ほっといて下さい 従魔とチートライフ楽しみたい!

三園 七詩

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11章

603.案内

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ロバートはミヅキ達を見たあと、後ろの囚われた商人達を睨みつけた。

「あんたらが獣人の恩人なのは信じる…だが後ろの奴らは置いてってもらう」

獣人達が再度ミヅキ達を取り囲むと…

【まだ格の違いがわからないのか…】

【獣人になると獣の本能忘れちゃうのかな?】

【我らから見れば人も獣人も変わらぬ…】

【ミヅキいがいはいっしょだよねー】

シルバ達がしょうがないと抑えていた気配を解き放った。

「あわわわわ…」

「………」

獣人達は顔を真っ青にして気を失う者もいた…シルバ達の気配を感じて自分達が相手にしていい方達ではないとようやくわかった。

シルバ達を凝視出来ずに頭を下げた。

「申し訳ありません…でした…」

【シルバ達…何したの?】

獣人達の怯えようにミヅキが振り返ってシルバ達を見ると

【別に、ただ普通の魔獣の振りをするのをやめただけだ】

【そうそう、僕達の本当の姿を見せただけだよ?嘘なんてついてないよ】

【そうだなぁ…目上の者はどちらかわからせるためには必要な事だからなぁ…】

【ミヅキ…おこってる?】

シルバ達の言い分にため息をつくと、コハクがそばにきて上目遣いに見上げる。

【怒ってないよ!ただちょっとやりすぎなんじゃないのかなぁ~って思っただけ】

シルバ達はやりすぎてないと声を揃えると…

「す、すみません…俺達が悪かった…お前達を…いやあなた達を人だからとまだ舐めていた…だが…そいつらはどうか渡して欲しい。ギルドに連れて行ってもちょっと金を払えばまた解き放たれるんだ」

「やっぱりそうなんだ…」

「なら、俺達の手で蹴りをつけたい!もう二度と獣人達が攫われないように…」

ロバートがガンッ!と地面に頭を付けた。

「でもこの人達の事はそれでいいとしても次から次に同じ事がおきるよ?それなら元を正さないと」

「それができれば苦労しない…俺達だって何度も抗議したがあいつらが変わる事はなかった…」

「あいつら?」

「獣人の国で一番大きなギルドだ、ずっと昔からギルマスをしているやつでこの街で一番の権力者だ…」

「え?国王よりも?」

「国王は……代替わりして今は前国王のご子息が継いでいる」

「前国王は?」

「ある事を企てたと幽閉されている…だがあの方がそんな事をするはずない!アトラス様は獣人の為に人間と戦ってくださった方だ…」

「ふーん…その王様いつ変わったの?」

「人の国の王子が来る少し前だ…その…王子を暗殺しようとしたと…」

「レオンを?」

「なーんかきな臭いな…まさかミヅキのせいか?」

ベイカーが顔を顰めると

「なんで私のせいなの!?獣人の国に来たの初めてだよ!」

「あっ…いや…ミヅキが来ると必ずトラブルがおきるからなぁ…」

ベイカーさんが気まずそうに笑うと

「うっ…確かに…否定できない」

【トラブルメーカーの称号もあるしな!】

シルバが嬉しそうに答えた。

【うん…そうだね…でもねシルバあれは誇れる称号じゃないんだよ…私の称号いいやつ全然ないんだもん!】

ミヅキはガックリと肩を落とすと

「ベイカーさん…ここまで聞いて何もしないで帰れなくない?」

「いや、大丈夫だ。レオンハルト王子がどうにかするだろ?あいつだって一国の王子で男なんだから。俺達が下手に手を貸すのはよくない…うん、そうだよな!?」

ベイカーさんがコジローを見ると

「え?ええそうですね…ミヅキあまり危ない事に首を突っ込むのは良くないよ」

コジローさんも帰ろうという。

「うー…でも…」

ミヅキはロバートさん達にチラッと目を向ける。

「とりあえずこの人達はギルドに連れてきます!ちゃんと罪は償わせるから…ベイカーさんA級だしちょっとは意見言えるよね?」

ミヅキが期待を寄せてベイカーを見つめた。

「ま、まあな!伊達にA級じゃなぜ。そのくらいなら口添えくらい出来ると思うぞ」

ベイカーはミヅキに頼られて嬉しそうに答えた。

「わかった…だがもしそいつらが釈放されて…この国でまた見かけたら、その時は好きにさせてもらう」

「うん、そうならないように尽力します」

ミヅキはロバート達に頷きかえした。


「えっと…じゃあとりあえずみんなのお家を直したらギルドに行こうかな」

ミヅキはシルバ達が壊した獣人達のテントを見つめる…

「これか?大丈夫だこんなのすぐに直せるからな」

ロバート達が必要ないと断ると

「でも今日寝る所無くなっちゃうよ?」

「そんなのそこら辺で寝るから大丈夫だ、なぁみんな!」

ロバートが女子供に聞くと

「やだ!僕ちゃんと草の上で寝たい!土は固くて嫌だよ!」

「僕もやだ!お家返して!」

どうもロバート達と子供達の意見は違うようだ…

「あっ!ならこれ貸してあげるよ」

ミヅキは収納にしまっていた馬車を取り出した。

デンッ!

と広場の真ん中に置くと

「これ中で寝れるようになってるの、私達はこの人達ギルドに連れて行ってくるからその間これ貸しときますよ」

獣人達は唖然といきなり出てきた大きな馬車を見つめる。

「あれ?嫌だった?他の獣人の子達には結構好評だったんだけど…」

ミヅキは首を傾げると

「これ…中に入ってもいいの?」

獣人の子が興味深そうに馬車を見ている。

「うん、いいよー中は寝る場所になってて屋根の上に上がると遊んだりも出来るよ」

ミヅキは対応に着いて来れない大人達は無視して子供達に馬車の説明を始める。

子供達は新しい遊び場に楽しそうに馬車の周りをかけていた!

「お、おい!こんなの駄目だ!貰えない!」

「いや…誰もあげるって言ってないよ?」

「あっ…すまん。違うこんなの借りれない!」

ロバートが断ると

「でも…子供は借りる気満々だよ?」

見ればほとんど…いやここにいた全員が馬車の中に入っていた。

「お前ら出ろ!今すぐ!」

ロバートが子供達を怒鳴りつけると

「えー!やだ!一度でいいから馬車乗ってみたかったもん」

「この上の板最高!」

子供達は早速見つけた屋根の滑り台で遊んでいる。

「楽しそうにだしいいんじゃない?その間にテント直せばいいでしょ?」

ミヅキはそう言うとシルバ達を連れてその場を離れようとする。

「ど、どこに行く?」

「えっ?だからギルドに…あっ!そうだ場所わかります?人に聞いて探してたんだけど…結局言われた場所はロバートさんのところだったし…騙されたのかな?」

そうは言いながらも気にした様子もなく笑うと

「じゃあ俺が案内する…それでこの馬車少し貸してもらえるか?」

「いいよ」

ミヅキはOKと親指を立てた!
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