460 / 687
11章
閑話【酒は飲んでものまれるな】
しおりを挟む
その日、ベイカー、セバス、アラン、コジロー、ムサシは夜集まって酒を酌み交わしていた…
「コジローは少なめにしておけよ!」
ベイカーが注意すると
「はい、ミヅキ作ってくれた酒ならそんなに酔わずに楽しめますので大丈夫です」
チビチビと飲みながら頷くと…
「へー?どんなやつだ?」
ベイカーが興味津々にコジローのコップを覗き込むと…
「梅酒と言うらしいです。梅を酒とさとうで付けてそれを水で割って飲むそうです。酒の量を調節できるので俺にはちょうどいいんですよ」
「へぇ~俺も飲んでみたいな」
ベイカーがコップを差し出すと
「ベイカーさんなら…そんなに割らなくても大丈夫ですかね…」
コジローは梅酒、八の水、二で作ってやるとベイカーの前に置く。
「サンキュ!」
ベイカーは受け取るとゴクゴクと一気に飲むと…
「うっま!甘くて飲みやすいな、あいつ…本当になんなんだ…なんで子供が酒の作り方知ってんだよ…」
ブツブツ文句を言っている。
「やっぱりミヅキは凄いです…」
しみじみとコジローが頷きながらつぶやくと
「お前…やっぱりミヅキが…そういう意味で好きなのか?あいつまだ子供だぞ?」
ベイカーがじっとコジローを見つめると
「な、何言ってるんですか!違いますよ!ミヅキは恩人です…そんな気持ちじゃないです!確かに可愛いですし守りたいし、ずっと抱いていたいと思いますが…それはベイカーさんだって一緒ですよね!」
「うん?まぁ…そうだな…なんか違う気もするが…じゃあコジローの好きな女のタイプってのはどんな人なんだ?」
「えっ?好きな…」
コジローはうーんと考えると…
「そうですね…他人の気持ちを慮れる人がいいですね。人の痛みをわかる人…綺麗…よりは可愛い人が好きです」
「それって…」
「ベイカーさん」
隣で聞いていたムサシがベイカーの肩を掴むと無言で首を振る…
皆まで言うなと言うように…
ベイカーは苦笑すると
「じゃあムサシはどんな人がタイプだ?」
「俺ですか?俺は…俺の容姿を好きって言ってくれる人なら…あとは動物が好きな人がいいかな…」
「おい…」
ベイカーが呆れて声をかけると
「え?…あっ、あれ?」
自分で言ってて気がついたのか頬を染める。
話が広がり今度はアランが答えると
「俺は料理が美味いの一択だな!あと、出来れば掃除洗濯が得意なやつならなおのこといい!」
「それって…セシルさ…」
「やめとけ!」
ベイカーが止めると
「セ、セバスさんはどうだ?」
「私ですか?」
セバスは酒を飲むと考えるようにゆっくり言葉にする。
「そうですね…自分をしっかりと持っていて、しかしそれを押し付けるわけでなく…全てを包み込んでくれるような方がいいですね…」
「そんなやついるか!?」
アランがつっこむと
「あとは…泣き顔が可愛らしい人がいいですね」
「「「「えっ…」」」」
「相手が泣き出すまでいじめてさしあげて、泣きならがごめんなさいと上目遣いに謝ってきたところを目一杯可愛がってあげたいです」
「そ、そうか…セバスさん…ちょっと飲みすぎてない?」
ベイカーが伺うように聞くと…
「あっ!こいつ隠れて何本も酒瓶空けてやがる!」
アランがセバスの後ろに隠れていた酒瓶を見つけると…
「まさか…これがセバスさんの酔った姿か…」
ゴクッと唾を飲み込む…
「なんか一気に酔いが覚めました…」
コジローがブルっと震えると
「この事はここだけの秘密にしておこう…いいか、ここで聞いた事は他言無用だ」
「「はい」」
コジローとムサシが頷くと
「はぁ?別に大丈夫だろ。セバスの好きなタイプなんてどうでもいいわ!それにこいつ毎回こんな事言ってるぜ」
アランが笑うと
「ええ、そうですよね。アラン…ほら、コップが空ですよ。もっと飲みなさい…」
セバスがアランの頭を掴むとグイッと酒をコップに注ぎ込む。
「飲め」
にっこりと笑うと
「な、何言ってるんだよ…さぁそろそろお開きにしようか…」
席を立とうとすると
「俺の酒が飲めないのか?」
ガシッと頭を掴んで押さえつける。
「わかったよ!一杯だけだからな!」
アランがゴクッと一気に飲み干すと…
トクトクトク…
さらに注ぎ込む…それを永遠と繰り返していると
「わかった!俺が悪かった!もう勘弁してくれ…な?」
アランが泣きそうになりながらセバスに謝ると
「そうですね、このくらいにしておきますか」
満足そうに微笑んだ。
「怖っ…」
ベイカー達は見ては行けないものを見てしまった気分にサッと顔を逸らす。
「あれ?ベイカーさんも飲みますか?」
セバスさんの声にベイカー達はアランさんを置いて振り返ることなく逃げ出した!
次の日…怖々セバスさんとアランさんに会いに行くと…
「おはようございます」
セバスさんは何事もなかったかの様に仕事をしていた…
「あれ?」
ベイカーは拍子抜けすると
「セバスさん…アランさんは?」
「アランですか?昨日酔いつぶれたようなのでギルマスの家に放り投げて来ましたよ。そのあとは知りませんが」
「セバスさん…昨日の記憶…ってあり、ます、よね?」
伺うように聞くと
「なんの事ですか?」
セバスさんがわけが分からないと顔をしかめると…
「あっ、無いならいいんですよ」
ベイカーがほっとしてギルドを出ようとすると…
「コジローさんとムサシさんに言っておいて下さいね、ミヅキさんは嫁には出しませんよと…」
「へ?」
ベイカーは振り返るが、セバスはもう既に仕事をしていて忙しそうで話を聞ける雰囲気ではなかった…
「まさか…あれは演技?それとも本心…」
ベイカーは寒気がするとアランの様子を見にギルマスの家へと向かった。
ギルマスの家には二日酔いで頭を抱えるアランさんがウンウンと唸っていた…
注意⚠お酒を強要する行為は犯罪です!決して真似をしないでくださいね!
「コジローは少なめにしておけよ!」
ベイカーが注意すると
「はい、ミヅキ作ってくれた酒ならそんなに酔わずに楽しめますので大丈夫です」
チビチビと飲みながら頷くと…
「へー?どんなやつだ?」
ベイカーが興味津々にコジローのコップを覗き込むと…
「梅酒と言うらしいです。梅を酒とさとうで付けてそれを水で割って飲むそうです。酒の量を調節できるので俺にはちょうどいいんですよ」
「へぇ~俺も飲んでみたいな」
ベイカーがコップを差し出すと
「ベイカーさんなら…そんなに割らなくても大丈夫ですかね…」
コジローは梅酒、八の水、二で作ってやるとベイカーの前に置く。
「サンキュ!」
ベイカーは受け取るとゴクゴクと一気に飲むと…
「うっま!甘くて飲みやすいな、あいつ…本当になんなんだ…なんで子供が酒の作り方知ってんだよ…」
ブツブツ文句を言っている。
「やっぱりミヅキは凄いです…」
しみじみとコジローが頷きながらつぶやくと
「お前…やっぱりミヅキが…そういう意味で好きなのか?あいつまだ子供だぞ?」
ベイカーがじっとコジローを見つめると
「な、何言ってるんですか!違いますよ!ミヅキは恩人です…そんな気持ちじゃないです!確かに可愛いですし守りたいし、ずっと抱いていたいと思いますが…それはベイカーさんだって一緒ですよね!」
「うん?まぁ…そうだな…なんか違う気もするが…じゃあコジローの好きな女のタイプってのはどんな人なんだ?」
「えっ?好きな…」
コジローはうーんと考えると…
「そうですね…他人の気持ちを慮れる人がいいですね。人の痛みをわかる人…綺麗…よりは可愛い人が好きです」
「それって…」
「ベイカーさん」
隣で聞いていたムサシがベイカーの肩を掴むと無言で首を振る…
皆まで言うなと言うように…
ベイカーは苦笑すると
「じゃあムサシはどんな人がタイプだ?」
「俺ですか?俺は…俺の容姿を好きって言ってくれる人なら…あとは動物が好きな人がいいかな…」
「おい…」
ベイカーが呆れて声をかけると
「え?…あっ、あれ?」
自分で言ってて気がついたのか頬を染める。
話が広がり今度はアランが答えると
「俺は料理が美味いの一択だな!あと、出来れば掃除洗濯が得意なやつならなおのこといい!」
「それって…セシルさ…」
「やめとけ!」
ベイカーが止めると
「セ、セバスさんはどうだ?」
「私ですか?」
セバスは酒を飲むと考えるようにゆっくり言葉にする。
「そうですね…自分をしっかりと持っていて、しかしそれを押し付けるわけでなく…全てを包み込んでくれるような方がいいですね…」
「そんなやついるか!?」
アランがつっこむと
「あとは…泣き顔が可愛らしい人がいいですね」
「「「「えっ…」」」」
「相手が泣き出すまでいじめてさしあげて、泣きならがごめんなさいと上目遣いに謝ってきたところを目一杯可愛がってあげたいです」
「そ、そうか…セバスさん…ちょっと飲みすぎてない?」
ベイカーが伺うように聞くと…
「あっ!こいつ隠れて何本も酒瓶空けてやがる!」
アランがセバスの後ろに隠れていた酒瓶を見つけると…
「まさか…これがセバスさんの酔った姿か…」
ゴクッと唾を飲み込む…
「なんか一気に酔いが覚めました…」
コジローがブルっと震えると
「この事はここだけの秘密にしておこう…いいか、ここで聞いた事は他言無用だ」
「「はい」」
コジローとムサシが頷くと
「はぁ?別に大丈夫だろ。セバスの好きなタイプなんてどうでもいいわ!それにこいつ毎回こんな事言ってるぜ」
アランが笑うと
「ええ、そうですよね。アラン…ほら、コップが空ですよ。もっと飲みなさい…」
セバスがアランの頭を掴むとグイッと酒をコップに注ぎ込む。
「飲め」
にっこりと笑うと
「な、何言ってるんだよ…さぁそろそろお開きにしようか…」
席を立とうとすると
「俺の酒が飲めないのか?」
ガシッと頭を掴んで押さえつける。
「わかったよ!一杯だけだからな!」
アランがゴクッと一気に飲み干すと…
トクトクトク…
さらに注ぎ込む…それを永遠と繰り返していると
「わかった!俺が悪かった!もう勘弁してくれ…な?」
アランが泣きそうになりながらセバスに謝ると
「そうですね、このくらいにしておきますか」
満足そうに微笑んだ。
「怖っ…」
ベイカー達は見ては行けないものを見てしまった気分にサッと顔を逸らす。
「あれ?ベイカーさんも飲みますか?」
セバスさんの声にベイカー達はアランさんを置いて振り返ることなく逃げ出した!
次の日…怖々セバスさんとアランさんに会いに行くと…
「おはようございます」
セバスさんは何事もなかったかの様に仕事をしていた…
「あれ?」
ベイカーは拍子抜けすると
「セバスさん…アランさんは?」
「アランですか?昨日酔いつぶれたようなのでギルマスの家に放り投げて来ましたよ。そのあとは知りませんが」
「セバスさん…昨日の記憶…ってあり、ます、よね?」
伺うように聞くと
「なんの事ですか?」
セバスさんがわけが分からないと顔をしかめると…
「あっ、無いならいいんですよ」
ベイカーがほっとしてギルドを出ようとすると…
「コジローさんとムサシさんに言っておいて下さいね、ミヅキさんは嫁には出しませんよと…」
「へ?」
ベイカーは振り返るが、セバスはもう既に仕事をしていて忙しそうで話を聞ける雰囲気ではなかった…
「まさか…あれは演技?それとも本心…」
ベイカーは寒気がするとアランの様子を見にギルマスの家へと向かった。
ギルマスの家には二日酔いで頭を抱えるアランさんがウンウンと唸っていた…
注意⚠お酒を強要する行為は犯罪です!決して真似をしないでくださいね!
226
お気に入りに追加
22,872
あなたにおすすめの小説
転生したら幼女でした!? 神様~、聞いてないよ~!
饕餮
ファンタジー
書籍化決定!
2024/08/中旬ごろの出荷となります!
Web版と書籍版では一部の設定を追加しました!
今井 優希(いまい ゆき)、享年三十五歳。暴走車から母子をかばって轢かれ、あえなく死亡。
救った母親は数年後に人類にとってとても役立つ発明をし、その子がさらにそれを発展させる、人類にとって宝になる人物たちだった。彼らを助けた功績で生き返らせるか異世界に転生させてくれるという女神。
一旦このまま成仏したいと願うものの女神から誘いを受け、その女神が管理する異世界へ転生することに。
そして女神からその世界で生き残るための魔法をもらい、その世界に降り立つ。
だが。
「ようじらなんて、きいてにゃいでしゅよーーー!」
森の中に虚しく響く優希の声に、誰も答える者はいない。
ステラと名前を変え、女神から遣わされた魔物であるティーガー(虎)に気に入られて護られ、冒険者に気に入られ、辿り着いた村の人々に見守られながらもいろいろとやらかす話である。
★主人公は口が悪いです。
★不定期更新です。
★ツギクル、カクヨムでも投稿を始めました。
異世界召喚に巻き込まれたおばあちゃん
夏本ゆのす(香柚)
ファンタジー
高校生たちの異世界召喚にまきこまれましたが、関係ないので森に引きこもります。
のんびり余生をすごすつもりでしたが、何故か魔法が使えるようなので少しだけ頑張って生きてみようと思います。
ほっといて下さい(番外編)
三園 七詩
ファンタジー
「ほっといて下さい」のもうひとつのお話です。
本編とは関係ありません。時系列も適当で色々と矛盾がありますが、軽い気持ちで読んで頂けると嬉しいです。
✱【注意】話によってはネタバレになりますので【ほっといて下さい】をお読みになってからの方がいいかと思います。
幸子ばあさんの異世界ご飯
雨夜りょう
ファンタジー
「幸子さん、異世界に行ってはくれませんか」
伏見幸子、享年88歳。家族に見守られ天寿を全うしたはずだったのに、目の前の男は突然異世界に行けというではないか。
食文化を発展させてほしいと懇願され、幸子は異世界に行くことを決意する。
可愛いけど最強? 異世界でもふもふ友達と大冒険!
ありぽん
ファンタジー
[お知らせ] 書籍化決定!! 皆様、応援ありがとうございます!!
2023年03月20日頃出荷予定です!! 詳しくは今後の刊行予定をご覧ください。
施設で暮らす中学1年生の長瀬蓮。毎日施設の人間にいいように使われる蓮は、今日もいつものように、施設の雑用を押し付けられ。ようやく自分の部屋へ戻った時には、夜22時を過ぎていた。
そして自分お部屋へ戻り、宿題をやる前に少し休みたいと、ベッドに倒れ込んだ瞬間それは起こった。
強い光が蓮を包み込み、あまりの強い光に目をつぶる蓮。ようやく光が止んできたのが分かりそっと目を開けると…。そこは今まで蓮が居た自分の部屋ではなく、木々が生い茂る場所で。しかも何か体に違和感をおぼえ。
これは蓮が神様の手違いにより異世界に飛ばされ、そこで沢山の友達(もふもふ)と出会い、幸せに暮らす物語。
HOTランキングに載せていただきました。皆様ありがとうございます!!
お気に入り登録2500ありがとうございます!!
夢のテンプレ幼女転生、はじめました。 憧れののんびり冒険者生活を送ります
ういの
ファンタジー
旧題:テンプレ展開で幼女転生しました。憧れの冒険者になったので仲間たちとともにのんびり冒険したいとおもいます。
七瀬千那(ななせ ちな)28歳。トラックに轢かれ、気がついたら異世界の森の中でした。そこで出会った冒険者とともに森を抜け、最初の街で冒険者登録しました。新米冒険者(5歳)爆誕です!神様がくれた(と思われる)チート魔法を使ってお気楽冒険者生活のはじまりです!……ちょっと!神獣様!精霊王様!竜王様!私はのんびり冒険したいだけなので、目立つ行動はお控えください!!
初めての投稿で、完全に見切り発車です。自分が読みたい作品は読み切っちゃった!でももっと読みたい!じゃあ自分で書いちゃおう!っていうノリで書き始めました。
【5/22 書籍1巻発売中!】
転生して異世界の第7王子に生まれ変わったが、魔力が0で無能者と言われ、僻地に追放されたので自由に生きる。
黒ハット
ファンタジー
ヤクザだった大宅宗一35歳は死んで記憶を持ったまま異世界の第7王子に転生する。魔力が0で魔法を使えないので、無能者と言われて王族の籍を抜かれ僻地の領主に追放される。魔法を使える事が分かって2回目の人生は前世の知識と魔法を使って領地を発展させながら自由に生きるつもりだったが、波乱万丈の人生を送る事になる
転生テイマー、異世界生活を楽しむ
さっちさん
ファンタジー
題名変更しました。
内容がどんどんかけ離れていくので…
↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓
ありきたりな転生ものの予定です。
主人公は30代後半で病死した、天涯孤独の女性が幼女になって冒険する。
一応、転生特典でスキルは貰ったけど、大丈夫か。私。
まっ、なんとかなるっしょ。
過去1ヶ月以内にレジーナの小説・漫画を1話以上レンタルしている
と、レジーナのすべての番外編を読むことができます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
番外編を閲覧することが出来ません。
過去1ヶ月以内にレジーナの小説・漫画を1話以上レンタルしている
と、レジーナのすべての番外編を読むことができます。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。