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1巻
1-1
しおりを挟むプロローグ
「うーん」
ズキズキする頭の痛みで目が覚めた。
昨日は勤めている会社の歓迎会だった。
本当はまっすぐ家に帰って、ペットの犬の銀と戯れたかったが、会社の上司に無理やり参加させられて、苛立ち、ヤケクソで酒をたらふく飲んでしまった。
クッソー、調子に乗って飲み過ぎた……うぅぅぅ……どうやって帰って来たのか全然覚えてない。
「じん、じん?」
いつものように愛犬の銀を呼ぶが、思うように言葉が出ない。伸ばした手に触れる感触もいつもの布団の上ではないようだった。
うん? なんか変だな、床で寝ちゃったのかな? 地面がなんかいつもと違う。
頭を押さえていた手をゆっくり退けて、目をそぉっと開くと……
「は?」
――目の前に広がるのは綺麗な青い空。周りをぐるっと確認すると、木がうっそうと茂っている。
私はいつの間にか森の中にいた。
「は?」
もう一度声を出してみたがやっぱり森だ。
あれ? ここどこだ? なんで森なんかで寝てるんだ? ちょっと落ち着こう! 昨日のことを思いだそう!
土の上で正座し、目を瞑り考え込む。
確か、もう歩くのもだるかったのでタクシーに乗って、自宅近くのコンビニまでと頼んだはず。そこでいつもの銀のおやつを買って……
「うっ!」
ズキッと頭が痛み出し、頭を抱える。
そうだ……。外に出て、家に向かおうと角を曲がったら……車のライトが眩しくて目を閉じたなぁ。
私は痛む頭のことはすっかり忘れ、やってしまった……と天を仰いだ。
あー私……死んだのか。なんかあんまり実感わかないなぁ~。
キョロキョロともう一度周りを見てみるが、普通の森に見える。
「ここ、てんごく?」
本当の天国など知らないが、もう少しいい場所なんじゃないかと夢を見ていた。雲の上にあったりしてふわふわキラキラの世界なのかなぁ……なんて思ってたのに……
もう少し周りを見てみるかと立ち上がろうとして、
「きゃ」
バランスを崩し、おしりからコケてしまう。
あれ? 上手く立てない。
少し格好悪いが前に体重をかけてゆっくり立ち上がる。……なんか景色が低い?
地面を見ると小さい足が見える。
「ありぇ」
なぜか幼児語が口から出てしまい、パッと口を押さえた。
……えっ、えっ?
軽くパニックになりながら自分の手を広げて見つめる。
「ちいさい……」
これは転生ってやつかなぁ……と、軽く現実逃避しながら他人事のように思ってしまった。
まぁ憧れてたけど、実際なると困ったもんだなぁ。
「しゃて、どうするか……」
可愛い幼児の声がぽつんと森に響いた。
一 従魔
銀はどうしてるだろう……
自分の今の状況も不安だが、それよりも愛犬の銀のことが気になる。
私が帰ってこなくて心配してないかなぁ。早く誰かに見つけてもらって、保護されているといいんだけど……
銀の心配をしながらとりあえず休めそうなところを探し、前に進む。しかし、いくら進んでも景色は一向に変わらない。
どうしよう、どっちに向かえばいいのか全然分からない。ちょっと泣きたくなってきた。
幼児の体に反応してか、鼻の頭がツーンとして涙が出そうになる。
ダメだ。泣いたって誰も助けてくれない! 現実は甘くない、女の涙は全然最強ではないんだ。
私は小さい足を踏ん張って前に歩き出した。
どれくらい歩いただろう。ふとなにかの気配がしてそちらのほうを見てみるが、特になにもなかった。でも、なにか、誰かが呼んでいる気がする。
私は呼ばれている気がする方向に、フラフラと導かれるように歩いて行った。
しばらく進んだけれど、疲れて「もう、限界!」と膝をつきそうになる。顔を上げると、少し先の木々の合間に、光が差し込む場所が見えた。
あっ、少し開けた場所がある!
私は力を振り絞って前に進んだ。
「わぁ~きれい!」
うっそうと茂る木々の下を抜けると、そこには小さな湖があり、湖畔には色鮮やかな花が咲き誇っていた。最初目覚めた時、ここに寝ていたら天国だと思っただろう。
私はとりあえず湖に近づき、水をすくい上げてパシャッと顔を洗った。
綺麗な水。だけど飲んだらまずいかなぁ。でも、喉はカラカラで唾も出ないし……
覚悟を決めて少しだけ口に含むと、冷たい水の甘みが広がった。我慢できずに少し飲み込んでしまう。
「おいちぃ~!」
ぱぁーと笑顔になるほど水は美味しかった!
すっごい飲みやすい水! 水道水より全然美味しいわ!
小さい手に水をすくって更にゴクゴクと飲んでいく。喉が潤ってほっとすると、今度はぐぅーっとお腹が鳴った。
「うぅぅ、おなかすいたぁ~」
水に足をつけ、なにか食べられそうなものはないかと周りをキョロキョロと見回すと、草木で陰になっているところに、なにやら黒っぽい塊があるのに気が付いた。
なんだろ……。なぜか妙に気になり怖々と近づいてみる。
「っ!」
私は声が出るのを両手で必死に抑えた。そこには真っ黒な毛並みの、大きな獣が横たわっていたのだ。
犬? いや、狼? にしてはデカい。あんな大きな動物見たことない。
私は獣に気付かれないようにそぉっと後ずさりする。しかしまだ小さい体に慣れていないため、トンッと尻もちをついてしまった。
ヤバい! 気付かれる!
私は思わずギュッと目を閉じた……が、なにも起こらない。
恐る恐る目を開けると、黒い獣はその場から動いた気配がなかった。
よかった~、気が付かなかったみたい。
私はほっとして、音を立てないようにハイハイをしながら木の陰に隠れた。そして獣がいなくなるのを待つことにした。
……全然動かない。
しばらく待ってみたが獣は微動だにせず、目を閉じて蹲ったままだ。
もしかしてもう死んでるのかな?
死体ならちょっと場所を変えてあげようかと思い、そっと近づく。触れるほど近くに来たが、獣はやはり動く気配がなかった。
やっぱり死んじゃってるのかな……。可哀想になりその毛並みを優しく撫でると、微かに手のひらに温もりを感じた。
――まだ死んでない!
私は急いで周りに落ちている木の葉などを集めて、獣の体を温めた。小さい体を獣にくっつけて、毛をさする。
頑張って! 頑張って! 死んじゃダメだよ、と心の中で必死に祈りながら獣を温める。真っ黒い毛並みが愛犬の銀と重なり、泣きそうになるのを必死に堪えて、私は「頑張れ! 頑張れ!」 と声をかけ続けた。
ペロペロとなにかが顔を舐める感覚で目を覚ました。
いつの間にか眠っていたらしい。私の顔を舐めているのはおそらく銀だろう。いつも朝はこうして起こしてくれるのだ。
「じん、やめてぇ~。くしゅぐったいよ~」
クスクス笑い、銀を撫でながら目を開ける。しかし、目に飛び込んできたのは見慣れた銀ではなく、大きな獣だった。その黒毛は、月の光を浴びてうっすらと銀色に耀いている。
「!」
驚きのあまりビクッと体を硬直させ、瞬時に昨日のことを思い出す。どうやら獣を撫でながら寝てしまったようだ。
このまま食べられちゃうのかな……
ドキドキしながらじっとしていると、獣は尻尾をパタパタと振り、相変わらず丹念に顔を舐めてくる。その姿に愛犬の銀が被った。
そぉっと頭を撫でてみるが、嫌がった様子も見せず、むしろ喜んでいるようだ。
「かわいいね」
ニコニコしながら撫でてやる。獣は嬉しげに目を細め、私を大事そうに自分の毛並みの中に引き寄せた。
「ふふふ、くしゅぐったい」
毛がふわふわで顔や体に当たり心地よい。ギュッと抱きつくと、胸の奥でカチッとなにかが引っかかる感じがした。
あれ? と思い胸をさすっていた、その時――
【待っていた……】
突然、低い声が頭の中に響いた。
ハッと顔を上げると、獣が優しい金の瞳でこちらをじっと見つめていた。
「いま、あなたがしゃべったの?」
獣は私の言葉を肯定するように尻尾を振り、優しい眼差しを注ぐ。
【お互いに惹かれ合い、俺が認めて従魔の契約をした。だからこうして話すことができるのだ】
わけが分からずポカーンとしていると、【嫌だったか……】と耳を垂らし悲しそうな顔をするので、慌てて否定する。
「ちがう、ちがう、いやじゃないよ。びっくりしちゃったの」
そう言ってにっこりと笑いかける。すると、獣は嬉しげに尻尾をパタパタと振った。
なんか尻尾を振るだけで、結構な風圧が出てる気が……尻尾の周り、葉っぱがなくなってるし。
「ううんと、えっと、じゅうまのけいやくって……」
うーん、喋りづらいなぁ。そう思っていると、頭の中で声が響いた。
【喋りづらかったら、頭の中で話してごらん】
にっこりと笑って獣がこちらを見つめる。
「あたまのなかでしゃべれるの?」
びっくりしたが落ち着いて息を吐き、さっそく試してみる。
【こんにちは~】
【……なんで挨拶をする?】
獣が首を傾げる。
【なんとなく?】
年甲斐もなく、小さく舌を出しておどけてみせると、獣はピシリと硬直してしまった。それほど酷い顔だったのかと思いズーンと沈むが、気を取り直して尋ねた。
【えっと、まず名前を聞いてもいいかな? お話しするのに不便だし……私の名前は美月って言うんだけど】
【俺はフェンリル。だがそれは種族の名だ。名前はミヅキがつけて欲しい】
獣は、ハッとしてそう言い、凛とした姿勢でおすわりをする。その姿まで銀にそっくりだ。
ふいに愛犬の銀を思い出し、目に涙が浮かぶ。すると、フェンリルは慌てて【嫌なら無理にとは……】と、シュンと耳を垂らした。
落ち込んだ様子が可愛らしく、ふふっと笑って頭を撫でてやる。
【ごめんね。嫌なわけじゃないんだよ。前に一緒にいた子を思い出してしまって……あなたがその子にあまりにも似てたから、嬉しいような、悲しいような気持ちになってしまったの】
私の言葉に、フェンリルはほっとして表情を和らげた。
【俺に似ているとはどんな奴だったんだ?】
【うーん。一言では言えない大事な家族だった。私がいなくなっても、幸せでいて欲しいんだけど……】
ちょっとだけ笑ってフェンリルを見ると、彼は少しだけ悲しげな笑みを浮かべた。
優しい子だな。本当に銀にそっくり。
私は銀を思い浮かべながら、目の前のフェンリルの名前を考える。
【じゃあ、あなたの名前は……シルバ。私の大事な子と同じ色の名前。あなたのその美しい黒い毛並み、月の光を浴びるとキラキラ銀色に耀くから、シルバってどうかな?】
にっこり笑って聞いてみると、フェンリルの体が淡く光ったように見えた。
【俺の名は〝シルバ〟。いい名をありがとう……ミヅキ】
シルバは嬉しそうに頬を擦り寄せた。
◆
なんでこんなことになったんだ……
体が思うように動かせない。
とりあえず安全な場所で体を休めようと、周りの気配を探るが思うようにいかない。フラフラになりながらどうにか進むと、少し開けた場所に水場が見えた。
もう横になりたかったので、俺は草木の陰に体を横たえた。
クソ……なんかモヤモヤする……なにかが足りない! が、なにが足りないのか分からない。
無性にむしゃくしゃして、気持ちを発散しようと所構わず暴れていたら思わぬ罰を天から与えられ、俺は深い傷を負った。
しかしそんなことはどうでもよかった。もう疲れてしまった。
この満たされぬ思いを抱えたまま生きるのは辛すぎる。このままここで終わろうかと目を閉じていると、不意にフワッといい香りが俺を包んだ。次いで、温かく気持ちいいものが体に触れる。
少しずつ傷ついた体の痛みが引いていく……うっすら目を開けると、目の前で幼子が体に張りつき一生懸命俺をさすってくれていた。
この人を俺は知っている……
なぜか懐かしい気持ちがするが、この幼子に会ったことはないはずだ。しかし、この幼子が触れるたび、ポッカリ空いていた心の隙間が埋まるような感覚がする。
こちらが見ていることにも気付かず、幼子は瞳に涙を溜めて「頑張れ! 頑張れ!」と声をかけ優しく体をさすってくれる。
俺はこの人をずっと待っていたのか。あぁ、この人を守らねば……
なぜかそんな考えが頭を過る。
目を再び閉じると心のモヤモヤは消えて、不思議と幸せな気持ちで満たされていた。
しばらくして、ずっと励ましながら、俺を優しく撫でていた手の動きが鈍くなり、少しして止まってしまった。
目を開けると、幼子は俺に寄りかかるようにして眠っていた。
自分の体を確認するが、スッキリして痛みもない。
……なにかの回復魔法か?
起こさないようにゆっくり動きながら顔を覗くと、柔らかそうな白い肌に、サラサラの黒い髪がかかっている。規則正しく上下する小さい体がやけに愛おしい。
この閉じた瞳はどんな色だろう? その瞳はなにを映すのか? 俺を見てどう感じるだろうか?
そんなことを考えながら、しばらく飽きることなく見ていたら、長いまつ毛がピクッと動いた。次いで、眉間にシワが寄る。
シワをなくそうとペロペロと舐めると、幼子はクスクスと笑って「じん、やめてぇ~。くしゅぐったいよ~」と俺を撫でてきた。
嬉しい気持ちが抑えられず、更にペロペロ舐める。
次の瞬間、幼子が瞼を持ち上げ、待ち望んでいた瞳が現れた。黒く澄んだ瞳が俺を映す。
目が合うと、彼女はびっくりしたのか硬直してしまった。
しかし、嬉しさが上回り構わず舐めていると、幼子は恐る恐るこちらに手を伸ばし、また優しく撫でた。
「かわいいね」
可愛い笑顔を向けられ、愛おしさが胸いっぱいに広がり、思わずその体を抱き寄せる。
「ふふふ、くしゅぐったい」
この笑顔をずっと近くで守っていたい。そう強く思うと、俺と彼女の間で『従魔の契約』がなされた。
従魔の契約では、使役者と従魔の魂が結ばれる。これにより、意思の疎通ができ、従魔は使役者の危機を一早く察知したり、力が増大したりする。
しかし、この契約は互いの魂が惹かれ合い、認め合わないと結ぶことはできない。
契約がなされた今、幼子も自分を受け入れてくれたと思うと、胸の奥が熱くなった。ずっとこの時を待っていた気がする。
不思議そうに胸をさする幼子に話しかけると、大きい瞳を更にまん丸にした。
「いま、あなたがしゃべったの?」
たどたどしい喋り方で話しかけてくる。会話できることが凄く嬉しく、ゆっくり頷いた。
お互いに惹かれ合ったので契約ができたこと、それによって会話ができるようになったことを伝えるが反応がない……。望まぬ契約だったのかと寂しく思っていると、
「ちがう、ちがう、いやじゃないよ。びっくりしちゃったの」
幼子は慌てた顔で首を横に振る。その後も拙い言葉で一生懸命に話してくれる。
頭の中で話せると伝えると、今までの拙い言葉ではなくしっかりとした挨拶がかえってきた。
なぜ挨拶……?
不思議に思い聞いてみると、なんとなくと可愛く首を傾げ、小さな舌をペロッと出した。
あまりの可愛さに思考停止してしまう。これは本格的に守らねば!
まずは結界を張るべきかな、と色々考えていると幼子が話しかけてくる。
幼子の名は『ミヅキ』というらしい。名前を聞くとなぜか懐かしい気持ちが溢れる。
この気持ちはなんなんだろう。ずっと昔からミヅキを知っていたような不思議な感覚だ。そして自分の名前も聞かれる。
今までずっと一人でいて、名前など使うことはなく、種族名のフェンリルと呼ばれることがほとんどだった。
どうせならミヅキにつけて欲しいと頼むと、ミヅキはうっすらと瞳に涙を溜めてしまった。
泣くほど嫌だったのか……
落ち込む俺に、彼女は笑って優しく頭を撫でながら、泣いてしまった訳を話してくれる。
前に一緒にいた子を思い出し泣いてしまったのだと……従魔だろうか?
ミヅキは寂しげに瞳を揺らしながら、大事な家族だったと言った。そして、俺に名前をくれる。
ミヅキの家族だった奴と同じ名の色、そして俺の光に反射して耀く毛並みから『シルバ』と。
知らない奴の名などいつもなら気に食わなく思うだろうが、不思議と嫌ではない。それどころか、昔からその名であったかのように自然と馴染んだ。
いい名をありがとう、とミヅキに礼を言う。
そして『銀』。お前の名を受け継ぎ、俺がミヅキを必ず守ると誓おう。
二 魔法
【じゃあ、改めてよろしくね。シルバ! 従魔の契約だけど、なにかルールとかしてはいけないこととかあるの?】
【まぁ細かいことは大丈夫だ。ミヅキに命令されて嫌なことなどないからな。ミヅキは俺の主人だ、なにがあっても必ず守ると誓う】
シルバに聞いてみたら、彼は自信たっぷりに胸を張り答えた。
【うーん、よく分からないけどあんまり無理しないでね。今は一緒にいてくれるだけでも嬉しいよ】
そう言って笑うと、シルバも嬉しそうに尻尾を振る。
【しかしミヅキは見た目は幼子だが、話すと大人のようだな】
【えっ! だって私、お酒も飲める大人だもん】
私の言葉に、シルバは小首を傾げる。
【人族の細かな年齢は分からぬが、ミヅキの見た目は赤子みたいだぞ】
そういえば手足が小さくなっていたなぁ。水辺に向かい顔を水面に映すと、そこには前世の面影がうっすらある、可愛い女の子が映っていた。
「にゃっ!」
びっくりして思わず声が出てしまう。
【なんか大分可愛く補正されてる……年齢も三、四才かなぁ~。これじゃあ話しづらいわぁ……中身と外見が違うけど……シルバ、本当に契約して大丈夫だった?】
シルバが見た目を基準にして契約したのなら、立派な契約違反になっちゃいそう。
【俺はどんな姿のミヅキでも大丈夫だ。ミヅキの見た目ではなく、魂の部分で惹かれているからな。もちろんその姿も可愛くて好きだがな】
なんてどこぞのイケメンみたいなセリフが飛び出した。
ヤバい! 見た目狼なのにすっごいイケメンに見える! 人だったら間違いなくもてるだろうな。
キザなことをサラッと言うイケメンフェンリルに頬が少し染まるのを感じながら、ありがとうとお礼を言うと、彼は満足そうに頷いていた。
【頭で考えてる分にはスラスラ言葉が出るけど、声に出すと年相応の話し方しかできないみたい】
【その見た目で大人顔負けで話していたら、よからぬ輩に目をつけられそうだ。年相応の振る舞いをしたほうがいいだろう】
困ったなぁと思っていたが、そう言われなるほどと頷く。と、その時、
「くぅ~」
お腹から可愛い音が響いた。
あ~そう言えばなにも食べてないな。お腹空いた……
色々あってすっかり忘れていたけれど、気が付いてから水しか口にしてない。意識すると余計にお腹が空いてくる。
【ふふ、腹が減ったのか? 可愛い音だな】
シルバに指摘され、恥ずかしくなり、お腹を押さえて下を向く。すると、鼻先をお腹に近づけて掴まれと言われる。
言われるまま顔にギュッと抱きつくと、ポイッと背に乗せられた。
ふわふわの背は気持ちよくて、思わず頬ずりしてしまう。
【しっかり掴まっていろよ】
そう言うとシルバは走りだした。凄い速さなのだろうが振動も、風圧も感じない。横を流れる景色だけがみるみるうち変わっていく。
【全然風を感じないし落ちる気配もないね】
【ミヅキの周りに結界を張っているし、障壁魔法もかけている。それに俺がミヅキを落とすわけないだろう】
「まほー!」
魔法と聞いて思わずテンションが上がる。
【魔法があるの? シルバは魔法が使えるんだ! 凄いね!】
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