ほっといて下さい 従魔とチートライフ楽しみたい!

三園 七詩

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12章

472.準備

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目を腫らしてイチカがエミリーさんと戻って来ると…

「イチカ…おい!母さん!イチカに何言ったんだ!」

ポルクスがイチカを抱き寄せて母親を睨む!

「俺なら何言ってもいいがイチカを泣かせるのはやめてくれ!」

「ポルクスさん…」

イチカが恥ずかしそうにポルクスの服を引っ張ると

「おかあさんはとっても優しい方でした。これは嬉しくて…」

そっと目を押さえると…

「えっ…そうなの?」

ポルクスが目線を戻すと…そこにはニヤニヤと笑う母親がいた。

「ふーん…どうやらちゃーんと両思いのようだね!いいかい!ポルクス!イチカちゃんを大事にしなきゃ私が許さないからね!」

「言われなくてもわかってる…」

ポルクスはグッとイチカを抱き寄せた。

「ポルクスさん!かっこいい!」

私がヒューヒュー!と口笛を吹くと村人達から拍手がおきる!

「おめでとう!」

「ポルクスおめでとう!」

「イチカちゃん、ポルクスをよろしく」

みんなから祝福され嬉しそうなイチカに私は満面の笑みを浮かべた。

「よし!じゃあイチカちゃんとポルクスの結婚を祝ってお祝いをしよう!」

村人が提案すると…

「賛成ー!沢山料理を作って結婚式を挙げよう!」

私が兼ねてから計画していた事を言う!

「いいねぇ!じゃあ早速明日…は準備が間に合わなそうだから、明後日この村で盛大に結婚式だ!」

『おおぉ!』

驚くイチカ達を他所に私達は準備に取り掛かった!


「料理はポルクスさんも手伝ってね」

ミヅキがポルクスさんのそばに行くと

「自分の結婚式に自分で作るのかよ…」

「まぁそこは料理人の宿命かな?とりあえず一品で許してあげよう!お母さんに何か作ってあげなよ」

「わ、わかった…」

ポルクスさんが頷く。

「あとは…」

【シルバとプルシアとコハクにお願いがあるんだけど…】

私が声をかけると

【なんだ?】

【なぁに?】

【どうしたんだ】

プルシア達の声だけが帰ってくると…

【この先に私達の町があるんだけど、そこに行ってルンバさんとリリアンさん達連れてきてくれないかな?】

【ルンバとリリアンだね!わかるよ!】

【シルバは道案内お願い出来る?シルバなら町の人達が覚えてると思うからそのまま入れると思うんだよね】

【まぁ大丈夫だろ】

【あと!これ大事だよ!リリアンさんは妊婦さんだから丁重に扱ってね!無理そうなら連れてこなくていいからね!】

【わかった…】

【コハクは人になって説明してくれる?ポルクスさんが結婚式するから来てくださいって】

【ポルクス、けっこん…きてくれ!うん!だいじょうぶ!】

自信満々に答える。

【じゃあお願いね!】

頼むと高台にいたプルシアが飛び立って行くのが見えた。

【あっ!プルシア待って!籠渡すの忘れた!戻ってこれる?】

【ああ…そこに入れて連れてくるんだな?】

【そうそう!】

ミヅキはキョロキョロと周りを確認すると暇そうにしているアランさんが目に入った!

「アランさんお願い!これプルシアが空に来たら飛ばしてくれる?」

私はプルシアの籠を出すとアランさんに投げ飛ばしてくれるか頼む。

「ああ、いいぞ」

アランさんは籠を掴むと

【プルシア!アランさんが飛ばすから空中でキャッチしてね!】

【わかった】

プルシアが近づいて来るとアランさんが目掛けて籠を飛ばす!

上手くプルシアの前に行くと…ガシッとしっかりとプルシアがキャッチした。

そのまま旋回してプルシアは待っているシルバとコハクの元に向かった。

【よろしくね~!】

シルバ達に手を振ると…

「あいつらどこに行くんだ?」

騒ぎにベイカーさんがそばに来た。

「プルシア達にルンバさんとリリアンさんを連れてきてもらおうと思って。ポルクスさんの結婚式見たいだろうから」

「ああそうだな喜びそうだな」

ベイカーさんが頷く。

「ルンバさんが来るまで料理を進めないと!ベイカーさんとアランさんも手伝ってよ!」

「えー!俺達もか?俺は料理なんて出来ないぞ…」

アランさんが顔をしかめると

「大丈夫!アランさん達にピッタリの仕事があるからね!」

私は二人の逞しい腕を見て笑った。


「もっと力込めて頑張って!」

私は腕を動き続けるアランさんとベイカーさんにエールを送る!

「まだやるのか?」

ベイカーさんが文句を言うと

「口を動かす前に手を動かして!」

「はい…」

シャカシャカと音が響く。

「もっと空気を含ませるように混ぜて!」

「はい!」

「うん!もったりしてきたね。じゃあここに小麦粉を降って入れて今度は切るように混ぜてね。混ぜすぎちゃ駄目だよ!」

「おう…」

アランさんがちっちゃくなりながら慎重に混ぜていく。

「ミヅキ…コレでどうだ?」

今度はベイカーさんが呼んでくる。

「待って~」

ベイカーさんが混ぜていたものを見せると

「ちょっと泡立て器をあげて見て!角が立てば大丈夫!」

ベイカーさんが上げるとしっかりと角が立っていた。

「角ってなんだ?どこに立つんだ?」

ベイカーさんはわけがわからずに自分が泡立てた中身を凝視する。

「そのクリームが形を崩さないで立ってるでしょ?それを角が立つって言うの」

「ほぉー、じゃあコレで終わりか?」

「ううん!これはできるかのテスト!今度はこの五倍の量を泡立ててね!」

「えっ…」

私は大きな器に生クリームを流し込む…さとうを入れて周りに氷をセットすると

「はい!頑張って!」

ベイカーさんに笑顔で渡した。

「ミヅキ!俺は混ぜたぞ、コレで終わりだろ?」

「アランさんお疲れ様!これをあと五回繰り返してね!」

私が卵とさとうを入れた器を渡す。

「えっ五回?ベイカーみたいに合わせて一回でとかでもないの?」

「お菓子は分量が大切だしこれを五個焼きたいから五回で!」

ずいとアランさんに渡すと

「セシルバリにこき使われるんだけど…」

アランさんがボソッとつぶやくと

「なぁに?セシルさんに頼んで王都に戻る?」

私がにっこりと笑うと

「混ぜさせていただきます…その代わり俺は食うからな!」

「それはもちろん!二人が捕った魔物の肉も沢山使うからね」

「それは楽しみだな!」

アランさんがやる気を見せたところで私はスポンジを焼く準備を始めた。

【シンク~今日はちょっと火の調節難しいんだけど…大丈夫かな?】

私はシンクを呼ぶと

【どうすればいいの?】

【鍋でケーキを焼くから弱い火で一定の温度でキープして欲しいんだ】

アランさんが混ぜてくれた生地を流し込んだ容器をいれる。

【なるべく弱い火で20分くらい焼いてみて!】

【弱火だね!】

シンクが火の勢いを消していく。

【うーん…やっぱり強くする方が得意だなぁ】

【そうなの?】

私が隣で様子を見ていると

【うん!一気に燃えあげる方が楽だよね】

【シンクは本気になればどのくらい火が出るの?】

【そうだなぁ…王都は軽く火の海にできると思うよ!】

可愛い笑顔でそんな事を言われる…

【そ、そっか…あんまりやらないでね】

【当たり前だよ~ミヅキがお願いするならいつでもやってあげるからね!】

あんまりにも可愛い仕草で言うもんだから思わずありがとうとお礼を言ってしまった…。

お願いは絶対言わないようにしようと心に決めた。
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