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8章

454.創立記念日

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「おはようございます」

マルコさんが朝から爽やかにミヅキに挨拶をしに来た…。

「おはようございます…マルコさん早いですね…」

ミヅキが朝ごはんを食べながら答えると

「今日はミヅキさんの学校を創立する日ですからね!」

「はぁ…やだなぁ…挨拶とか嫌いだよ」

ミヅキがため息をつく…

「ああいう挨拶ってお偉いさんの話が一番つまんないよね~」

「そうか?話なんて聞いた事あんまりないからな」

「俺も!ミヅキの挨拶楽しみだ!」

「僕も!ミヅキ大人になるんでしょ?」

「ミヅキ様の成長した姿が見れるなんて感激です!」

「楽しみ~!ミヅキ様頑張って下さいね!」

リュカ達が嬉しそうに次々に声をかける。

ミヅキは複雑な気持ちで頷いた…

「そうそう!衣装も用意しましたから!」

ライラが真っ白なドレスを持ってくる…

「えっ…でも衣装あんまり意味ないと思うけど、コハクが幻覚で見せてくれるし…」

「コハクちゃんには是非この衣装を大人用にして表現して欲しいんです!」

ライラ達がミヅキに詰め寄る!

【コ、コハク!】

ミヅキがコハクに助けを求める!

【ん?いいよーそのしろいかっこうにすればいいんだよね?】

「コハクちゃん!ちょっとミヅキ様を大人にして見せてくれない?色々と確認してみたいの」

コハクがチラッとミヅキをみると、ミヅキは仕方なさそうに頷いた。

「じゃあ着替えてくるから待っててね」

ミヅキはライラ達に服をもらうと白いドレスに着替えてくる。

【じゃあコハクよろしくね】

【はーい!】

コハクがミヅキに幻覚をかける…ミヅキの姿がモヤに包まれるとそこには美しい白いドレスを身にまとった女性が立っていた。

「すごい…」

「想像以上です…」

ライラ達がうっとりと見つめる…

「ほ、本当にミヅキなのか?」

一緒に見ていたギースが声をかける。

「ギースさん見てたでしょー」

ギースに向かってニコッと微笑むとギースが目を見開く。

「本当に大人の女性にしか見えないな…すごい!」

「いや本当にミヅキさん素晴らしいです!これならあのうるさい人達にきっちり言ってやれます!」

マルコさんが嬉しそうにミヅキを見ていると

「マルコさん!ミヅキ様じゃなくてディアナ様ですよ」

「ああ!そうですね!すみませんでしたディアナ様…では私は学校にいって開校の準備をしておきます。式は午後からの予定ですので皆さんでゆっくり来てくださいね!」

「わかりました…挨拶それまでに考えないと…まぁおめでとうございますとかでいいか」

【じゃあコハク本番でもよろしくね】

ミヅキがコハクに声をかけるとコハクが頷いて幻覚を解く。

「ああ…」

いつものミヅキに戻るとギース達からため息が漏れた…

「ミヅキ様!とっても素敵でした!」

変化を解いたミヅキにみんなが駆け寄る!

「大人になるとまた違うな!かっこよかったぞ!」

「うん、今のミヅキも可愛いけど大人のミヅキは綺麗でしたね」

リュカやテオが素直にミヅキを褒める。

「ありがとう~みんなそんなに気を使わなくてもいいのに」

ミヅキが苦笑していると…そんなミヅキに

「はぁ…ミヅキはわかってないね」

「まぁそんなところがいいんですけどね」

リク達がコソコソと話していると後ろでは大人達が心配そうにしていた…

「でもあんな綺麗な女性をみたらまた変なちょっかい出されるんじゃないか?」

ギース達がテリー達に声をかける。

「でも実際はいない女性だからな、手を出しようがないだろ」

「それもそうか」

少しほっとする。

「それに…手を出して後悔するのは向こうだしな」

「言えてる…」

「実際俺腕無くなったしな!」

ギースが笑うと…

「それ言って笑うのお前だけだからな…」

ビリーが呆れながらギースを見つめる。

「そ、そうか?」

ギースが自分の腕をさすると

「デボットさんはわかるよな!」

ギースがデボットに話を振る。

「まぁな…俺達は運が良かったんだろうな。普通ならあのまま消されてるだろうからな…」

「今やミヅキの周りは恐ろしいやつばかりだからな…」

デボット達は楽しそうに話しているミヅキ達を見つめた…。

「じゃあ俺達も用意しようぜ、恐ろしいみんなの入学式だからな」

「そうだな」

デボットはベイカーの方を見ると

「ベイカーさんはミヅキの護衛をよろしくお願いしますよ」

「おお!任せておけ」

「ベイカーさんと一緒にいたらミヅキだって怪しまれないか?」

「ベイカーさんはA級冒険者だから、依頼で頼んだ事にしとけばいいんじゃないか?」

「おっ!それいいな!聞かれたらそういう事にしておこう」

デボットとレアルがミヅキにベイカーの事を説明しておくと

「じゃあベイカーさんと近くにいられるんだね」

ミヅキが嬉しそうにベイカーを見る。

「なんだ?嬉しそうだな」

ベイカーがニヤッと笑うと

「だってベイカーさんがそばにいてくれたら安心だし…」

ミヅキは恥ずかしそうに頬を染めた。

「今日はやけに素直で可愛いな」

ベイカーがミヅキの頭を撫でると

「もう!いつも素直で可愛いでしょ!」

【ベイカーがいるなら俺も近くで守るぞ!】

シルバがベイカーとミヅキの間に割ってはいる!

【シルバも守ってくれるの?ありがとう】

ミヅキがシルバに抱きつくと

「シルバはなんか言ってるのか?」

「ベイカーさんと一緒にそばで守ってくれるって!」

「いや…それはやめた方がいいだろ」

デボットとレアルが渋い顔をすると

【なんでだ!】

シルバが納得いかずに吠える!

「なんで?」

ミヅキが聞くと

「大きな黒い獣といつも一緒にいる女の子…ってミヅキは有名だぞ…そのシルバと一緒にいたら勘のいい奴は気がつくかもしれないだろ」

「しかもそこにベイカーさんも加わったら…まさにミヅキを連想しそうだからな」

「そっか…だってシルバ。今回は離れて見守っててね」

「それなんだがミヅキがいなくても怪しいから、出来たらコハクにミヅキに変化して欲しいんだよ。それでシルバのそばにいてくれればミヅキと幻覚のディアナを結びつけるのが難しくなるからな」

「おー!なるほど!コハクとシルバもそれでいい?」

【うっうう…それでミヅキが助かるならしょうがない…でもそれなら近くにはいるからな!】

ミヅキがシルバの言葉を伝えると

「それはいいな、近くにいる方が違う人と認識されやすいだろ」

シルバはミヅキの近くに入れることでやっと納得した。


ミヅキ達は早々に用意をすると…

「じゃあ行くか、ミヅキとコハクもここからもう幻覚を使って行けるか?」

「えっ?もうここから変化するの?」

「学校でだとどこで見られているか分からないからな、出来ればここからがいいだろ」

「わかった、じゃあコハクちょっと長いけど頑張ってね」

【うん!】

コハクが笑顔で答えると

【終わったらまた油揚げの料理作ってあげるね!】

ミヅキの言葉にコハクは俄然やる気になった!

【いくよ!】

コハクはクルンと一回転するとそこにはミヅキがスタッと着地する!

「「「「おお!」」」」

「ミヅキ様そっくり!」

「いつ見てもミヅキに瓜二つだなぁ」

「つぎはミヅキね!」

コハクがミヅキに笑いかけると…ミヅキの姿が揺らめき大人の女性に変わる。

「やっぱり素敵です~」

ライラ達がうっとりと見つめる…

「よし、じゃあミヅキはシルバの上に乗って…ディアナ…様は俺の後ろを歩いてろ」

ベイカーがディアナに声をかけると

「よろしくお願いします」

ディアナはニコッと微笑んだ。
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