ほっといて下さい 従魔とチートライフ楽しみたい!

三園 七詩

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9章

476.嬉しい再会

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【ミヅキ、あいつらを連れてきたぞ】

一足早くシルバがポルクスさん達の村に近づくと声をかけてきた。

【シルバ!もう着いたの?早いねぇ~】

今から村の門に行くねと声をかけると

「ミヅキ、何処に行くんだ?」

トコトコ一人で何処かに行こうとする私にベイカーさんが声をかけた。

「シルバ達がルンバさん達連れてきてくれたみたいだから迎えに行ってくる!」

「なら俺も行くよ」

ベイカーさんがちまちま切っていた果実をテーブルに置くと

「いや、俺が行こう!これから世話になるからな改めて挨拶を…」

アランさんも包丁を置くと…

「大丈夫だから二人はちゃんと作業してて!シンク行こー!」

私はベイカーさん達に作業を続けさせるとシンクを呼んで一緒に門へと向かった。

シンクと門に着くとシルバが少し遠くで待っていた!

【シルバー!】

私はシルバに駆け寄るとシルバが嬉しそうに尻尾を揺らしている。

【お使いありがとう~!で?みんなは?】

周りを見るがいるのはシルバ以外は誰もいない。

【あいつらはもう少しかかるみたいだ。一人ビビってるやつがいてなぁ…プルシアがゆっくり飛んでいるんだ】

【えー?誰だろ?ルンバさんは平気そうだしリリアンさんが妊婦さんだから気を使ってくれてるのかな?】

【そこも気をつけているがあと二人いるぞ】

【ムツカはそんな事で驚かなそうだしなぁ~】

【男が一人付いてきた】

【ポルクスさんの代わりに誰か雇ったのかな?料理人なら来てくれると助かるなぁ】

そんな話をしていると…

【おっ来たようだ】

シルバがピクッと耳を動かし空を見上げる。

私もシルバが見つめる先を見ると青く輝くドラゴンが籠を持って飛んできた。

【あっプルシア!】

【ミヅキ、シルバはもう着いていたのか】

プルシアがゆっくりと地面に降り立つと

【ミヅキー!】

コハクがくるんと回りながら天狐の姿で飛び出してくる。

私はコハクを受け止めると

【コハクお疲れ様!】

コハクを褒めていると

「ミヅキ様ー!」

ムツカがコハクのように飛び出してくる!

「ムツカー!」

久しぶり会うムツカと抱き合った!

「なんかムツカもちょっとお姉ちゃんになった?」

「むぅ!ミヅキ様とそんなに変わらないのに!」

ムツカのほっぺたがプクッと膨れると…

「ミヅキ、久しぶりだな」

「ミヅキちゃん…元気だったかい?」

ルンバさんとリリアンさんが笑いながら一緒に降りてきた、ルンバさんが気遣うようにリリアンさんの手を掴んで付き添っている。

リリアンさんのお腹は別れた時よりもだいぶ大きくなっていた!

「ルンバさん!リリアンさん!」

私がそばに行くと…

「ミヅキも大きくなったな」

ルンバさんがポンッと私の頭を撫でるとリリアンさんがよいしょとかがみ込む。

「リリアンさん!大変だから!」

私が止めようとすると…

「いいから抱っこさせて…」

リリアンさんがギュッと私を包み込んだ。

「リリアンさん…」

「おかえり…いつでも帰ってきていいのに、全然来ないんだもん」

リリアンさんが眉を下げながら笑って見つめる。

「うん…ベイカーさんもいるしそんなに寂しくなかったよ!でも会えて嬉しい」

私もリリアンさんに抱きついた。

ギュッとリリアンさんに抱きつくと私はパッと離れる。

「ありがとうリリアンさん!元気出たよ!」

リリアンさんはルンバさんに支えられて立ち上がると満足そうに笑っていた。

「すみません…いい雰囲気のところ申し訳ないですが…出てもいいですか?」

最後に見たことない男の人が籠の中から出てきた。

私が誰だと見ていると

「ミヅキちゃん、この人はポルクスさんの代わりにドラゴン亭で働いてくれてるネイトくんよ」

リリアンさんが紹介してくれる。

「ネイト、この子がミヅキだ」

ルンバさんに紹介されネイトさんは私を見下ろすと…

「えっ!ミヅキちゃんてこんなに小さい子なんですか!?ムツカちゃんと変わらないじゃないですか!」

ネイトさんが驚いて私を指さすと…ベシッ!

ルンバさんがネイトさんの手をたたき落とす。

「指を指すな、どんなに小さい子でもこの子がミヅキなんだ」

「よ、よろしく。ネイトです…ミヅキちゃん…さんの事はルンバさん達から常々聞いてました…お会いできて嬉しいです」

ネイトさんがペコッと頭を下げる。

「初めましてネイトさん、そんなにかしこまらないで下さいよ!ルンバさんいったい何言ったの?」

私が困った顔でルンバさんを見ると

「何って本当の事しか言ってないぞ?ハンバーグを作ったり、プリンを考えたり、王都の店を繁盛させた事だよ」

「いやあれはみんなの力があってこそだよ!あー…ルンバさんのハンバーグって聞いたら食べたくなってきた!ルンバさん作ってくれる?」

私がお願いとルンバさんの足を掴むと

「凄い…ルンバさんの強面に恐れることなく話してる!俺だって慣れるのに何日もかかったのに…」

「何言ってるの、ミヅキちゃんは初めて会った時からあの人にあんな感じよ」

「マジっすか!すげぇなぁ…」

楽しそうにルンバと話してるミヅキを見つめた。

「ふふ…あの人も楽しそう」

「本当にですね、あんな顔ムツカちゃんとリリアンさんぐらいにしか見せないですからね」

「じゃあ早速ポルクスに会いに行くか、挨拶をしたら料理を手伝うぞ」

ルンバさんが私を右肩に乗せてムツカを左肩に乗せて歩き出す!

「本当に!ルンバさん大好き!」

私がルンバさんの頭に抱きつくと

「ムツカも!ムツカもお手伝いするよ!」

「ありがとう!ムツカにも期待してるね!」

ムツカを見ると期待されて嬉しそうにムフ!と鼻を膨らませていた。

「それにネイトもしっかりと使っていいからな」

「えっ!俺もですか?」

ネイトさんが声をあげると

「なんの為に連れてきたと思ってるんだ?」

ルンバさんが振り返ると

「結婚式で美味しいご飯が食べれるのかと…あと綺麗な花嫁さんもみたいです」

「両方できるよ!だから料理たくさん作りましょうね!」

私が笑いかけると

「は、はい!」

ネイトさんが姿勢を正した。

「そう言えばセバスさん達は呼ばなくて良かったのかしら」

リリアンさんが聞くと

「うん…会いたかったけどセバスさん達はお仕事忙しいだろうから…ポルクスさんの結婚式に呼んでも迷惑かと思って…」

私が言うと

「ミヅキちゃんに会えるなら喜んで来そうだけどね」

「でも結婚式終わったら真っ先に会いに行くよ!それまで我慢するんだ!」

「ならよかった…セバスさんたちも首を長くして待ってるからね」

「そっか…」

セバスさん達の喜ぶ顔を思い浮かべてなんだか嬉しくなった。
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