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8章
446.セシルの料理
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「どうぞ…」
セシルが部屋の扉を開けるとミヅキ達が様子を伺いながら部屋へと入る、セシルの部屋は可もなく不可もなく…綺麗とも言えず汚いとも言えない部屋だった…。
「つまんねぇ部屋だな」
ベイカーが思わず呟いた。
「それ…アラン隊長にも言われました…だから入れたくなかったんだ…」
セシルがガックリと肩を落とす。
「ま、まぁ汚いよりいいよ!」
ミヅキがフォローすると
「ミヅキ…本当にそう思ってるのか?」
ベイカーが怪しむ様に見つめると
「いや…」
ミヅキが顔を逸らした…
「ミヅキちゃん…」
セシルがショックを受けると
「だ、だって…褒めるところも貶す所もないんだもん…だらしなければしょうがないなって片付けたくなるし…綺麗なら褒めようもあるけどね…」
乱雑に置かれた書類や脱ぎっぱなしの籠に積まれた服を見る…
「一応一箇所にまとまってるし…服も脱ぎっぱなしだけど床に置いてあるわけじゃ無いし…うん!普通だね!」
「ならいっそアラン隊長見たく部屋を散らかして見ようかな…」
「それは…セシルさんにはオススメしないなぁ…人には向き不向きがあるしね、セシルさんならあとちょっと掃除頑張るくらいがいいよ」
「アラン隊長の世話が無くなったら努力します…」
「よし!その為にもアラン隊長が絶対気に入るご飯を作るぞ!」
ミヅキはセシルさんの部屋についている厨房に行くと…
「狭いけど…まぁ何とかなるね!じゃあまずは肉!」
ミヅキはオークの肉を取り出すと
「まずはこれを薄ーく切ります!セシルさん頑張ってね」
「薄くだね、切るのは得意だよ」
セシルがミヅキに習って肉を薄く切る。
「今回はオークだけどミノタウロスとかの肉でも美味しいからね」
「オーク肉…ミノタウロス肉でも美味しい…」
セシルは紙にミヅキから言われた事を記入していく…
「それとご飯を炊いておくよ、火の加減はシンクをよく見ておいてね」
【シンクお願いね】
【任せてよ!】
セシルさんはシンクが米を炊くのをメモ帳片手に真剣に眺める。
「ご飯が炊けたら俵型におむすびを作って粗熱を取っておいてね」
「粗熱…」
「ご飯を冷ましておくって事だよ、今回は時間が無いので風魔法で冷ましまーす。はいこちらが冷めたおむすびになります」
「おむすび冷ましちゃうの?」
セシルがおむすびを握りながら聞くと
「後で温めるから大丈夫だよ」
ご飯を全ておにぎりにして冷ますと
「このおむすびに薄切りに切ったお肉を巻いて行きます」
「えっ…生だけど…さすがのアラン隊長も生には腹壊すんじゃ…いや、あの人なら大丈夫か」
「いや、さすがにこの後火を通すから大丈夫だよ」
ミヅキが苦笑する…
お肉を巻ききると、シルバがじっと見つめる…
【シルバ…どうしたの?】
【これもう食っていいのか?】
シルバがジュルルとヨダレを垂らす。
【だからこれ生だから!あっ…シルバは生でも大丈夫なのか…】
【そうだぞ!だから一口くれ!】
【うーん…味ないんだけどなぁ…】
ミヅキは軽く塩コショウして一つシルバにあげると
【ずるい!僕も欲しい!】
【あっボクもー】
【なら私も】
プルプル…ムーがみんなの後ろで伺うように揺れている…
【もう…一個ずつだからね!】
みんなに生の肉巻きおにぎりをあげると
【うん!美味い】
【美味しいね!】
【おいしい!でもいちばんはおいなりさんだなぁ~】
【たまには生もいいなぁ】
プルプルプルプル!
ムーも満足そうに揺れている。
「やっぱり生で食べるんじゃ…」
セシルが心配すると
「シルバ達は生でも大丈夫だからね!人用はここから焼いていくよ」
ミヅキはフライパンで肉を巻いたおにぎりを焼いていく
「じゃあセシルさんよくお肉焼いてね」
セシルに変わって貰うと
「次はタレを作るよ、まずはお水と酒と醤油を同じ量にさとうとみりんを足して…」
「あー!待ってミヅキちゃん!分量もう一回!ちょっとベイカーさんここ変わって下さい!」
セシルが肉を焼くのをベイカーと変わる!
「なんだよー面倒だなぁ…」
ベイカーは肉巻きおにぎりを焼くのを見ていると…シルバが隣にピタッと座ってフライパンの中を凝視する…
そんなシルバを笑いながら…
ベイカーも焼かれていくおにぎりを見てるとヨダレが溜まっていく
「美味そうだなぁ…」
ベイカーが呟くと…シルバがツンツンとベイカーの足を触る。
シルバを見る口を大きく開けていた…
ベイカーはチラッとミヅキ達を見るとセシルと話しながらタレを作る事に集中しているようだった…
ベイカーはシルバとニヤッと笑うと…一つ口に放り込む!
すかさずシルバにも一つやると…
「うん、美味いが味が薄いな…もう少し塩コショウすればよかったなぁ…」
「何に塩コショウするの?」
直ぐ隣でミヅキがベイカーに聞く…
「ミ、ミヅキ!何時そこに…」
ベイカーが隣のシルバを見ると…もう既にそこにはいなかった…
(あの野郎逃げやがった…)
「あれ?おにぎりの数減ってない?」
ミヅキがフライパンの肉巻きおにぎりの数を数えると…
「そ、そうか?さっきシルバ達にあげたからじゃ無いのか?」
「うーん…そうだっけ?まぁいっか、じゃあベイカーさんセシルさんと変わって」
「お、おう!」
ベイカーはホッとしてセシルに箸を渡すと
「肉が焼けたらさっきの調味料を入れて絡めながら焼くだけだよ!」
「じゃあ早速!」
セシルが調味料をザバッと流し込む!
甘辛い調味料が焦げる匂いが部屋に立ち込める!
「美味そうな匂いだ…」
「しっかりと味付けたらゴマをパラッとかけて…はい!完成肉巻きおにぎりです!」
「じゃあ早速…」
ベイカーが手を伸ばす
パシッ!
「こら!ベイカーさんまずは作ったセシルさんからでしょ!」
「俺だって手伝ったのに…」
ベイカーが手を引っ込めると…
「ベイカーさんすみませんね…」
セシルが嬉しそうに一つ掴むとかぶりつく!
幸せそうに肉巻きおにぎりを食べるセシルさんをニコニコと眺めていると
「【【【【ミヅキ!】】】】」
プルプル!
「はい、はい…じゃあみんなも一個ずつねこれはセシルさんのだからね足りなかったら里に戻ったらあげるから」
「【本当だな!】」
ベイカーは肉巻きおにぎりを掴むと一口で口に放り込む!
「うまっ!やっぱりタレがあると味が違うな!」
「ん?タレがあると…」
【生もタレ無しも美味かったがこれが一番美味い!】
シルバがぺろぺろと口の周りを舐めていると…
【タレ無し?】
ミヅキがベイカーとシルバをじっと睨む…
「やっぱりふたりともタレ入れる前につまみ食いしたでしょ!これはセシルさんのなんだから駄目だって言ったでしょ!」
「いや…違う…俺は味の違いをだな…」
【すまん!あまりにも美味そうで…ミヅキ…ごめんな…】
シルバが上目遣いにしゅんとしながらミヅキに謝る。
【クッ…私じゃ無くてセシルさんに謝らないと…】
ミヅキがシルバの頭を撫でようと手を出しかけてグッと堪える!
【セシル!悪かったな!】
シルバは適当にセシルに謝ると
「ん?シルバさんはなんて?」
セシルが何か訴えるシルバの通訳を頼むと
「い、一応…食べてごめんって…」
「ああいいんですよ、教えてもらったのは私ですからね!それよりもう一回作ってみてもいいですか?一人で作れるようにならないと…」
「そうだね!今度は手伝わないから頑張って!じゃあその間に私はみんなにラーメンあげて来ます!アラン隊長見つけたら連れてくるね!」
「よろしくお願いします!」
セシルはメモ帳を取り出すと真剣に米を洗いだした…。
セシルが部屋の扉を開けるとミヅキ達が様子を伺いながら部屋へと入る、セシルの部屋は可もなく不可もなく…綺麗とも言えず汚いとも言えない部屋だった…。
「つまんねぇ部屋だな」
ベイカーが思わず呟いた。
「それ…アラン隊長にも言われました…だから入れたくなかったんだ…」
セシルがガックリと肩を落とす。
「ま、まぁ汚いよりいいよ!」
ミヅキがフォローすると
「ミヅキ…本当にそう思ってるのか?」
ベイカーが怪しむ様に見つめると
「いや…」
ミヅキが顔を逸らした…
「ミヅキちゃん…」
セシルがショックを受けると
「だ、だって…褒めるところも貶す所もないんだもん…だらしなければしょうがないなって片付けたくなるし…綺麗なら褒めようもあるけどね…」
乱雑に置かれた書類や脱ぎっぱなしの籠に積まれた服を見る…
「一応一箇所にまとまってるし…服も脱ぎっぱなしだけど床に置いてあるわけじゃ無いし…うん!普通だね!」
「ならいっそアラン隊長見たく部屋を散らかして見ようかな…」
「それは…セシルさんにはオススメしないなぁ…人には向き不向きがあるしね、セシルさんならあとちょっと掃除頑張るくらいがいいよ」
「アラン隊長の世話が無くなったら努力します…」
「よし!その為にもアラン隊長が絶対気に入るご飯を作るぞ!」
ミヅキはセシルさんの部屋についている厨房に行くと…
「狭いけど…まぁ何とかなるね!じゃあまずは肉!」
ミヅキはオークの肉を取り出すと
「まずはこれを薄ーく切ります!セシルさん頑張ってね」
「薄くだね、切るのは得意だよ」
セシルがミヅキに習って肉を薄く切る。
「今回はオークだけどミノタウロスとかの肉でも美味しいからね」
「オーク肉…ミノタウロス肉でも美味しい…」
セシルは紙にミヅキから言われた事を記入していく…
「それとご飯を炊いておくよ、火の加減はシンクをよく見ておいてね」
【シンクお願いね】
【任せてよ!】
セシルさんはシンクが米を炊くのをメモ帳片手に真剣に眺める。
「ご飯が炊けたら俵型におむすびを作って粗熱を取っておいてね」
「粗熱…」
「ご飯を冷ましておくって事だよ、今回は時間が無いので風魔法で冷ましまーす。はいこちらが冷めたおむすびになります」
「おむすび冷ましちゃうの?」
セシルがおむすびを握りながら聞くと
「後で温めるから大丈夫だよ」
ご飯を全ておにぎりにして冷ますと
「このおむすびに薄切りに切ったお肉を巻いて行きます」
「えっ…生だけど…さすがのアラン隊長も生には腹壊すんじゃ…いや、あの人なら大丈夫か」
「いや、さすがにこの後火を通すから大丈夫だよ」
ミヅキが苦笑する…
お肉を巻ききると、シルバがじっと見つめる…
【シルバ…どうしたの?】
【これもう食っていいのか?】
シルバがジュルルとヨダレを垂らす。
【だからこれ生だから!あっ…シルバは生でも大丈夫なのか…】
【そうだぞ!だから一口くれ!】
【うーん…味ないんだけどなぁ…】
ミヅキは軽く塩コショウして一つシルバにあげると
【ずるい!僕も欲しい!】
【あっボクもー】
【なら私も】
プルプル…ムーがみんなの後ろで伺うように揺れている…
【もう…一個ずつだからね!】
みんなに生の肉巻きおにぎりをあげると
【うん!美味い】
【美味しいね!】
【おいしい!でもいちばんはおいなりさんだなぁ~】
【たまには生もいいなぁ】
プルプルプルプル!
ムーも満足そうに揺れている。
「やっぱり生で食べるんじゃ…」
セシルが心配すると
「シルバ達は生でも大丈夫だからね!人用はここから焼いていくよ」
ミヅキはフライパンで肉を巻いたおにぎりを焼いていく
「じゃあセシルさんよくお肉焼いてね」
セシルに変わって貰うと
「次はタレを作るよ、まずはお水と酒と醤油を同じ量にさとうとみりんを足して…」
「あー!待ってミヅキちゃん!分量もう一回!ちょっとベイカーさんここ変わって下さい!」
セシルが肉を焼くのをベイカーと変わる!
「なんだよー面倒だなぁ…」
ベイカーは肉巻きおにぎりを焼くのを見ていると…シルバが隣にピタッと座ってフライパンの中を凝視する…
そんなシルバを笑いながら…
ベイカーも焼かれていくおにぎりを見てるとヨダレが溜まっていく
「美味そうだなぁ…」
ベイカーが呟くと…シルバがツンツンとベイカーの足を触る。
シルバを見る口を大きく開けていた…
ベイカーはチラッとミヅキ達を見るとセシルと話しながらタレを作る事に集中しているようだった…
ベイカーはシルバとニヤッと笑うと…一つ口に放り込む!
すかさずシルバにも一つやると…
「うん、美味いが味が薄いな…もう少し塩コショウすればよかったなぁ…」
「何に塩コショウするの?」
直ぐ隣でミヅキがベイカーに聞く…
「ミ、ミヅキ!何時そこに…」
ベイカーが隣のシルバを見ると…もう既にそこにはいなかった…
(あの野郎逃げやがった…)
「あれ?おにぎりの数減ってない?」
ミヅキがフライパンの肉巻きおにぎりの数を数えると…
「そ、そうか?さっきシルバ達にあげたからじゃ無いのか?」
「うーん…そうだっけ?まぁいっか、じゃあベイカーさんセシルさんと変わって」
「お、おう!」
ベイカーはホッとしてセシルに箸を渡すと
「肉が焼けたらさっきの調味料を入れて絡めながら焼くだけだよ!」
「じゃあ早速!」
セシルが調味料をザバッと流し込む!
甘辛い調味料が焦げる匂いが部屋に立ち込める!
「美味そうな匂いだ…」
「しっかりと味付けたらゴマをパラッとかけて…はい!完成肉巻きおにぎりです!」
「じゃあ早速…」
ベイカーが手を伸ばす
パシッ!
「こら!ベイカーさんまずは作ったセシルさんからでしょ!」
「俺だって手伝ったのに…」
ベイカーが手を引っ込めると…
「ベイカーさんすみませんね…」
セシルが嬉しそうに一つ掴むとかぶりつく!
幸せそうに肉巻きおにぎりを食べるセシルさんをニコニコと眺めていると
「【【【【ミヅキ!】】】】」
プルプル!
「はい、はい…じゃあみんなも一個ずつねこれはセシルさんのだからね足りなかったら里に戻ったらあげるから」
「【本当だな!】」
ベイカーは肉巻きおにぎりを掴むと一口で口に放り込む!
「うまっ!やっぱりタレがあると味が違うな!」
「ん?タレがあると…」
【生もタレ無しも美味かったがこれが一番美味い!】
シルバがぺろぺろと口の周りを舐めていると…
【タレ無し?】
ミヅキがベイカーとシルバをじっと睨む…
「やっぱりふたりともタレ入れる前につまみ食いしたでしょ!これはセシルさんのなんだから駄目だって言ったでしょ!」
「いや…違う…俺は味の違いをだな…」
【すまん!あまりにも美味そうで…ミヅキ…ごめんな…】
シルバが上目遣いにしゅんとしながらミヅキに謝る。
【クッ…私じゃ無くてセシルさんに謝らないと…】
ミヅキがシルバの頭を撫でようと手を出しかけてグッと堪える!
【セシル!悪かったな!】
シルバは適当にセシルに謝ると
「ん?シルバさんはなんて?」
セシルが何か訴えるシルバの通訳を頼むと
「い、一応…食べてごめんって…」
「ああいいんですよ、教えてもらったのは私ですからね!それよりもう一回作ってみてもいいですか?一人で作れるようにならないと…」
「そうだね!今度は手伝わないから頑張って!じゃあその間に私はみんなにラーメンあげて来ます!アラン隊長見つけたら連れてくるね!」
「よろしくお願いします!」
セシルはメモ帳を取り出すと真剣に米を洗いだした…。
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