554 / 687
11章
655.成長
しおりを挟む
私が迷っていると…
「ミヅキ、ほら座れ!」
グズグズしているとレオンハルト様が手を掴んでグイッと引き寄せた。
「えっ!」
トスン…とレオンハルト様の隣の椅子に座らせると
トントン!
タイミングよくアトラス様達が部屋に入ってきた。
「皆さんお待たせしました」
ボロボロになっていた衣装を着替えて隣には綺麗なヴィーラ様後ろに可愛いアルフレッド様とバイオレッド様と勢揃いで現れた。
ちょうどレオンハルト様が座っていたソファーの前に来ると…
「改めてお礼を言わせてください。家族を…この国を救っていただき本当にありがとうございました」
四人で深々と頭を下げると後ろに控えていた獣人の兵士達までいっせいに頭を下げた…
すっご…統率取れてる…
乱れる様子のない動きに感心していると
「いや、俺は何もしていない…礼ならこちらの者達に…」
レオンハルト様が首を振ると、私やベイカーさん達をみた。
「だから今回の協定ももう一度よく話し合って見てくれ。獣人達が納得してこその協定条約だからな」
おお!レオンハルト様が成長してる!
私は驚いて目をまん丸に見開きレオンハルト様を見つめた。
「な、なんだ…よ」
そんな私の視線にレオンハルト様が気まずそうにこちらを伺っている。
「レオンハルト様…大人になったね…」
しみじみと答えるとレオンハルト様が顔をしかめた。
「なんだよそれ…なんでみんな同じ事言うんだよ」
レオンハルト様がムスッと口を尖らせて腕を組んでしまった、どうもご立腹なご様子。
そんな姿が少し可愛くて私はシルバ達を撫でるようにレオンハルト様の頭を撫でた。
「すごく素敵だと思うよ」
頑張ったんだろうなと思いニコニコと笑いかけると…
「ほぉ…そちらのお嬢さんはレオンハルト様の婚約者だったのかな?」
アトラス様が微笑みながらこちらの様子を見ていた。
はっ!つい…
周りを見るとみんなが複雑そうな顔で見ていた…
あーなんかあまりにも可哀想で慰めちゃった。
サッと手を戻すと
「違います!違います!私はただの冒険者です!ちょっと王子と面識があるだけですから!」
慌てて全否定をする!
「そうなのか?ならうちのアルフレッドなんかどうだい?年齢の割にしっかりしててうちのヴィーラに似た美男子だぞ」
アトラス様がアルフレッド様の背中をポンと叩いて前に出した。
アルフレッド様が私の前に出させると…
「お、お父様!す、すみません父が…」
しゅんと可愛い耳を伏せた。
「うぅ!」
あまりに可愛い仕草に私はダメージをうける。
椅子から崩れ落ち膝をついた。
何あれ!白くてふわふわの丸い耳がしゅんって!しゅんって垂れた!
もう一度チラッと見ると今度は心配そうに耳をピクピクさせながらこちらに手を差し出していた。
そしてその後ろにはピコピコと動く尻尾…
これは触っていいよって合図?合図なのか!
私の思考が混戦する!
はぁはぁと息を荒くして手が勝手にワキワキと動き出した。
「ミヅキ!」
その瞬間ベイカーさんに抱き上げられる。
「シリウス!頼む!発作を止めてくれ!」
「はい!ミヅキほら落ち着くんだ!」
ベイカーさんからシリウスさんにパスされるとシリウスさんが自分の尻尾をフリフリと私の前で振り出した。
「さ、触って…いいの…?」
チラッとシリウスさんを見ると嬉しそうに頷く。
その瞬間ガバッとシリウスさんの尻尾に頬ずりした。
はぁ~フカフカ…これだよこれ!求めてたのはこれ!
あー何よりのご褒美…
うっとりと尻尾を堪能していると
「耳も触るか?」
「いいの!?」
シリウスさんのサービスに思わず笑顔がこぼれる。
シリウスさんがそっと首を傾げて笑うと私を肩に乗せてくれた。すると目の前にピコピコと動くケモ耳、シリウスさんのサラサラな髪が顔に当たってくすぐったい。
私はシリウスさんの耳ごとぎゅっと頭に抱きついた。
はぁ~落ち着く…
私はシリウスの頭の上に顔を置いて目を瞑った。
「よし!ミヅキは大丈夫だな。シリウスしばらく相手してやってくれ」
「はい、喜んで…」
シリウスさんが嬉しそうに頷くと
「疲れたらいつでも変わるよ。ミヅキもいつでも変わるからいいなね」
ユリウスさんがいい笑顔でこちらをみた。
「えっ!ユリウスさんのも触っていいの?」
ガバッと起き上がると
「まだ大丈夫だから兄さんはレオンハルト様を、それともミヅキは兄さんの方がいいのかな…」
シリウスさんのピンとしていた耳が下がってしまった!
「ううん!シリウスさんも大好きだよ!でもユリウスさんも好きだし…うーどっちか選ぶなんて無理!」
しっかりとシリウスさんの尻尾と頭を掴んで頭を抱えた。
「おい、ユリウス!せっかく大人しくなってたんだからそのままにしとけ」
ベイカーさんが呆れて注意をしてきた。
「すみません、ついシリウスが羨ましくて…」
ユリウスさんがクスクスと笑って私のそばに来ると
「後でゆっくりと触らせてあげますから今は弟と大人しくしててください」
優しく頭を撫でられる。
「本当に?」
「ええ、もちろん」
ユリウスさんからしっかりと言質を取ると私はわかったと大人しく待っていることにした。
「えーっとあれは?」
私の病気の様子にアルフレッド様が固まっている。
「申し訳ございません、あの子はちょっと変わった子なので気にしないでください。それにただの冒険者…王子達の隣に大人しく居れる子ではありませんので…」
ベイカーさんがアトラス様達に頭を下げた。
変わった子って…まぁ否定出来ない。しかも大人しく居れないって確かに騒がしいけどさー大人しくしてなって言われたらそれくらいはできるに!
そうは思いがらも今は発言しない方がいいだろうと、決してシリウスさんのケモ耳と尻尾に夢中な訳じゃないが私は黙ってそれに集中した。
「ミヅキ、ほら座れ!」
グズグズしているとレオンハルト様が手を掴んでグイッと引き寄せた。
「えっ!」
トスン…とレオンハルト様の隣の椅子に座らせると
トントン!
タイミングよくアトラス様達が部屋に入ってきた。
「皆さんお待たせしました」
ボロボロになっていた衣装を着替えて隣には綺麗なヴィーラ様後ろに可愛いアルフレッド様とバイオレッド様と勢揃いで現れた。
ちょうどレオンハルト様が座っていたソファーの前に来ると…
「改めてお礼を言わせてください。家族を…この国を救っていただき本当にありがとうございました」
四人で深々と頭を下げると後ろに控えていた獣人の兵士達までいっせいに頭を下げた…
すっご…統率取れてる…
乱れる様子のない動きに感心していると
「いや、俺は何もしていない…礼ならこちらの者達に…」
レオンハルト様が首を振ると、私やベイカーさん達をみた。
「だから今回の協定ももう一度よく話し合って見てくれ。獣人達が納得してこその協定条約だからな」
おお!レオンハルト様が成長してる!
私は驚いて目をまん丸に見開きレオンハルト様を見つめた。
「な、なんだ…よ」
そんな私の視線にレオンハルト様が気まずそうにこちらを伺っている。
「レオンハルト様…大人になったね…」
しみじみと答えるとレオンハルト様が顔をしかめた。
「なんだよそれ…なんでみんな同じ事言うんだよ」
レオンハルト様がムスッと口を尖らせて腕を組んでしまった、どうもご立腹なご様子。
そんな姿が少し可愛くて私はシルバ達を撫でるようにレオンハルト様の頭を撫でた。
「すごく素敵だと思うよ」
頑張ったんだろうなと思いニコニコと笑いかけると…
「ほぉ…そちらのお嬢さんはレオンハルト様の婚約者だったのかな?」
アトラス様が微笑みながらこちらの様子を見ていた。
はっ!つい…
周りを見るとみんなが複雑そうな顔で見ていた…
あーなんかあまりにも可哀想で慰めちゃった。
サッと手を戻すと
「違います!違います!私はただの冒険者です!ちょっと王子と面識があるだけですから!」
慌てて全否定をする!
「そうなのか?ならうちのアルフレッドなんかどうだい?年齢の割にしっかりしててうちのヴィーラに似た美男子だぞ」
アトラス様がアルフレッド様の背中をポンと叩いて前に出した。
アルフレッド様が私の前に出させると…
「お、お父様!す、すみません父が…」
しゅんと可愛い耳を伏せた。
「うぅ!」
あまりに可愛い仕草に私はダメージをうける。
椅子から崩れ落ち膝をついた。
何あれ!白くてふわふわの丸い耳がしゅんって!しゅんって垂れた!
もう一度チラッと見ると今度は心配そうに耳をピクピクさせながらこちらに手を差し出していた。
そしてその後ろにはピコピコと動く尻尾…
これは触っていいよって合図?合図なのか!
私の思考が混戦する!
はぁはぁと息を荒くして手が勝手にワキワキと動き出した。
「ミヅキ!」
その瞬間ベイカーさんに抱き上げられる。
「シリウス!頼む!発作を止めてくれ!」
「はい!ミヅキほら落ち着くんだ!」
ベイカーさんからシリウスさんにパスされるとシリウスさんが自分の尻尾をフリフリと私の前で振り出した。
「さ、触って…いいの…?」
チラッとシリウスさんを見ると嬉しそうに頷く。
その瞬間ガバッとシリウスさんの尻尾に頬ずりした。
はぁ~フカフカ…これだよこれ!求めてたのはこれ!
あー何よりのご褒美…
うっとりと尻尾を堪能していると
「耳も触るか?」
「いいの!?」
シリウスさんのサービスに思わず笑顔がこぼれる。
シリウスさんがそっと首を傾げて笑うと私を肩に乗せてくれた。すると目の前にピコピコと動くケモ耳、シリウスさんのサラサラな髪が顔に当たってくすぐったい。
私はシリウスさんの耳ごとぎゅっと頭に抱きついた。
はぁ~落ち着く…
私はシリウスの頭の上に顔を置いて目を瞑った。
「よし!ミヅキは大丈夫だな。シリウスしばらく相手してやってくれ」
「はい、喜んで…」
シリウスさんが嬉しそうに頷くと
「疲れたらいつでも変わるよ。ミヅキもいつでも変わるからいいなね」
ユリウスさんがいい笑顔でこちらをみた。
「えっ!ユリウスさんのも触っていいの?」
ガバッと起き上がると
「まだ大丈夫だから兄さんはレオンハルト様を、それともミヅキは兄さんの方がいいのかな…」
シリウスさんのピンとしていた耳が下がってしまった!
「ううん!シリウスさんも大好きだよ!でもユリウスさんも好きだし…うーどっちか選ぶなんて無理!」
しっかりとシリウスさんの尻尾と頭を掴んで頭を抱えた。
「おい、ユリウス!せっかく大人しくなってたんだからそのままにしとけ」
ベイカーさんが呆れて注意をしてきた。
「すみません、ついシリウスが羨ましくて…」
ユリウスさんがクスクスと笑って私のそばに来ると
「後でゆっくりと触らせてあげますから今は弟と大人しくしててください」
優しく頭を撫でられる。
「本当に?」
「ええ、もちろん」
ユリウスさんからしっかりと言質を取ると私はわかったと大人しく待っていることにした。
「えーっとあれは?」
私の病気の様子にアルフレッド様が固まっている。
「申し訳ございません、あの子はちょっと変わった子なので気にしないでください。それにただの冒険者…王子達の隣に大人しく居れる子ではありませんので…」
ベイカーさんがアトラス様達に頭を下げた。
変わった子って…まぁ否定出来ない。しかも大人しく居れないって確かに騒がしいけどさー大人しくしてなって言われたらそれくらいはできるに!
そうは思いがらも今は発言しない方がいいだろうと、決してシリウスさんのケモ耳と尻尾に夢中な訳じゃないが私は黙ってそれに集中した。
202
お気に入りに追加
22,872
あなたにおすすめの小説
収容所生まれの転生幼女は、囚人達と楽しく暮らしたい
三園 七詩
ファンタジー
旧題:収容所生まれの転生幼女は囚人達に溺愛されてますので幸せです
無実の罪で幽閉されたメアリーから生まれた子供は不幸な生い立ちにも関わらず囚人達に溺愛されて幸せに過ごしていた…そんなある時ふとした拍子に前世の記憶を思い出す!
無実の罪で不幸な最後を迎えた母の為!優しくしてくれた囚人達の為に自分頑張ります!
異世界召喚に巻き込まれたおばあちゃん
夏本ゆのす(香柚)
ファンタジー
高校生たちの異世界召喚にまきこまれましたが、関係ないので森に引きこもります。
のんびり余生をすごすつもりでしたが、何故か魔法が使えるようなので少しだけ頑張って生きてみようと思います。
ほっといて下さい(番外編)
三園 七詩
ファンタジー
「ほっといて下さい」のもうひとつのお話です。
本編とは関係ありません。時系列も適当で色々と矛盾がありますが、軽い気持ちで読んで頂けると嬉しいです。
✱【注意】話によってはネタバレになりますので【ほっといて下さい】をお読みになってからの方がいいかと思います。
フェンリルに育てられた転生幼女は『創作魔法』で異世界を満喫したい!
荒井竜馬
ファンタジー
旧題:フェンリルに育てられた転生幼女。その幼女はフェンリル譲りの魔力と力を片手に、『創作魔法』で料理をして異世界を満喫する。
赤ちゃんの頃にフェンリルに拾われたアン。ある日、彼女は冒険者のエルドと出会って自分が人間であることを知る。
アンは自分のことを本気でフェンリルだと思い込んでいたらしく、自分がフェンリルではなかったことに強い衝撃を受けて前世の記憶を思い出した。そして、自分が異世界からの転生者であることに気づく。
その記憶を思い出したと同時に、昔はなかったはずの転生特典のようなスキルを手に入れたアンは人間として生きていくために、エルドと共に人里に降りることを決める。
そして、そこには育ての父であるフェンリルのシキも同伴することになり、アンは育ての父であるフェンリルのシキと従魔契約をすることになる。
街に下りたアンは、そこで異世界の食事がシンプル過ぎることに着眼して、『創作魔法』を使って故郷の調味料を使った料理を作ることに。
しかし、その調味料は魔法を使って作ったこともあり、アンの作った調味料を使った料理は特別な効果をもたらす料理になってしまう。
魔法の調味料を使った料理で一儲け、温かい特別な料理で人助け。
フェンリルに育てられた転生幼女が、気ままに異世界を満喫するそんなお話。
※ツギクルなどにも掲載しております。
幸子ばあさんの異世界ご飯
雨夜りょう
ファンタジー
「幸子さん、異世界に行ってはくれませんか」
伏見幸子、享年88歳。家族に見守られ天寿を全うしたはずだったのに、目の前の男は突然異世界に行けというではないか。
食文化を発展させてほしいと懇願され、幸子は異世界に行くことを決意する。
可愛いけど最強? 異世界でもふもふ友達と大冒険!
ありぽん
ファンタジー
[お知らせ] 書籍化決定!! 皆様、応援ありがとうございます!!
2023年03月20日頃出荷予定です!! 詳しくは今後の刊行予定をご覧ください。
施設で暮らす中学1年生の長瀬蓮。毎日施設の人間にいいように使われる蓮は、今日もいつものように、施設の雑用を押し付けられ。ようやく自分の部屋へ戻った時には、夜22時を過ぎていた。
そして自分お部屋へ戻り、宿題をやる前に少し休みたいと、ベッドに倒れ込んだ瞬間それは起こった。
強い光が蓮を包み込み、あまりの強い光に目をつぶる蓮。ようやく光が止んできたのが分かりそっと目を開けると…。そこは今まで蓮が居た自分の部屋ではなく、木々が生い茂る場所で。しかも何か体に違和感をおぼえ。
これは蓮が神様の手違いにより異世界に飛ばされ、そこで沢山の友達(もふもふ)と出会い、幸せに暮らす物語。
HOTランキングに載せていただきました。皆様ありがとうございます!!
お気に入り登録2500ありがとうございます!!
異世界に転生した俺は農業指導員だった知識と魔法を使い弱小貴族から気が付けば大陸1の農業王国を興していた。
黒ハット
ファンタジー
前世では日本で農業指導員として暮らしていたが国際協力員として後進国で農業の指導をしている時に、反政府の武装組織に拳銃で撃たれて35歳で殺されたが、魔法のある異世界に転生し、15歳の時に記憶がよみがえり、前世の農業指導員の知識と魔法を使い弱小貴族から成りあがり、乱世の世を戦い抜き大陸1の農業王国を興す。
転生幼女はお願いしたい~100万年に1人と言われた力で自由気ままな異世界ライフ~
土偶の友
ファンタジー
サクヤは目が覚めると森の中にいた。
しかも隣にはもふもふで真っ白な小さい虎。
虎……? と思ってなでていると、懐かれて一緒に行動をすることに。
歩いていると、新しいもふもふのフェンリルが現れ、フェンリルも助けることになった。
それからは困っている人を助けたり、もふもふしたりのんびりと生きる。
9/28~10/6 までHOTランキング1位!
5/22に2巻が発売します!
それに伴い、24章まで取り下げになるので、よろしく願いします。
過去1ヶ月以内にレジーナの小説・漫画を1話以上レンタルしている
と、レジーナのすべての番外編を読むことができます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
番外編を閲覧することが出来ません。
過去1ヶ月以内にレジーナの小説・漫画を1話以上レンタルしている
と、レジーナのすべての番外編を読むことができます。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。