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8章
458.ディアナとアラン
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「ディアナ様、ベイカーの話が聞きたいんですか?」
アランが爽やかに微笑むと
「うっ…そ、そうですね…素敵な方ですし…ちょっと興味あります」
「お、おい!」
ベイカーが二人を止めようとすると
「ベイカーさん!ちょっと!」
タイミング悪くマルコさんがベイカーを呼ぶ。
「ベイカー!行ってこいよ俺はここでディアナ様を見てるから」
「くそ!余計な事言うなよ!」
ベイカーが行くのを渋っていると
「ほら行った行った!マルコさんが待ってるぞ」
アランがシッシッとベイカーを追いやる。
ベイカーが二人を気にしながら急いでマルコさんの元に向かうと…
「さて、邪魔者はいなくなりましたし…お前…誰だ?」
先程までにこやかに笑っていたアランの顔がガラリと変わり…険しい顔でディアナを睨みつけた。
「えっ…」
あまりの変わりように驚くと
「あいつがミヅキをそばに置きながら他の女にうつつを抜かすわけないんだよ…お前なんかしただろ?」
アランは腰の剣に手を伸ばす。
「えっ…ベイカーさんもしかして我慢してるの…」
自分のせいでベイカーが他の事を我慢しているかもしれないと聞いて悲しそうな顔をする。
アランは思っていた反応と違って少し戸惑うと…
「い、いや…我慢はしてねぇよ。あいつが好きでミヅキの世話をしてるんだ」
「本当に?」
ディアナが不安そうな顔でアランを見つめる。
「あ、ああ…」
その言葉にホッとして
「よかった…」
笑いながら呟いた…。
「なんだ?お前…いえあなたは…」
アランが訝しげにディアナを見つめる。
「アラン隊長…ありがとう」
ディアナは嬉しそうにお礼を言った。
「やっぱりどこかであったことあるか?」
アランはもう一度じっとディアナを見つめる…その手はもう剣から離れていた。
「どうかな?」
ディアナがアラン隊長に微笑むと
「こんな綺麗な女、一度会ったら忘れるわけないんだけどなぁ…」
アランはディアナに近づいて行く。
「アラン隊長?」
いつものヘラヘラとした顔でなく真剣な眼差しで近づいてくるアラン隊長にディアナは戸惑っていると
「緊張してるのか?」
アランはクスッと笑ってディアナの首筋に触れようとする。
ディアナはサッと身をよじってかわした。
「ア、ア、アラン隊長!」
ディアナは動揺して顔を真っ赤にすると
「ベイカーはすげぇ良い奴だ。今は可愛いコブ付きだがお前ならコブ事包んでくれそうだな」
「コブ?」
ディアナがなんの事だと首を傾げると
「大変失礼な態度を取り、申し訳ありませんでした。あなたの事を誤解していました…これからはベイカーとこの身に変えてあなたをお守りします」
胸に手を当ててスッと頭を下げた。
「アラン隊長…騎士見たい…」
いつもとは違うキリッとしたアラン隊長にディアナはぼーっと見つめた。
「そうですね。今だけはあなたの騎士ですよ」
アラン隊長がニコッと笑いかけるとディアナは耐えられなくなり口を抑えて吹き出す。
「ふふ…アラン隊長あそこ見て」
ディアナはこいこいとアラン隊長を呼ぶと隙間から生徒たちが並んでる会場を指さす…そこにはシルバとミヅキに扮したコハクが大人しく端にギース達と並んでいた。
「ミヅキ?」
アランはじっとミヅキを見つめると…
「あっ!あれコハクか!って事は…お前まさかミヅキか?」
「ピンポーン!」
ディアナは笑ってアラン隊長の腕にギュッと抱きついた!
「まじか…なんか変だとは思ってたがミヅキかよ…」
「アラン隊長もちゃんとお仕事するんだね!なんか真面目な顔をしてたからびっくりしちゃったよ」
ディアナがクスクスと笑うと
「確かに見た目は違うが中身はミヅキだな…だからしった感じだったのか…あっ!もしかして陛下は知ってるのか!」
「もちろん!」
「あのクソオヤジ…」
「こら!自国の国王になんて事言うの!」
アランはジト…っとディアナを見つめると
「やっぱり親に似るんだな…」
「えっ?何?」
ディアナが聞き取れずに聞き返すと
「なんでもねぇよ、しかしなんで黙ってたんだよ」
まだ納得いかずにブツブツと呟いていると
「なんか面白そうだから」
悪びれる事なく答えると
「ギルバート王もそう言ってたしね!」
ニカッと笑うと、アランが一瞬目を見開き…
「そうやって笑うとやっぱりミヅキだな」
「そう?」
「しかし、その姿…悪くねぇな」
アランはじっと見つめながらディアナに近づく…
「アラン隊長?」
ディアナが様子のおかしなアラン隊長に声をかけると
「ミヅキ今度その姿で俺とデートしないか?楽しませてやるぞ…子供では行けないところに案内してやるよ…」
いつもとは違う色っぽい顔でディアナの腰を掴むとグイッと自分に近づける。
「あ、あぁぁぁ」
狼狽え変な声を出してしまう。
アラン隊長が…まさか本気に?どうしようと戸惑っていると
「ぶっ!なんだその顔は!見た目大人でもまだまだだな!」
「あっ!からかったな!酷い!」
眉を顰めてアラン隊長を睨みつける!
「お互い様だろ」
可笑しそうにいつもの様に笑うアラン隊長に少しホッとして自分も笑ってしまった。
「なんだ?もしかしてばらしたのか?」
笑い合っている二人に戻ってきたベイカーが声をかける。
「あっベイカーさんごめん、バラしちゃった」
ディアナがペロッと舌を出す。
「あーあ、ギルバート王になんて言うんだよ!」
「それだけど、こっちから騙してやらないか?」
アランがベイカーとディアナに笑いかける。
「えー国王騙していいの?不敬罪にならない?」
「いや、ミヅキなら大丈夫だろ!こんなに国に貢献してるし今お前に逆らおうなんて馬鹿な事するやつは王宮にはいないよ」
「でも…仕えてるアラン隊長は不味くない?」
ディアナが心配そうにアラン隊長を見つめた。
アランが爽やかに微笑むと
「うっ…そ、そうですね…素敵な方ですし…ちょっと興味あります」
「お、おい!」
ベイカーが二人を止めようとすると
「ベイカーさん!ちょっと!」
タイミング悪くマルコさんがベイカーを呼ぶ。
「ベイカー!行ってこいよ俺はここでディアナ様を見てるから」
「くそ!余計な事言うなよ!」
ベイカーが行くのを渋っていると
「ほら行った行った!マルコさんが待ってるぞ」
アランがシッシッとベイカーを追いやる。
ベイカーが二人を気にしながら急いでマルコさんの元に向かうと…
「さて、邪魔者はいなくなりましたし…お前…誰だ?」
先程までにこやかに笑っていたアランの顔がガラリと変わり…険しい顔でディアナを睨みつけた。
「えっ…」
あまりの変わりように驚くと
「あいつがミヅキをそばに置きながら他の女にうつつを抜かすわけないんだよ…お前なんかしただろ?」
アランは腰の剣に手を伸ばす。
「えっ…ベイカーさんもしかして我慢してるの…」
自分のせいでベイカーが他の事を我慢しているかもしれないと聞いて悲しそうな顔をする。
アランは思っていた反応と違って少し戸惑うと…
「い、いや…我慢はしてねぇよ。あいつが好きでミヅキの世話をしてるんだ」
「本当に?」
ディアナが不安そうな顔でアランを見つめる。
「あ、ああ…」
その言葉にホッとして
「よかった…」
笑いながら呟いた…。
「なんだ?お前…いえあなたは…」
アランが訝しげにディアナを見つめる。
「アラン隊長…ありがとう」
ディアナは嬉しそうにお礼を言った。
「やっぱりどこかであったことあるか?」
アランはもう一度じっとディアナを見つめる…その手はもう剣から離れていた。
「どうかな?」
ディアナがアラン隊長に微笑むと
「こんな綺麗な女、一度会ったら忘れるわけないんだけどなぁ…」
アランはディアナに近づいて行く。
「アラン隊長?」
いつものヘラヘラとした顔でなく真剣な眼差しで近づいてくるアラン隊長にディアナは戸惑っていると
「緊張してるのか?」
アランはクスッと笑ってディアナの首筋に触れようとする。
ディアナはサッと身をよじってかわした。
「ア、ア、アラン隊長!」
ディアナは動揺して顔を真っ赤にすると
「ベイカーはすげぇ良い奴だ。今は可愛いコブ付きだがお前ならコブ事包んでくれそうだな」
「コブ?」
ディアナがなんの事だと首を傾げると
「大変失礼な態度を取り、申し訳ありませんでした。あなたの事を誤解していました…これからはベイカーとこの身に変えてあなたをお守りします」
胸に手を当ててスッと頭を下げた。
「アラン隊長…騎士見たい…」
いつもとは違うキリッとしたアラン隊長にディアナはぼーっと見つめた。
「そうですね。今だけはあなたの騎士ですよ」
アラン隊長がニコッと笑いかけるとディアナは耐えられなくなり口を抑えて吹き出す。
「ふふ…アラン隊長あそこ見て」
ディアナはこいこいとアラン隊長を呼ぶと隙間から生徒たちが並んでる会場を指さす…そこにはシルバとミヅキに扮したコハクが大人しく端にギース達と並んでいた。
「ミヅキ?」
アランはじっとミヅキを見つめると…
「あっ!あれコハクか!って事は…お前まさかミヅキか?」
「ピンポーン!」
ディアナは笑ってアラン隊長の腕にギュッと抱きついた!
「まじか…なんか変だとは思ってたがミヅキかよ…」
「アラン隊長もちゃんとお仕事するんだね!なんか真面目な顔をしてたからびっくりしちゃったよ」
ディアナがクスクスと笑うと
「確かに見た目は違うが中身はミヅキだな…だからしった感じだったのか…あっ!もしかして陛下は知ってるのか!」
「もちろん!」
「あのクソオヤジ…」
「こら!自国の国王になんて事言うの!」
アランはジト…っとディアナを見つめると
「やっぱり親に似るんだな…」
「えっ?何?」
ディアナが聞き取れずに聞き返すと
「なんでもねぇよ、しかしなんで黙ってたんだよ」
まだ納得いかずにブツブツと呟いていると
「なんか面白そうだから」
悪びれる事なく答えると
「ギルバート王もそう言ってたしね!」
ニカッと笑うと、アランが一瞬目を見開き…
「そうやって笑うとやっぱりミヅキだな」
「そう?」
「しかし、その姿…悪くねぇな」
アランはじっと見つめながらディアナに近づく…
「アラン隊長?」
ディアナが様子のおかしなアラン隊長に声をかけると
「ミヅキ今度その姿で俺とデートしないか?楽しませてやるぞ…子供では行けないところに案内してやるよ…」
いつもとは違う色っぽい顔でディアナの腰を掴むとグイッと自分に近づける。
「あ、あぁぁぁ」
狼狽え変な声を出してしまう。
アラン隊長が…まさか本気に?どうしようと戸惑っていると
「ぶっ!なんだその顔は!見た目大人でもまだまだだな!」
「あっ!からかったな!酷い!」
眉を顰めてアラン隊長を睨みつける!
「お互い様だろ」
可笑しそうにいつもの様に笑うアラン隊長に少しホッとして自分も笑ってしまった。
「なんだ?もしかしてばらしたのか?」
笑い合っている二人に戻ってきたベイカーが声をかける。
「あっベイカーさんごめん、バラしちゃった」
ディアナがペロッと舌を出す。
「あーあ、ギルバート王になんて言うんだよ!」
「それだけど、こっちから騙してやらないか?」
アランがベイカーとディアナに笑いかける。
「えー国王騙していいの?不敬罪にならない?」
「いや、ミヅキなら大丈夫だろ!こんなに国に貢献してるし今お前に逆らおうなんて馬鹿な事するやつは王宮にはいないよ」
「でも…仕えてるアラン隊長は不味くない?」
ディアナが心配そうにアラン隊長を見つめた。
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