ほっといて下さい 従魔とチートライフ楽しみたい!

三園 七詩

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13章

536.神木

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「何それ?」

思わず声が出てしまう…

【そのままだ、前に鹿の野郎がやってただろ?】

【しかも後ろの魔物の邪魔もしてくれてるよね】

【えー!そうなの?】

周りの木々を見ると風もないのに優しく揺らめく。

すると魔物は火弾の魔法を放ち次々に木々を燃やしていく…

【やだ!森が!】

火が広がりそうになるとプルシアが水魔法で火を消してくれる。

【少し焦げたが…大丈夫だろう。強い木々達だ】

【プルシアありがとう!森の木さんごめんね…これで少し良くなるといいんだけど…】

私は水魔法に少し回復魔法を足して木の根元に撒いて行くと…木々が嬉しそうに揺らめき先程よりも大きく動く!

【いくら神木の加護があってもそんなあからさまに動く事なんてなかったのに!】

ちょっとやりすぎちゃったかな…

【エルフの森って事もあるんじゃないか?】

シルバが言うと…

【でもこのままだともっと燃やされちゃうかも…森さん!何処かあの子を捕らえられそうなところはありませんか!】

私は駄目元で森に向かって話しかける、するとまるで誘導するかのように木が枝を退かして道を作ってくれた。

【シルバ!あっちだよ】

木々が示す方向を指さすと

【わかった】

シルバを先頭に走り抜ける!

しばらく行くと…大きな大木の元に出た。

ククノ様やネーレ様と似たような雰囲気の横に広い大木だった…

【これは…神木…だよね】

【そうだろうな…】

シルバが神木に近づいていくと

【ミヅキ!後ろから来てるよ!】

【わっ!】

神木に気を取られてしまい魔物が襲いかかってくるのに気がつくのに遅れた。

先に気がついたシルバが容赦なく唸り声をあげて牙を剥く

【ミヅキ!殺るぞ!】

シルバが魔物を睨むと魔力をあげて元の姿に戻ってしまう…

【シルバ!】

やめてと言いたいがそれによってシルバが攻撃を受けてしまう…私は迷っていると神木から枝が伸びてきて魔物の体に巻きついた。

【な、何?】

後ろを振り返ると神木の根元に誰かが立っている。

【大丈夫?】

その姿はエルフに似ていた…全体的に薄く儚げな雰囲気の美女だった…髪は白く地面に付くほど長い、軽くウェーブがかかっている。エルフの様なとんがった耳に透明感ある白い肌、瞳は淡いエメラルドグリーン。

人の姿なのにシルバ達の様に頭に直接語りかけてくる…

【あ、あなたは…】

私が恐る恐る声をかけると

【わたし?わたしはこの木よ】

微笑む姿も美しい…

【じゃあ…神木様ですか?もしかして今助けてくれたのも…】

【ええ…何故だかあなたの事がとても愛おしい感じるの、助けなきゃと思うと同時に体が動いていたわ】

ふふ…と笑っている。

【綺麗…】

ついうっとりと姿に見とれていると

【森の木達があなた達を私の元に連れてきたようね、ここにはエルフしか来れないはずだけど…あなたはその姿、本当の姿じゃないわね】

【は、はい…コハク】

コハクに声をかけると幻影を解く。

神木様は私達の姿を見ると

【あなた…人なの?それにしては…】

飛ぶように近づいてくる…足を見ると地面に足が付いていない。

【ミヅキ…】

シルバが庇うように前に立ち塞がる。

【大丈夫よ、その子を傷つける気なんて無いわ。だって神木の加護を持ってるみたいだもんね】

なんでも見通す様な瞳でじっと見つめられる。

【ウエスト国の神木のククノ様からいただきました…】

【そう…あの人が人に加護をするなんてねぇ…】

首を傾げている。

【でも確かに、惹かれるわ…エルフの子以外に惹かれるのは始めてよ】

神木のお姉様は私の周りをクルクルと踊るように回る。

【あ、あの…あの魔物なんですけど…】

何処か不思議な雰囲気の神木様に声をかけると

【ん?あーあの子ね~もう穢れちゃってるわね。どうする?】

【ど、どうするとは?】

【一気に楽にしてあげることは簡単って事よ】

綺麗な顔で微笑みながら物騒な事を言われる。

【そ、それは…】

チラッと魔物を見ると…苦しそうに唸りながらこちらに牙を剥く…

【なんでかしら…あなたにだけ殺意が溢れ出てるわ…】

【すぐにでも殺そう】

シルバが近づこうとすると…

【ま、待って!神木様、あの子エルフが混ざってるそうです!どうにかなりませんか?神木様…エルフ達の森を守る神木様なんですよね?】

【ええそうよ。でももうあの子は助けられないわ…可哀想だけど。ならいっそ苦しまないように一思いにしてあげた方がいいでしょ】

【どうにもならないんですか?】

ミヅキは目を潤ませて神木様を見ると…

【やだ、その顔でお願いしないで…うーん…どうかしら】

神木様は困ったような顔をすると魔物に近づいていく、じっくりと魔物様子を見つめると

【やっぱり無理ね…しかも悪い事に魂まで穢れてしまっているわ…】

【魂が穢れているとどうなるんですか!?】

神木様が悲しそうな顔をしてミヅキを見つめる。

【……生まれ変われないわ…もう二度と】

【生まれ変われない?】

ミヅキは自分の体を見る…自分はこうして次の人生を貰うことが出来た。

しかしダフネさんの輪廻はここで終わってしまう。

こんな魔物になって自我もなくなり…友人にも好きな人にも挨拶も出来ずに終わるの?

【そんなの悲しすぎる、オイだって幸せに生まれ変われたのに…】

ミヅキはグッと拳を握りしめて悔しそうに下を向く…

【それでもこうして仲間を傷つける存在で居続けるよりいいわ】

仕方がないと神木様は震えるミヅキの肩に手を置くと…

「お前!何をしている!」

急に声をかけられ振り返ると、そこにはセバスさんを誘拐したエルフの少女が睨みつけるようにたっていた…

「神木様の前に人間風情が現れるなど以ての外だ!離れよ!」

オリビアはズンズンとミヅキに近づいて来ると…

【触るな!】

【何この子?誰に口聞いてるわけ?】

【悲しんでいる今のミヅキにその口は許せませんね…】

【こいつきらい!】

「わん!わん!」

シルバ達がミヅキの前に立ち塞がると…

「えっ…もしかして、聖獣?フェンリルに鳳凰!青龍まで!」

オリビアは頬を赤らめてシルバ達を見つめる!

「あっ!もしかして神木様のところにこられたんですね!…それなのにあの人間は!」

オリビアの目には神木様や聖獣が集まるところに人間という異物があるようにうつる。

「せっかくの神聖な場になんて場違いなんだ。しかも黒髪だと…」

オリビアはジロっとミヅキを睨むと

「グルルル!!」

シルバが怒りのあまり飛びかかりそうになる!

【シ、シルバ!】

ミヅキが慌てて止めると

「あっ!」

オリビアはそんな事には気が付かないで後ろに捕らえられている魔獣に気がついた。

「あの魔獣…お父様達が言っていた。神木様と聖獣達が捕まえてくれたんですね」

凄い!とオリビアは喜ぶと魔獣に近づいていく。

「さすが神木様の木です!ビクともしないのね。そこで大人しくしてなさい!お父様達に処分してもらいましょ!」

オリビアはペシッと魔獣を軽く叩くと

「ギャウ!」

魔獣は尻尾を振り回してオリビアを捕まえた。

「きゃあー!」

オリビアは魔獣に足を掴まれて逆さ刷りにされるとぶんっとほおり投げて神木に向かってオリビアを投げつけた!

【シルバ!】

【え…】

私が叫ぶがシルバが嫌そうな顔をしている…

【お願い!】

【くっ…ミヅキのお願いじゃなきゃ絶対に助けないのに!】

シルバが地面を蹴りつけると投げ出されたオリビアの襟元を口でキャッチする。

「あ、あ、ありがとうございます…フェンリル様…」

オリビアは助けてくれたシルバにお礼を言うと…

ポイッ!

シルバはオリビアを投げ捨てた。

「きゃ!」

オリビアは目を閉じるとドスンと地面におしりで着地する。

「いたた…」

おしりを察すって怖々目を開くと目の前にはオリビアを見下ろすシルバがいた。

「ありがとうございます…」

オリビアは頭を下げるとシルバにそっと手を伸ばす…神々して毛並みについ手が動いていた。

シルバはその手をサッと避けるとミヅキの元に駆け寄る…

そしてオリビアに見せつけるようにミヅキの頬を愛おしそうにペロンと舐めた。

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