさんいますかー?」

ギルドを覗き込んでキョロキョロと周りを見るがベイカーさんの姿はなかった。

その代わりに…

「あ!アランさん」

アランさんがギルドボードをじっと見つめていた。

「おお、ミヅキ。今日は家でゆっくりするって言ってなかったか?」

私の姿に声をかけてきた。

「そうなんだけどね、ちょっと用事ができて…ベイカーさん知らない?」

「ベイカーか?さっきセバスに呼ばれてじじいの部屋に行ったぞ」

「じいちゃんのところか…ちょうどいいや。アランさんも来て!」

私は大きなアランさんの手を掴むとじいちゃんの部屋まで引っ張った。

「お、おいなんだよ!俺は金も無くなってきたから依頼を受けようかと…」

アランさんはそう言いながらもついてきてくれるが、その言葉に引っかかる。

「アランさん…またお金使っちゃったの?」

ピタッと足を止めて振り返った。

「い、いや…少しだけな、まだあるぞ」

「なんでお金入ったら全部すぐに使っちゃうの?貯めたりしないの?」

じっと顔を見上げる。

「なんか気がつくとなくなってるんだよな…たぶん飯をみんなに奢ってるからかな…」

目を逸らして笑ってる。

「もー…変な人に騙されないでね。これあげるから計画的にね!」

金貨が入った袋をアランさんに差し出した。

「いやミヅキから金なんか借りたら殺される…これは受け取れん!」

しかしアランさんがそれを拒絶する。

「よかった…少しはプライドがあるようですね」

すると後ろからセバスさんの声がする。

「あっセバスさんこんにちは!」

「はい、こんにちは。しかしミヅキさんこれはいけません。軽々しくお金など渡しては…」

じっとお金の入った袋を見つめられる。

「あっ…すみません…」

私はサッとしまった。

そうだよね…いくらアランさんだって子供からお金なんて貰いたくないよね…

一人反省している。

「まぁ元凶は子供に心配される大人ですが…」

ジロッとアランさんを睨みつけた。

「な!貰わなかったろうが!ミヅキから借りるならベイカーから借りるわ!」

「それもどうかと…はぁ…とりあえずあなたに依頼を頼みたいのでその前金で少しお渡ししますからこっちに来てください。ミヅキさんも一緒に」

「私も?」

首を傾げてセバスさんを見上げる。

「ミヅキさんのところにもマルコさんから手紙が来ませんでしたか?」

「来ました!その事で話があってギルドに来たんです。ベイカーさんは?」

「ちょうど一緒にその話をしてましたのでお二人共どうぞ」

セバスさんに促されて私達とアランさんはギルマスの部屋に向かった。

「それで、ミヅキさんの手紙にはなんと?」

セバスさんから聞かれるのでそのまま手紙を見せると

「ミヅキさんは主催者側として…でしょうか?」

「たぶん…?でも私が作ったって知ってるのはマルコさん達とリュカ達ぐらいだから…」

どうせなら参加してみたいなぁ~

「まぁそこは行って確認してもいいかもしれませんね」

「え!?もしかしてセバスさんも行けるんですか!」

なんか言葉について行く感を感じた。

「ええ、どうもこの大会で色んな国をお招きするそうです。ミヅキさんのお友達にも会えるかもしれませんよ」

ニコッと笑った。

え!誰だろ~!それは楽しみだな!

今からワクワクしてきた。

「それに伴い各ギルドから冒険者やギルマス、副ギルを雇って人員として使いたいらしい…」

じいちゃんが書面を見ながら教えてくれた。

「じゃあみんなで行けるってこと!?」

「ああ」

じいちゃんがにっこりと笑った。

「それならベイカーさん行ってもいいよね!?」

「みんなで行くんだ、ミヅキだけ置いてく訳にも行かんだろ」

ベイカーさんが喜ぶ私を見て苦笑する。

「それに町の皆さんもこれを機に王都に旅行に行く人が多いようです」

「え!じゃ町が空っぽになっちゃうの?」

「そうなりますね…そうなると町の警備が気になるところです」

「みんな行くなら町を土かなんかで埋めて隠しちゃえば?それか大きな防壁作るとか!」

「そんなの出来るのはお前だけだろ」

アランさんがツッコミむ。

「ならみんなで協力すれば出来るんじゃないかな?ギルドのみんなで協力すれば出来ないことはないと思うけど…?」

魔法使いさん達だって沢山いるんだから!

「それは…いいかもしれません」

セバスさんが真面目な顔で頷くとじいちゃんを見つめた。

「そうじゃな…ギルマスと副ギルを筆頭にやりゃ他のギルドでもできるぞ!早速通達を出すか!」

「わかりました」

なんか話がまとまったのかじいちゃんとセバスさんが慌ただしく動き出した。

「なんか…偉いことになりそうだ。俺達は俺達で行く準備進めとくか」

「はーい!」

私達は忙しそうなセバスさん達に挨拶をして一度家に戻ることにした。

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