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8章
414.模擬授業
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「では今から教師希望の皆様には模擬授業をおこなって貰います」
マルコさんが教師達に説明する。
「こちらの教室にはこれからこの学校に通う予定の子供に来てもらっています。事前に連絡してあった通り一人15分程で授業をおこなって下さい我々は後ろでその様子を見て雇うか決めたいと思います」
教師達は頷くと…
「こちらでクジを作っておきました。皆さん引いて下さい」
「クジ?」
教師達が聞いた事ない言葉に顔を顰める…
「この箱の中に数字が書いてある紙が入っております。それが授業をおこなう順番になりますので…」
「なるほど…いや、さすがリバーシを作ったリングス商会の会長様ですね!」
マルコさんに教師達から賛辞があがる。
(本当は私ではないのですが…)
マルコは苦笑しながら否定もせずに説明を続けた…
「では1番の方からよろしくお願いします」
マルコさんが教室に入ると1番のクジを引いた教師の方が深呼吸をして教室へと入った。か
ガラガラ…
この世界では珍しい引き戸を引いて入ってくると…
「きた…」
「どんな授業かな?」
「楽しみですね!」
子供達がソワソワしだす。
「えっと…運がいいのか悪いのか…1番最初に授業をする事になりました。数字を教える予定のダイヤと申します…よろしくお願い致します」
最初に教壇にたった先生は髪をバッチリと束ね、服もきっちりと着て真面目そうな雰囲気の女性の先生だった。
「よろしくお願いします」
ミヅキが先生の挨拶に言葉を返すと
「「「「よ、よろしくお願いします」」」」
イチカ達もミヅキに続き先生に挨拶を返す。
「では、時間もありませんので今日は基本の数字を教えていきたいと思います」
そう言うとダイヤは聞いていた目の前の板にもらっていたチョークで数字を書く。
(凄い…本当にかけるわ。やっぱりここで働ければ…)
ダイヤは1から10までの数字を書くと…
「では…この数がわかる方はいますか?」
「「えー?」」
「なにそれ!」
「それまじで言ってる?」
子供達から不満そうな声があがる…
(やっぱり…こんなのもわからない子に教えるのか…これは前途多難だわ…)
ダイヤは心の中でため息をつく。
「そんなのわかるに決まってんじゃん…おばさん舐めてるの?」
リクがやる気無さそうに声をかける。
「えっ?ああ…君はみんなより大きそうねこのくらいはわかるのね」
ダイヤがリクを見て納得して頷くと
「だからぁーここにいるみんなわかるって!なぁ?」
リクがみんなに同意を求める。
「まさか…君くらいの子ならまだしもそこの子なんてまだ小さいしわからないでしょ?」
ダイヤがディアとミト、ラバに顔を向けると
「「「わかりまーす!」」」
三人が声を揃えて答えた。
「えっ…じゃ、じゃあこれは」
ダイヤが数字の5を指さす。
「「「5ー!」」」
「あ、合ってます…じゃ!これ!」
「「「8~」」」
「ど、どういうこと…」
ダイヤが唖然とする。
(この前教えてた貴族の子なんて数字を教えるだけで何日かかった事か…)
「え、えっと…みんなはいくつまで数を数えられるの?」
ダイヤが恐る恐る聞くと…
「僕達はほぼ大丈夫です。こっちの小さい子達は50~100を覚え中ですけどそこまでいけばもうほぼわかるよね?」
「うん!同じ風に数字が大きくなっていくんだもんね!」
「な、なら…私は何を教えれば…」
「す、すみません…このクラスは上位クラスの子で…計算問題でも大丈夫です…でも普通の子達は今のように一から数字から教えて頂ければ大丈夫ですから」
マルコさんがダイヤさんに助け舟を出す。
「計算問題を!?嘘…じゃ!じゃあ君!1+1は!?」
今度はミヅキに指を指して聞いてくる。
「あの人…ミヅキ様にこんな馬鹿な問題を…許せない…」
イチカがボソッと呟く。
ミヅキは後ろに座っていたイチカの方を見て…
「イチカ落ち着いて、ここでは私は生徒なんだから」
イチカを宥めるとダイヤを見つめて
「はい!2です」
ミヅキが笑顔で答える。
「先生!もう少し難しいくして貰えませんか?」
たまらずイチカが先生に発言する。
「も、もっと…では、7+8…」
「15」
言い終わらないうちにイチカが食い気味に答える。
「な、なんで…」
「あー…ダイヤさん、この子達はリバーシ工場で働いている子達なんですよ…ですから計算は結構得意で…」
マルコさんが汗を拭きならが答える。
「僕は今、かけ算習ってる!」
ラバが元気よく答えると…
「かけ算!嘘でしょ?」
「そうだぞラバ嘘つくなお前はまだ二の段しか言えねぇだろ?」
リクがラバを笑うと
「三の段まで言えるようになったもん!」
ラバがいーっとリクに噛み付く!
騒ぎ出した教室に…
「ちょ!ちょっと待って!なんでこんな子供が掛け算まで?おかしいです!」
ダイヤさんが叫ぶと教室がシーンとなってしまった…。
「ほらみんな!先生が困ってるから少し静かにしてちゃんと授業受けよう」
ミヅキが慌ててみんなを宥めるとみんなが集中して先生に注目する。
「ダイヤ先生すみませんでした、続けて下さい」
ミヅキがニコッと笑って先を促す。
「は、はい…」
ダイヤは一変した子供達にたじろぎながらも授業を続けた…途中マルコさん達が少し席を外したがダイヤさんの態度は変わる事なく終わった。
「はい、ダイヤさんお時間ですのでそこまでで大丈夫です」
マルコさんが時間が来たので扉を開けて声をかける。
「は、はい…すみません…不甲斐ないですもう少し勉強してからまた臨みます…」
ダイヤさんがしょんぼりとしながらみんなに頭を下げて教室を出ようとすると、マルコさんは慌てて
「ダイヤさん!まだ合否出てませんから控え室で待ってて下さい!」
「ダイヤ先生の教え方とても丁寧で分かりやすかったです!また教えて欲しいから頑張って下さい」
ミヅキが先生に声をかけた。
「あっ…ダイヤさん合格決まりましたね。あちらの控え室に移動しておいて下さい…」
案内役のビリーがミヅキの言葉を聞いてダイヤ先生を先導する。
「えっ…今ので決まったんですか?私…何も出来ませんでしたけど…」
不安そうにビリーと歩きながらダイヤが聞くと
「あー…うちの面接ってあんな感じなんで大丈夫ですよ、それに驚くのはこれからですから…頑張って下さい」
ビリーは苦笑いしながらダイヤを部屋へと連れていった。
「では次の方どうぞ」
マルコがまた声をかけると2番のクジを引いた教師が颯爽と入ってきた…。
「よろしく!ウエスト国の歴史や経済、産業等を教える予定のジェダだ」
若々しくハキハキと喋る姿は自信に溢れている、綺麗な顔立ちのいかにもモテそうなタイプの先生だった。
「では早速この国の歴史から…」
教室をサッと見渡すとニコッと笑って授業を始めた。
「…とのこのようにウエスト国は今の国王で15代目代となっているんだ!」
「「「へー!」」」
子供達から興味深げな声があがる。
マルコさん達が頃合を見て席を外すと…
「じゃあ授業はここら辺までにしてお互いを知るために質問とかないか?」
ジェダ先生が子供達の顔を見ると
「君はどうかな?」
そう言ってライラをみる。
「私ですか?うーん…では、なんで獣人達の差別が始まったのかお聞きしても?」
「獣人?そうだなぁ~あれは差別とは言わないよ」
「えっ?どういう意味ですか?」
ライラが眉尻を下げて先生を見つめる。
「あれは戦争による正しい判断だよ。よって今のあの待遇は仕方がない事なんだ。最近はそれを無くそうなんて声が多く出ているけど僕は反対だな!」
ジェダがハッキリと答えると…教室の空気が張り詰める…
「…それは…ジェダさんは獣人は奴隷のような扱いは当然だと仰っているんですか?」
ミヅキが先生に聞く。
「そうだね」
ジェダが笑って頷く。
「この学校には獣人の子供も受け入れると聞いてますが…そこはどう考えていますか?」
「えっ!そうなの?そんなこと説明でなんにも聞いてないけどなぁ…それって君の勘違いじゃないかい?こんな素晴らしい学校に獣人の子は入れないよ」
ミヅキはにっこりと笑うと…
バタバタ!ガラッ!
マルコさん達が慌てて教室に飛び込んで来た!
「ジェダさんありがとうございました!お時間です!」
ジェダを外に出してビリーに案内させる。
「ありがとう!じゃあみんなまた授業で会おうね!」
ジェダは笑って子供達に手を振った…
しかし手を振り返す子供は一人もいなかった…。
マルコさんが教師達に説明する。
「こちらの教室にはこれからこの学校に通う予定の子供に来てもらっています。事前に連絡してあった通り一人15分程で授業をおこなって下さい我々は後ろでその様子を見て雇うか決めたいと思います」
教師達は頷くと…
「こちらでクジを作っておきました。皆さん引いて下さい」
「クジ?」
教師達が聞いた事ない言葉に顔を顰める…
「この箱の中に数字が書いてある紙が入っております。それが授業をおこなう順番になりますので…」
「なるほど…いや、さすがリバーシを作ったリングス商会の会長様ですね!」
マルコさんに教師達から賛辞があがる。
(本当は私ではないのですが…)
マルコは苦笑しながら否定もせずに説明を続けた…
「では1番の方からよろしくお願いします」
マルコさんが教室に入ると1番のクジを引いた教師の方が深呼吸をして教室へと入った。か
ガラガラ…
この世界では珍しい引き戸を引いて入ってくると…
「きた…」
「どんな授業かな?」
「楽しみですね!」
子供達がソワソワしだす。
「えっと…運がいいのか悪いのか…1番最初に授業をする事になりました。数字を教える予定のダイヤと申します…よろしくお願い致します」
最初に教壇にたった先生は髪をバッチリと束ね、服もきっちりと着て真面目そうな雰囲気の女性の先生だった。
「よろしくお願いします」
ミヅキが先生の挨拶に言葉を返すと
「「「「よ、よろしくお願いします」」」」
イチカ達もミヅキに続き先生に挨拶を返す。
「では、時間もありませんので今日は基本の数字を教えていきたいと思います」
そう言うとダイヤは聞いていた目の前の板にもらっていたチョークで数字を書く。
(凄い…本当にかけるわ。やっぱりここで働ければ…)
ダイヤは1から10までの数字を書くと…
「では…この数がわかる方はいますか?」
「「えー?」」
「なにそれ!」
「それまじで言ってる?」
子供達から不満そうな声があがる…
(やっぱり…こんなのもわからない子に教えるのか…これは前途多難だわ…)
ダイヤは心の中でため息をつく。
「そんなのわかるに決まってんじゃん…おばさん舐めてるの?」
リクがやる気無さそうに声をかける。
「えっ?ああ…君はみんなより大きそうねこのくらいはわかるのね」
ダイヤがリクを見て納得して頷くと
「だからぁーここにいるみんなわかるって!なぁ?」
リクがみんなに同意を求める。
「まさか…君くらいの子ならまだしもそこの子なんてまだ小さいしわからないでしょ?」
ダイヤがディアとミト、ラバに顔を向けると
「「「わかりまーす!」」」
三人が声を揃えて答えた。
「えっ…じゃ、じゃあこれは」
ダイヤが数字の5を指さす。
「「「5ー!」」」
「あ、合ってます…じゃ!これ!」
「「「8~」」」
「ど、どういうこと…」
ダイヤが唖然とする。
(この前教えてた貴族の子なんて数字を教えるだけで何日かかった事か…)
「え、えっと…みんなはいくつまで数を数えられるの?」
ダイヤが恐る恐る聞くと…
「僕達はほぼ大丈夫です。こっちの小さい子達は50~100を覚え中ですけどそこまでいけばもうほぼわかるよね?」
「うん!同じ風に数字が大きくなっていくんだもんね!」
「な、なら…私は何を教えれば…」
「す、すみません…このクラスは上位クラスの子で…計算問題でも大丈夫です…でも普通の子達は今のように一から数字から教えて頂ければ大丈夫ですから」
マルコさんがダイヤさんに助け舟を出す。
「計算問題を!?嘘…じゃ!じゃあ君!1+1は!?」
今度はミヅキに指を指して聞いてくる。
「あの人…ミヅキ様にこんな馬鹿な問題を…許せない…」
イチカがボソッと呟く。
ミヅキは後ろに座っていたイチカの方を見て…
「イチカ落ち着いて、ここでは私は生徒なんだから」
イチカを宥めるとダイヤを見つめて
「はい!2です」
ミヅキが笑顔で答える。
「先生!もう少し難しいくして貰えませんか?」
たまらずイチカが先生に発言する。
「も、もっと…では、7+8…」
「15」
言い終わらないうちにイチカが食い気味に答える。
「な、なんで…」
「あー…ダイヤさん、この子達はリバーシ工場で働いている子達なんですよ…ですから計算は結構得意で…」
マルコさんが汗を拭きならが答える。
「僕は今、かけ算習ってる!」
ラバが元気よく答えると…
「かけ算!嘘でしょ?」
「そうだぞラバ嘘つくなお前はまだ二の段しか言えねぇだろ?」
リクがラバを笑うと
「三の段まで言えるようになったもん!」
ラバがいーっとリクに噛み付く!
騒ぎ出した教室に…
「ちょ!ちょっと待って!なんでこんな子供が掛け算まで?おかしいです!」
ダイヤさんが叫ぶと教室がシーンとなってしまった…。
「ほらみんな!先生が困ってるから少し静かにしてちゃんと授業受けよう」
ミヅキが慌ててみんなを宥めるとみんなが集中して先生に注目する。
「ダイヤ先生すみませんでした、続けて下さい」
ミヅキがニコッと笑って先を促す。
「は、はい…」
ダイヤは一変した子供達にたじろぎながらも授業を続けた…途中マルコさん達が少し席を外したがダイヤさんの態度は変わる事なく終わった。
「はい、ダイヤさんお時間ですのでそこまでで大丈夫です」
マルコさんが時間が来たので扉を開けて声をかける。
「は、はい…すみません…不甲斐ないですもう少し勉強してからまた臨みます…」
ダイヤさんがしょんぼりとしながらみんなに頭を下げて教室を出ようとすると、マルコさんは慌てて
「ダイヤさん!まだ合否出てませんから控え室で待ってて下さい!」
「ダイヤ先生の教え方とても丁寧で分かりやすかったです!また教えて欲しいから頑張って下さい」
ミヅキが先生に声をかけた。
「あっ…ダイヤさん合格決まりましたね。あちらの控え室に移動しておいて下さい…」
案内役のビリーがミヅキの言葉を聞いてダイヤ先生を先導する。
「えっ…今ので決まったんですか?私…何も出来ませんでしたけど…」
不安そうにビリーと歩きながらダイヤが聞くと
「あー…うちの面接ってあんな感じなんで大丈夫ですよ、それに驚くのはこれからですから…頑張って下さい」
ビリーは苦笑いしながらダイヤを部屋へと連れていった。
「では次の方どうぞ」
マルコがまた声をかけると2番のクジを引いた教師が颯爽と入ってきた…。
「よろしく!ウエスト国の歴史や経済、産業等を教える予定のジェダだ」
若々しくハキハキと喋る姿は自信に溢れている、綺麗な顔立ちのいかにもモテそうなタイプの先生だった。
「では早速この国の歴史から…」
教室をサッと見渡すとニコッと笑って授業を始めた。
「…とのこのようにウエスト国は今の国王で15代目代となっているんだ!」
「「「へー!」」」
子供達から興味深げな声があがる。
マルコさん達が頃合を見て席を外すと…
「じゃあ授業はここら辺までにしてお互いを知るために質問とかないか?」
ジェダ先生が子供達の顔を見ると
「君はどうかな?」
そう言ってライラをみる。
「私ですか?うーん…では、なんで獣人達の差別が始まったのかお聞きしても?」
「獣人?そうだなぁ~あれは差別とは言わないよ」
「えっ?どういう意味ですか?」
ライラが眉尻を下げて先生を見つめる。
「あれは戦争による正しい判断だよ。よって今のあの待遇は仕方がない事なんだ。最近はそれを無くそうなんて声が多く出ているけど僕は反対だな!」
ジェダがハッキリと答えると…教室の空気が張り詰める…
「…それは…ジェダさんは獣人は奴隷のような扱いは当然だと仰っているんですか?」
ミヅキが先生に聞く。
「そうだね」
ジェダが笑って頷く。
「この学校には獣人の子供も受け入れると聞いてますが…そこはどう考えていますか?」
「えっ!そうなの?そんなこと説明でなんにも聞いてないけどなぁ…それって君の勘違いじゃないかい?こんな素晴らしい学校に獣人の子は入れないよ」
ミヅキはにっこりと笑うと…
バタバタ!ガラッ!
マルコさん達が慌てて教室に飛び込んで来た!
「ジェダさんありがとうございました!お時間です!」
ジェダを外に出してビリーに案内させる。
「ありがとう!じゃあみんなまた授業で会おうね!」
ジェダは笑って子供達に手を振った…
しかし手を振り返す子供は一人もいなかった…。
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