ほっといて下さい 従魔とチートライフ楽しみたい!

三園 七詩

文字の大きさ
320 / 675
11章

444.セシル

しおりを挟む
「ミヅキさん…」

セシルは記憶を失ったアランと一日過ごし…たまらずミヅキの元を訪れていた…。

「セシルさんアラン隊長の事ですよね?」

ミヅキが心配そうに聞くと

「はい…」

「どうしたんですか?直ぐに記憶戻ってやりたい放題やってるんですか?」

ミヅキが聞くと

「いえ…その逆です。全然記憶が戻らなくて…今日一日いつも通り過ごせは戻るかと思いましたがそんな気配もなく…王宮の医師にも見せましたが、どうやれば戻るかは分からないと…次の日に戻るかもしれないし…一生戻らないかもしれないと…」

「アラン隊長そんなにセシルさん困らせているんですか?」

「いえ…すごく真面目に仕事をしています…頼めば素直に従ってくれますし…慣れて来ると自分で仕事を探したり…」

「そ、それはよかったのでは?」

ミヅキは素直なアラン隊長を想像して苦笑する。

「見ようによればそうなんですが…」

セシルが言葉を濁すと

「セシルさん、あんなにアラン隊長に真面目にやれ!仕事しろって言ってましたよね?実際そうなったけど…」

「わかってます!俺もそれを望んでいましたが…俺は前のアラン隊長のままそうなって欲しかった…俺が憧れたアラン隊長は…ズボラでだらしなくて、いい加減で…だけど熱く仲間思いの豪快なあの人が好きなんです…」

ミヅキは真面目に訴えるセシルさんに思わず微笑む…

「分かります…アラン隊長あんな感じだけどみんなにすごく慕われてますもんね!」

「そうですね…アラン隊長があんなにみんなをまとめていたと今更ながら気が付きました…」

「でも…私に戻せるかな…多分…シルバが強く頭を叩きすぎたのが原因なんじゃないかと…」

「頭をですか?」

「うん…もう一回強く叩けば元に戻るかも…なーんて、漫画じゃあるまいし!」

ミヅキが笑ってセシルに笑いかけようとすると

「あれ?セシルさん?」

セシルの姿がどこにもない…

ミヅキがキョロキョロと周りを見ると

【あいつなら凄い勢いで外に飛び出して行ったぞ】

シルバが後ろから声をかける。

【えっ!まさかの頭を叩くってのを本気にしたのかな?】

【そうだろうな…あの感じだと】

【た、大変!今頭なんて叩いたら…余計記憶無くなっちゃうかも!】

【でも上手くいけば戻るかもしれんぞ】

【そ、それはそうかも知れないけど…でも危ないよ!素人が頭を叩くなんて!】

【ベイカーさん呼んで急いでセシルさん追いかけよう!】

ミヅキはベイカーを大声で呼びながら走り出した!


「アラン隊長ーー!」

セシルは大きなこん棒を手に目をギラつかせてアラン隊長を探しながら王宮を練り歩く!

「セ、セシル!?どうしたんだ!」

ガッツ隊長がそんなセシルを見かけて声をかけると…

「ガッツ隊長!アラン隊長を見ませんでしたか?」

「アラン隊長か?さっき訓練すると訓練場に向かっていたが…あの新生アランになってから本当に人が変わったな…」

ガッツが少し寂しそうに言うと

「やはりガッツ隊長もそう思いますか?分かりました!俺がアラン隊長を元の隊長に戻してみせます!」

セシルはそう言うと訓練場へとこん棒を振り回しながら向かっていった…。

「セシルまでおかしくなったのか?」

ガッツは唖然とセシルを見つめていた。


「アラン隊長!」

訓練場に着くとアラン隊長が木の棒を持って素振りを繰り返していた…

「ああ、セシル。何か用事かい?」

アランは素振りを止めるとセシルの元に歩いて来た…

あまりに警戒する様子のないアラン隊長にセシルは勢いが止まってしまう…

「あ…アラン隊長は何を?」

セシルが聞くと

「いや今日の訓練でセシルに迷惑をかけてしまったからな…少し練習をしておこうと…」

アランが恥ずかしそうに頭をかくと

「あんなの…迷惑にもなりませんよ…」

セシルは下を向いて呟く…

「ん?なんだ?」

アランが優しく聞き返すと

「あんなのは迷惑とは言いません!迷惑とは!やるべき仕事を人に押し付けて自分はのうのうと遊び!じっと座ることが嫌いで直ぐに逃げだし面倒事があるとスっと姿を消して食べ物に目がない人です!」

「そ、そんな奴がいるのか?」

アランがびっくりしていると

「前のアラン隊長はそうだったんです!」

「えっ!それって私なのか?」

「アラン隊長は自分の事、私!なんて言いません!今のアラン隊長は隊長として申し分ないです…ですが…俺は前のアラン隊長が…」

セシルはこん棒をギュッと掴むと

「アラン隊長!すみません!大人しく殴られて下さい!」

セシルはアラン隊長に向かってこん棒を振り下ろした!

「うわっ!」

アラン隊長がサッと避けると…

「セ、セシル?」

セシルから距離を取る…

「アラン隊長…あなたは頭を強く打ってそうなったそうです…治すにはもう一度同じ衝撃を!」

またこん棒を振りかぶると

「ま、待ってくれ!そんなの食らったら…」

アランがやめろと腕を突き出すが、セシルは止まる気配がない!

アランは素振りで使っていた木の棒を構えると

「ちょっと!セシルくん落ち着いて!」

「セシルくんってなんですか!アラン隊長はくん呼びする時はやましい事がある時です!」

セシルは勢いを付けてジャンプするとそのままアラン隊長の頭目掛けてこん棒を振り下ろす!

「絶対そんなの食らったら死ぬ!」

アランは思わず逃げ出すと…

「あれ?前にもこんな事…」

シルバに追われていた事を思い出す…

「あっ!」

アランは全て思い出した!

「ま、待て!セシル!」

アランはセシルに声をかけるが…

「問答無用!アラン隊長大人しく殴られろ!」

「お前!聞く耳持たねぇな!ちょっとは落ち着け!」

アランが叫ぶが

「何を今更隊長の真似を!」

セシルは構わずっとアラン隊長の頭だけを狙う!

ブンッ!

こん棒の振り回すとアラン隊長の頭を掠める…

「あっぶねぇ!待て!まじで死ぬ!今度は本気で死ぬぞ!」

「そうだ!1回死んでまた生まれ変わって来るだ!」

セシルはアラン隊長の頭目掛けてこん棒をぶん投げた!

「こんにゃろ!」

アランは木の棒をギュッと握りしめると…

「ミヅキの焼き飯食う前に死んでたまるか!」

アランは飛んできたこん棒目掛けて木の棒で応戦する!

「おおりゃあぁぁぁー!!!」

こん棒にヒビが入ると…パカッと割れる。

真ん中にはアラン隊長が持っていた木の棒が突き刺さっていた…

「はぁ…あんなでかいこん棒ぶん投げやがって…」

アランがセシルを見ると…

「馬鹿野郎!俺じゃ無かったら死んでたからな!」

アランの怒涛が響き渡る…

「そ、その言葉使い…アラン隊長!やっぱり衝撃で戻ったんですね!」

セシルが駆け寄ると…

ゴツン!

アランがセシルに思いっきり拳骨を落とす!

「その前に記憶戻ってんだよ!あれが当たってたら記憶ところが死んでたね!」

「まさか、あれ程度でアラン隊長は死にませんよ」

セシルが嬉しそうに答える。

すると…

「セシルさーん!アラン隊長ー!」

ミヅキがベイカー達を引き連れて駆けつけて来た!

「よ、よかった…まだ攻撃してなかったんだね…」

ミヅキがホッとすると…

「あれを見てもそう思うか?」

アランが後ろに転がる真っ二つに割れたこん棒を指さす…

「な、何あのこん棒…まさかセシルさんあれでアラン隊長の頭を叩こうと!?」

ミヅキが驚いてセシルを見ると

「あれ?アランさん戻ってないか?」

アランの様子にベイカーが気がつくと

「あっ…確かにいつものアラン隊長だ!」

「そうなんです!こん棒投げたら戻りました!」

セシルが嬉しそうに言うと

「だーかーらー!その前から戻ってたの!お前がしようとしてた事は犯罪だからな!」

アランがセシルに怒鳴ると

「それは…すみません!」

セシルが嬉しそうに謝る。

「お前…全然反省してねぇな…」

アランのこめかみがピクピクと動くと…

「ア、アラン隊長!ごめん!私が余計な事言ったから…セシルさんはあんまり…悪くないよ…」

「あんまりって事は少しは悪いんだろ!」

「まぁ…アラン隊長を心配してだから…ほら!お詫びに焼き飯取っておいたよ!」

ミヅキがアランが食べ損ねた焼き飯を出すと…

「おお!しょ、しょうがねぇ…焼き飯に免じて今回は水に流そう…」

アランはニヤニヤと笑いながら焼き飯を受け取った…。
しおりを挟む
感想 6,829

あなたにおすすめの小説

転生したら幼女でした!? 神様~、聞いてないよ~!

饕餮
ファンタジー
  書籍化決定!   2024/08/中旬ごろの出荷となります!   Web版と書籍版では一部の設定を追加しました! 今井 優希(いまい ゆき)、享年三十五歳。暴走車から母子をかばって轢かれ、あえなく死亡。 救った母親は数年後に人類にとってとても役立つ発明をし、その子がさらにそれを発展させる、人類にとって宝になる人物たちだった。彼らを助けた功績で生き返らせるか異世界に転生させてくれるという女神。 一旦このまま成仏したいと願うものの女神から誘いを受け、その女神が管理する異世界へ転生することに。 そして女神からその世界で生き残るための魔法をもらい、その世界に降り立つ。 だが。 「ようじらなんて、きいてにゃいでしゅよーーー!」 森の中に虚しく響く優希の声に、誰も答える者はいない。 ステラと名前を変え、女神から遣わされた魔物であるティーガー(虎)に気に入られて護られ、冒険者に気に入られ、辿り着いた村の人々に見守られながらもいろいろとやらかす話である。 ★主人公は口が悪いです。 ★不定期更新です。 ★ツギクル、カクヨムでも投稿を始めました。

転生幼女はお願いしたい~100万年に1人と言われた力で自由気ままな異世界ライフ~

土偶の友
ファンタジー
 サクヤは目が覚めると森の中にいた。  しかも隣にはもふもふで真っ白な小さい虎。  虎……? と思ってなでていると、懐かれて一緒に行動をすることに。  歩いていると、新しいもふもふのフェンリルが現れ、フェンリルも助けることになった。  それからは困っている人を助けたり、もふもふしたりのんびりと生きる。 9/28~10/6 までHOTランキング1位! 5/22に2巻が発売します! それに伴い、24章まで取り下げになるので、よろしく願いします。

私の家族はハイスペックです! 落ちこぼれ転生末姫ですが溺愛されつつ世界救っちゃいます!

りーさん
ファンタジー
 ある日、突然生まれ変わっていた。理由はわからないけど、私は末っ子のお姫さまになったらしい。 でも、このお姫さま、なんか放置気味!?と思っていたら、お兄さんやお姉さん、お父さんやお母さんのスペックが高すぎるのが原因みたい。 こうなったら、こうなったでがんばる!放置されてるんなら、なにしてもいいよね! のんびりマイペースをモットーに、私は好きに生きようと思ったんだけど、実は私は、重要な使命で転生していて、それを遂行するために神器までもらってしまいました!でも、私は私で楽しく暮らしたいと思います!

収容所生まれの転生幼女は、囚人達と楽しく暮らしたい

三園 七詩
ファンタジー
旧題:収容所生まれの転生幼女は囚人達に溺愛されてますので幸せです 無実の罪で幽閉されたメアリーから生まれた子供は不幸な生い立ちにも関わらず囚人達に溺愛されて幸せに過ごしていた…そんなある時ふとした拍子に前世の記憶を思い出す! 無実の罪で不幸な最後を迎えた母の為!優しくしてくれた囚人達の為に自分頑張ります!

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜

一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m ✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。 【あらすじ】 神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!   そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!  事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます! カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。

没落した貴族家に拾われたので恩返しで復興させます

六山葵
ファンタジー
生まれて間も無く、山の中に捨てられていた赤子レオン・ハートフィリア。 彼を拾ったのは没落して平民になった貴族達だった。 優しい両親に育てられ、可愛い弟と共にすくすくと成長したレオンは不思議な夢を見るようになる。 それは過去の記憶なのか、あるいは前世の記憶か。 その夢のおかげで魔法を学んだレオンは愛する両親を再び貴族にするために魔法学院で魔法を学ぶことを決意した。 しかし、学院でレオンを待っていたのは酷い平民差別。そしてそこにレオンの夢の謎も交わって、彼の運命は大きく変わっていくことになるのだった。 ※2025/12/31に書籍五巻以降の話を非公開に変更する予定です。 詳細は近況ボードをご覧ください。

無名の三流テイマーは王都のはずれでのんびり暮らす~でも、国家の要職に就く弟子たちがなぜか頼ってきます~

鈴木竜一
ファンタジー
※本作の書籍化が決定いたしました!  詳細は近況ボードに載せていきます! 「もうおまえたちに教えることは何もない――いや、マジで!」 特にこれといった功績を挙げず、ダラダラと冒険者生活を続けてきた無名冒険者兼テイマーのバーツ。今日も危険とは無縁の安全な採集クエストをこなして飯代を稼げたことを喜ぶ彼の前に、自分を「師匠」と呼ぶ若い女性・ノエリ―が現れる。弟子をとった記憶のないバーツだったが、十年ほど前に当時惚れていた女性にいいところを見せようと、彼女が運営する施設の子どもたちにテイマーとしての心得を説いたことを思い出す。ノエリ―はその時にいた子どものひとりだったのだ。彼女曰く、師匠であるバーツの教えを守って修行を続けた結果、あの時の弟子たちはみんな国にとって欠かせない重要な役職に就いて繁栄に貢献しているという。すべては師匠であるバーツのおかげだと信じるノエリ―は、彼に王都へと移り住んでもらい、その教えを広めてほしいとお願いに来たのだ。 しかし、自身をただのしがない無名の三流冒険者だと思っているバーツは、そんな指導力はないと語る――が、そう思っているのは本人のみで、実はバーツはテイマーとしてだけでなく、【育成者】としてもとんでもない資質を持っていた。 バーツはノエリ―に押し切られる形で王都へと出向くことになるのだが、そこで立派に成長した弟子たちと再会。さらに、かつてテイムしていたが、諸事情で契約を解除した魔獣たちも、いつかバーツに再会することを夢見て自主的に鍛錬を続けており、気がつけばSランクを越える神獣へと進化していて―― こうして、無名のテイマー・バーツは慕ってくれる可愛い弟子や懐いている神獣たちとともにさまざまな国家絡みのトラブルを解決していき、気づけば国家の重要ポストの候補にまで名を連ねるが、当人は「勘弁してくれ」と困惑気味。そんなバーツは今日も王都のはずれにある運河のほとりに建てられた小屋を拠点に畑をしたり釣りをしたり、今日ものんびり暮らしつつ、弟子たちからの依頼をこなすのだった。

処理中です...
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
番外編を閲覧することが出来ません。
過去1ヶ月以内にレジーナの小説・漫画を1話以上レンタルしている と、レジーナのすべての番外編を読むことができます。

このユーザをミュートしますか?

※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。