ほっといて下さい 従魔とチートライフ楽しみたい!

三園 七詩

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14章

661.肉

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ジュウト達が来たことでさらに人数が増えてギルドの前はえらい騒ぎとなっていた。

ギルド職員も出てきて場所の確保にてんやわんやしている。

お仕事増やしてすみません…

「あー!そこは匂い袋の倉庫があるから向こうでやってくれ!」

ギルドの隣にある解体室の隣に倉庫があった、どうもそこが匂い袋の倉庫のようだ。ギルドの人達が気を使い獣人達をそこから遠ざける。

「裏も使っていいですから移動してください!」

汗をかきながら必死に獣人達を誘導する。

「えー?こっち?裏使っていいの?」

「じゃあ肉持って移動するぞー」

獣人達が声を掛け合いゾロゾロと移動する…

裏には鍛錬場がありギルドに来た時にシルバ達が暴れた広場があった。

みんなでそこに広がって作業を始めようとすると、広場の真ん中にある不自然な穴に気がついた。

「なんか…ここに窪みあるけど…」

「人型?誰か落ちたのか?」

アランさん達が落ちてきた場所に獣人達が集まって眉をひそめていた…

うん…見てないフリしとこ…後でこっそり直しておかないと

「肉を切る方は、今ギルドから刃物を用意します!欲しい方は声掛けてー」

ハミルさんが獣人達に道具を提供する為に声をかけていた。

「あー!兄ちゃんこっちにも頼む!」

「私も欲しいわ!ありがとう」

獣人達は受け取るとハミルさんにお礼を言った。

そこには人も獣人も関係なく笑い合い協力する姿があった。

そんな姿に顔が綻ぶ、俄然やる気が出てくると…

「よーし!じゃあベイカーさんとアランさん出番だよ!」

「えっ?俺?」

「俺もかよ!」

二人は肉を捌いた事で仕事は終わりとばかりにのんびりしていたところに声をかけられて悲鳴をあげた。

「この大量の肉を焼いて貰います!味付けしてあるから野菜と炒めてね」

「野菜か…」

「野菜も食べないと駄目だよ」

アランさんがガックリとしているとその後ろで同じようにシルバとコハクも項垂れていた。

三兄弟か!

肉好き三兄弟はほっといて大きなシルバほどあるフライパンを用意して火をつける。

肉を焼いてアランさんとベイカーさんに大きな木ベラで混ぜて貰うと香ばしい香りが立ち込めた。

クンクン…

獣人達の鼻がピクつき、肉を捌く手が止まった。

「んー!いい匂い~」

フライパンに近づいて焼かれる肉の香ばしい香りを楽しむ。

「ああ、たまんねぇな…これは白飯が合うよな!」

アランさんが顔を崩して聞いてくる、もう今にもヨダレを垂らしそうだ。

「ごめーん!今回はお米はなしだよ」

「「えーー!!まじかよ!」」

ベイカーさんも一緒に反応した…やっぱり四兄弟か?

「その代わりに獣人の国の主食の薄焼きパンを使います」

「パン…にしちゃ薄いな…」

アランさんが渡された生地を掴んでペラペラと揺らした。

「これに今炒めてるおかずを巻いて食べるんだよ」

「んーどれどれ」

アランさんがおもむろにおかずを取ってパンの上に載せるとクルリと巻いた。

そのまま大口でガブッと半分ほど食べると…

「ふっが!ふふ!」

「へ?なんて?」

口に入れすぎてなんて言ったのかわからないがとりあえず満足そうな顔をしていた。

「うまい!」

大声で叫ぶアランさんにベイカーさんが文句を言った。

「アランさん狡いぞ!」

【そうだ!一人で食いやがって!ミヅキこれは飯抜きだよな!それも取り上げてやる!】

シルバが怒るとアランさんが持っていた残りのパンに噛み付いた!

「いでっ!」

アランさんはシルバに手を噛まれて慌てて引っ込めると…

【んん!うまい!美味いぞ!この肉味が濃くていいな!】

【それはプルコギって言うんだよ、野菜も入ってるし一緒に食べられてちょうどいいよね】

「ミヅキ!俺にも一枚パンくれ!」

ベイカーさんが二人の食べる様子に堪らずに手を差し出した。

「駄目です!アランさんとシルバは不可抗力、あとはみんなでご飯の時に食べようね」

「くっそ…」

「ほら、まだまだ肉があるからどんどん炒めてね!アランさんも頑張ってくれないと味見禁止にするよ!」

「わ、わかってる…」

早速味見をしようと手を伸ばしたところを見られてピタリと手を止めた。

【シルバは二人が味見しないように見張っててね】

【任せろ!】

シルバがベロンと口の汚れを美味しそうに舐めていた。

ちょっと心配だったのでロバートさんにもそこにいてもらい今度はコジローさんの様子を見に行こうとすると…

「待て!ミヅキ!俺も何か手伝うよ」

ジュウト達が声をかけて付いてきた。

「本当に?じゃあお願いしようかな!」

笑顔で振り返ると

「お、おお…」

ジュウトが顔を赤くして下を向いた。

「あれ?ジュウト顔が赤くない?もしかして風邪?」

私は下からジュウトの顔を覗き込んだ。

「なんでもねぇよ!顔を近づけんな!」

するとムギュッと顔を手で押し退けられた。

「なに?せっかく心配してあげたのに!」

私はジュウトの反応に手を振り払うとプンプンと眉をあげて前を向き歩き出した!

「兄ちゃん…」

ルークが残念そうな人を見るような瞳でジュウトを見ていると、トンッとそっと肩を叩いた。

そしてミヅキの方へと走り出す。

「ミヅキ!待って!」

そして怒った顔のミヅキに駆け寄って何か話しかけると怒っていたミヅキの顔がみるみると笑顔になる。

「はぁ…」

ジュウトはため息を付いてミヅキとルークのあとをとぼとぼと追いかけた。

        ◆

「ミヅキ!待って!」

ルークの声に振り返ると耳をピンと立てたルークが慌てた様子で駆け寄ってきた。

そしてパシッと腕にしがみつき上目遣いでこちらを見つめる。

「ごめん!ジュウト兄ちゃんが…」

立ってた耳がシナシナと弱々しく垂れ下がってしまった。

「なんでルークが謝るの?」

そんな

「だって…兄ちゃんがあんな態度を…」

「それはジュウトが謝る事だからルークは笑ってて欲しいなぁ」

ニコッと笑顔を向ける。

「兄ちゃん…素直じゃないから」

ルークが残念そうに肩を落とすと

「ジュウトはこんな可愛い弟に心配されてしょうがないね!でも大丈夫だよジュウトが素直じゃないのはわかってるからね」

「ミヅキ…」

「どうせお腹でも空いてて気が立ってるんでしょ?もう少ししたらご飯出来るからそしたら機嫌も良くなるよ」

そう言って笑うと

「ミヅキ…」

ルークがまん丸の目をさらに広げていた。

ジュウトやルーク達とコジローさんのところに行くと既に肉を焼き終えていて、ちょうど窯から出しているところだった。

「コジローさん!シンク!おまたせ」

二人に声をかけると…

「ああ、ミヅキちょうど呼びに行こうかと。いい色に肉が焼けたよ」

美味しそうな肉の塊が焦げ茶に染まり肉汁を滴らせている。

「んー!かぶりつきたい!」

スパイスのいい匂いがする。

「このまま出すのか?」

「いえ、これを薄くスライスします」

私はよく切れる神木のナイフを取り出し肉を薄く切っていく。

「あっ!まだ真ん中がピンク色だよ」

ルークが切り口を見ながら声をかけた。

「え?まだ火の通りが甘かったか?どうするもう一度焼くか?」

コジローさんが肉を窯に戻そうかと聞いてきた。

「大丈夫です!コレで完成なんですよ!獣人達は生っぽい方が好きかと思って…これはローストビーフもどき」

「もどき?」

「牛じゃないからね」

端っこの切った分をさらに細かく切るとコジローさんとシンクに差し出す。

「はいどうぞ!」

コジローさんが一つ摘むと口に放り込んだ。

「ん!肉汁が…」

【はい!シンクも味見だよ】

シンクの口元に持っていく。

シンクもパクパクとくちばしで摘んだ。

【美味しい!これは…シルバが絶対好きな味だね】

【ソースもあるんだけどそのままでも美味しいよね】

私も一つ取ると味見した。

端の部分だからよく焼けているがそれも美味しい…中心部分の柔らかいミディアムレア感も気になるがそれは後でのお楽しみに取っておこう。

「こんな感じで薄く切って下さいね!はい!ルーク達も食べてみて」

切った味見分をルークやジュウト達に渡すと

「俺もいいのか?」

「しょうがないからあげるよ!食べたらしっかりと手伝ってね」

「わかった!」

ジュウトが嬉しそうに頷く姿にやっぱりお腹が減ってたんだなと私は苦笑した。




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