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10章
509.パーティ名
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あっという間に町に帰ってくると
「おかえりなさい」
セバスさんが笑顔で出迎えてくれた、スッキリとした顔を見ると冒険者達の反省文を全て処理出来たようだ。
「セバスさ~ん」
疲れた私はセバスさんに駆け寄り抱きつく。
今はその綺麗で清潔感あるセバスさんの容姿に癒されたい…
「どうしたのですか?」
行きとは違い疲れた様子で帰ってきた面々にセバスさんが心配そうな顔を見せる。
「そんなに大変そうな依頼ではなかったはずですけど…」
私を抱き上げてベイカーさんとアランさんを見ながら聞いてくる。
「それが…ミヅキは蟲が苦手らしくて…」
蟲と聞いて嫌な記憶が蘇る!
思わず耳を塞ぎ、震えて怯える様子にセバスさんが苦笑する。
「本当にお嫌なんですね…それはこの依頼は大変でしたでしょう」
「依頼は俺たちが殺ったんだけど…その返り血を見ただけでパニックになってなぁ…セバスさん悪いがそれ系の依頼は今後無理かもしれん」
ベイカーさんが謝ると
「大丈夫ですよ。それに蟲が出たらアランさんに頼みますから」
「俺?」
アランがえっ…と自分を指さす。
「ええ、ちょうどいいでしょう?一人で殺れば誰にも迷惑かかりませんよ」
決定事項の様に笑っていると
「それはもう無理かもなぁ…」
アランさんが意味ありげに笑っていると…
「あれ?そう言えばアランさんの依頼は大丈夫だったの?」
私はアランさんが何か依頼を受けているような行動をしてなかった事を思い出す。
「ああ、俺の依頼は大丈夫だ」
何故かニヤリと笑うと…
「だって俺、お前達とパーティ組んだからな」
「「「はっ?」」」
私とベイカーさん、セバスさんがなんの事だと声を揃える。
「もううんざりしてたんだよなぁ~パーティに入ってくれって言われるの、でもめんどくせえ奴らとも組みたいなんて無いし、引き抜きとかもあればさらに条件突きつけられて声かけられるだろ?」
それはわかるが…
「だから、ベイカーと同じようにミヅキの世話って事でパーティ組めば誰も文句も言ってこないと思ってな!」
「俺たちに何も聞かないで勝手に組んだのか?」
ベイカーが呆れると
「だって問題ないだろ?」
「はぁ…あなたって人は…了承も無しに勝手にパーティなど組むのは違反行為ですよ」
セバスさんが呆れると
「違反行為!アランさん…どうなっちゃうの?」
私はどんな罰があるのかと聞いてみると
「うーん…この場合ベイカーさんとミヅキさんがアランを訴えれば彼のランク降格としばらくはボランティア行為で無償で働いて貰う事になるかと…」
「それ…今と変わんねぇな!」
アランさんがガハハと笑っている…
なんか笑い方がじいちゃんに似てきたなぁ…なんて思ってしまった…
「どうするミヅキ?アランさん訴えるか?」
ベイカーさんが真剣に聞いてくる。
「いや!訴えないよ!今までも一緒にいたし…この際いいんじゃないかな?」
あきらめにも似た感覚で仕方なしに笑うと
「どこまでも人に迷惑をかけて…」
セバスさんがもう諦めたようにため息をつく。
「じゃあアランさんは私達と依頼を受けてたって事になるんだね」
「あぁそうだ、行く前に受付の姉ちゃんに書類を出して申請してもらったぞ」
あー…もしかしてフレイシアさんに出てた用紙がそれか…
「あっ!もしかして私が笑ったから了承したと思われたのかな!?」
あの時の事を思い出すと
「そうだな!あの姉ちゃんも疑ってたけどミヅキが了承したんだぞって言ったら渋々判を押してくれた」
フレイシアさんごめんなさい…せっかく疑っていたのを私が笑顔で返したばっかりに…
「まぁでも問題ないだろ?」
アランさんが笑ってベイカーさんと私を見る…アランさんの屈託のない笑顔を見てるとどうでも良くなってくる。
「うん…もういいよ。でも誰がリーダーなの?」
アランさん?それともベイカーさん?
二人を見ると
「リーダーはベイカーにしておいた、本当はミヅキにしようと思ったんだがランクが高い奴じゃないとダメみたいでな」
「当たり前です!ミヅキさんをリーダーにしたら目立ってしょうがないでしょうが!」
セバスさんに怒鳴られて
「だからやめただろうが…」
やってもいないことで怒るなよと文句を言っている…
「でもよかったのか、ミヅキパーティなんて組んで」
「元からベイカーさんと組んでた様な感じだったしね。何か変わるの?」
「うーん…一応色々とルールはあるが…まぁ俺達なら今まで通りやっていけばいいだろ?報酬で揉めることも色恋で揉めることも無さそうだ」
【食い物では揉めそうだがな】
シルバが答えると
【ぶっ!確かに…特に三人はね】
私がシルバとベイカーさんとアランさんを見て笑うと
【そいつらと一緒にするなよ!】
シルバが気に入らないのかプイっと顔を逸らす…
「報酬は基本三等分するんだっけ?」
「そうだな、それが一番揉めないしいいだろ」
「うーん…よくわかんないからそこはベイカーさんに任せるね!」
「ミヅキは料理とかしてくれてるからな…割り切れない分はミヅキに乗せるんでいいよな」
ベイカーさんがアランさんに聞くと
「問題無い。俺の分半分やってもいいぞその代わり飯を好きなだけ食わしてくれ!」
「図々しい…ミヅキさんをメイドか何かと勘違いしているのですか?」
セバスさんが私をアランさんから隠すようにすると
「依頼に行く時は別にいいけど…毎日はやだなぁ…それじゃあアランさんが旦那さんみたいじゃん」
「それでもいいぞ」
アランさんが笑って言うと
ーゴン!
セバスさんとベイカーさんに頭を叩かれていた…
「いった…冗談に決まってるだろ」
アランさんは頭を押さえながら涙目になっていると
「パーティ組むなら名前を考えないといけないの?」
「そうですね…決まりはありませんが付けとけは色々と便利ですからね。名前も売れますし」
「えー!何にする!厨二っぽいのにしちゃう!」
なんか名前つけるとかワクワクするなぁ!
漆黒の何とか、戦慄のほにゃらら、強欲~紅蓮~何がいいかなぁ~
「あっ悪ぃもう名前つけちまった」
楽しみにしてたのに!もうつけただと!
「なんてのにしたんだ?」
ベイカーさんは気にした様子もなく聞くと
「食いしん坊万歳」
「「は?」」
「俺達と言えば食い物だろ?どうせならそっちを極めようぜ」
「何そのどっかで聞いた事ある名前…」
これはいいのか?
「名前はあとから変えることも出来ますから…でも一週間経つと一度パーティを解散してもう一度組んでいただくことになりますから気をつけてくださいね」
セバスさんが説明してくれる。
「でもとてもお似合いの名前だと思いますよ」
にっこりと笑われる…
そんながめついパーティなんか嫌だ…
私は絶対にパーティ名を変えようと心に誓った。
「おかえりなさい」
セバスさんが笑顔で出迎えてくれた、スッキリとした顔を見ると冒険者達の反省文を全て処理出来たようだ。
「セバスさ~ん」
疲れた私はセバスさんに駆け寄り抱きつく。
今はその綺麗で清潔感あるセバスさんの容姿に癒されたい…
「どうしたのですか?」
行きとは違い疲れた様子で帰ってきた面々にセバスさんが心配そうな顔を見せる。
「そんなに大変そうな依頼ではなかったはずですけど…」
私を抱き上げてベイカーさんとアランさんを見ながら聞いてくる。
「それが…ミヅキは蟲が苦手らしくて…」
蟲と聞いて嫌な記憶が蘇る!
思わず耳を塞ぎ、震えて怯える様子にセバスさんが苦笑する。
「本当にお嫌なんですね…それはこの依頼は大変でしたでしょう」
「依頼は俺たちが殺ったんだけど…その返り血を見ただけでパニックになってなぁ…セバスさん悪いがそれ系の依頼は今後無理かもしれん」
ベイカーさんが謝ると
「大丈夫ですよ。それに蟲が出たらアランさんに頼みますから」
「俺?」
アランがえっ…と自分を指さす。
「ええ、ちょうどいいでしょう?一人で殺れば誰にも迷惑かかりませんよ」
決定事項の様に笑っていると
「それはもう無理かもなぁ…」
アランさんが意味ありげに笑っていると…
「あれ?そう言えばアランさんの依頼は大丈夫だったの?」
私はアランさんが何か依頼を受けているような行動をしてなかった事を思い出す。
「ああ、俺の依頼は大丈夫だ」
何故かニヤリと笑うと…
「だって俺、お前達とパーティ組んだからな」
「「「はっ?」」」
私とベイカーさん、セバスさんがなんの事だと声を揃える。
「もううんざりしてたんだよなぁ~パーティに入ってくれって言われるの、でもめんどくせえ奴らとも組みたいなんて無いし、引き抜きとかもあればさらに条件突きつけられて声かけられるだろ?」
それはわかるが…
「だから、ベイカーと同じようにミヅキの世話って事でパーティ組めば誰も文句も言ってこないと思ってな!」
「俺たちに何も聞かないで勝手に組んだのか?」
ベイカーが呆れると
「だって問題ないだろ?」
「はぁ…あなたって人は…了承も無しに勝手にパーティなど組むのは違反行為ですよ」
セバスさんが呆れると
「違反行為!アランさん…どうなっちゃうの?」
私はどんな罰があるのかと聞いてみると
「うーん…この場合ベイカーさんとミヅキさんがアランを訴えれば彼のランク降格としばらくはボランティア行為で無償で働いて貰う事になるかと…」
「それ…今と変わんねぇな!」
アランさんがガハハと笑っている…
なんか笑い方がじいちゃんに似てきたなぁ…なんて思ってしまった…
「どうするミヅキ?アランさん訴えるか?」
ベイカーさんが真剣に聞いてくる。
「いや!訴えないよ!今までも一緒にいたし…この際いいんじゃないかな?」
あきらめにも似た感覚で仕方なしに笑うと
「どこまでも人に迷惑をかけて…」
セバスさんがもう諦めたようにため息をつく。
「じゃあアランさんは私達と依頼を受けてたって事になるんだね」
「あぁそうだ、行く前に受付の姉ちゃんに書類を出して申請してもらったぞ」
あー…もしかしてフレイシアさんに出てた用紙がそれか…
「あっ!もしかして私が笑ったから了承したと思われたのかな!?」
あの時の事を思い出すと
「そうだな!あの姉ちゃんも疑ってたけどミヅキが了承したんだぞって言ったら渋々判を押してくれた」
フレイシアさんごめんなさい…せっかく疑っていたのを私が笑顔で返したばっかりに…
「まぁでも問題ないだろ?」
アランさんが笑ってベイカーさんと私を見る…アランさんの屈託のない笑顔を見てるとどうでも良くなってくる。
「うん…もういいよ。でも誰がリーダーなの?」
アランさん?それともベイカーさん?
二人を見ると
「リーダーはベイカーにしておいた、本当はミヅキにしようと思ったんだがランクが高い奴じゃないとダメみたいでな」
「当たり前です!ミヅキさんをリーダーにしたら目立ってしょうがないでしょうが!」
セバスさんに怒鳴られて
「だからやめただろうが…」
やってもいないことで怒るなよと文句を言っている…
「でもよかったのか、ミヅキパーティなんて組んで」
「元からベイカーさんと組んでた様な感じだったしね。何か変わるの?」
「うーん…一応色々とルールはあるが…まぁ俺達なら今まで通りやっていけばいいだろ?報酬で揉めることも色恋で揉めることも無さそうだ」
【食い物では揉めそうだがな】
シルバが答えると
【ぶっ!確かに…特に三人はね】
私がシルバとベイカーさんとアランさんを見て笑うと
【そいつらと一緒にするなよ!】
シルバが気に入らないのかプイっと顔を逸らす…
「報酬は基本三等分するんだっけ?」
「そうだな、それが一番揉めないしいいだろ」
「うーん…よくわかんないからそこはベイカーさんに任せるね!」
「ミヅキは料理とかしてくれてるからな…割り切れない分はミヅキに乗せるんでいいよな」
ベイカーさんがアランさんに聞くと
「問題無い。俺の分半分やってもいいぞその代わり飯を好きなだけ食わしてくれ!」
「図々しい…ミヅキさんをメイドか何かと勘違いしているのですか?」
セバスさんが私をアランさんから隠すようにすると
「依頼に行く時は別にいいけど…毎日はやだなぁ…それじゃあアランさんが旦那さんみたいじゃん」
「それでもいいぞ」
アランさんが笑って言うと
ーゴン!
セバスさんとベイカーさんに頭を叩かれていた…
「いった…冗談に決まってるだろ」
アランさんは頭を押さえながら涙目になっていると
「パーティ組むなら名前を考えないといけないの?」
「そうですね…決まりはありませんが付けとけは色々と便利ですからね。名前も売れますし」
「えー!何にする!厨二っぽいのにしちゃう!」
なんか名前つけるとかワクワクするなぁ!
漆黒の何とか、戦慄のほにゃらら、強欲~紅蓮~何がいいかなぁ~
「あっ悪ぃもう名前つけちまった」
楽しみにしてたのに!もうつけただと!
「なんてのにしたんだ?」
ベイカーさんは気にした様子もなく聞くと
「食いしん坊万歳」
「「は?」」
「俺達と言えば食い物だろ?どうせならそっちを極めようぜ」
「何そのどっかで聞いた事ある名前…」
これはいいのか?
「名前はあとから変えることも出来ますから…でも一週間経つと一度パーティを解散してもう一度組んでいただくことになりますから気をつけてくださいね」
セバスさんが説明してくれる。
「でもとてもお似合いの名前だと思いますよ」
にっこりと笑われる…
そんながめついパーティなんか嫌だ…
私は絶対にパーティ名を変えようと心に誓った。
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