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8章
421.ベイカーさん…
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「色々あるなぁ~」
ミヅキはゆっくりと店内を回りながら武器や防具を見ている。
「あっこれなんてリュカ達が欲しがりそうだなぁ~」
小ぶりの剣や煌びやかな盾にトゲトゲの付いた鞭などみんなの事を思いながら見ていると…
ギギ~!
店の扉が開く音がする。
「ただいま~」
扉を開けて若い男が店に入ってきた。
ミヅキはサッと置かれた防具の後ろに隠れると…
ガタッ…
防具にあたり音がなってしまう。
「誰だ?客か?」
男は音がなった方に歩いて行くと…防具に隠れるように幼い女の子を見つける。
「なんだお前は?迷子か?」
男が聞くと…
「べ…お父さんが防具作りに来てて、今サイズ測ってるから待ってるの」
「本当か?盗みに入った訳じゃないだろうなぁ~」
男が怪しむように女の子を見つめていると…
「ミヅキー!音がしたぞ、大丈夫か!」
上半身裸のベイカーが急いで店に戻ってきた!
「べ、ベイカーさん!なんで服きてないの!」
ミヅキの顔が赤くなると…
「あれが父親か?なんで父親の裸見て赤くなるんだよ…」
男が更に怪しんで裸の男と女の子を交互に見つめた。
「おい!なんで測ってる途中で消えるんじゃ!」
今度は店のおじいさんが急に走り出したベイカーを追いかけて店に来た…
「あっ師匠!」
「おう、チーノ帰ってきたかちょうどいいそのまま店番しててくれ」
鍛冶屋のおじいさんが若い男に声をかける。
「この二人客なのか?」
チーノがおじいさんに聞くと
「ああ、ちょっと変わった奴らだが大丈夫だ」
「ふーん…」
未だに怪しむように二人を睨む。
「ほらベイカーさん大丈夫だからサッサと測って貰ってよ」
ミヅキがシッシッと手で払う。
「お前…心配して来てやったのに!その態度はなんだ!」
ベイカーはそうは言いながらも心配そうにミヅキを見ると…
「そこのあんちゃんその子を見ててくれすぐにどっか行こうとする困った子なんでな」
店番を頼まれたチーノにミヅキの事も頼んで奥に行ってしまった。
「お前…親を困らせてちゃ駄目だろう」
チーノが困った子を見るようにミヅキをみる。
「えー!困らせたことなんてないよー」
ミヅキが不服そうに答えると
「嘘つくなー!」
奥からベイカーさんの大声が響く。
「地獄耳め…」
ミヅキが悔しそうにすると
「ちゃんと大人しくしておけよ」
チーノは可哀想な子を見る目でミヅキを見つめる。
「違うよ!私はそんなに悪くはないの!」
「そんなに…ってことは少しは悪いんだろ?」
「そ、それは…否定できない…」
ミヅキが顔を逸らす。
「お前のとーちゃんに頼むって言われたからなちゃんとここにいろよ」
「はーい」
ミヅキは適当に返事をすると武器と防具を再び眺め出した。
「お前…武器とか興味あるのか?」
チーノが面白そうに武器などを眺めるミヅキに話しかけると
「うん?興味って言うかこういうの珍しいから見るだけでも楽しいよ!こんなの作れるの凄いよね~、チーノさんも作ってるの?」
ミヅキがチーノに聞くと
「俺か?俺のは…これだ」
チーノが端に置いてある剣の束を指さす。
「まだまだ飾られる様なのは作れないんだよ…あそこのクズ用として置いてあるくらいだ」
「へーどれどれ?」
ミヅキがチーノが作った剣を見に行く。
剣を取り出してじっと見ていると…
「ど、どうだ?」
チーノがミヅキの顔を覗き込む。
「うーん…なんか…外見だけ着飾って中身空っぽって感じかなぁ~」
ミヅキが興味無さそうに剣を戻す。
「そうか…」
チーノのはガックリと肩を落とすと
「チーノさん、これ見てよ」
ミヅキはおじいさんにもらった包丁を見せる。
「ん?なんだその地味な剣は…」
「これさっきもらったの!」
ミヅキが嬉しそうに包丁を見せると
「お前はこんな地味なのが好きなのか?」
「地味なののどこが悪いの?それより機能性と切れ味でしょ!」
「で、でも見た目がいい方が良くないか?」
「悪いよりいいけど…それで切れ味が落ちたり持ちにくくなってたら…意味無くない?」
ミヅキがチーノが作った剣を再び取り出すと…
「ここの柄の部分の装飾って必要ある?持ちにくくてしょうがないよ…」
「そ、そうか…」
「それにこれも刃に穴が空いてるけど…」
「模様として付けてみた!」
「こんなことしたら剣の強度が下がるよね?そんな剣に冒険者は自分の命賭けられないよ…」
「た、確かに…だから師匠は呆れてたのか…」
「確かにチーノさんの剣は見た目はカッコイイけど、その前にするべき事があるよね?」
「そうだな…」
「こんな包丁が作れたらまた買いに来るよ」
ミヅキがもらった包丁を見せると
「それは包丁じゃなくて片刃の短剣だろ?」
チーノがミヅキが持っている剣を眺める。
「確かにそれ用に作ったのかも知れないけど私には包丁なんだよね、みんなが使ってる包丁って両刃のナイフだったから…私こういうの探してたんだ~」
嬉しそうに包丁を使う仕草をすると
「俺もそんなに喜んで貰えるような剣を作りたい…」
「じゃあさ!まずはこの形で練習してくれない?よく出来たらまた買いたい!テリーさんやポルクスさんにもプレゼントしたいし!」
「それって…俺に剣の依頼をしてくれるってことか?」
チーノが聞くと…
「あっ!それいいね!」
ミヅキが喜ぶと
「でも子供からお金なんかもらえねぇしな…いや!いい練習になるかも知れない…やらせてくれ!」
チーノが手を差し出すと
「よろしく!私はミヅキです、こう見えてもちゃんと冒険者してるからお金は払えるよ!」
「そ、そうか…でも格安でやってやるからな!」
チーノさんが気まずそうにしているとミヅキは笑って頷いた。
その後もどんな包丁がいいかミヅキから細かく聞いていると
「お前…本当に子供か?なんでそんなに刃物に詳しいんだよ…」
「あっ…ノーコメントで…」
興奮して思わず余計な事まで話していたミヅキは顔を逸らす。
「子供が切る物によって刃物を変えるなんて聞いた事ないぞ!」
「エー?ソウカナー」
「だけど…面白そうだからその話にのってやる!」
「チーノさん話が分かるじゃん!」
ミヅキとチーノはクックック…と笑い合った。
「じゃあまずは基本はこの形で…あとは刃の部分をもっと細く薄くして欲しい」
「薄く細く?そしたら強度下がるってお前が言ったばっかりじゃねぇか」
「これは食材を切る物だからそんな凄い強度でなくてもいいよ!その代わり刃の先を薄くして切れ味上げて」
「なんか難しそうだな…」
「砥石で削っていくといいのかな?ちょっとそこら辺はおじいさんに相談してお願いします。私も知り合いに聞いておくから」
「頼むな!」
「そうだなぁ~とりあえず試作品何本が出来たらリングス商会に持ってきてくれますか?」
「リングス商会!お前…あそこの関係者なのか?」
チーノが構えてミヅキを見ると
「違うよ~でもお世話になってる所だからチーノさんが来たらわかるように話しておくね!」
「わ、わかった…」
「そんなに急がないからゆっくりでいいからね」
「大丈夫だ!俺に依頼なんて無いからな!時間ならたっぷりとある!早速行ってくるからこの札下げといてくれ!」
チーノはミヅキに本日休業の札を渡すと工房へと行ってしまった…
「あーあ…いいのかな?」
ミヅキが札を掛けに行こうとすると
「ミヅキもとーちゃんの所に戻っておけよ!」
それだけ言いにチーノが戻ってきた。
ミヅキは苦笑すると札をかけてベイカー達が入っていった奥に向かった。
「ベイカーさーん」
ミヅキが声をかけると…
「おー!ここだぞ!」
ベイカーの声がする部屋を覗く、そこにはおじいさんに抱きしめられている裸のベイカーがいた…。
ミヅキはゆっくりと店内を回りながら武器や防具を見ている。
「あっこれなんてリュカ達が欲しがりそうだなぁ~」
小ぶりの剣や煌びやかな盾にトゲトゲの付いた鞭などみんなの事を思いながら見ていると…
ギギ~!
店の扉が開く音がする。
「ただいま~」
扉を開けて若い男が店に入ってきた。
ミヅキはサッと置かれた防具の後ろに隠れると…
ガタッ…
防具にあたり音がなってしまう。
「誰だ?客か?」
男は音がなった方に歩いて行くと…防具に隠れるように幼い女の子を見つける。
「なんだお前は?迷子か?」
男が聞くと…
「べ…お父さんが防具作りに来てて、今サイズ測ってるから待ってるの」
「本当か?盗みに入った訳じゃないだろうなぁ~」
男が怪しむように女の子を見つめていると…
「ミヅキー!音がしたぞ、大丈夫か!」
上半身裸のベイカーが急いで店に戻ってきた!
「べ、ベイカーさん!なんで服きてないの!」
ミヅキの顔が赤くなると…
「あれが父親か?なんで父親の裸見て赤くなるんだよ…」
男が更に怪しんで裸の男と女の子を交互に見つめた。
「おい!なんで測ってる途中で消えるんじゃ!」
今度は店のおじいさんが急に走り出したベイカーを追いかけて店に来た…
「あっ師匠!」
「おう、チーノ帰ってきたかちょうどいいそのまま店番しててくれ」
鍛冶屋のおじいさんが若い男に声をかける。
「この二人客なのか?」
チーノがおじいさんに聞くと
「ああ、ちょっと変わった奴らだが大丈夫だ」
「ふーん…」
未だに怪しむように二人を睨む。
「ほらベイカーさん大丈夫だからサッサと測って貰ってよ」
ミヅキがシッシッと手で払う。
「お前…心配して来てやったのに!その態度はなんだ!」
ベイカーはそうは言いながらも心配そうにミヅキを見ると…
「そこのあんちゃんその子を見ててくれすぐにどっか行こうとする困った子なんでな」
店番を頼まれたチーノにミヅキの事も頼んで奥に行ってしまった。
「お前…親を困らせてちゃ駄目だろう」
チーノが困った子を見るようにミヅキをみる。
「えー!困らせたことなんてないよー」
ミヅキが不服そうに答えると
「嘘つくなー!」
奥からベイカーさんの大声が響く。
「地獄耳め…」
ミヅキが悔しそうにすると
「ちゃんと大人しくしておけよ」
チーノは可哀想な子を見る目でミヅキを見つめる。
「違うよ!私はそんなに悪くはないの!」
「そんなに…ってことは少しは悪いんだろ?」
「そ、それは…否定できない…」
ミヅキが顔を逸らす。
「お前のとーちゃんに頼むって言われたからなちゃんとここにいろよ」
「はーい」
ミヅキは適当に返事をすると武器と防具を再び眺め出した。
「お前…武器とか興味あるのか?」
チーノが面白そうに武器などを眺めるミヅキに話しかけると
「うん?興味って言うかこういうの珍しいから見るだけでも楽しいよ!こんなの作れるの凄いよね~、チーノさんも作ってるの?」
ミヅキがチーノに聞くと
「俺か?俺のは…これだ」
チーノが端に置いてある剣の束を指さす。
「まだまだ飾られる様なのは作れないんだよ…あそこのクズ用として置いてあるくらいだ」
「へーどれどれ?」
ミヅキがチーノが作った剣を見に行く。
剣を取り出してじっと見ていると…
「ど、どうだ?」
チーノがミヅキの顔を覗き込む。
「うーん…なんか…外見だけ着飾って中身空っぽって感じかなぁ~」
ミヅキが興味無さそうに剣を戻す。
「そうか…」
チーノのはガックリと肩を落とすと
「チーノさん、これ見てよ」
ミヅキはおじいさんにもらった包丁を見せる。
「ん?なんだその地味な剣は…」
「これさっきもらったの!」
ミヅキが嬉しそうに包丁を見せると
「お前はこんな地味なのが好きなのか?」
「地味なののどこが悪いの?それより機能性と切れ味でしょ!」
「で、でも見た目がいい方が良くないか?」
「悪いよりいいけど…それで切れ味が落ちたり持ちにくくなってたら…意味無くない?」
ミヅキがチーノが作った剣を再び取り出すと…
「ここの柄の部分の装飾って必要ある?持ちにくくてしょうがないよ…」
「そ、そうか…」
「それにこれも刃に穴が空いてるけど…」
「模様として付けてみた!」
「こんなことしたら剣の強度が下がるよね?そんな剣に冒険者は自分の命賭けられないよ…」
「た、確かに…だから師匠は呆れてたのか…」
「確かにチーノさんの剣は見た目はカッコイイけど、その前にするべき事があるよね?」
「そうだな…」
「こんな包丁が作れたらまた買いに来るよ」
ミヅキがもらった包丁を見せると
「それは包丁じゃなくて片刃の短剣だろ?」
チーノがミヅキが持っている剣を眺める。
「確かにそれ用に作ったのかも知れないけど私には包丁なんだよね、みんなが使ってる包丁って両刃のナイフだったから…私こういうの探してたんだ~」
嬉しそうに包丁を使う仕草をすると
「俺もそんなに喜んで貰えるような剣を作りたい…」
「じゃあさ!まずはこの形で練習してくれない?よく出来たらまた買いたい!テリーさんやポルクスさんにもプレゼントしたいし!」
「それって…俺に剣の依頼をしてくれるってことか?」
チーノが聞くと…
「あっ!それいいね!」
ミヅキが喜ぶと
「でも子供からお金なんかもらえねぇしな…いや!いい練習になるかも知れない…やらせてくれ!」
チーノが手を差し出すと
「よろしく!私はミヅキです、こう見えてもちゃんと冒険者してるからお金は払えるよ!」
「そ、そうか…でも格安でやってやるからな!」
チーノさんが気まずそうにしているとミヅキは笑って頷いた。
その後もどんな包丁がいいかミヅキから細かく聞いていると
「お前…本当に子供か?なんでそんなに刃物に詳しいんだよ…」
「あっ…ノーコメントで…」
興奮して思わず余計な事まで話していたミヅキは顔を逸らす。
「子供が切る物によって刃物を変えるなんて聞いた事ないぞ!」
「エー?ソウカナー」
「だけど…面白そうだからその話にのってやる!」
「チーノさん話が分かるじゃん!」
ミヅキとチーノはクックック…と笑い合った。
「じゃあまずは基本はこの形で…あとは刃の部分をもっと細く薄くして欲しい」
「薄く細く?そしたら強度下がるってお前が言ったばっかりじゃねぇか」
「これは食材を切る物だからそんな凄い強度でなくてもいいよ!その代わり刃の先を薄くして切れ味上げて」
「なんか難しそうだな…」
「砥石で削っていくといいのかな?ちょっとそこら辺はおじいさんに相談してお願いします。私も知り合いに聞いておくから」
「頼むな!」
「そうだなぁ~とりあえず試作品何本が出来たらリングス商会に持ってきてくれますか?」
「リングス商会!お前…あそこの関係者なのか?」
チーノが構えてミヅキを見ると
「違うよ~でもお世話になってる所だからチーノさんが来たらわかるように話しておくね!」
「わ、わかった…」
「そんなに急がないからゆっくりでいいからね」
「大丈夫だ!俺に依頼なんて無いからな!時間ならたっぷりとある!早速行ってくるからこの札下げといてくれ!」
チーノはミヅキに本日休業の札を渡すと工房へと行ってしまった…
「あーあ…いいのかな?」
ミヅキが札を掛けに行こうとすると
「ミヅキもとーちゃんの所に戻っておけよ!」
それだけ言いにチーノが戻ってきた。
ミヅキは苦笑すると札をかけてベイカー達が入っていった奥に向かった。
「ベイカーさーん」
ミヅキが声をかけると…
「おー!ここだぞ!」
ベイカーの声がする部屋を覗く、そこにはおじいさんに抱きしめられている裸のベイカーがいた…。
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