ほっといて下さい 従魔とチートライフ楽しみたい!

三園 七詩

文字の大きさ
476 / 675
14章

589.馬車馬

しおりを挟む
ケンタウロスはあたたかい温もりに目を覚ました。

見ると人間の少女が自分の体に手を当てている。

「ナニヲ…」

起き上がろうとすると…

「まって!骨が折れてるから無理しないで!今回復させるからね」

そう言い自分の腕を優しく掴んだ。

少女が触れる部分から痛みが引いていく、完全に全身の痛みが無くなるとゆっくりと立ち上がった。

見下ろすと随分と小さな子供だった…その隣では我が主が耳を垂れている。

「イッタイナニガ…」

どうも前後の記憶が曖昧だった…

「ダイジョブカ…」

声をかけられ見ると仲間達も皆無事のようでピンピンしていた。

「アア…」

戸惑っていると子供が声をかけてきた。

「ケンタウロスさんシルバがちょっと力強くてごめんなさい…傷は癒えたと思うけど…他に痛いところある?」

すまなそうに声をかけてきた。

確かこの子は主の頭を撫でていた人間…不敬な奴だと思い棒を向けて…ゾクッ!

背筋が寒くなった。

そうだ自分は何故か主の怒りを買ってしまい叩かれたのだ…それをこの子が治してくれたのか…

ニンゲン…チリョウハカンシャスル。シカシ、ナレアウキハナイ人間…治療感謝する。しかし、馴れ合う気は無い

「グルル…」

また主の機嫌が悪くなった!

俺達は恐ろしさから一歩下がると

【こいつ…使えないなぁ…やっぱり違うやつらにしようか…】

シルバが不機嫌そうにケンタウロスを睨みつけた。

【こらシルバ!唸ったら怖がってるよ!】

ミヅキがシルバに伏せと手を出すと、シルバがピタッと唸るのをやめてミヅキに甘えるように寄り添う。

【だがなあいつらミヅキに棒を向けたんだぞ!ミヅキが傷付きでもしたらどう責任を取るつもりだったんだ!】

【心配してくれるのは嬉しいけどそれくらいで怪我なんてしないよ~シルバは心配性なんだから】

シルバに舐められてクスクス笑うミヅキをケンタウロス達は唖然と見つめていた。

「マサカ…シュノイトシゴ」

シルバとミヅキを交互に見て理解した。

六人はシルバとミヅキの前に跪くとリーダーが声をかける。

モウシワケゴザイマセン、シュノイトシゴトハシラズ、ブレイヲ…申し訳ございません、主の愛し子とは知らず、無礼を

【あーあ、聞こえるか?】

シルバはケンタウロス達に聞こえるように声を発すると

【は、はい!】

リーダーが返事を返した。

【いいか、この可愛いミヅキは俺の主人だ。いかなる時も守るべき存在!自分の命よりも優先すべき者だ】

【はは!】

【そんなミヅキに棒を向けるとは許せん…殺そうと思ったがミヅキが助けると言うので許してやった。ミヅキの優しさに死ぬまで感謝しろ】

【ありがとうございます】

ケンタウロスは地面に頭をつけながらお礼を言った。

シルバのケンタウロスとの会話が聞こえていないミヅキはケンタウロスの様子に驚く。

【シルバ…ケンタウロス達大丈夫?なんか怖いくらい頭下げてるけど…】

【ああ、ミヅキ問題ない。ミヅキの言う事をよく聞くように言っただけだからな】

シルバは厳しい顔をケンタウロスに向けていたかと思うとニコリと笑ってこちらを振り返る。

【そう?ならありがたいけど…】

ミヅキはケンタウロス達に近づくと

「ケンタウロスさん、馬車を獣人の国まで引いて欲しいんだけど…お願いできるかな?」

伺うように聞いてみると

「ミヅキドノ、ヨロコンデ」

ケンタウロス達は頼もしげに立ち上がった!

その様子を見ていたベイカーとコジローは…

「ケンタウロスって馬車引くんですね…初めて知りました…」

コジローがベイカーに聞くと

「引くわけ無いだろ、昔あれに乗ろうとした馬鹿がいたが叩き落とされて蹴られて大怪我してたぞ。ああ見えてプライド高いみたいだからな馬扱いなんて普通は無理だろうな。本当に認めた相手なら…ってところだろ」

「さすがシルバさんとミヅキですね」

コジローは誇らしそうに頷いた。

ケンタウロス達からの了承も得られたので馬車を見せると

「コレハナカナカ…」

かなりの大きさに驚いている。

「無理なら言ってね、そしたらシルバ達が手伝ってくれるみたいだから」

ミヅキが頼むと

「シュノテヲワズラワセルワケニハイカヌ」

ケンタウロス達は頷くと馬車を引きてのハンドル部分を掴んだ。

六人で別れ各々掴むと馬車を動かす。

「「「「「「フンヌッ!」」」」」」

すると馬車は見事に前に進んだ!

「すごーい!」

ミヅキがパチパチパチと手を叩くと一緒に見ていた獣人達も手を叩く。

「おじちゃん凄いね!筋肉モリモリ!」

たくましいケンタウロスの体をキラキラした目で見つめる。

「コレクライドウトイウコトハナイ…」

ケンタウロスさん達も大丈夫そうなので早速馬車に乗り込み獣人の国を目指すことにした。

「あっ!奴隷商人のおじさん達どうしよう!」

すっかり怯えきり一気に老け込んだ奴隷商人達を見ると…

「馬車の後ろに小さい荷車つけてそれで運べばいいだろ」

ベイカーさんがどうでもよさそうに言うと

【ぼくがつくるよ!】

コハクが木魔法で鳥籠の様な物を作ってくれた。

「外から丸見えだけど…まっいいか!」

ベイカーさん達がおじさん達を籠に押し込めると馬車の後ろに籠を括り付ける。

みんなを馬車に乗せてミヅキ達も馬車の上に登ると

「よし!じゃあ獣人の国目指して出発ー!」

ミヅキの声に合わせてケンタウロス達は走り出した!


「凄い!馬より早いね!」

ケンタウロス達の走りを上から眺めていると

「ケンタウロスさんに乗ってみたいな…」

じっと見つめる。

「やめとけ、プライド高いから乗せてくれないだろ?」

ベイカーさんが言うと

【乗せてくれるってよ】

シルバが教えてくれる。

「やったー!ベイカーさん乗せてくれるって!乗ってきてもいい?」

ミヅキが聞くと

「危ないからまた今度にしな…」

ベイカーはいつもの事に驚くことなく頷いた。



一日中走りかなりの距離を進むと…

「ス、スマヌ…スコシヤスマセテクレ」

馬車の速度が遅くなった。

ケンタウロスさん達が疲れてしまったようで急いで水を用意する。

「ケンタウロスさん達休憩はもっと早く言ってよ!」

ミヅキが怒ってケンタウロスさん達に水と回復魔法をかける。

「スマナカッタ…モウダイジョウブダ」

ケンタウロス達は回復したからとまた走ろうと準備する。

「駄目です!今日はもう走るの禁止!シルバ!みんなを止めて」

ミヅキはシルバに声をかけた!

【ミヅキの言う通りにしろ、お前達はよく頑張ったゆっくり休んでまた頑張ってくれ】

【本当にそれでいいのですか?】

ケンタウロスが伺うと

【ミヅキは一度こうなっては聞かんからな、お前達もこうなる前に休みたくなったらやすめよ。無理するとまたミヅキに怒られるぞ】

【は、はい…】

ケンタウロス達は戸惑いながらも馬車から手を離した。

その様子にミヅキはほっと胸を撫で下ろした。

「じゃあ今日はここら辺で馬車止めて泊まろうか?」

ベイカーさんを見ると…

「そうだな…少し見通しが良すぎるからもう少し進んであの木が生えてる所まで行こう」

そう言って先に見える木の生えた場所を指さした。

「デハソコマデイコウ」

ケンタウロスが馬車の引き手を持とうとすると

「ケンタウロスさん達はおやすみ!えっと…シルバとプルシア…あそこまでお願い出来る?私も手伝うから」

ミヅキはシルバとプルシアを見た。

「シュガヤルナド…ワレラガ!」

キッ!

ミヅキがケンタウロス達を睨むとピタッと黙る。

【ミヅキが馬車を引くことなどない、プルシアもいつも運んで貰っているからなたまには俺がやろう】

シルバはピョンと軽く馬車から飛び降りるとケンタウロス達に変わる。

首から紐をかけて引き手に引っ掛けるとシルバが走り出した!

「ギャアッ!」

凄い勢いにミヅキは後ろに転ぶとベイカーさんが受け止めてくれた。

「あ、ありがとう…シルバ凄い速いね」

「危ないからしっかり捕まってろよ」

頷いてベイカーさんの首に手を伸ばして掴まった。

「ベイカーさん達よく立ってられるね」

凄い勢いで景色が変わる中ベイカーさんもコジローさんもなんでも無いように立っている。

「あっ!獣人の子達は大丈夫かな!」

心配になるとコジローさんが様子を見に行ってくれた。

すぐに戻ってくると…全然大丈夫だったと苦笑する。

「なんで?この馬車でまともなのは、私だけ?」

ミヅキは納得出来ないと首を傾げた。


しおりを挟む
感想 6,829

あなたにおすすめの小説

転生したら幼女でした!? 神様~、聞いてないよ~!

饕餮
ファンタジー
  書籍化決定!   2024/08/中旬ごろの出荷となります!   Web版と書籍版では一部の設定を追加しました! 今井 優希(いまい ゆき)、享年三十五歳。暴走車から母子をかばって轢かれ、あえなく死亡。 救った母親は数年後に人類にとってとても役立つ発明をし、その子がさらにそれを発展させる、人類にとって宝になる人物たちだった。彼らを助けた功績で生き返らせるか異世界に転生させてくれるという女神。 一旦このまま成仏したいと願うものの女神から誘いを受け、その女神が管理する異世界へ転生することに。 そして女神からその世界で生き残るための魔法をもらい、その世界に降り立つ。 だが。 「ようじらなんて、きいてにゃいでしゅよーーー!」 森の中に虚しく響く優希の声に、誰も答える者はいない。 ステラと名前を変え、女神から遣わされた魔物であるティーガー(虎)に気に入られて護られ、冒険者に気に入られ、辿り着いた村の人々に見守られながらもいろいろとやらかす話である。 ★主人公は口が悪いです。 ★不定期更新です。 ★ツギクル、カクヨムでも投稿を始めました。

転生幼女はお願いしたい~100万年に1人と言われた力で自由気ままな異世界ライフ~

土偶の友
ファンタジー
 サクヤは目が覚めると森の中にいた。  しかも隣にはもふもふで真っ白な小さい虎。  虎……? と思ってなでていると、懐かれて一緒に行動をすることに。  歩いていると、新しいもふもふのフェンリルが現れ、フェンリルも助けることになった。  それからは困っている人を助けたり、もふもふしたりのんびりと生きる。 9/28~10/6 までHOTランキング1位! 5/22に2巻が発売します! それに伴い、24章まで取り下げになるので、よろしく願いします。

王女の中身は元自衛官だったので、継母に追放されたけど思い通りになりません

きぬがやあきら
恋愛
「妻はお妃様一人とお約束されたそうですが、今でもまだ同じことが言えますか?」 「正直なところ、不安を感じている」 久方ぶりに招かれた故郷、セレンティア城の月光満ちる庭園で、アシュレイは信じ難い光景を目撃するーー 激闘の末、王座に就いたアルダシールと結ばれた、元セレンティア王国の王女アシュレイ。 アラウァリア国では、新政権を勝ち取ったアシュレイを国母と崇めてくれる国民も多い。だが、結婚から2年、未だ後継ぎに恵まれないアルダシールに側室を推す声も上がり始める。そんな頃、弟シュナイゼルから結婚式の招待が舞い込んだ。 第2幕、連載開始しました! お気に入り登録してくださった皆様、ありがとうございます! 心より御礼申し上げます。 以下、1章のあらすじです。 アシュレイは前世の記憶を持つ、セレンティア王国の皇女だった。後ろ盾もなく、継母である王妃に体よく追い出されてしまう。 表向きは外交の駒として、アラウァリア王国へ嫁ぐ形だが、国王は御年50歳で既に18人もの妃を持っている。 常に不遇の扱いを受けて、我慢の限界だったアシュレイは、大胆な計画を企てた。 それは輿入れの道中を、自ら雇った盗賊に襲撃させるもの。 サバイバルの知識もあるし、宝飾品を処分して生き抜けば、残りの人生を自由に謳歌できると踏んでいた。 しかし、輿入れ当日アシュレイを攫い出したのは、アラウァリアの第一王子・アルダシール。 盗賊団と共謀し、晴れて自由の身を望んでいたのに、アルダシールはアシュレイを手放してはくれず……。 アシュレイは自由と幸福を手に入れられるのか?

猫を拾ったら聖獣で犬を拾ったら神獣で最強すぎて困る

マーラッシュ
ファンタジー
旧題:狙って勇者パーティーを追放されて猫を拾ったら聖獣で犬を拾ったら神獣だった。そして人間を拾ったら・・・ 何かを拾う度にトラブルに巻き込まれるけど、結果成り上がってしまう。 異世界転生者のユートは、バルトフェル帝国の山奥に一人で住んでいた。  ある日、盗賊に襲われている公爵令嬢を助けたことによって、勇者パーティーに推薦されることになる。  断ると角が立つと思い仕方なしに引き受けるが、このパーティーが最悪だった。  勇者ギアベルは皇帝の息子でやりたい放題。活躍すれば咎められ、上手く行かなければユートのせいにされ、パーティーに入った初日から後悔するのだった。そして他の仲間達は全て女性で、ギアベルに絶対服従していたため、味方は誰もいない。  ユートはすぐにでもパーティーを抜けるため、情報屋に金を払い噂を流すことにした。  勇者パーティーはユートがいなければ何も出来ない集団だという内容でだ。  プライドが高いギアベルは、噂を聞いてすぐに「貴様のような役立たずは勇者パーティーには必要ない!」と公衆の面前で追放してくれた。  しかし晴れて自由の身になったが、一つだけ誤算があった。  それはギアベルの怒りを買いすぎたせいで、帝国を追放されてしまったのだ。  そしてユートは荷物を取りに行くため自宅に戻ると、そこには腹をすかした猫が、道端には怪我をした犬が、さらに船の中には女の子が倒れていたが、それぞれの正体はとんでもないものであった。  これは自重できない異世界転生者が色々なものを拾った結果、トラブルに巻き込まれ解決していき成り上がり、幸せな異世界ライフを満喫する物語である。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

そんなに嫌いなら、私は消えることを選びます。

秋月一花
恋愛
「お前はいつものろまで、クズで、私の引き立て役なのよ、お姉様」  私を蔑む視線を向けて、双子の妹がそう言った。 「本当、お前と違ってジュリーは賢くて、裁縫も刺繍も天才的だよ」  愛しそうな表情を浮かべて、妹を抱きしめるお父様。 「――あなたは、この家に要らないのよ」  扇子で私の頬を叩くお母様。  ……そんなに私のことが嫌いなら、消えることを選びます。    消えた先で、私は『愛』を知ることが出来た。

転生幼女は幸せを得る。

泡沫 呉羽
ファンタジー
私は死んだはずだった。だけど何故か赤ちゃんに!? 今度こそ、幸せになろうと誓ったはずなのに、求められてたのは魔法の素質がある跡取りの男の子だった。私は4歳で家を出され、森に捨てられた!?幸せなんてきっと無いんだ。そんな私に幸せをくれたのは王太子だった−−

異世界で幼女化したので養女になったり書記官になったりします

瀬尾優梨
ファンタジー
大学へ行く途中、うっかり穴に落ちたと思ったら、大自然のド真ん中に佇んでいた水瀬玲奈。 しかも、身体が小学生並みに縮んでしまっていた! 懐いてきた精霊たちの話によれば、 どうやら自分は異世界トリップをしたらしい。これからどうすれば……と途方に暮れる玲奈だったが、 ひょんなことから、とある子爵家に引き取られることに。養女としての生活を満喫しつつ、この世界について学ぶうち、 玲奈は国の機密情報を扱う重職、「書記官」の存在を知る。書記官になれば、地球に戻る方法が分かるかもしれない――。 そう考えた玲奈は、この世界で超難関と言われる試験に挑むが……!? 前向き女子のお仕事奮闘ファンタジー、開幕!

処理中です...
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
番外編を閲覧することが出来ません。
過去1ヶ月以内にレジーナの小説・漫画を1話以上レンタルしている と、レジーナのすべての番外編を読むことができます。

このユーザをミュートしますか?

※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。